孤高の歌姫に寄り添うために   作:秋元悠斗

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さてなんだかんだで第三話。


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第3話「宇田川あこ、頑張る」

ーーあこと呼ばれた少女はこう言った。

 

「私は世界で2番目に上手いドラマーです!」

 

それを聴いた友希那はこう言った。

 

「私は2番である事を自慢する人とは組まないわ」

 

「まぁ…そう言われるよな」

 

有雅は友希那の言った一言に対して肯定した。

 

「絶対、諦めないんだから!」

 

あこは諦めてなどいなかったが。

 

「友希那さーん!」

 

「帰って。」

 

と言った感じに軽くあしらわれてしまう。

 

「今日も駄目、なんでかなぁ…あこ本気なのに。」

 

と、あこは気持ちが滅入ってしまう。

 

「りんりん〜今日もダメだったよ〜!」

 

とあこはチャットを知り合いの少女で有る白金燐子に送ると。

燐子からの返事はこう返ってきた。

 

「言葉だけじゃ…伝わらない事も有るのかもね」

 

「じゃぁ…どうしよう?」

 

返ってきたチャットに返答を返すと、次にこう返信が来る。

 

「私やあこちゃんが友希那さんの歌を好きになった瞬間の様に音で伝えられたら良いのに…」

 

と返ってきたチャットを見てあこは、音で…と呟いた。

そしてチャットがもう一つ届く。

 

「私もあの歌を聴いた時、すごいと思ったから。あの感覚を言葉だけで表すのはすごく難しいと思う、バンドって、そういう感覚で繋がるんだと私は思う。」

 

と返ってきたチャットを見てあこは、何かちょっと分かったかも、と呟いた。

 

「ただいまー」

 

すると後ろから声が聞こえる、あこの姉であり、ガールズバンド、Afterglowのドラムである、宇田川巴が帰宅したのだ。

 

「あっ、おねーちゃんおかえりー。」

 

とあこは姉に対して言う、それを見た巴は。

 

「今日もダメだったみたいだな、あこだけのカッコイイ人とバンドをやる作戦」

 

「そーなの…特にギターの紗夜さんって人のガードが固くて…」

 

と聴いた巴はこう言った。

 

「紗夜さん…、ってまさか湊さんとバンドを組んだって言うあの紗夜さんか?」

 

あこは驚いた。

 

「え?、おねーちゃん知ってるの!?」

 

巴はその反応を聴いて。

 

「ははーん、あこのカッコイイ人って湊さんか。」

 

と言った後に続けて言う。

 

「知ってるも何も…湊さんは高等部の先輩だよ、校内でもよくすれ違うし。」

 

そう言われてあこはこう答える。

 

「え?、湊さんって?」

 

「友希那さんの名字だよ、中等部と高等部って校舎が違うから割と気付かないもんだしな。」

 

と言った後に巴は話を続ける。

 

「それと家のダンス部のリサさんの親友でもある。」

 

と聴いたあこは。

 

「えー!、リサ姉の歌の上手い親友の事、あこ、良く聴いてるよ!」

 

と聴いた巴は更に話す

 

「そして湊さんとリサさんにはあと一人幼馴染がいるらしい、ライブハウスで働いてるとか。」

 

と聴いた途端にあこは誰なのかを瞬時に理解する。

 

「あー!、あの日のホールスタッフの男の人!?」

 

巴はいきなり叫ばれた事により耳を抑える。

 

「つっ…、あぁ…CiRCLEであこが怒られたって人か?」

 

その問にあこはこくこくと頭を下げる。

 

「あの人なら友希那さん達に認めさせる為の楽譜をくれるかも。」

 

とあこが言った。

すると巴が

 

「幼馴染だから少しは取り付く隙をくれるかも知れないな。」

 

と言った。

そしてそのまま日にちは過ぎて翌日の放課後。

 

「で、俺に友希那が歌っていた楽譜が欲しいと。」

 

と事の顛末を知った有雅が顎に腕を当てて立っていた。

 

