クロスアンジュ 天使と竜の輪舞 アドベント・オブ・チルドレン   作:オービタル

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後半部から、彼らがスケットとして来ます!!


第三十三話:狂想曲・後編

異形な素顔を露わにしたDr.ディメントは、グレイスを潰そうとラプソディーを動かす。

 

「痛い…痛いだろ?10年前……不完全であったラプソディーを含め、四人の兄姉を殺そうと、父親であるエンブリヲに刃向かったイレギュラーが!」

 

「黙れ!お前だけは許さない!セレスを殺し、あの子達を異形な怪物に変身させやがって!!」

 

グレイスの言葉にアンジュ達は驚く。するとディメントが笑い出す。

 

「ハハハハハ!!所詮あの子らは私の実験道具だ!そうだ…なら、会わせようじゃないか♪」

 

するとラプソディーの口部が開き、中から異形な巨人が出てきた。顔は整形に失敗した悍ましい顔であり、あらゆる所にエネルギーチューブが取り付けられていた。

 

「っ!!マヤ…!?」

 

グレイスは【マヤ】と少女の名を呟くと、マヤがラプソディーの手を伝ってリベリオンに向かってくる。そしてリベリオンのコックピットハッチを無理矢理引き剥がし、グレイスの首に喰らいつく。

 

「うああああああああああああっ!!!!!!!!!」

 

「グレイス!!」

 

タスクが急いでグレイスの元へ近づいた直後、ラプソディーの口部からまた怪物が現れ、タスクに襲い掛かる。

 

「タスク!」

 

アンジュがラツィーエルで怪物を切り裂く。

 

「くっ!……っ!?」

 

その時、アンジュの頭の中で子供が泣き叫ぶ悲鳴が聞こえ出す。

 

「(痛いよ…う……苦し……いよう……ぁぁぁぁぁぁぁっ!!!)」

 

「っ!!」

 

突然アンジュが頭を抱え、涙を流す。

 

「何?これ……??」

 

アンジュの頭の中にグレイスの過去が浮かび上がる。

 

「これが…アイツの過去…??」

 

アンジュの様子にエグナントが語る。

 

「見たのか?……彼の過去を……」

 

「……」

 

「…………今はそれより、彼を助けるのが先だ!」

 

エグナントが血を吸われているグレイスを見る。

 

グレイスはマヤを引き剥がそうと抗う。

 

「そうだ!……お前はもう、あのマヤじゃねえええええっ!!!」

 

グレイスの叫びにリベリオンのツインアイが光だし、ヴァルキュリー・テンペストをマヤに雷撃を落とす。マヤはグレイスから離れ、雷撃により、灰になる。翠色のオーラを放つグレイスやリベリオン。特にグレイスは血の涙を流しながら、ラプソディーを睨み付ける。

 

「ディメントォォォォォォォォッ!!!!」

 

グレイス…嫌、リベロは10年前の悲劇を思い出す。紅蓮の焔の中で血を流すセレスを抱いており、醜く改造された子供達が彼女の血肉を求めていた。赤いアーマーをしたリベロはZブレードを向け、威嚇する。

すると穢れた子供達が一斉にリベロとセレスに襲い掛かる。リベロは歯を食いしばり、子供達を切り裂く。

 

グレイスはラプソディーに向かって行き、ビームを回避して行き強烈な拳を与える。対するディメントは胸部の拡散ビーム砲から大出力のビームを放つ。たがリベリオンは拳からエネルギーフィールドを展開し、ビームを分解・無効化する…………。

 

リベロはリベリオン ゼムリアン・フォルムで子供達を殺していった。彼は泣きながら、この子達の夢を思い出していく。

 

 

(僕ね、大きくなったら建設者の社長になりたいんだ♪)

 

建設者になりたかった少年【タカキ】が醜く穢れた野獣へと変貌し、リベロの左腕に噛み付く。リベロはタカキを振り払い、頭部を刺す。

 

「タカキ………」

 

 

(私は服を作る仕事をして見たいなぁ、けど……マナの光ならあっという間だけど、いつか大きくなって、お嫁さんになって、その人に手作りのセーターを作ってプレゼントしたいの♪)

 

良い家庭を夢見ていた少女【メリッサ】が醜く穢れた蟷螂へと変貌し、鋼をも切り裂く鎌でリベロに斬りつけてくるが、リベロはメリッサの頭部を掴み、地面に叩きつけ、心臓を刺す。

 

「メリッサ………」

 

 

(私も!メリッサと同じ綺麗なドレスを着て結婚したい!)

