クロスアンジュ 天使と竜の輪舞 アドベント・オブ・チルドレン   作:オービタル

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第三十一話:狂想曲・前編

そして祭りが終わったその深夜、宮殿の玉座の間で大巫女とサラマンディーネ、そしてアウラの民の巫女たちが集まっていて、彼女達の前にリザーディア事…リィザがホログラムで通信回線を開き話していた。

 

「何と…! 真かリザーディア!」

 

『はい大巫女様、新生ミスルギ帝国の地下。アウラの反応は確かに此処から』

 

リィザの報告に巫女たちは思わず声を上げ、大巫女は頷きながらリィザをほめる。

 

「よくぞやってくれたリザーディア、時は来た。アウラの子よ、これよりエンブリヲの手から全能の母、アウラを奪還する。リザーディア『特異点』解放のタイミングは手筈通りに」

 

『おおせのままに…』

 

そう言い残してリィザは通信を終えて消える。そして大巫女は皆に言う。

 

「これはこの星の運命を掛けた戦い、アウラと地球に勝利を!」

 

『『『勝利を!』』』

 

大巫女の声と同時に皆も頭をさげる。

その中でサラマンディーネは思いつめていた事を大巫女に伝える。

 

 

「大巫女様、モーント・ウィガーの皆さまにも協力を求める事は?」

 

「無論求める。エンブリヲとの戦いには彼らの協力が不可欠、特にアカリはディメントとの因縁がある」

 

「分かりました、ではモーント・ウィガーの皆さまには私が伝えて置きます」

 

それに大巫女は頷き、サラマンディーネはその場を立ち去って行く。

 

そしてサラマンディーネはモーント・ウィガーが活動する研究施設へ転送され、そこでリベリオンとアシッドとヴィルキスを修理するアカリ達にアウラの事を話す。

 

「そうか、ミスルギの地下に姫さん達のアウラが…」

 

「はい、それでどうかあなた達、モーント・ウィガーのお力をお貸しください」

 

それを聞いたエグナント達とアカリはサラマンディーネと話す。

 

「勿論だ、あの神気取りの男と言われる奴に儂等の憎しみと恨み、この怪物の姿にさせたことを後悔させてやる…」

 

「ありがとうございます、では私はこの事を大巫女様にお伝えします」

 

サラマンディーネはそう言い残した後にその場を去って行き、エグナント達は格納庫で修理を行っているリベリオンとアシッドとヴィルキスの方を見る。

 

「さて、後はグレイス達の機体の修理が終えれば良いだけだ」

 

「あぁ、それとグレイスには更なる力を身に付けて貰わなければいけないのですが…」

 

トーマがそう言うと、後ろにある透明ケースの中に置いてあるボロボロになった赤いスーツとヘルメットを見る。

 

「グレイスが、あれを着てくれたら…それに……」

 

そしてオボロがアシッドの横のハンガーを見る。

 

「あれをグレイスに託すか?」

 

オボロがアカリに問う。

 

「…………嫌、まだ早すぎる。あの機体は今のリベロには扱えない。」

 

「元々は……エンブリヲが乗る筈だったんだからなぁ。」

 

「だな…それに、あの機体の高性能と適性、戦闘力、高機動力が奴の機体や他のラグナメイルや…ヴィルキスも軽々越えている。こんな代物がもし、エンブリヲに見つかってみろ……悪用されるぞ。」

 

アツマが呟く。

 

「特に、俺達の最大の宿敵…Dr.ディメント。」

 

「お主ら…」

 

っと後ろからエグナントが近づいてくる。

 

「エグナントの爺」

 

「何をボサっとしておる?アシッドの転送の準備をしろ」

 

「「「は!はい!!」」」

 

トーマ達は急いでアシッドをキャリアに乗せる。キャリアが去ると、エグナントは残されたハンガーを見上げる。

 

「さてさて……お主の出陣はまだ先じゃ……【純白の機神帝 "フリューゲルス"】よ」

 

そのハンガーは、全体がシャッターで覆わられていたが、内部ではその機体のスリットアイが緑に光るのであった。

 