「ダメ…ですか?」

 

あこは困った顔をして有雅を見る。

 

「別に駄目とは言わんが…アイツに認められたいなら、生半可な努力じゃぁ、駄目だ。」

 

有雅は昔から彼女を見てきているため、彼女が必要とする人材に求められるスキルを知っている。

 

「…お兄さん、ギターを引いてください。」

 

するとあこが有雅に対してギターを引くように頼む。

有雅は少し驚いた顔をしたが、彼女の覚悟を感じ取ったのか。

 

「オーナー、今から3時間。」

 

「火がついたか?有雅?」

 

オーナーにそう言われた有雅は、

 

「えぇ…、彼女の音を聞いてみたくなりましてね。」

 

それを聴いたオーナーはフッ…と笑った。

 

「有雅、お前のギターはいつもの所に有る、嬢ちゃん、スティックは自分の手にしっくりくる位が丁度良いからな。」

 

とだけ言って、裏へと引っ込んで行った。

 

「全く、ちゃっかりしてやがるぜ。」

 

と有雅は言った。

 

「どういう事ですか?」

 

あこが聞くと有雅はこう答えた。

 

「スティックが重過ぎると音楽を連続で演奏するから自然と腕が疲れちまうし、かといって軽すぎると音が出ないからロック系のバンドとしては駄目になっちまう。だから腕にしっくりくる位かつ音が出る四角型が良いだろう。」

 

と有雅が話していたことを聴いた上であこが選んだのは、オークの四角形のスティックだった。

あこがスティックを選んでるあいだに有雅は自分のギターの音色を聴いていた。

 

「良し、こっちは準備OKだ。」

 

「私もスティックが決まりました!」

 

二人の準備が出来たので練習と言う名のデュオセッションが始まる。

 

「行きますよ、ワン、ツー、スリー!」

 

あこが合図をすると二人は楽器を演奏し始める。

 

「ほぅ?…筋は悪くない、流石はあの姉にこの妹か。」

 

有雅はライブハウスで働いてるためにAfterglowの曲を聴いたことも有るので、姉妹の本質が良く似てる事を音を聴いて感じていた。

 

「ギターだけなのに…自然とスコアの叩く場所が分かる…。」

 

あこは有雅のギターに引っ張られるのを感じながら、それに食いつく様にドラムを叩いた。

そして、あっという間に3時間が過ぎた。

 

「有雅、時間だ。」

 

オーナーが顔を出して言う。

 

「マジか。」

 

「嘘…」

 

二人は息を切らしていたがあまりにあっという間であったかのように過ぎた時間を見ていた。

 

「で、どうですか?」

 

セッションが終わってからあこは有雅に聞く。

 

「ほら、これが御目当ての品だ。」

 

有雅は1冊のスコアを渡す。

 

「これが…友希那さんの…?」

 

あこはスコアを受け取ってこう答えた。

 

「あぁ、あの時の歌のスコアだ。」

 

有雅ははっきりと言い切った。

 

「あの、お兄さん!」

 

あこが有雅を引き止める。

 

「ん?まだ何か用か?」

 

有雅はくるっと振り向いて答える。

 

「今日のセッション、ありがとうございました!」

 

あこはぺこりと頭を下げた。

 

「気にすんなよ、俺も久し振りに熱くなれたわ」

 

有雅はあこの頭をそっと撫でると自宅への帰路についた。

 

「よーし…やるぞー。」

 

あこは撫でられた部分に手を当てて、家への帰路についた、そしてあこは貰ったスコアがボロボロになるまで使い込んだ。




ここまで読んで頂きありがとうございました。
バンドストーリーとも漫画とも違う展開にしたくて主人公との二人でセッションを行いましたが、いかがでしたでしょうか?


さて、次回はリサと引き続きあこに視点を当てたいと思っております。

次回もできる限り早く出せる様に致します。

さて…漫画の三話読んでないから漫画自体を買いに行かねば。
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