クロスアンジュ 天使と竜の輪舞 アドベント・オブ・チルドレン   作:オービタル

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第三十六話:黒きラグナメイル・後編

 

そして画面を見ているエンブリヲはヴィルキスを見て、笑みを浮かばせてディメントに連絡を入れる。

 

「ディメント、ヴィルキスが居た。そしてそのライダー…アンジュを私の元に連れて来てくれ」

 

『………やれやれ』

 

ディメントは呆れながら、サリアに通信を入れる。

 

そしてアンジュとサリアの近くにセシルが飛び交い、ヴィヴィアンはクレオパトラに乗っているサリアを見る。

 

「サリア…サリアだ!」

 

「えっ?」

 

「でも…グレイス!タスク!」

 

っとヴィヴィアンはグレイスとタスクに通信を入れ、一旦合流したグレイスとタスクはヴィヴィアンの通信を聞いてアンジュとサリアの方を見る。

 

「サリアさん…!? なんであの人が!?」

 

「どうして…彼女がこんな!」

 

「……父君がお連れしたのさ」

 

グレイスとタスクは目の前に来たヘリオス達がその事を説明し、それにグレイスは問う。

 

「どういう事だ!!」

 

「父君がアルゼナルの女たちを説得し、自らこちら側へと引き入れたのだ。あいつ等の名は『ダイヤモンドローズ騎士団』だ」

 

「ダイヤモンド…」

 

タスクはその事に言葉を詰まらせ、グレイスは頭を抱える。

サリアがとても考えそうな事だと…。

 

「たくもう!行こうタスクさん!!」

 

「ああ!!」

 

グレイスとタスクがアンジュの元に行き、それをヘリオス達は向かう。

 

「行かせるか…!」

 

そしてアンジュはサリアの他にいる人物の事を驚く。

それはレイジアとテオドーラにエルシャとクリスだった。

 

「エルシャに…クリスも!」

 

「アンジュ、どうしてあんたがドラゴンと共に戦って…」

 

「アンジュさん!!」

 

っとそこにグレイスがやって来て。グレイスはエルシャとクリスの姿を見て驚く。

 

「っ!? エルシャさん!?クリスさん!?」

 

「グレイス君…なの?」

 

「うわぁ…またビックリ」

 

グレイスが驚いてる中でサリアはグレイスを見て確信する。

 

「やっぱりあんたもだったのね、グレイス…ん?」

 

っとサリアの元に通信が入る。

 

「こちらサリア…えっ? 分かりました…ディメント様。アンジュ、貴女を拘束するわ、色々と聞きたいことがあるから…それとグレイスにタスク。貴方たちは消えて貰うわよ」

 

「「「!?」」」

 

グレイス達はサリアの一言に驚き、サリアはエルシャとクリスに言う。

 

「二人共、良いわね?」

 

「「イエス、ナイトリーダー」」

 

『待て』

 

すると前にディメントが乗っているラプソディーが現れる。

 

『リベロの方は……私が殺る。』

 

それと同時に、グレイスからリベロへとなり、リベリオンもゼムリアン・フォルムへと変身する。

 

「ディメント…」

 

そしてラプソディーにヘリオスのアイオロス、アトラスのプロメテウス、そして霧の如く姿を現したファントムのハーミットが立ち塞がる。ヘリオスが両翼のプラズマビーム砲を放ち、グレイスはバリアで防ぐ。次にアトラスのプロメテウスがアームガトリング砲を乱射してくる。グレイスはリベリオンをムートロム・フォルムへと変身し、ビームバスターソードを振り回し、弾丸を蒸発させる。次にアトランティカ・フォルムへと変身し、高速移動するが、ハーミットの有線式遠隔支援兵器【セブンテイル】からレーザーが放たれる。

 

「クッ!」

 

グレイスはビームブレードを展開し、斬り込むがディメントのラプソディーが立ち塞がる。グレイスはラプソディーにリベットガンを向けるが、トリガーを引かなかった。その様子にアカリが問う。

 

『どうしたんじゃ!?』

 

「…………」

 

しかし、グレイスは応えなかった。おかしいと分かったアカリはリュミエールを移動させ、ラプソディーに近づく。

 

「っ!!」

 

「嘘……」

 

「そんな!?」

 

「っ!?」

 

アカリ達は声を殺す。何故なら、ラプソディーの頭頂部が露出展開され、その中にあらゆる機材が取り付けられた………10年前のリベルタスで死んだはずのセレスであった。醜い姿に成り果てているセレスの姿に弟妹であるヒョウマとティアは驚く。

 

「い…生きて……生きてたのか!?」

 

「何で……姉さんが!?」

 

「そうか……あの時の襲撃、グレイスが何故ラプソディーにとどめをささなかったのは……」

 

