クロスアンジュ 天使と竜の輪舞 アドベント・オブ・チルドレン 作:オービタル
早朝…、アウラの民がアウラを奪還するべく総力を持って進攻する為、戦力を集結させていた。
その様子に外に居たタスク達、その中でヴィヴィアンは感心していた。
「うお~!ドラゴンのフルコースなり~!」
「正に総戦力だ…。」
「凄い…」
グレイスも納得していると、するとタスクの耳元にドクターゲッコが....。
「タ〜ス〜ク〜さん♪」
「ぞぉ~!?」
タスクはビックリして見て、ドクターゲッコーはタスクの腕に抱き付く。
「もっと人型の成人男性を観察するいいチャンスでしたのに、残念です♪」
「あ、そうですか......」
「次回は是非、私と交尾の実験を.....」
アンジュがタスクの首根っこを引っ張って、ドクターゲッコーに言う。
「御免なさいドクター、これは貴女の実験用の珍獣じゃなくて。私の『騎士』なの」
「えっ?」
「あ、はい....」
アンジュの言葉にタスクとドクターゲッコは唖然とし、タスクとアンジュの様子にヴィヴィアンは思わずからかう。
「ヒューヒュー♪」
二人の行動にアンジュは思わず頬を赤くして、すぐさまヴィルキスの元に行く。
「ほ!ほら!!行くわよ三人共!!」
「あ、ああ」
「お~!」
慌てて追いかけるタスクとグレイス、テンションよく付いていくヴィヴィアン。
そしてドラゴン達が集結して、大巫女が皆の前に現れる。
グレイス達は大巫女の姿を見て唖然とする。
「あれが大巫女…?」
「見た目は全く子供じゃん」
そして大巫女はアウラの民達に宣言をする。
「誇り高きアウラの民よ、アウラと言う光を奪われ幾星霜…ついに反撃の時が来た。今こそエンブリヲに我らの怒りとその力を知らしめる。我らアウラの子!例え地に落ちてもこの翼は折れず!!」
その言葉にドラゴン達は雄叫びをあげて、それにヴィヴィアンもつられるように興奮しながら吠えた。
宣言が終えてサラは焔龍號に乗り込み、皆に告げる。
「総司令!近衛中将サラマンディーネである! 全軍出撃!!」
焔龍號が発進して、それに続くかの様にナーガとカナメの蒼龍號と碧龍號が続き、ドラゴン達もその後を追いかけるように出撃した。
「さて!うちらも行くぞ!リュミエール、発進!!」
アカリが元気よくエグナント達に命令を出し、リュミエールが空へ浮く。そしてヴィヴィアンは巨獣化したセシルの背に乗り、見送っているラミアに言う。
「行ってきまーす!」
特異点に向かっている中でタスクが妙に笑っている事にアンジュが気付き、通信で問う。
「何?気持ち悪い」
「ああ、いや嬉しくてさ。君が俺の事を騎士として認めてくれたのが」
「あぁ~、その事ですね」
グレイスはタスクの考えてる事に納得するかのように頷く。
そしてヴィヴィアンがある事を問う。
「ねえねえ、ドラゴンさん達が勝ったら戦いは終わるんだっけ?」
「えっ?ああ…多分そうだね」
「そしたら暇になるね、そしたらどうする?私はね、戦いが終わったら皆をご招待するんだ。あたしん家に♪皆は?」
ヴィヴィアンは次にタスクに問う。
「ねえ!タスクは?」
「えっ?俺~? 俺は…海辺の綺麗な街で小さな喫茶店を開くんだ。アンジュと二人で…店の名前は天使の喫茶店アンジュ、人気メニューはウミヘビのスープ……」
「あの、タスクさん…」
「えっ?何?」
グレイスに問いかけられたタスクはグレイスの方を向く。
「そのメニューはやめた方がいいですよ、それにあんまりアンジュさんの事ばっかり言っていますと殺されますよ」
「えっ…それは確かに。あっ!でもまだ他にあるんだ。二階が自宅で子供が四人……」
「ヴィヴィアン、殺していいわよ」