 

早朝、グレイスは部屋から起き上がり、廊下を歩いていると…。

 

「あ…」

 

前方からサラマンディーネとナーガ、カナメがやってきた。

 

「おはようございます。サラマンディーネさん♪」

 

「おはようございます。グレイス殿♪」

 

「もしかして、アンジュさんの方ですか?」

 

「はい♪」

 

そしてタスクとアンジュの部屋の前に来て、サラマンディーネが襖をノックし入る。

 

「おはようございます…あら?」

 

「「っ!!?」」

 

グレイス達が見たのはタスクがアンジュを押し倒していた姿だった、しかもタスクがパンツ一丁でアンジュの寝間着が完全に崩れていた状態。

それにグレイスはまたしても頭を支え、ナーガとカナメ頬を赤めていた。

 

「え〜…今度は押し倒しなのですか」

 

グレイス達が来た事にタスクとアンジュは真っ赤な顔になって慌てていた。

しかしサラマンディーネが…。

 

「朝の“交尾中”でしたか。さっ、どうぞお続けになって?」

 

「えっ!!!!」

 

とんでもない発言にグレイスは思わず顔を真っ赤にし吹いてしまう。

 

「…っ! ちがーーう!!!!!」

 

その発言にアンジュはタスクを突き飛ばしてしまい、終いにタスクの尻を何度も蹴っていた。

 

 

食堂。この時間、まだ人影も殆どないこの場所に、サラたちがアンジュたちを案内してやってきた。

 

「あ、ヴィヴィアン」

 

「おお~!おやようさ~ん!」

 

そこにはヴィヴィアンとラミアと早起きしたティアの姿が居て、共に朝食を取っていた所だった。

 

「サラマンディーネ様」

 

「よく眠れましたか?」

 

「それが、『ミィ』と朝まで喋りしてまして」

 

「だから寝不足~」

 

「それは何よりですわ。…さ、お掛けになって。私たちも朝食にいたしましょう」

 

「え…ああ…」

 

サラの言葉に生返事をしたアンジュ達は促されて席に着いた。

 

「さ、どうぞ召し上がってください」

 

「い、頂きます…」

 

サラに促されてタスクやグレイスが箸を伸ばした。そして醤油に刺身を浸けると恐る恐るそれを口に運んだ。

 

「ん?」

 

タスクが顔を綻ばせる。

 

「お口に合いまして?」

 

「凄く美味しいです! ずっと、非常食だったもんで!」

 

そのままタスクはモリモリと朝食を平らげていく。微笑ましい表情でそれを見ていたサラたちも自分の分に箸をつけ始めた。そんな中ただ一人、

 

「……」

 

アンジュだけは難しい顔をしながら箸に手を伸ばそうとはしなかった。

 

「毒は入っていませんでしたよ♪」

 

そんな彼女を見かねたのか、ティアがクスクス笑いながらそう言う。

 

「そうは言われたって…」

 

アンジュは頬を赤くしながら、ようやく箸に手を伸ばすと朝食に手をつけ始めた。

一心不乱に朝食を食べているその頬は僅かに赤く染まり、表情も先程までの堅いものとは違って柔らかく、時折物凄く嬉しそうに微笑むのだった。

 

 

「家に…帰る?」

 

朝食後、一行は外へと足を運んでいた。そこでラミアとヴィヴィアンが申し出たことに、グレイスが素っ頓狂な声を上げていた。

 

「この子が産まれた家を見せてあげたくて」

 

「おぉー!見る見る!」

 

ヴィヴィアンもすっかり乗り気である。

 

「ってことで、ちょっくら行ってくるねー!」

 

ラミアに抱えながら大空に舞ったヴィヴィアンはそう言い残し、母と共に生家を見るために旅立ったのであった。

 

「親子水入らず…か」

 

タスクは心なしか嬉しそうだ。幼い日に両親をリベルタスによって失っているだけに、思うところがあるのだろう。対照的にアンジュはまだ何処か納得しきれない様子だったが、それでも悪態の類をつくことはなかった。