 

メリッサと同じ夢を抱いていた少女【ファリーン】が醜く穢れた土蜘蛛へと変貌し、口から蜘蛛の糸を吐き、リベロを抑えつける。

 

 

 

(僕は……旅をして見たい、いろんなところを回って、体験したことがない事をやってみたい♪)

 

世界一周の夢見ていた少年【キク】が醜く穢れた大猿へと変貌し、豪腕でリベロを潰そうとしたが、リベロはZブレードを振り回し、豪腕を両断し、ファリーンごと振り回し、キクへ放り投げた。そして高速でファリーンとキクの体をバラバラにする。

 

「ファリーン……キク……!!」

 

リベロは悲しみに満ちあふれ、襲い掛かる子達を殺していった……。

 

グレイスは血の涙を流すと同時に、リベリオンのツインアイからオイルが流れ出ており、泣いているかのように思う。ズタボロとなっているラプソディーは関節部から火花を放ちながら立ち上がろうとする。

 

「バカな!!?完璧のラプソディーがこんなに簡単に!!?」

 

ディメントが呟いていると、何処からか歌声が聞こえてくる。

 

「♪〜♪〜」

 

「っ!!この歌!」

 

上空を見ると、サラマンディーネが乗っている焔龍號とアンジュのヴィルキスが異空間の方へ向かっており、互いは相互の歌を使い、収斂時空砲を放つ。二つの収斂時空砲が異空間に直撃すると異空間が消滅する。

 

「クソ!!あともう一歩というのに、っ!!?」

 

その時、リベリオンがラプソディーの頭頂部を掴み上げる。

 

「これは………あの子達と、セレスの痛みだ!!!」

 

リベリオンのパドルデーゲンがラプソディーの胸部を突き刺そうとした直後、ラプソディーの頭頂部が露出展開する。

 

「?……っ!!?」

 

その頭頂部を見たグレイスが冷や汗をかきながら、行動を止める。

 

「どうした?……グレイス!」

 

「ハァ!…ハァ!…ハァ!!」

 

荒い息を吐くグレイスは手を震わせる。っと、ディメントは隙を付き、リベリオンを払いのけ、直ぐに頭頂部を収納する。

 

「フフフ……とどめだぁぁぁぁぁぁぁ!!……っ!!?」

 

突然ディメントの様子が一変する。胸や顔を抑えつけ、苦しみだす。

 

「ぐうううぅぅぅぅ!!!??おおおおおおおおおおおっ!!こんなっ!!……時にいいぃぃっ!!……“アイツ”が私に掛けた呪い【大罪の呪縛】がぁぁぁぁぁっ!!」

 

「え?」

 

ディメントが放った言葉に疑問を持つグレイス。ディメントが苦しむ姿を見るエグナント達。

 

「やった!さすがグレイスだ!」

 

「……嫌、俺じゃない」

 

《え!?》

 

グレイスがやっていない事に気づくエグナント達。するとディメントが途轍もない眼差しでグレイスを睨む。

 

「お……お前……お前だぁぁぁぁぁっ!!お前をあの時……マインドコントロールが済んでいればぁぁぁ!!私の復讐が完璧だった筈!!そう!あの忌まわしき私の宿敵!!【皇帝ブリタニア】に!!」

 

「【皇帝ブリタニア】……?」

 

ディメントは謎の言葉を告げ、その場から消えた。

 

 

事態が一段落して、ヴィヴィアンはラミアに抱き付きながら泣きついて、ラミアもヴィヴィアンを抱きながらヴィヴィアンの頭をなでていた。

その様子を集まったエグナント達が優しく見守っていた。

 

そしてグレイス達がアウラの塔の前に集まって話し合った。

 

