クロスアンジュ 天使と竜の輪舞 アドベント・オブ・チルドレン   作:オービタル

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第二十四話:襲撃者・後編

 

達が向かう場所の独房に居るヒルダは先ほどの衝撃で体制を崩していて、頭を押さえながら立ち上がって来る。

 

「いっつ~…! んだよ!何が起きんだよ!?」

 

ヒルダは外を見渡そうとすると、目の前にある物が来る。それは突っ込んで来たドラゴンだった。

 

「い!?」

 

ヒルダは慌ててその場を離れると同時にその場所にドラゴンが突っ込んできて、そのまま檻を突き破って死んでいく。

そして到着したグレイス達はヒルダの安否を確かめる。

 

「ヒルダさん! 無事ですか!?」

 

「おう!あたしは無事だよ!」

 

グレイスの問いに答えるかの様にヒルダが出て来て、グレイスは檻の扉を持っていた刀で切り裂いて、扉を壊してヒルダを出す。

 

「助かったぜ!アンジュ!」

 

「良かった、でも出したのはグレイスだからグレイスに言いなさい」

 

「分かってるって、ありがとよ」

 

ヒルダはグレイスにそう言い、グレイスは頷く。

 

「よし、それじゃパラメイルの所に戻りましょう! 何があったか見に行こう!」

 

それにアンジュ達は頷いてパラメイル格納庫に戻って行く。

 

 

謎のパラメイルの光学兵器の攻撃で、戦場の戦況は変わり始めていた。

 

「第二中隊全滅! 第三中隊!隊長と部下四名以下ロスト!」

 

パメラの報告を聞いたジルはすぐさま次の指示を出す。

 

「残存部隊を後退!第一中隊のサリア達に集約。サリア達を出せ!」

 

「了解!」

 

パメラはすぐに通信し、ジルは上空のパラメイルを見ながら思った。

 

「(あの武装…まさかな…)」

 

そして格納庫内でドラゴンと戦っているサリア達に命令が下る。

 

「了解! 皆!パラメイルに騎乗!」

 

「「「イエス・マム!」」」

 

サリア達が自分達のパラメイルに搭乗している中で、その時にジルからサリアに通信が来る。

 

『サリア、もう説明しなくても分かってるな?』

 

「はい」

 

『よし。それとアンジュはどうした?』

 

その事にサリアは重い表情で言う。

 

「…グレイスがヒルダを連れて来ると言って共に行きました」

 

『そうか、人手は多いが良いと考えたか。なら戻ったらアンジュにすぐに伝えろ、あのパラメイルはヴィルキスでないと無理だ』

 

っとその事を聞いてサリアは思いつめた表情で言う。

 

「…司令、私がヴィルキスで出ます!」

 

『黙れ! 今は命令を実行しろ』

 

その事にサリアは思わず反論する。

 

「お願いです!司令!!」

 

『黙って命令に従え』

 

そう言い残してジルは通信を切る。それにサリアはどうしても納得が行かなかった。

 

「どうしてよ…ジル。(ずっと…ずっと頑張って来たのに…! なのに!)くっ!!」

 

するとサリアはアーキバスから降りて、ヴィルキスの方に向かい。それにメイが思わず振り向く。

 

「え!ちょっと!」

 

「サリア!!」

 

サリアは二人の静止も聞かずにそのままヴィルキスに搭乗して皆に言う。

 

「サリア隊!出撃!!」

 

「「「イエス・マム!!」」」

 

デッキから発進したヴィルキスを含むパラメイル隊はドラゴン迎撃の為に出撃して、後から来たエグナント達がヴィルキスにサリアが騎乗しているの見て呟く。

 

「あの小娘……正気か?」

 

 

そしてグレイス達は急いで格納庫に戻っていた、っが目の前に壁が崩れてしまい、道がふさがれてしまった。

塞がれた事にヒルダに怒りが出る。

 

「おいおい!こんな時に何だよ!」

 

「任して!」

 

グレイスが前に出て、瓦礫を軽々と持ち上げ投げ捨てる。たった数秒で瓦礫がなくなり、道が開けたことに、アンジュ達は驚きを隠せない。

 

「お前…一体何者だよ?」

 

「僕は…ただのグレイスですよ、それだけです。」

 

そう言ってグレイスは前に進み、それに続くかの様にアンジュ達も進む。その中でタスクがある事を言う。

 

「グレイスって不思議だね」

 

「え? 何がですか?」

 

「いやほら…、グレイスは俺やアンジュ達とは違って。まだ知らない事が多い気がしてさ、一体何をしたらあんな風になれるのかなって思って…」

 

「……わかりません」

 

「分からないって!?どういう事なの?」

 

「分からないんです…だけど、ここで立ち止まったら、行動できなくなると思って…それで…」

 

