クロスアンジュ 天使と竜の輪舞 アドベント・オブ・チルドレン   作:オービタル

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新しい物語を更新!!


序章
プロローグ


仄暗く、水が溜まっているその場所から女性のアナウンスが発声していた。

 

『……環境変化を検知 冷凍保存チェンバー正常 チェンバーαタイプ オンライン。--生命維持ステータス-- コールドスリープシステム安定 心拍数 15拍/分 血圧異常なし 緊急AED起動開始します…3、2、1』

 

電光が室内を一瞬で照らすと同時に、奥のカプセルのハッチが開く。

 

『AEDシステム終了 コールドスリープ終了。血圧、心拍数共に正常。スーツ診断完了。 全てのシステム機能正常。冷凍保存チェンバー開放。それでは、良い未来を…』

 

アナウンスが切れると、ハッチからスーツを着た少年が開放直後に症状に苦しみつつも荒い息と共に、嘔吐する。

 

「ハァ…ハァ…ハァ…ウプッ!」

 

落ち着きを取り戻した少年は、辺りを見渡す。

 

「……ここは…何処なんだ?」

 

少年は立ち上がると、全身がびしょびしょに濡れていた。

 

「なんでこんなに濡れているんだ?それにしょっぱ!?」

 

どうやら水の正体は海水であり、部屋の亀裂から海水が漏れ出ていた。すると目の前にドアがあり、少年はドアを開ける。

 

「…階段?」

 

少年は階段を登り始め、上に辿り着くと、目の前にロボットの様なバイク状の乗り物があった。全体が銀と黒、関節部は金色、そして赤のカラーリングとクリムゾンの模様が塗られており、頭部らしき部位に、女神を模したオブジェ、顔面を覆うY字型バイザー、螺旋状のV字型のアンテナ、両手は何故か親指が左右対称になったマニュピレーターであり、小指が無く、異型の手をしていた。

 

「何なんだろう?……」

 

少年は不思議に思っていると、バイザーの下のツインアイが青く光ると、ツインアイからレーザーが放たれ、少年をスキャンする。

 

『称号確認 ホムンクルスと判明 ロックを解除します。』

 

すると機体のコンソールが光り、外観・機体装甲表面には、機体全身に流れるエネルギーが回路上にライン状が青色に輝く。

 

「何だ!?」

 

『おはようございます。コードネーム"RBL-1272"』

 

「コードネーム"RBL-1272"…?」

 

『貴方の名前です。私は"ラルス"。この機体の名である"リベリオン"の対話インターフェイス搭載人工知能です。』

 

「対話インターフェイス?何の事だ?」

 

『このリベリオンや貴官をサポートするコンピュータの事です。貴官はまだ、プロトタイプであり、"マスター"からマインドコントロールが済まされていません。つまり、本来あるべきの使命と記憶がが損傷している模様。貴方は記憶喪失と言う事になります。』

 

「記憶…喪失……」

 

『……ですが、破損した記憶を取り戻すことならできます。』

 

「本当に!?」

 

『貴官の重要なメモリーは目標座標軸: 0473,-3.43,00.336にある無人島にあります。』

 

「そこへ行きたい!理由は分からないけど、知っておきたいんだ!」

 

『了解しました。ですが貴官は戦闘システムがインストールされていません。戦闘システムをインストールしますか?』

 

ラルスの問に、少年は決断する。

 

「インストールしてくれ…これから先、何が待ち受けているか分からない…だから、僕に力をくれないか?」

 

『………質問に応じます。戦闘データをインストールするために、リベリオンに触れてください。』

 

「え?…うん」

 

少年は機体のボディに手を触れてみた。すると彼の頭の中に、操縦法や戦闘データ並びに戦闘行動がシュミレーターとして、少年の頭の中へインストールされて行く。やがてシュミレーターはインストールし終え、少年の目の前には元の世界が広がっていた。

 

「…終わったの?」

 

『はい、次に貴方の戦闘を少し馴染ませるために、訓練用のシュミレーターを起動します。』

 

すると目の前の左右の壁が動き出し、中から、二足歩行の脚と左右にガトリング砲とミサイルランチャーを備えたロボットが5機現れた。

 

「え?」

 

『対象を破壊してください』

 

ラルスの問に、少年はリベリオンに乗り込み、アクセルとペダルを操作し、宙に浮く。そして操縦桿を縦に切り替え、飛翔形態から駆逐形態へと変形させる。バイク形態であったリベリオンが人型へと変形していく。

 

「武器は…これか!」

 

少年はリベリオンの右腕の前腕部に装備されているパルスガン兼用の折り畳み式高周波ソード『パドルデーゲン』と左肘の機動防盾『ケンプファー』を確認し、突撃する。二足歩行ロボットがガトリング砲を乱射すると、リベリオンは凄まじい速さで、回避しながら、パドルデーゲンのパルスガンを連射し1機を破壊した。