 

「ふうーっ…」

 

そして大きく息を吐き出すと、

 

「で?」

 

サラに顔を向けた。

 

「はい?」

 

「わざわざここまで私たちを引っ張ってきた理由は何?まさかヴィヴィアンたちを見送らせるため…ってだけじゃないでしょ?」

 

「勘のいいことで」

 

サラがクスッと笑う。

 

「腹が減っては戦が出来ぬと申します。お腹は一杯になりましたか?」

「え? い、一杯だけど…」

「結構。では、参りましょう」

 

質問の意図がわからずにとりあえず返答したアンジュに、サラが不敵な笑みを浮かべたのだった。

 

 

「何…ここ?」

 

アンジュが思わず呟く。あれからアンジュはサラたちによってとある施設に連れてこられた。その見たことのない外観と内装に、アンジュは思わず言葉を詰まらせるのであった。

 

「古代の競技場ですわ」

 

アンジュの疑問にサラが答えた。

 

「かつては多くの武士たちが集い、強さを競い合ったそうです」

 

「まさか、500年前の施設!? 完璧な保存状態じゃないか」

 

施設の保存状態の良さに、タスクが驚きの声を上げた。

 

「姫様自らが復元されたのだ」

 

「ええっ!?」

 

そのことに、更にタスクが驚く。

 

「サラマンディーネ様は、その頭脳をもって旧世界の文献を研究し、様々な遺物を現代に蘇らせておられる」

 

「へぇー…」

 

「」

 

素直に感心するタスク。興奮しているのか恍惚としているのか、説明するナーガの頬も赤く染まっていた。

 

「我々の龍神器も、サラマンディーネ様がっ!」

 

そこでナーガの雄弁は途切れた。何故ならカナメに足を踏まれていたからである。

 

「それ、機密事項でしょ!?」

 

「あっ! ご、御免なさい」

 

カナメに指摘され、ナーガはシュンとして縮こまった。だが、彼女たちは知らない。誇らしく語っていたが、この施設はただの複合型アミューズメントパークに過ぎないということを。

そして、武士が強さを競い合うようなことに使用されたことは決してなく、家族や恋人や仲間内で気楽に楽しむためのものだということを。

…まあ、それを知ったからどうなるというものでもないのだが。それに知ったところで、自分たちの使用方法と本来の使用方法の落差に愕然とするか赤面するかのどちらかになるだけであろうし。

とにもかくにも、今彼女たちがいるのは古代の競技場と言ってはいるが、実際はただの複合型アミューズメントパークに過ぎないことを記しておく。

 

「んで、ここで何をするの?」

 

「…共に戦いませんか? 私達と」

 

サラマンディーネの言葉にアンジュは思わず「はっ?」と言葉をこぼし、それにはグレイス達は反応する。

そしてグレイスはサラマンディーネ達の目的を問う。

 

「それはもしや、アウラを奪還する為にか?」

 

「はい、それに目的は違うとはいえエンブリヲを倒す…」

 

「フフフ…ははは」

 

っと突然アンジュが笑い出し、それにグレイスはアンジュの方を向き、タスクが問う。

 

「アンジュ?」

 

「な~んだ、そう言う事、結局は私を利用したいだけなの…戦力として。知って欲しかっただの、解りあえただの、良い人ぶっていたのも全部打算だったじゃない」

 

それにサラマンディーネは笑みを浮かばせて言う。

 

「その通りです、グレイスや他の者達は兎も角として。あなたはそれなりの利用価値がありますから」

 

っとサラマンディーネの言葉を聞いたアンジュは思わずキレる。

 

「っ!? ふざけるな!私はもう!」

 

「もう…誰かに利用されるのはウンザリ…ですか?」

 

その事を聞いてアンジュは思わず拳を握りしめる。

グレイスはサラマンディーネの言葉を聞いて、腕を組んで問う。

 

「あの、何で僕は兎も角なんですか? その理由を聞きたいです」

 

