クロスアンジュ 天使と竜の輪舞 アドベント・オブ・チルドレン   作:オービタル

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第十八話:外界の未確認生命体

 

各国の中の国『ガリア帝国』。元首はミスルギ皇国と同じ皇帝であり、支配権度はミスルギ皇国よりも高く、ノーマをその場で射殺されるか、連行されるか、奴隷にされるかの三つの選択権に分けられていた。その帝国で大事件が起きた。逃走中のノーマを追いかけていた憲兵二名が行方不明となり、翌日…行方不明となった憲兵二名が川原で無惨な姿で発見された。他の警官と刑事は現場の状況目のあたりにし、あまりにも無惨な死体に刑事たちは吐き気をしており、中にはトラウマになりそうな者もいた。捜査もするが、何も根拠も跡もなく、人々からはこの虐殺事件を『姿なき殺人鬼事件』と呼ばれるようになった。

 

さらに、ローゼンブルム王国にも大事件が起こった。湖を航行していた遊覧船に乗っていた乗客乗員100名が突然船と共に沈み、この事件で一人の生存者を保護し、生存者の証言からは「湖の悪魔」との事であった。王国はその湖を調査するが、根拠もなかった。しかし、表向きはそう発表されているが、裏ではあの事件で、捜査していた人が、蛸のような巨大生物が泳いでいたとの事であった。

 

 

この二つの事件に各国の元首達は頭を悩まされていると、ヴェルダ王朝で新たな事件が起こった。ヴェルダ王朝女子学院生達、教師を含めた全員が、海岸で骨となって見つかったの事。その残骸の中に奇妙な写真が撮られていた。

それは全身が葉っぱや苔、腕が葉がついた弦、脚は大きな華と一体化しており、弦で人を捕まえていた。

もう一体は、体が鋼鉄で覆われており、上半身ドラゴン、下半身が馬、そして両腕に2本の大剣を持って人を切り裂いていた。最後は、甲殻で覆われた蛸が、人を海の中に引きずり込んでいた。このような恐ろしい生物と今までの事件が繋がり、三体の未確認生物を『Unidentified Mysterious Creature』通称"UMC"と呼称とした。その未確認生物と呼ばれる化物が起こした事件は、世界各国にも提示されるようになり、さらに他の生物を多く見られるようになったと……。

 

 

 

「9年前……その事件は今も続いており、ミスルギ皇国やエンデラント連合にも見られるようになった……」

 

ミスルギ皇国の森林でタスクは、昔の新聞を……読み上げる。

 

「人を喰らいし生物"UMC"……この近くの森の中に彼女……"深緑のナナリー"がいる筈…」

 

タスクはそう言い、森の奥を探索する。奥に入ると、明るかった筈が、薄暗く気味が悪くなり、霧が立ち込む。

 

「何だか、血の気が引くなぁ……」

 

タスクは用心しながら進んでいくと、彼の頭上の木の上に何かが通り過ぎる。

 

「?……」

 

タスクはそれに気づき、ホルスターからピストルを抜く。辺りを警戒している時、彼の頭上から弦が伸びる。

 

「っ!!」

 

タスクはそれに気づき、上を見る。それは体中が樹木や覆われており、巨大な脚が地面に踏み込むと、地面から草花が一気に咲く。全長4メートルもあるその姿は正に"化物"と言ってもいい。タスクはピストルを構えながら、怪物に問う。

 

「エグナントさん!」

 

「?」

 

怪物…エグナントはその名に反応し、立ち上がる。

 

「俺です!……タスクです!」

 

タスクは自分の名を言い、はタスクを見る。

 

「……タ…ス…ク…」

 

するとに異変が起きる。急に苦しみだし、体が縮んでいく。そして数分も経たないうちに、症状は収まり、白い長髪、獣の様な赤い目、緑の衣を着た老人になっていた。

 

「久しぶりだね、エグナントさん」

 

「こちらもじゃよ、タスク……」

 

「…変わりませんね、その姿は♪」

 

「もしかして、儂の肩を揉みに来たのか?」

 