「何とか収まったみたいだ」

 

「ええ、そうね」

 

グレイスの問いアンジュも頷きながら言い、サラマンディーネも頷きながら言う。

 

「あなた達のお蔭で、民は救われました。本当に感謝しますわ、グレイス、タスク殿、アンジュ」

 

「良いさ、僕達はヴィヴィアンを助けるのもそうだが…、僕的には…あなたを手助けしたかっただけです」

 

っとグレイスのその言葉にアンジュは「何それ?」と言わんばかりの表情をし、アンジュの考えが分かったタスクは思わず苦笑いする。

その中でもサラマンディーネは自分でも少しばかり信じられない表情をする。

 

アンジュはサラマンディーネの言葉に意味が分からなかった。

 

「貴女が歌ったのは、嘗てエンブリヲがこの星を滅ぼした歌…。貴女はあの歌を何処で…?」

 

「お母様が教えてくれたの、どんな時でも進むべき道を照らす様にって」

 

アンジュは自分の歌を教えてくれた母の事を言い、それにサラマンディーネは言う。

 

「なるほど、わたくし達と一緒ですね?」

 

「えっ?」

 

「【星の歌】…私達の歌もアウラが教えてくれた物ですから。…何て愚かだったのでしょう、貴女は私の所有物だなんて…」

 

「まっ、こいつは上の立場には慣れている方だからな。上に立つ者が皆を動かす指導者、誰かを救う為に何をするべきかをよ~く知っているからな」

 

グレイスはアンジュを見ながらそう言い、それにアンジュは少々照れくさそうに顔を逸らす。

そう話す中でサラマンディーネは髪をおさえながら言う。

 

「アンジュ…私はあなたのお友達になりたい、共に学び…共に歩く友人に───」

 

「長いのよね~、サラマンデンデンって…」

 

「えっ?」

 

っとその事にグレイス達はアンジュの方を振り向き、アンジュはサラマンディーネの方を向きながら言う。

 

「『サラ子』って呼んでいいなら」

 

「えっ…それってアンジュが呼びにくいからじゃ…」

 

「何よ!文句あるの!?」

 

アンジュはタスクの門文に睨みつけ、それにタスクは思わず引いて仕舞い、サラマンディーネはそれに少々困り果てる様子になった。

っとその時にグレイスが…。

 

「『サラ』さん…」

 

「「「???」」」

 

「僕…、君の事をサラさんって呼んで良いですか? 君は…声も見た目も綺麗だし…それに…その~…」

 

グレイスは言葉を必死に探そうとしたがどう探せばいいか見つからず、それにサラは微笑みながらグレイスに言う。

 

「構いませぬ♪嬉しいです…綺麗で可愛い名前で♪」

 

「\\\\っ!!?」

 

グレイスはサラの可愛らしい笑顔を見て、顔を真っ赤になった状態で頭から湯気を出しながら倒れて仕舞い、それにタスクは大慌てになる。

 

「うわ~!!! グレイス大丈夫!?」

 

「あ〜〜〜〜〜……」

 

っと混乱状態になって居るグレイスはそのまま気を失い、アンジュはジド目でグレイスを見る。

 

「…ヘタレ」

 

「えっ!? アンジュ!それはちょっと酷くない!?」

 

タスクはアンジュの言葉に思わず驚き、サラは気を失ったグレイスの頭を膝にのせながら頭を優しくなでるのであった。

 

 

その頃、ミスルギ皇国地下……急いで撤退したディメントはデスクの上にある資料や機材を払いのけ、瓶に入っている薬を頬張り、飲み込む。

 

「カハァッ!!!……ハァ!!ハァ!!ハァ!!……ハァ…ハァ……」

 

ディメントは深呼吸しながら、呼吸器を付ける。するとエンブリヲが後ろから声をかける。

 

「辛い?」

 

「?……エンブリヲか……」

 

「どうしたのだ?そんなに慌てて…」

 

「失敗作がさらに上へと上昇した。奴は想像も出来ない程のパワーが上がっている。」

 

「……三人を出すか?君がパワーアップさせた彼らに?」

 