「まさかこう来るとは…」

 

エグナントとアカリはラプソディーに乗っているユニットがあのセレスだとし、先の戦闘で何故ラプソディーを破壊しなかったのか、納得する。ディメントは高笑いしながら、攻撃をやめているグレイスに向けてビーム砲とバルカン砲を構える。

 

「ハハハハ!!どうした?、腰が抜けたか?」

 

「黙れ!!……お前だけは、赦さんぞ!セレスの……セレスの亡骸を!!…断じて赦さぁぁぁぁぁんッ!!!」

 

グレイスの目が獣のような鋭い目付きへと変わり、それと同時にリベリオンのバイザーや至る所の装甲が砕け、ネイキッド(丸裸)リベリオンへと変身した。ネイキッドリベリオンの頭部はパラメイルとは思えない形状であり、灰色の頭蓋骨であり、ツインアイは青から血のような真っ赤に染まりきっていた。

 

「フンッ……ついに本来の力を出したか。」

 

ディメントは鼻で笑いながら、コーパス艦隊に命令する。コーパス艦隊はレーザー砲を一斉砲撃して来た。しかし、

 

「『無駄だ!!』」

 

ラルスとグレイスが同時に叫ぶと、リベリオンの翼が露出展開し、小型のビームの球体を多数放出し、リベリオンを囲む。レーザーはリベリオンに直撃し、爆発する。

 

「ん?」

 

ディメントは首を傾げた直後、爆煙の中から先の小型のビームの球体が現れ、一斉にコーパス艦隊へ放たれた。レンジャーやローカストドローン、キャリアが多数の小型のビームの球体に爆散し、さらにコーパス艦の艦橋目掛けて突進して行く。ヘリオス、アトラス、ファントムはビームの球体を回避しつつ、迎撃していく。

 

「10年前………我々はこれによって倒された。だが!ここまで強化したアイオロスと!」

 

「プロメテウス!」

 

「ハーミットに!」

 

「「「恐るるに足らず!!!」」」

 

三人は同時に叫び、それぞれの武装で球体を破壊していく。

 

「くっ!!」

 

リベリオンが距離を取ろうと、後方へ下がった直後、ヘリオスのアイオロスが現れ、鉤爪状の脚部を伸ばし、リベリオンを掴む。

 

「グゥッ!!」

 

 

一方特異点では撤退が完了したドラゴン達、サラはまずい状況に立たされているグレイス達を悔しそうに見つめていた。

 

「アンジュ……グレイス……」

 

サラは手を握りしめて、特異点は閉じてしまった。

 

グレイス達はまずい状況に歯を喰い占める。既にコーパス艦隊に囲まれているリュミエール、サリア達の陣形『シャイニングローズトライアングル』というネーミングセンスが無い名前に、アンジュのヴィルキスは拘束されており、アトラスとファントムによってタスクとセシルとヴィヴィアンが捕まっていた。

 

「私の妹、テティスのシュトローム……返させて貰うぞ!!」

 

アトラスはトライデントカノンをアシッドのコックピット目掛けて構える。

 

「タスク!」

 

アンジュはタスクを助けようと必死にもがくが、三機のラグナメイルに抑え付けられる。グレイスも必死にリベリオンを動かそうとするが、ヘリオスが鉤爪状のクローでリベリオンを握り潰す。

 

『機体損傷、78.2%へ上昇!これ以上の戦闘は難しいです!』

 

ラルスが報告するが、グレイスは皆を助けられないことに叫び出す。

 

「クソォォォォォォォォッ!!!!」

 

リュミエールの艦橋の前に、ローカストドローンがレーザー砲を構える。

 

「もはやこれまで…」

 

アカリやエグナント達は諦めかけた直後、何処からか閃光が放たれ、翠のビームがローカストドローンを破壊する。

 

「っ!!?」

 

ディメントはローカストドローンが破壊された事に、リュミエールへ見た直後、コーパス艦隊の三隻が撃沈される。

 

「何!?」

 

ディメントは飛んできたビームが上空から降り注いでいることに気付き、上を見る。

 

「っ!!……まさか…」

 

すると上空から曙光が照らされ、天空の彼方から現れたのは、神々しい白銀で覆われた鬼神と同じ白銀に満ちた戦乙女であった。グレイス達は突如天空の彼方から現れた二機に警戒する。

 

「何だ!?あの機体……今までのとは何かが違う!!?」

 

すると鬼神が腰に付いている長太刀を抜刀し、ラプソディー目掛けて飛んできた。

 

「アイツは一体?」

 

『撃ち落とせ!!撃ち落とすんだぁぁぁぁぁっ!!!!!』

 

「!!?」

 