っとアンジュが機嫌悪いして、ヴィヴィアンに言い、それにヴィヴィアンは「ガッテン!」と言って銃を取り出してタスクに向ける。
「あ、嫌!………俺はただ、穏やかな日々が来れば良い…ただそう思ってるだけさ」
グレイスとアンジュはタスクの言葉にただ黙って聞いていて、次にヴィヴィアンがグレイスとアンジュに問う。
「ねえ!グレイスとアンジュは?」
「私は…」
「僕は…」
そしてカナメが皆に言う。
「特異点開放!!」
すると皆の目の前にシンギュラーが解放されて、それにとヴィヴィアンが見開く。
「凄い…」
「おお~!開いた!」
開放と共にサラがドラゴン軍に向かって叫ぶ。
「全軍!我に続け!!」
その言葉と共にとドラゴン達はシンギュラーに突入して行き、向かっている中でアンジュはタスクが言った言葉、喫茶アンジュの事を考える。
「(悪くないかもね…喫茶アンジュ)」
そう思いながらも皆はシンギュラーに向かって行き、リュミエールも付いていった。
そしてシンギュラーを抜けてグレイス達は見渡す。
「ここは…」
「ここでクイズで~す! 此処は一体どこでしょうか!クンクン…正解は!あたし達の風、海、空でした~!」
そしてリュミエールもシンギュラーを抜けて、エグナントも自分達の世界に戻って来た実感を感じる。
「ようやく戻って来たんだ…」
「ええ…」
その中でアカリは何やら不吉な表情をして警戒をしていて、すぐにエグナント達に言う。
「みんな!警戒態勢じゃ!!」
それにグレイス達はアカリの方を見る。
アンジュは自分の世界に戻って来た事に思わず嬉しさが出る。
「戻って来た…戻って来たのね」
一方サラは座標が違っている事にすぐに問う。
「到着予定座標より北東4万8000…?! どうなっているのですか!これは!」
「分かりません…!確かに特異点はミスルギ上空に開く筈…!」
っとその時サラの機体のレーダーに警告熱反応が表示され、それにサラは前方を見る。
すると目の前にミサイルが無数に飛んで来て、それにドラゴン達は光の盾を展開し防御する。
「何事!!」
煙が晴れた途端に無数のドラゴン達が海に落ちて行き。
ガレオン級が吠えた途端に緑色のビームがガレオン級の頭部を吹き飛ばして撃ち落とす、それにサラは目を見開く。
「あれは…!」
サラが目にしたのは、数十機のパラメイルや空中に浮遊する艦隊を引き連れているあのラプソディーがいた。
それにリュミエールに居るエグナントは思わず表情を歪める。
「くっ! エンブリヲめ…やはり待ち伏せをしていたか…!!」
ラプソディーに搭乗しているディメントは笑みを浮かばせて、引き連れているノーブル四天王とある部隊の者達に言う。
「コーパス艦隊!攻撃を開始せよ!!!」
っとディメントはノーブル四天王とある部隊、そしてコーパス艦隊はドラゴン達を攻撃するため行動を開始した。
それにドラゴン軍達は散開し、ナーガとカナメはサラに通信を入れる。
「サラマンディーネ様!これは!?」
「待ち伏せです…!」
サラが言った言葉にナーガとカナメは驚きを隠せない。
「待ち伏せ?!」
「では!リザーディアからの情報は…!?」
「今は敵の排除が最優先です!!」
そう言ってサラ達は龍神器達を駆逐形態に変形させて、ドラゴン達に言う。
「全軍!!敵機を殲滅せよ!!」
サラが先頭に進み、その後にナーガやカナメもあとに続く。
そして戦闘が始まり、グレイスとリュミエールに居るアカリ達はその光景に目を奪われる。
「あれは…まさか」
「黒いヴィルキス?!」
アンジュがそう言ってると同時に別の場所、ある拷問部屋で吊るされているリザーディアにラグナメイルとコーパス艦隊とドラゴン達との戦闘を見ているエンブリヲが居た。