「あんな風に出来たと?」

 

「はい…」

 

グレイスはそう呟き、パラメイルの格納庫へ向かっていった。

 

 

そして上空では生き残っていたパラメイル残存隊がドラゴンの攻撃から必死に逃げまくっていた。

内の一体がドラゴンに追われていた。

 

「うわあああああああああああ!!!」

 

っとその時に味方が来てくれて難を逃れる、第一中隊のサリア達がドラゴン達に向けてマシンガンを撃つ。

 

「皆!一度下がって補給を!」

 

「ここはアタシ等が引き受けたなり~!」

 

エルシャとヴィヴィアンが残存隊にそう言って、その部隊は頷きながら撤退して行く。

臨時司令部では発進したのを確認する。

 

「第一中隊、出撃しました!」

 

「よし…」

 

ジルはパメラの報告を聞いて、無線機を取り話す。

 

「アンジュ、聞こえているな?。お前の敵はあの所属不明機のパラメイルだ、未知の大出力破壊を搭載している。注意してかかれ」

 

『分かっているわ、ジル』

 

っとその音声を聞いたジルは驚いた、何とヴィルキスに乗っているのはアンジュではなくサリアであった事に。

 

「サリア!? 何をしているサリア!降りろ!命令違反だぞ!」

 

『黙ってて!!』

 

それにジルはサリアの異変に気付く。サリアはハンドルを握りながら言う

 

「分からせてあげるわ…、私がアレクトラの代わりに慣れる事を!!」

 

っとそう言って通信を切り、それにジルは舌打ちをする。

 

「チッ、馬鹿が…(あれは『皇族』の者しか乗れんものだ!)」

 

 

そしてパラメイル格納庫に到着したグレイス達は目の前の光景に驚く。

それはアルゼナルの外壁がごっそり抉られていたのと、ヴィルキスがない事に…。

 

「ない!?どうして!?」

 

「メイちゃん!アンジュさんのヴィルキスは?」

 

リベリオン達の準備をしていたティアとメイはグレイスに呼ばれて向かって言う。

 

「それが!」

 

「サリア様がヴィルキスに乗って出たの!」

 

その事にグレイス達は驚いて空を見る。ドラゴンと戦っている場所でサリアがヴィルキスを操っているのだと…。

 

その中でアンジュはタスクの飛行艇に乗り、それにタスクは唖然とする。

 

「あ、アンジュ?」

 

「お願いタスク、私をヴィルキスまで運んで?」

 

タスクはアンジュの願いに頷き、グレイスもリベリオンに乗り込みハンドルを持つ。

 

「行くよ…ラルス!グレイス機!リベリオン出る!!」

 

グレイスのリベリオンが先に出て、タスクの飛行艇にヒルダのグレイブ・カスタムが発進する。

 

そして戦場ではサリア達がドラゴンを撃ち落として行く中で、サリアは単体で不明機のパラメイルへと向かう。っが出力が上がらない事にイラ立ちを現す。

 

「もっと!もっと早く飛べるでしょ!?」

 

その時にドラゴンがやって来て、それにサリアは追い払おうとヴィルキスで蹴る、だが逆に弾かれてしまい飛ばされる。

何とか体制を整えて、呼吸を整えながらもヴィルキスの性能に驚きを隠せない。

 

「嘘よ…ヴィルキスがこんなにパワーが無いなんて…(アンジュの時はもっと…!)」

 

サリアが考えてる中でドラゴンが攻めて来る。その時にサリアを狙っているドラゴンをリベリオンが撃ち落とす。

 

「え!?」

 

それにサリアは振り返る。そして通信から会話が聞こえる。

 

『タスク!もっとスピード上げて!』

 

『良いけど、この体制だと君が落ちるよ?』

 

『その時はタスクを恨むわ』

 

『ええ!?』

 

っと戦闘中であろうに何とも賑やかな会話が聞こえて来る。

 

『タスクさん、アンジュさん…どうやったらそんな馬鹿夫婦みたいになったのですか?』

 

『なっ!!違うわよ!!!』

 

『そ、そんなに否定しなくても~…』

 

グレイス達がやって来た事を知り、それにサリアは驚く。

 

「!?」

 

「アンジュ!」

 

「グレイス君!」

 

ヴィヴィアンとエルシャがグレイス達が来た事に声を上げ、飛行艇はヴィルキスの横に付く。

 

「サリア!私の機体返して!! アイツは私がやるわ!」

 

「私のヴィルキスよ!! あなたはそこでタスクといちゃついてなさい!!!」

 

そう言ってサリアは不明機へと向かって行き、それにタスクは舌打ちする。

 

「(くっ!あれは普通の機体じゃない…! 君では乗りこなす事は出来ないのに…!)」

 

