俺たちの世界は間違っている。   作:ゆきわぎ

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ひぎゃああああああああああ

ランキングに、入ってる…

コワイ!

が、がんばります。

評価、ありがとうございます!


不穏

日曜、昼←重要

 

すやすや、と寝息を立てていた俺は、何者かに無慈悲にも布団を奪われた衝撃で目を覚ました。

 

「お兄ちゃん!いつまで寝てるの!プリキュア終わっちゃったよ?」

「…………!?……!………なん、だと…?」

 

寝すぎた。この俺が、プリキュアを見逃した…?

 

俺が起き抜けに突き付けられた絶望に震えていると、今度こそ小町は呆れたように息を吐く。

 

「もー。ひ!る!ご!は!ん!できてるから、下にきてね?」

「…おう。」

 

ぱたぱたと歩いて行った小町の背中を見送り。のそり、と体を起こす。

 

ああ、何時もの休日の朝。

 

昨日のことなぞ夢だったんじゃないかとさえ思う。

 

ベットから体を出し、のたのたとドアへ向かう。

 

「鍵かけてんだけどなぁ」

 

開けっ放しのドアについた鍵穴に目をやると、ピッキングツールでついたらしい傷がついている。

 

最近部屋のものがなくなることが何度かあり、一応鍵をかけるようになったのだが。次の日の朝、小町はいつもの様に俺を起こしにきた。

 

念のため、鍵はどうしたんだと聞いたら。

 

「小町以外の人用の鍵なんでしょ?」

と言われた。それから3度ほど鍵を変えたが、効果が無かったので、小町の言っていたように、空き巣対策として使っている。

 

いつの間に我がスイートエンジェルシスターはピッキングなんて物騒な物覚えたんだろう。

 

誰の影響だろうか。

 

…………。

 

わかんないから大志とか言うガキの所為にしとこう。

 

お の れ 大 志

 

まあ、中に見られて困るものは置いていないからいいけどね。うん。

 

部屋を出てリビングに向かうと、テーブルに小町が座っていた。

 

食卓には湯気の立つ食事が並んでいる。

 

多すぎず、少なすぎない。起きて直ぐの胃には優しい和食だ。

 

もう小町が嫁でいいんじゃないかな。だめか。

 

「いただきます。」

「めしあがれっ!」

 

小町がにこにこと俺が食べる様を見ている。

 

小町は必ず俺が食べてから自分の食事に手をつける。妻か。

 

テレビの電源を入れ、ニュースをつける。

 

ー「先日品川駅で起きたテロについて、未だに瓦礫からの救助は終わっておらず。少なくとも十数名が未だ救助されていない状況です。この件について、"爆弾魔"と名乗るテロ組織から犯行声明があり、警察は詳しい関連性について調査中です。」ー

 

最初に流れるのは、昨日のテロの事だった。どれだけチャンネルを変えても、その話題で持ちきりだった。

 

「もー、せっかく二人でご飯食べてるんだからテレビは消してよー。」

 

と、小町はいつも通りの口調で、口を尖らせる。

 

「…ああ、悪い。」

 

ピッ、とテレビを消す。

 

品川駅で起きたテロ。

 

俺は何も出来てなどいない。

 

死者はおよそ400人、負傷者は300人。再開の目処は立たず、実行犯は見つかってない。

 

あの加恋とか言った女を捕まえた所で何も解決していない。あいつらは変わらず、暴力を、暴挙を繰り返すだろう。

 

"ファンタジー"が言っていたラバーズもまだ全員は出てきていない。

 

そもそも、あいつらの最終目的はなんだ?

 

ただ活動を活発にしているだけか?

 

いや、違う。あいつらは何かを狙っている。俺を狙っているという事をほのめかしていたが、どうにもそれだけだとは思えない。

 

間違いなく、何か目的がある。

 

俺達の見えない所で、何かを進めている。

 

「お兄ちゃん?どうかした?」

 

と、小町が俺の顔を心配そうに覗き込む。食べる手が止まっていたらしい。

 

「いや、すまんなんでもない。」

 

そしてまた俺は食べ物を口に運ぶ。

 

小町は、大切な家族だ。小町以上のものなんて、少なくとも今の俺は持ってない。

 

だが俺は、小町を見捨てようとした。独りに、しようとした。

 

我ながら馬鹿な判断だったと思う。結果的には助かったが、材木座がいなければ俺は死んでいた。

 

それでも俺は、何度あの場面に戻っても同じ判断をすると思う。

 

我ながら度し難い病気だと思う。

 

ー君は化け物だよ。

 

ふと、雪ノ下さんの言葉を思い出す。

 

ああ、全くもってその通り。

 

全くもって度し難い。愚かで、傲慢な化け物。

 

他人を救おうなんて、おごまかしい考えに取り憑かれている。

 

「ごちそうさん。」

「はい。お粗末様でした。」

 

食器を下げて、部屋に戻る。

 

ベットに横になって、天井を眺めた。

 

そこであの男、"凶弾"について考察する。

 

材木座義輝。

 

A&Aのスナイパー、"凶弾"と言えば、話には聞いたことがある。

 

そもそも狙撃というのは、戦場においてとても大きな役割を持つ。

 