「どうだい、君が流した情報で仲間が虐殺される様を。リィザ…いや、リザーディアか?」
「ぅ…」
それにはリザーディアはただ悔しがるだけであり、エンブリヲはそれに笑いながら映像を見る。
そして戦場ではコーパスのドロップシップ【キャリア】から無尽戦闘機【ローカストドローン】が展開され、次々にドラゴン達をレーザーで撃ち落として行く。さらにジェットパックとレーザーライフルを装備したコーパスクルーマン(戦闘員)【レンジャー】。ジェットパックとグレネードランチャー“PENTA”を装備した【ペンタレンジャー】。ジェットパックと照射ライフル“QUANTA”【クアンタレンジャー】がフリゲートから射出され、小型ドラゴンを撃ち落としていったり、腰に装備している電磁サーベルと超高圧電流を帯びた棍棒型スタンロッドを振り下ろし、小型ドラゴン達を無差別に殺していった。
ドラゴン達が次々と落とされて行くのをヴィヴィアンが見て、大声で叫ぶ。
「ああ!!やめろーーーーー!!!!」
「くっ!」
するとグレイスとアンジュがリベリオンとヴィルキスを動かして、最前線へと向かう。
それにタスクが慌ててしまう。
「ちょ!!グレイス!アンジュ!!」
「サラさんを助けに行きます!!あのままにして置きません!!」
「待ってくれグレイス!!相手はエンブリヲだ! 気持ちは分かるけど!!」
「何もしないよりはマシだ! 行くぞアンジュ!!!」
「ええ!!」
そう言ってグレイスとアンジュはそのまま向かって行き、それに釣られるかの様にタスクも向かう。
「待って!ヴィヴィちゃん、しっかり捕まって?」
「おう!」
セシルとヴィヴィアンもグレイス達を追うのであった。
そして戦闘は膠着状態へとなり、サラ達の軍は次々へと落とされて行く。
サラは蒼いヴィルキス『クレオパトラ』と収納ブレードで戦っていた。
「戦力!消耗三割を超えました!!」
「早くも戦況が維持出来ません!!」
「相手はたったの12機ですよ! くっ!」
サラは噛みしめながらも左腕に装備されているビーム砲を撃ち、それをクレオパトラは難なくかわす。
「速い!!」
そしてクレオパトラはサーベルをサラの焔龍號に振りかぶろうとした時に、グレイスのリベリオンがパドルデーゲンで防御する。
「!?」
っとクレオパトラに乗っているライダーは思わず反応し、グレイスはクレオパトラを一気に吹き飛ばして、その中にいるライダーはリベリオンを見る。
「リベリオン…グレイス?」
そのライダーの通信を聞いたアイオロスとプロメテウスとハーミットに乗るヘリオスとアトラスとファントムが振り向く。
「帰って来たか……」
「進化した私達の力……」
「存分に味あわせてやる…」
そしてグレイスは焔龍號の隣に並ぶ。
「大丈夫か!!サラさん!!」
「グレイス!ええ!大丈夫です!」
するとそこにヴィルキスもやって来て並び、それにクレオパトラのライダーは目を開かせる。
「ヴィルキス。アンジュ…?」
アンジュはサラに言う。
「さあ!!此処は私達に任せて引きなさい!サラ子!」
「出来ません!エンブリヲからアウラを取り戻すまでは!」
「何を言っているんですか!サラさん!! 周りを見てください!!この状態ではアウラを取り戻すのは不可能です!!」
っとサラはグレイスの言う通りに周りを見渡すと、戦況が混乱状態であり、とてもじゃないが進攻するのは不可能であった。
「分かるだろう!?だから撤退するんだ!!」
「ですが…!」
『グレイスとアンジュの言う通りだ!』
っとタスクの通信にサラは思わず反応し、迫り来るローカストドローンに向かって、タスクのアシッドがビームライフルで攻撃を仕掛ける。
