孤高の歌姫に寄り添うために   作:秋元悠斗

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話のすじは浮かんでたけど、いざ文にしたら結構な長さに…今回は題名通りに紗夜さん回となります。
次回のキーパーソンとなるキャラも出てます。

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第2話「ライブハウスCiRCLEと氷川紗夜と湊友希那と有雅」

ーーー授業が終わり、放課後になる。

クラスメイト達はそれぞれが部活だったり、

教室で他愛の無い会話をする者もいる。

 

有雅は朝預けたスマホを確認すると、バイト先であるCiRCLEのオーナーからバイトに出てくれとのメールと、

有雅のギターのチューニングが済んだから出るついでに受け取りにこいとのメールだった。

 

「全く…まあ仕事が有るなら行きますし、久しぶりにギターも弾きたかったし」

 

有雅はそう言うと、鞄に教科書を詰めて下駄箱で靴を履き替えて校舎を出る。

所でCiRCLEが何かって言うと所謂ライブハウスで、俺は接客とホールスタッフのバイトとして働いている。

で何故俺のギターがこの店に有るのか、と言うと、バイトする前に此処を一人で練習する場所として使っていたら、それがオーナーの目に止まって。

 

「お前、此処で働く気は無いか?」

 

「そりゃあ…無くは無いですけど…」

 

「なら俺がお前さんの愛用のギターのチューニングをしてやる」

 

「で、その交換条件に此処のバイトをしろと?」

 

「そういうことだ」

 

こういう経緯があって、俺のギターはバイト先でチューニングを受けながら、俺はあのライブハウスでバイトとして雇われているわけだ。

そんな話をしていたら、聴きなれた幼馴染達の声が聞こえた。

 

「友希那、最近新しくできたアクセショップ行かない?」

 

「行かないわ」

 

「おーい、御二人さーん」

 

俺は二人に声をかけた

 

「有雅、今日の予定は?」

 

「特に無いならアクセショップ行かない?」

 

「悪い…バイトとギターチューニングが終わったらしいから行けねえわ」

 

「そっか…バイトじゃ仕方ないね」

 

リサはそう言ったが、そのアクセショップがCiRCLEの手前に有るらしいので途中までは一緒だという。

 

「なら行くわよ。」

 

友希那はそう言うと歩き始めた、二人も遅れないように後に着く。

前を歩く友希那をみながらリサは一言切り出した。

 

「ね、この話したくないのは分かってるけど…バンドメンバー、まだ探してるの?」

 

「えぇ、当然探してるわ、フェスに登録するために必要なメンバーは三人以上、今年こそは見つけなきゃ」

 

友希那がそう語る中有雅が言う。

 

「お父さんの為に…か」

 

「っ…」

 

「有雅…」

 

二人が言葉に詰まっている間に、有雅は友希那の父との会話を思い出していた。

 

「やぁ、来てくれたね、有雅君」

 

「で、俺を呼んだ理由は何ですか?」

 

有雅は友希那の父に呼ばれていた、少し話がしたいと。

 

「実はバンドを解散しようと思っているんだ」

 

「…そんな事したら友希那の奴は貴方の夢を認めさせると言い出しかねませんよ?」

 

友希那の父はそうだね…と言いながら一つのカセットテープと手紙を有雅に渡す。

 

「これは?」

 

「ラストアルバムに組み込まなかった曲の入ったカセットテープと友希那が僕のように音楽で苦しんだ場合に友希那にこの手紙を見せてあげてくれ」

 

有雅はそれを受け取る、すると友希那の父は君になら友希那の事を任せられる…と、言ったのを聞き逃さなかったが深くは聞かなかった。

 

「有雅、CiRCLEに着いたわよ…」

 

「有雅…また考え事?」

 

「まあな」

 

有雅はそう答えて友希那と一緒にCiRCLEの中に入っていった。

 

「やっぱり頑固なのは変わらないな」

 

リサはCiRCLEに向かう友希那の背を見ながらそう言った。

 

「オーナー、今日の仕事は?」

 

「有雅、来やがったか」

 

有雅は奥にいたオーナーに今日の仕事を聞く。

 

「有雅、今日はお姫様は来てるのかい?」

 

「そりゃあ…来ないわけが無いでしょう?」

 