「…………そうするつもりだ。私のこの顔の怨みは、収まらないからなぁ……」

 

「フフフ♪」

 

「何が可笑しい?」

 

「嫌、君は面白い奴だからだよ♪」

 

エンブリヲはそう呟き、去ろうとすると…。

 

「それと、ドラゴンのスパイが潜り込んでいる。」

 

「……近衛長官か?」

 

「あぁ…」

 

そうエンブリヲは告げ、その場から消えた。一人となったディメントは三つのカプセルの中で眠っているヘリオス達を見る。

 

「もうすぐだ…………もうすぐ私の悲願が成される。私をこの様な人生にし、地獄の様な牢獄へ追いやったあの皇帝や家族、そして奴らにに復讐してやる……既に残党である“彼ら”とのコンタクトは録っている。後は彼らがあの兵器を持って来れば良いだけだ♪それだけの金はもうあるからなぁ……それに…」

 

ディメントはそう呟き、デスクの上にあるガラス箱を見る。それはグレイスから抜き取ったメモリチップであった。

 

「私の計画の事はエンブリヲやあの女達には知られていない……これがもし、奴の手に渡って戻れば……万事休すだ。」

 

ディメントはそう呟き、マナの光で資料や計画、さらに設計図や新たな兵器を開発するのであった。

 

 

丁度同じ頃、ミスルギ皇国とローゼンブルム王国近海間の上空に以上なワームホールが現れ、中から見えない何かが飛び出してきた。そしてその何かがタスクが住んでいた孤島に着陸する。すると見えない何かが光学迷彩を解除する。それは、白銀に覆われた装甲をした鬼神と戦乙女であった。コックピットハッチが開き、中から全身フードとマントで身を隠している二人の男女が現れた。

 

「貴方、この時空に奴が隠れているのね?」

 

「あぁ、間違いない。奴はトリリウム採択場の牢獄から脱走し、師匠の父君のギャラリック・リングを使ってこの次元の世界に逃げ込んだ。それの足跡を追っていたから間違いなくここだ。」

 

「皮肉ですね、彼はもう居場所がないのに……」

 

女性は悲しい表情をすると、男性は腕のデバイスを開き、調べる。

 

「考えても仕方がない、早く奴を捕らえないと……この世界や、宇宙が…大変なことになる。それに…」

 

男性はフードを脱ぐ。デバイスである資料を見る。

 

「project【アドベント・オブ・チルドレン】……これが本当なら、奴はエンブリヲを【赤子の手をひねるが如く】利用している。阻止しないとな…シンディ…」

 

「そうね♪勇人…いいえ、私の旦那様♡」

 

勇人とシンディ……クアンタの皇帝と皇妃である二人が、今……グレイスの世界を守りにやって来たのであった。

 

「それより良かったのか?二人をお義父さんとお義母さんの所に預けて………」

 

「大丈夫♪勇人と私に似て大人しいですから♪」

 

「そうか?師匠やエミリアさんにも頼んでいるからなぁ。」

 

勇人はシンディの両親の故郷に預けている二人の息子達を心配するのであった。すると勇人は鞘から“神刀 スサノオ”を抜き取り、奥義を放つ。

 

「奥義! 覇王突風斬!」

 

勇人はレオンに教わった奥義【覇王突風斬】を放つ。スサノオから突風の衝撃波が海を裂き、モーゼの様に道を切り開いた。

 

「またレオンさんの奥義を…」

 

「仕方ないだろ、師匠の奥義は威力がデカすぎる。そしたら奴にバレるだろ?」

 

「それもそうですね♪」

 

「うん、それじゃ先ずは崩壊したアルゼナルへ向かおう。決して彼女らや特にアレクトラ・マリア・フォン・レーベンヘルツに気づかれない様に…」

 

「えぇ♪」

 

勇人とシンディは光学迷彩を起動し、鬼神であるアダムと戦乙女である新型インフィニットメイル『イヴ』に乗り込み、アルゼナルへ向かうのであった。

 




まさかの勇人とシンディがスケットとして来てくれた!果たしてDr.ディメントは何を企んでいるのでしょうか?次回もお楽しみに!!
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