不明機と向かって行ったサリアはヴィルキスのライフルで攻撃するも不明機は遊んでいるかの様にかわし、それにはサリアは怒りが溜まる。

 

「馬鹿にして…!」

 

そんな時にジルの言葉を思い出す。

 

《どんなに頑張っても出来ない者は出来ないのだ》

 

それにサリアは否定するかのように頭を横に振る。

 

「そんなはずない! 誰よりも頑張って来たのよ!!私!!」

 

《無駄だ》

 

っと目の前に不明機が現れヴィルキスを蹴り飛ばし、海へと落ちて行き、それに皆は見る。

 

「はっ! タスク!向かって!!」

 

「乗り込む気だね? 分かった!」

 

そんな中でタスクはアンジュの指示に従いヴィルキスへと向かい、飛び移れる位置まで寄せる。

 

「よし!アンジュ今だ!!」

 

それにアンジュは頷いて飛び移り、サリアの手を退かす。

 

「無駄よ、もう距離が…」

 

「無駄じゃないわ! 私とヴィルキスなら!!」

 

っと一気にスラスターをフルにして、海面ギリギリで浮上して、サリアを掴んでヒルダに連絡する。

 

「ヒルダ!」

 

『何?』

 

「落とすから受け取って!」

 

『はっ!?』

 

その事にヒルダを含めグレイス達は驚きを隠せず、そしてアンジュはサリアを放り投げてしまった。

 

「うわわわああああ~~!!!!」

 

「ええ~~!!??」

 

ヒルダは突然の事に慌てて拾いに行き、何とかサリアをキャッチして後部に乗せる。

 

「はぁ…はぁ…はぁ…、別料金だぞ!!馬鹿姫!!」

 

それにアンジュは笑みを浮かばせて、不明機を見る。

 

「さ~てやりましょうか!」

 

アンジュはヴィルキスを飛翔形態から駆逐形態へと変形させて、グレイスもそれに続く。

 

「それじゃ、僕達も!」

 

『了解!』

 

グレイスもリベリオンを変形させ、リベットガンを乱射し、パドルデーゲンを展開する。

アンジュの援護に向かおうとするがアンジュはその不明機と互角の戦いを繰り広げていた。

それに二人はただジッと見ていて、タスク達もその様子を見ていた。

 

そしてアンジュはその不明機を蹴り飛ばして、不明機は距離を取り、歌を歌いだす。

その機体の色は赤色から金色へと変わる。それにアンジュは気づく。

 

「これは…」

 

それは永遠語りと似ていて、それにアンジュは同じように歌いだす。

 

「♪~♪」

 

するとヴィルキスの色が金色に変化して両肩が露出展開し、それを見たグレイス達、そして臨時司令部のジルも目にする。

 

「あれは…!」

 

そして同時に、リベリオンのコンソールが光だし、天使のマークが表示される。

 

『【ディスコード・フェイザー】発射スタンバイ』

 

「え?」

 

ラルスの音声と共にリベリオンの装甲が不明機とヴィルキス同様金色へと変わり、両肩だけでなく、飛行補助の翼が露出展開する。

ヴィルキスと不明機、リベリオンから光学兵器が発射されて、同時にぶつけ合う。

そして強烈な光が包まれて行き、グレイスは目を開けると不思議な空間へと居た、そこにはヴィルキスの姿もあった。

 

「これは…」

 

『偽りの民が、何故『真なる星歌』を?』

 

すると目の前に不明機が現れて、そしてその不明機からコクピットが開かれて人が現る。

 

それにアンジュも負けずに出て来て、グレイス達の出る。

 

「あなたこそ何者!? その歌は何!!」

 

するとグレイス達の回りにある光景が広がる、それはある服装や戦争をしているグレイス達の姿をしていて、それにグレイス達は目を奪われる。

っとその女性からの機体にある警報がなり、それにグレイス達は向く。

 

「時が満ちる…か」

 

「ちょっと!」

 

アンジュはそれに慌てて言う。

 

「真実は『アウラ』と共に」

 

そう言いってその不明機は残りの機体とドラゴン達と共にゲートの先へと消えていった。

グレイスはその女性から放たれた言葉に唖然としていた。

 

「アウラ……はっ!」

 

《忌まわしきエンブリヲめ!!【アウラ】を奪った事を後悔するが良い!!》

 

初物との戦闘時に聞こえたあの言葉を思い出すグレイスは、【アウラ】と言う言葉を思い出す。

 

そしてアルゼナル臨時司令部で見ていたジルは納得の表情をする。

 

「なるほど、最後の鍵は『歌』か…。」

 

っと煙草をくわえ、火をつけるジルはそう呟く。

 

 

そしてアルゼナルの被害は相当な物だと後で知らされた。

 

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