「ええ、あなたはエンブリヲの子であり、あなたはエンブリヲの持つラグナメイルを破壊する唯一の切り札です。無論この事は承知していますわね?」

 

サラマンディーネの説明にグレイスは納得する表情をする。

 

「まあ、確かに僕はそのエンブリヲと言う大悪党の子。それにそのエンブリヲが僕達の世界を操ったりやサラマンディーネさんの世界を壊してきたのを知ったらほっとけないです…」

 

「はっ!! 本気なの!?グレイス!! 私はゴメンよ!!」

 

アンジュは今だに意地を張る事にグレイス達は少々呆れる。

 

「そう言うと思いまして此処へお連れしたのです、アンジュ。勝負しませんか?」

 

「はっ?勝負??」

 

「はい、貴女の未来を掛けて。私が買ったあかつきには貴女は私の所有物となって頂きます、無論貴女が勝てば自由ですわ」

 

サラマンディーネの説明にアンジュは思わず驚きを隠せないでいた。

 

 

そこで初めてアンジュが、彼女らしい不敵な笑みを浮かべたのだった。

 

「ふふふ…無論、貴方が勝てば、の話ですが」

 

「いいわ。やってやろうじゃない!」

 

「そうこなくては♪」

 

アンジュとは対照的に、了承を得たサラは今までの不敵なものと違い、実に楽しげな笑みを浮かべた。こうして、アンジュは己自身の未来を賭け、そしてそれ以上に溜まった憂さを晴らすためにサラとの勝負に挑むことになったのであった。

 

 

 

 

 

「その球を打ち返して、枠の中に打ち込めばいいのね?」

 

ルール説明を受けたアンジュが確認のためにサラに聞き返す。まず最初にアンジュたちがやってきたのは、屋外にあるクレーのテニスコートだった。当然というかご丁寧にテニスウェアに着替えたその格好は、何処をどう贔屓目に見ても多くの武士たちが集って強さを競い合ったというお題目からはかけ離れている。

…まあ実際、これからやるのはテニスなので当然なのだが。

 

「その通り。では、始めましょう」

 

「サービス!サラマンディーネ様!」

 

審判を努めるカナメがそう宣言する。いよいよ、大勝負が始まりを迎えようとしていた。

…ちなみに、姿の見えないタスクはどうしているかというと、

 

「……」

 

悲しいかな炎天下の中、一人コートの外に追いやられていた。その理由はただ一つ、フェンスを越えてボールが飛び出していったときの球拾いのためである。

タスクは何も言わないものの、るーるーと悲しみの涙を心中で流しているのが容易に推測できるような表情をしていた。が、言っては悪いが部外者の男は置き去りにして、女たちの戦いは着々と始まりを迎えようとしていた。

 

(あのトカゲ女、ぎゃふんと言わせて…)

 

これまでの鬱憤を思い切り晴らそうと意気込むアンジュだったが、それを見透かしたかのようにサラがサーブを打つ。アンジュもエアリアで活躍した運動神経があるからか反応はするものの、そのラケットの先を抜けていった。

 

「あっ!」

 

タスクも反応こそしたものの残念ながら拾えずにボールは転々と後ろへと転がっていった。

 

「フィフティーン、ラブ! サラマンディーネ様!」

 

スコアボードをめくり、カナメがサラのコートに向かって手を差し出した。

 

「っ!」

 

少しの間固まっていたアンジュだったが、すぐにサラを睨みつける。…それにしても、ここだけ見ればどこをどう見てもスポコンである。競技がテニスだけに、『エース○狙え』の焼き直しといっても過言ではないが、それはとりあえず置いておこう。

 

「あら、速すぎました?」

 

手でポンポンとテニスボールを軽く上に投げながらサラが挑発する。

 

「手加減しましょう、か!」

 

そして再びサーブを打った。唸りを上げて硬球がアンジュに襲い掛かる。しかし、

 

「結構、よ!」

 

今度はアンジュも追いつき、ジャンプしながら打ち返す。

 

「!」

 