 

「先ずは一つ!」

 

次に2体と一緒になっているロボットがミサイルランチャーの弾頭を発射してきた。

 

「ミサイルの迎撃は……マルチロックオン!」

 

向かってくるミサイルがロックオンされると、パドルデーゲンからホーミングレーザーが発射され、ミサイルを破壊する。そしてパドルデーゲンのソードを展開し、ロボットを斬り裂いた。

 

「凄い!パドルデーゲンはこんなにも切れ味が鋭いんだ!」

 

残り2機になったロボットがガトリング砲やミサイルランチャーを放つが、リベリオンはアクロバットな動きで、あっさりと回避され、破壊された。

 

『残存機の消滅を確認。シュミレーターを終了します。』

 

すると清掃ロボットがバラバラになったロボットの残骸を回収していく。

 

「ラルス…思ったんだけど……」

 

『何でしょうか?』

 

「外に出たいんだけど?」

 

『少々お待ち下さい………お待たせしました。メインハッチを開きます。』

 

すると壁が上へスライドされ、光が差し込み、リベリオンを照らす。そこに写った光景は、何処か知らない無人島であり、青い海、緑の樹々、そして白い砂浜。

 

「ここは何処の島なんだろう……ん?」

 

少年は足元の近くで溜まっていた水溜りを見る。水面に写っていたのは…銀色のショートヘア、肌は茶褐色、スーツは見たことのない黒のカラーリング、背中に二本の配線コードが繋がられていた。

 

「これが…僕…」

 

少年は自分の顔を見ながら頬に触れる。するとリベリオンがランディングギアを使い、歩行する。

 

『コードネーム"WED-1272"…貴官の自由行動、自由睡眠、自由食事の許可が得られました。』

 

「え?それって……」

 

その時、少年のお腹から、何か唸り声の様な音が鳴る。少年はお腹を擦り、ラルスに問う。

 

「……お腹…空いた」

 

『食物なら、海で捕れます。』

 

少年はラルスの指示に従い、釣竿と釣り針と餌の代わりに木の根を歯で形を整え、海へ投げ入れる。すると釣竿の弦が引き始めた。

 

「嘘!?餌も付いていないのに!?」

 

少年は釣竿を引っ張ると、海から大きな魚が釣れた。

 

「捕れた!!」

 

少年は捕れた魚を焼くために、木の枝を集める。そしてその集めた枝をリベリオンの頭部の女神のオブジェの目の部分からビームを放ち、火を起こした。焼きあがった焼き魚を食した少年はラルスに問う。

 

「なぁ、ラルス…」

 

『何でしょうか?』

 

「……この世界の事を教えてくれないかな?」

 

『分かりました。次の無人島に航行しながらご説明いたします。』

 

ラルスはそう言い。少年はリベリオンに乗り込み、目標の無人島へと向かっていくのであった。

 

そして、そんな少年の様子を空から見下ろす4機のロボットが飛んでいた。しかもその4機はリベリオンと同じフレームであり、それぞれの武装と装甲の形状が違っていた。一機は全体が銀と黒、関節部は金色、そして緑のカラーリングとジードグリーンの模様が塗られており、両腰にデュアルビームセイバーを収納していた。もう一機は銀と黒、関節部は金色、そしてオレンジ色のカラーリングとゴールデンイエローの模様が塗られており、両手にナックルバスターを持っていた。もう一機は銀と黒、関節部は金色、そして青色のカラーリングとアクアマリンの模様が塗られており、手にはスピアを持っていた。もう一機は銀と黒、関節部は金色、紫色のカラーリングにピンクの模様が塗られており、背部に巨大な手裏剣を背負っていた。すると紫色の機体に乗っているライダーが緑色の機体のライダーに問う。

 

「"失敗作"逃走したな…どうする?コードネーム"HLS-0849"…。」

 

コードネーム"HLS-0248"と名乗る緑の機体のライダーは紫のライダーに言う。

 

「案ずるな、コードネーム"PNM-0849"……奴はまだ、本来あるべきの力に覚醒していない。万が一覚醒すれば……抹消するまでだ。そうだろ?"ミストラル"」

 

すると緑色の機体から音声が発せられる。

 

『その通りです。万が一の事があれば、貴殿やエンブリヲ様に報告することです。何せ我々は……。』

 

ミストラルと言う対話インターフェイス搭載型のAIはその言葉を発言した後、4機は共に姿を消した。

 

身分も記憶も分からない少年。この世界の秩序と真実、そして仲間達と出会う時、これから巨大な陰謀に立ち向かうのであった。

 

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