「そうか、今日はホールスタッフだ、あとは…アンコールの準備はしとけよ」

 

「了解」

 

有雅は一言そう答えると着替えてホールへと向かった。

そしてホールに着いた有雅にあるバンドの音が耳に入る。

 

「有雅、このバンドどう思うかしら?」

 

「どうもこうも…ギターが飛び抜けて上手いせいで他のメンバーが完全に負けてやがる」

 

ホールに居た友希那に話しかけられて素直な感想を述べた。

 

「有雅もそう思うのね」

 

「友希那とギターやってた奴は誰だったかな?」

 

「それもそうね」

 

友希那は飛び抜けて上手いギターを聴いていた。

有雅は仕事をしながらそれを聞いていた。

 

「ありがとうございました」

 

そしてそのバンドが去った後に友希那が楽屋裏に向かうと、そのバンドが大喧嘩を終えた後で有った。

 

「貴方達のステージを見させてもらったわ、

ギター、とても素晴らしかったわ」

 

「いえ、最後の曲のコードチェンジを油断して、遅らせてしまいました」

 

そう紗夜と呼ばれていた少女は答えた。

それは友希那も今はホールに居る有雅も気付いていたが殆ど気にならない程度のミスである。

 

「紗夜と言ったわね、私から少し提案が有るのだけど、私とバンドを組んでくれないかしら?」

 

「え?」

 

紗夜と呼ばれた少女は困惑した、がこう答えた。

 

「すみませんが、貴方の実力が分かりませんので…今はお答えできません」

 

「私は湊友希那、今はソロでボーカルをしていて、World future fesに出る為のメンバーを探しているの」

World future fes、それはプロですら落選が当たり前の頂点と言われるイベント。

紗夜と呼ばれる少女もこのフェスに出る為にバンドを組んでいた、が実力が足りず諦めていた。

 

「私はもう時間を無駄にしたくはありません、ですから…」

 

「私の出番で今日は最後だから聴いてもらえれば分かるわ」

 

そう言われた事に対して紗夜が反論する。

 

「待ってください、貴方が音楽に対して本気なのかは、1度聴いただけで分かるとは限りません!」

 

「それは私に才能があって、それに甘えて努力をしない人間に見えるというの?、私はフェスに出る為なら何を捨てても良いと思ってる、貴方の理想と覚悟に自分が負けているとは、少しも感じないわ」

 

友希那の瞳に乗った強い意志に気圧される。

 

「分かりました、でもまずは1度聴くだけです」

 

「それで良いわ、充分よ」

 

少し場所は変わるが、CiRCLEの隣にはカフェテリアが有る、そこでは二人の少女達が団欒を楽しんでいた。

 

「あこね、最近ライブハウス通いにハマってるの、知る人ぞ知る、自分だけのバントを見つけるのって、すっごいカッコイイと思わない?」

 

「うん、そうだね」

 

相槌を打つ。

 

「でねっ、最近ついに見つけたの!、あこが憧れる、あこだけのカッコイイ人!」

 

「そうなんだ…あこちゃん、カッコイイの好きだもんね」

 

りんりんと呼ばれた少女は、あこの好きなタイプを答える。

 

「えへへ…だからさ、りんりんもライブハウス行こ?」

 

「…え?」

 

と言った直後に少女の顔が青ざめる。

 

「私、騒がしいの苦手で…」

 

「大丈夫!出演時間は確認してあるから!ねっ、お願い…行こ?」

 

「私…」

 

少女はもう一人の少女の手を引いて中に入っていった。

そしてその頃ホールでは。

 

「さてそろそろあいつの出番だな、ってリサ?」

 

「有雅、やっぱり気になって来ちゃった…」

 

リサを見つけたその時、有雅の後ろを顔面蒼白の少女と騒がしい少女が通り、ドリンクカウンターの前に立った。

 

「ありゃあ完全に対人恐怖症だな」

 

「あの…此処に居るのは…まさか」

 

紗夜と呼ばれた少女が有雅に話しかける。

 

「あぁ、全部友希那のファンだよ」

 

「本当?」

 

「おいおい、スタッフをバカにしちゃあいけないよ。」

 

有雅はリサと紗夜の質問に対して胸を張って答えた。

 