突然ディメントが叫びながら、コーパス艦隊に命令する。コーパス艦隊が一気にグレイス達を無視し、向かってくる鬼神へ迎撃に当たっていく。鬼神はコーパスのレーザーの豪雨をすり抜けるかのように回避し、ハイパーノバビームライフルを撃つ。ノバビームにより、ローカストドローンやレンジャー、艦隊がかすれただけで撃ち落とされていく。

 

『何やってるんだ!!?お前達に金をどれだけ出しているのか分かっているのか!!?』

 

ディメントは焦りながら、コーパスに怒鳴る。

 

『じゃあ!お前がやってみろ!!』

 

『そうだっ!?うああああああっ!!!!』

 

コルベットにいたコーパスクルーマンが悲鳴を上げ、撃沈された。

 

「チッ!!役立たずめ!!」

 

ディメントは舌打ちし、ラプソディーで迎撃に向かう。そしてアダムのコックピットにいる勇人はラプソディーを見る。

 

「“財力こそ正義”と言うか商業組織のトップめ……今度こそ、牢屋にぶち込んでやる!!」

 

勇人はそう言い、アマノソウウンガを突き付けると、ラプソディーの通信回線を開く。

 

『この期に及んで、お前はハーメルンの笛を吹くか……』

 

「黙れ!!俺の世界をぶっ壊した帝王が!!」

 

『……どの口がそれを言う?』

 

勇人はディメントにそう呟き、アマノソウウンガを構える。

 

「お前達!聴いて覚えておけ!!」

 

勇人はそう言うと、超光速で捕まっているグレイス達を助け、リュミエールに集める。

 

「俺の名は……『勇人・ブリタニア・クアンタ』。エンブリヲを斬る…『荒神』だ!!」

 

《荒神!!!?》

 

グレイス達は目の前に助けてくれた人物が本物の神だと言うことに、驚くと、勇人はサリアの目の前へ超次元跳躍で近づいた。

 

「っ!!!?」

 

「嘘!!?」

 

「は、速すぎる!!?」

 

サリアはアダムに向けてビームライフルを構えた直後、ビームライフルや腕がバラバラになる。

 

「嘘!?」

 

『サリア…………本当の飼い主が誰なのか、見分けがついた方が良いぞ』

 

勇人はそう告げ、リュミエールの元へ戻り、シンディと共にグレイス達を連れて、アダムのカメラアイが光り、ボディを青色に変化させて何処かに転移した。

それにサリアはアダム達の変化に驚いてしまう。

 

「…何処に?!」

 

その様子を映像で見ていたエンブリヲは表情を歪め、吊るされているリザーディアは少し笑みを浮かべる。

 

「期待が大きく外れたな…エンブリヲ」

 

っとエンブリヲはリザーディアを睨み、リザーディアを平手打ちで殴りその部屋から出て行く。

 

それと同時に、その場で残されているディメント達。特にディメントは歯を食いしばりながら、怒り声を上げる。

 

「己!!勇人ぉぉぉぉぉっ!!!」

 

ディメントの怒り声に、疑問を持つヘリオス達はある事を考えていた

 

「勇人・ブリタニア・クアンタ……何者なんだ?何故ディメントはあんなにあの男に怒りをこみ上げるんだ?」

 

ヘリオスはそう考え、ミスルギ皇国へ帰還するのであった。

 

 

そしてどこか別の場所に飛ばされたグレイス達はそのまま飛行していき、目の前に砂浜がある事に気付き、慌てて足を付かせる。

しかし間に合わなかったのか、体制を崩してしまい、倒れ込んでしまう。

 

「ぐあっ!」

 

「いたたた…って…ここ、何処?」

 

アンジュ達が辺りを見渡していると、目の前に巨大な城が見えていた。すると上空からあの二機が降下し、着陸する。アンジュ達は警戒すると、アダムとイヴから黒髪の男性と金髪の女性が中から出てきて、アンジュ達に問う。

 

「怪しい者ではありません、アンジュさん♪」

 

黒髪の男性は手を上げ、好戦的意思を表さないようにする。

 

「俺の名は勇人・ブリタニア・クアンタ。」

 

「私はシンシア・ケラン・クアンタ。勇人の妻です♪」

 

二人はグレイス達に挨拶すると、上空から見たこともないパラメイルが降りてきた。

 

「あ、師匠!にエミリアさん!」

 

妖精のようなパラメイルから赤髪の男性と翠髪の女性が降りてきた。

 

「勇人、連れてきたのか?」

 

「えぇ…

 

「……はじめまして、向こうの世界の者よ」

 

赤髪の男性はグレイス達に挨拶し、名を言う。

 

「俺の名は陽弥・ギデオン……ミッドガンドの護星神だ…」

 

《え!?》

 

「我らの世界……別の宇宙へ……」

 

陽弥はそう言い、グレイス達はただ唖然とするのであった。

 

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