「それもあります…」

 

「ホッホッホッ♪」

 

《ハデ・エグナント》こと、『大樹のエグナント』。別名では『ハデ・キュクロプス』と呼ばれている。死んだタスクの両親の代わりに彼を育て、狂った科学者であるジャスミンの実姉であるアイカに引き取られ、四天王やエンブリヲ、Dr.ディメントの動きを探っているとの事。

 

「そう言えば、『湧水のダスト』さん、『淡水のガリィ』さん、『深緑のナナリー』さん、『岩壁のトーマ』さん、『紅蓮のアツマ』さんは?」

 

「あいつ等は……四天王の二人である者と戦っておる」

 

「え!?」

 

「心配するな、タスク……彼等を怒らせたら、大変と言うのは分かっておるじゃろ?」

 

「まぁ、確かにそうかもしれませんが……本当に大丈夫なんですか?」

 

「なぁに、奴らには儂等からの痛いプレゼントじゃ、今頃、存分に味わっているじゃろ♪」

 

「はあ……?」

 

「それで?……儂に用があって来たのじゃろ?」

 

エグナントは鋭い眼差しで、タスクを見る。

 

「はい、…彼……RBL-1272と出会いました。」

 

「……RBL-1272か、懐かしいのぉ」

 

「他にも、ラルスって言うリベリオンに組み込まれたコンピュータも……」

 

「ホッホッホッ♪まさか奴が再起動するとは…そろそろ近いか…」

 

「リベルタスですか?」

 

「そうじゃ、タスク……ヴィルキスだと互角になるが、RBL-1272とリベリオン、ラルス、そして儂等が揃えばエンブリヲなど恐れる事などない」

 

「けど、RBL-1272は……ううん、グレイスは…自分の記憶がないって……」

 

「何!?……そうか………ところでタスクよ」

 

「はい?」

 

「ヴィルキスの乗り手は現れたのかい?」

 

「はい…名前は、アンジュです。」

 

「アンジュ…アンジュ……あぁ、アンジュリーゼ・斑鳩・ミスルギか……この皇国の元第一皇女さんだっけ?ジュライ・飛鳥・ミスルギとソフィア・斑鳩・ミスルギの?」

 

「はい」

 

「そうか……あの二人も、エンブリヲのやろうとしている事に気づいたな……それで、ジュライはどうしているのだ?」

 

「……絞首刑されました。」

 

「何と!?惜しい男を亡くした……それで?」

 

「現在ミスルギ皇国は、神聖ミスルギ皇国へと変わり、絞首刑にしたジュリオが、皇帝に即位しました。」

 

「あの馬鹿皇太子か……親父さんとお袋さんのやろうとした事に、恥を知るがいい」

 

「ですね……」

 

「それに……その馬鹿皇帝が何やら、予たらぬ事を始めている…」

 

「え?」

 

「その皇女さんの侍女を使いとして、アルゼナルへと送ったとの情報を、ソフィアの薔薇やそこらの木、草花が教えてくれた……"あの皇女さんを、根絶やしにする為にと"…」

 

「何だって!?」

 

「それに……他にも何か……何だと!?」

 

動揺するエグナントにタスクは声を掛ける。

 

「エグナントさん?」

 

「まさか……彼女が……」

 

「彼女って……まさか!?」

 

「そのまさかだ……彼女はアルゼナルにいる…」

 

「え!?」

 

「しかも、奴らは何か途轍もない物も開発したらしい……」

 

「どうすれば!?」

 

タスクが問うと、エグナントは巨大化し、大樹の巨獣へと変身した。

 

「何れは、わかる……」

 

エグナントはそう告げ、霧の中へと消えていった。タスクは急いで森から出て、機体をミスルギ皇国の皇都へ進路を変えるのであった。

 




タスクを育ててくれたハデ・エグナント……"ハデ"はティグリニャ語(エリトリア、エチオピアの公用語のひとつ)で数字の1を意味しています。他の10人もと言うより、グレイスやティア、そしてもう一人にも名付けられております。
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