「じゃぁ、ちょいとドリンクカウンターの前に行ってくるわ」

 

そう言って有雅は青ざめた少女の肩に手を置く。

 

「大丈夫かい?」

 

「私…こういった所、あまり得意しゃなくて…。」

 

「おにいさんは前にも会ったこと有りますよね?」

 

有雅は前に友希那の演目を聴いた時に一人騒がしかったので、注意した事があった。

 

「成程、彼女に連れられて来たのか」

 

「はい、あの…友希那さんと言う方は…?」

 

有雅はその質問に対してもうすぐだから待ってな、と言おうとした時、会場か熱気に包まれる。

友希那の歌声がライブハウスに響き渡る。

その時有雅以外の全員が感じたものは、

言葉ひとつひとつが音に乗って、情景を成し、色になり、香りになり、会場が包まれていく様だ、と感じていた。

 

「本物、私の探していた人が…やっと見つかった。」

 

紗夜は自分が捜し求めていた人物を見つけて口を押さえていた

 

「さて…俺も準備するか。」

 

有雅はドリンクカウンターの前の少女達を目の前の店員に任せて、友希那の居る楽屋裏へと、自分の赤い薔薇が模様として彫られたギターを抱えて向かった。

 

「有雅、準備は出来てる?」

 

「あぁ、チューニング後の音も確認済みだ、行けるぜ。」

 

会場の熱気が冷めやらぬ中、アンコールを受けた友希那達を見た観客は更に舞い上がった。

 

「え…有雅?」

 

「あれ?お兄さん?」

 

「あの人は誰?」

 

「あれ…あの人…」

 

さっきまで一人で歌っていた筈の少女の隣に赤いギターを持った男が立っていた。

 

「さぁ…アンコール行くわよ!」

 

「おぅ!」

 

紗夜は友希那の音楽にも聴き入っていたが、それよりも自分より少し上を行く赤い薔薇のギターの男に目を奪われていた。

 

「私の歌、どうだったかしら?」

 

「文句のつけようがないわ、今まで聴いた音楽よりも貴方の歌声は素晴らしかった、だから、貴方と組ませて欲しいのだけど…」

 

「何か?」

 

「あのアンコールの時に赤い薔薇が彫られたギターを引いていた男の人は何処に?」

 

「あぁ…彼なら…」

 

有雅はリサにすごい形相で睨まれ、あこには何か期待を込められたような眼差しで見られていた。

 

「有雅?私の言いたいことは分かるよね?」

 

「お兄さんカッコイイ!」

 

「はい、何となく予想はついてます。」

 

と彼は楽屋裏で正座をしていた。

するとその時。

 

「有雅…これはタイミングが悪かったわね…」

 

「え?あの正座させられてる人が…あのギターを引いていた人なんですか…?」

 

紗夜は驚いていた、あんなに綺麗に歌声にギターを乗せていた人がこんな姿を晒していたなんて。

 

「で、何か御用かな?」

 

正座をしながら紗夜のほうを向き直り話しかける。

 

「ギターを私に教えてください」

 

「…分かった。」

 

紗夜の目から誰かに負けたくないという覚悟の現れを知った有雅は快く了承した。

 

「あの…お二人はバンドを組みたいんですよね…?」

 

とあこは聴いた。

 

「えぇ、そのつもりよ。」

 

「あこ、ずっと友希那さんのファンでした!、憧れてます!、だからお願いします!あこも入れて!」

 

紗夜と友希那は面食らった表情をし、有雅は、ほぅ?と言い、燐子はあこちゃん…?と驚いた表情をし、リサはえ?と言っていた。

 




第二話書き終わりました。
とりあえず紗夜さん加入まで話を進めようとしたら…1話や2話より文面が増えたり、あこちゃんをいきなり出すわけにもいかず、ライブハウスの隣のカフェテリアを文面に乗せたり、友希那の歌声を聴いた反応が少し薄いかもしれません。

さて、次回はあこちゃんがバンドに入るために努力するお話になります。
お姉ちゃんはちゃんと出ます。
3話をお楽しみに!
それと、読み難かったら、何処が読み難かったから、こうしたほうが良い、などのコメントを下さい。
それを元にして書き直しますので。

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