銃撃戦が主な近代の戦闘では、どこから狙っているのかがわからない狙撃手というのは、小火器部隊では天敵なのだ。

 

いや、全ての部隊において狙撃と言うのは脅威である。

 

狙撃のバディ一組で対戦車分隊と同等の危険度を持つとも言われる狙撃手は、たった数発の弾丸で部隊の戦力を大幅に削ることができる。

 

部隊の指揮者が唐突に後頭部から頭の中身を根こそぎ噴き出したら、士気はだだ下がりだ。また、下手な装甲の車両では前進すらできず、回避行動も取りにくいので、必死に隠れなければならなくなる。

 

だがその危険度をゆえに、戦場では最も狙われやすいと言える。

 

だからこそ、狙撃手に最も必要な技能とは、精密な射撃より、偽装や工作なのだ。

 

そもそも、狙撃銃では最大でも3キロぐらいがせいぜいだ。これは戦術的には長いとは言えない。近距離と言ってもいい。

 

見つかったり、場所が悟られた時点で、野砲の標的となる。

 

"凶弾"は、その全てを完璧にこなすと言う。

 

ただの一度も外したことがないと言われる射撃技術。

 

狙撃以外にも、工作、地雷などで敵の戦力を減殺する。

 

また諜報、偵察に関しても優秀で、正確に部隊の指揮者を消していく。

 

そしてその姿を見られたこともない。(だからこそ高校生だなどとバレなかったのだろう。)

 

その上市街地。特にビル郡によって風の影響が出やすい中でも正確に当て、その上痕跡を悟らせない。

 

考えうる中で、最高ランクの狙撃兵だろう。

 

もし俺が材木座と戦えば。

 

もちろん近接戦では俺に分があるが、

 

俺が先に発見されれば、まず間違いなく勝てない。

 

材木座は、たった一人で戦況を変えうるレベルの兵士だ。

 

そこまで考えたところで、ヴヴヴ、と俺の携帯が震える。

 

私用の方だ。新着メッセージ一件。

 

"はろはろー。昨日はお疲れ様。大変だったみたいだね!今日はゆっくり休みなよー。"

 

…海老名さんか。

 

あの人もいまいち敵か味方かわからない。

 

俺にヒントを寄越したことといい、標的となっているビルまでのこのこ出てきたことといい。

 

まさか、由比ヶ浜達を守るためにか?

 

…あの人の事も、良く考えなければならないな。

 

一応、返信する。

 

"ああ、昨日は助かった。"

 

すると直ぐに既読がついた。

 

"気にしないでよー。面白いものも観れたしねー。あ、雪ノ下陽乃とは会った?"

 

…この人は。

 

"あんたどこまで知ってんだ。"

"仕事で会うことがあったんだよ。お得意様なんだよね。"

 

真っ黒じゃねぇか、あの魔王。

 

"あの人も、ラバーズか?"

"違うよ?凶弾も違う。A&A自体ラバーズはあんまりいない。君のとこは酷いけどね。"

 

やっぱりそうなのかよ。俺ステアにいて大丈夫なのか?転職しようかな…。

 

"まっ、明日学校で話そうぜー。"

"ああ、"

 

と言って、会話は切れた。

 

はぁ、なんかこう、距離ちけぇんだよあの人。勘違いしちゃうだろ。

 

告白してOKもらって家に連れ込まれて輪切りにされるまである。

 

輪切りにされちゃうのかよ。いや、まあされそうだな。

 

くそ、考えても仕方ない。今は忠告通り、寝ておくか。

 

 

 

 

 

 

…おやぁ?出られるんですか?

 

ああ、加恋も捕まったらしいしな。いい加減私も絡ませてもらおう。

 

そうですか。例の件は因みに?

 

仕事はきっちりやってるさ、貴様に心配されることはない。全く、何故私がちまちま工作活動なぞ…。お前こそもう出らんのか。

 

わたくしはここぞと言うとき、ベストなタイミングで再登場しますとも。いやぁ私が生きてるとなったら、彼は驚くでしょうなぁ。サプライズこそ私の生きる希望!

 

相変わらず気持ち悪いな。"ファンタジー"。

 

手厳しいですね。しかし、彼の一閃の感覚はまだこの首に残っています。ああ、もう一度彼と戦いたい!

 

貴様にはもう出番は回ってこないと思うがな。

 

はぁー。そうですよねぇ。禁忌の愛も酷な事をなさる。彼にはあまりにもあんまりなシナリオだ。

 

へぇ、哀れんでるのか。なら影喰らいについたらどうだ?

 

ふむ、まあ、勝ち目は薄そうですが、それもまた面白そうだ。

 

…軽薄なやつだ。

 

それが私ですので。

 

…あの男は私が殺す。これから起こる事を思えば、そちらの方が影喰らいのためだろう。

 

まあ、そうかもしれませんねぇ。"大戦の救世主役"など、少年が背負うにはあまりに重すぎる。

 

…ふん。

 

貴方はどちらにつくのです?

 

殺すと言っているだろう。

 

殺せなかったらですよ。

 

……………はぁ。さあな。




ご期待に添えるかどうかはわかりませんが!

結構長くなる予定です。文化祭とかも一応やる予定です。まだ分かりませんが。

話が、進まない!
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