それに反応できなかったのか、或いはどうせ取れるわけないという油断からか、サラは一歩も動けずにその脇をボールが通っていくのを見送るだけだった。

 

「フィ、フィフティーン、オール!」

 

驚きながらも審判の役目を忠実にこなすカナメ。そして今度は、アンジュが不敵な笑みを浮かべる番だった。

そして、それに呼応するかのようにサラも不敵な笑みを浮かべる。これを皮切りに、二人の勝負は延々と続いていくのであった。

 

そしてテニスの後に野球、未来的なレース?的なマシン『サイバーフォーミュラ』、ゴルフ、卓球、クレーンゲーム、そしてツイスターゲームまでやり続けていた。

一方その中でもティアは何やら薄々と微妙な違和感を感じていた。

 

「これ…本当に決闘ですか?」

 

そう言いつつもカナメがルーレットの色をと位置を教える。

 

「サラマンディーネ様、右手、緑」

 

カナメの指示にサラマンディーネは言う通りに手を指定の位置に置き、次にタスクがルーレットを押す。

そして色と位置が表示されて言う。

 

「アンジュ、左手、赤」

 

アンジュも言われた通りに手を位置に置く。

苦しみながらサラマンディーネはアンジュに言う。

 

「予想以上ですわ…アンジュ」

 

「何が…?」

 

「少し…楽しみだったのです。今まで私と互角に渡り合える者などいませんでしたから」

 

そしてカナメが次のルーレットの色と位置を言う。

 

「サラマンディーネ様、左足、赤」

 

「ですから…すごく楽しいのです」

 

それを聞いていたグレイス達、しかしグレイスは少しばかりと言うか…少々汗をかきながら頬を赤くしてサラマンディーネを見ていた。

 

カナメの指示通り左足を赤い部分に持っていく。その結果、彼女の尻がアンジュを圧迫する形になった。

 

「くっ!こんのーっ!」

 

負けじと、肩の筋肉を使って掬い上げるアンジュ。体勢を崩して潰れそうになったサラだが、尻尾を使ってバランスを保つことに成功した。

 

「ふふっ」

 

「尻尾使うの反則でしょ!?」

 

余裕の笑みを浮かべたサラが又癇に障ったのか、アンジュが尻尾に噛み付いた。

 

「いやーん!」

 

「ちょ、ちょっと!」

 

可愛い悲鳴を上げながら一度は保ったバランスを崩してしまうサラ。それに巻き込まれる形でアンジュもバランスを崩してしまい。そして両者共にシートの上に崩れ落ちた。

 

「尻尾を噛むのは反則ですっ!」

 

サラが涙を流しながら抗議する。起き上がったアンジュがこれまでと同じように反論するかと思ったが、

 

「ぷっ、あはははははは…」

 

その顔を見て思わず噴き出していた。

 

「泣くことないでしょ、別に」

 

「そうですけど…ふっ、あはははははは…」

 

拗ねた表情を見せたサラだったが、おかしくなってしまったのかアンジュと同じように笑ってしまっていた。

 

「姫様、笑ってる…」

 

「あんなお顔、始めてかも」

 

「いい顔するじゃない、二人とも」

 

「ですね♪」

 

グレイスたち四人の発言を聞きながら、今回に関しては全く良いところの無かったタスクも又、彼女たちの横で微笑んでいたのだった。

 

 

 

その頃、グレイス達とサラマンディーネ達の居る世界とは違う偽りの世界の違う場所では…。Dr.ディメントがラプソディーの最終調整をしていた。

 

「もう少しだ…もう少しで私のラプソディーが完成する!」

 

ラプソディー全体にあらゆる武装や推進器が取り付けられて行く。そして腹部のコックピットにある生体ユニットが搭載される。

 

「さぁ、目覚めよ!私の最高傑作!『ラプソディー』よ!!」

 

ディメントの声と共に、ラプソディーの腹部に搭載されているユニットが呟く。

 

「『イエス・マイ・ロード』」

 

ラプソディーのツインアイが緑に光り輝き、起動音を鳴らすのであった。

 

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