「今は引いて、戦力を立て直すんだ!勝つために!」
その事をサラは目を開かせて、頭を冷やして操縦桿を握りしめて皆に言う。
「アウラ…全軍!撤退する!! 戦線を維持しつつ特異点に撤退せよ!」
それによりドラゴン軍達は特異点に向かい撤退し始め、それに緑のヴィルキス『テオドーラ』がビームライフルで追撃していた。
グレイスはそれに感づいて、リベットガンをテオドーラに向けて撃つ、それにテオドーラはビームシールドで防御するも、強烈は爆風と吹き飛ぐ。
「ぐっ?!!」
そして同時にアンジュのアサルトライフルのグレネードランチャーが火を噴いて放ち、それをクレオパトラは防御する
再び攻撃しようとした時にライフルの弾が切れた事に気が付く。
「くっ…!」
『アンジュ!これを!!』
っとサラがアンジュに銃剣付きビームライフルを渡し、それを受け取り構えるアンジュ。
「アンジュ。どうかご武運を…」
「良いからさっさと行きなさい!!」
アンジュは怒鳴りながらもビームライフルを放ち、それにサラは撤退しながらグレイスに問う。
「グレイス!あなた達もどうか!」
「いや!僕達は此処に残ります!!奴等を足止めぐらいにはなる! サラさんは先に戻ってください!大丈夫です…必ずまた会えます!だから!」
「グレイス…分かりました! どうかご無事をお祈りします!」
そう言ってサラは特異点へと戻って行く。
そしてグレイスもリベットガンを構えると同時に、三機の巨大な影が現れる。
「っ!?」
その巨大な影は、両翼に二門のプラズマビーム砲、さらに両サイドには怪鳥を思わせるデバイスが装着されており、脚部は本物の鳥状の脚になっているアイオロスであった。
「デカイ!」
高速でグレイスを横切ると、目の前から無数の弾丸の豪雨が降り注ぐ。
「うわぁっ!?」
グレイスやアンジュ、タスク、リュミエールが急いで回避する。リュミエール艦橋ではアカリがガリィとアツマ、オボロに問う。
「何事じゃ!?」
「12時上方から膨大な熱量を感知!これは……アトラスです!」
「馬鹿な!?アイツが遠距離戦をするじゃと!?」
アカリはアトラスが遠距離をして来たことに驚くと同時に、アトラスは上空で螺旋状の砲口を持ったって拡散ビームランチャー【トライデントカノン】をチャージしていた。
「フンッ!たわいも無い……」
アトラスは鼻で笑い飛ばし、トライデントカノンのチャージを終え、拡散ビームを発射する。
アトラスの攻撃を受けるリュミエール。アカリやエグナント達はそれぞれの損害状況を報告し合う。
「グッ!!リフレクターシールドが50%へ低下!アカリよ、これ以上この艦がアトラスやディメント共の攻撃を受ければ!」
「今さら分かってある!じゃが少しでも姫さん達の撤退の時間を稼ぐのじゃ!、うわぁぁぁっ!!」
リュミエールが激しく揺れ、アカリが転ぶ。ローカストドローンやキャリア、コーパスのコルベット艦の爆撃がリュミエールを襲う。セシルが必死にコーパス達を迎撃するが、敵の数に追い討ちを掛けられていた。
「敵が多すぎる!」
「ひぇ〜〜〜っ!!」
セシルとヴィヴィアンは悲鳴を上げながら、敵の追撃が逃げ回る。
そしてアンジュもコーパスクルーマンをバスターランチャーで倒し、飛翔形態へ変形した直後、後方からクレアオパトラが接近する。
「やっぱり…」
「?…」
アンジュはクレオパトラの方を見ると、クレオパトラがフライトモードになり、そのライダーのバイザーが透通って素顔が現る。
その人物はサリアだった事に…。
「どうしてあんたが…」
「!? サリア…!?」
クレオパトラに乗っているライダーがサリアであったことに、アンジュは驚くのであった。