クロスアンジュ 天使と竜の輪舞 アドベント・オブ・チルドレン 作:オービタル
『隊長日誌 三月三日ドラゴン出現。我が隊に出撃令が出される。だが、またもアンジュが命令を無視し独断先行。アンジュ単騎にて突撃し目標を撃破』
その日の夜、サリアは自室でこれまでの作業内容を記録に残していた。
『しかし突如もう一体のドラゴンが出現、これをグレイスのリベリオンが撃退した。規律遵守の徹底それが出来ないのであればアンジュをヴィルキスから降ろすべきだと私は考えている』
そうサリアはまとめた内容をパソコンに打ち込んで、データを保存しパソコンを閉じた。
そしてまた翌日後…。
『隊長日誌、三月四日。アルゼナル外部より入伝あり』
アルゼナルの執務室で外部からの入伝をジャスミンがジルたちに言う。
その中に何故かグレイスも呼ばれていた事にサリアが疑問を持っていたのは言うまでもなかった。
「『ガリアの南端に到達、しかし仲間の姿は見当たらず。そこでドラゴンと遭遇し、所持していたパラメイルで撃退した。今後はミスルギ方面に移動し、捜索を続ける』。生きてたんだね、あのはなたれ坊主」
「フッ」
「タスク…? はっ!」
「そうだ」
ジルはサリアがある事に気が付いた事に頷く、それは流石のグレイスには分からなかった。
「アンジュを助けたのがあいつだったなんてね」
「じゃあヴィルキスを修理したのはその『騎士さん』だったんだ!」
「(?…騎士??)」
メイがマギーに言いながらマギーは「多分ね」と言う。グレイスはメイが言った言葉の意味が分からず、頭を傾げる。
「まさか…アンジュはグレイスが見つけてくれるまで、そのタスクと二人っきりだったって事?!」
サリアは思わず頬赤くして、アンジュとタスクの事を思う描く。それにこっそりとグレイスはニヤリと笑っていた。
ジルは煙草に火をつけ、一服した後に言う。
「ジャスミン、タスクとの連絡は任せたよ。いずれまた『彼ら』の力が必要になる」
「はいよ」
その事にグレイスはまたも疑問点が浮かび上がる。ジルが言った彼らとは一体何なのか、それはまだ分からん事だった。
そしてグレイスはその事に問う。
「ん? 彼ら……誰なのですか?」
「秘密の組織だ♪」
ジルはそう言い、グレイスにジルの目的であるリベルタスを話すのであった。
『隊長日誌 三月五日』
食堂でエマが何やら叫んでいた。
「ありえないわ!人間がノーマの使用人になるなんて!」
エマはアンジュがモモカを買い取った事にまだ納得していない様だった。
「ノーマは反社会的で無教養で不潔で、マナが使えない文明社会の不良品なのよ!?」
「はいはい」
アンジュは空になった器を置き、モモカが次の食事を差し出す。
「モモカさん! あなたはそれでいいの?!」
「はい!わたくし幸せです!」
満面な笑顔で言うモモカにエマは思わず呆れかえるのだった。
それを見ていたヴィヴィアンは飲み物を飲みながら言う。
「良かったねモモカン、アンジュと一緒に居られて」
っとその中でエルシャがため息をする。
「ん? どしたのエルシャ?」
「もうすぐフェスタの時期でしょ? 幼年部の子供たちに色々と送ろうか迷ってるんだけど…」
エルシャが通帳を見て苦笑いしながら言い、それにサリアが聞く。
「アンジュのせい? 何とかしなくちゃ…」
「どんな罰でも金でなんとかするだろうねアイツ…聞きやしないさアンタの命令なんてさ」
アンジュの事を考えているとヒルダがサリアに何やら嫌みそう言い放って。
「何が言いたいの?」
「舐められてるんだよアンタ。ゾーラが隊長だった時はこんな事なかった筈だけどね現隊長さん?」
っと挑発行為の様な発言に聞いていたココとミランダが止める。
「あの…」
「流石にそれは言い過ぎなんじゃ…」
「アンタ達は黙っていな!」
「「ひっ!?…」」
二人が収めようと止めようしたがヒルダに黙らされしまう、っとサリアがその場を立って、食堂を後にしようとしたその時。
「あ〜りゃりゃ、あの性根臭い小娘は…相当のプライドを持っているねぇ」
「誰?」
いつの間にかサリアの隣に、白衣を着た幼女が立っていた。
「申し遅れた。私はこのアルゼナルに先日お越しになったマナ専門の科学者のアカリじゃ♪お主はサリアじゃろ?妹やメタリカ、セシルから聞いているよ……特に妹はお前さんの趣味も知っている♪」
アカリはニヤニヤしながら、サリアを見る。
「!?」
サリアは驚き、顔を赤くしながら、食堂を出る。アカリが今度は、セシル、メタリカと一緒に配給食を食べているグレイスとティアを見つける。
「ティアを……アルゼナル特装小隊にスカウトさせたい?」
「そう、何時までもグレイス君がティアちゃんの分のキャッシュを稼ぐのは辛いでしょ?だから、ティアちゃんをアルゼナル特装小隊の一員として、訓練させたり、パラメイル操縦法を学ばせたいの…。」
「はぁ…それは構いませんけど、本人は……」
グレイスはティアを見るが、ティアは首を横に振る。
「ん〜…困ったなぁ」
グレイスがそう考えていると、
「何かお困りの様だねぇ、少年♪」
「?」
「あ、博士♪」
セシルとメタリカがアカリに手を振る。
「博士?」
「それは置いといて、話の続きになろう。そのティアと言う少女……君が面倒を見ているのだろ?」
「え?はい…」
「その子が何故、戦うの拒否するか……それはコミュニケーション不足なんじゃ」
「コミュニケーション不足?」
「人は学べば知力が増す。この子にはその知力と……話し相手の友達が必要なのじゃ。」
「それって…ただ単に寂しい思いをさせないことなのですか?」
「そういう事だ♪」
グレイス達は、ティアの知力を高める為、ジャスミンモールで面白さと楽しさを学ばせるのであった。