クロスアンジュ 天使と竜の輪舞 アドベント・オブ・チルドレン   作:オービタル

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今回の話で、エンブリヲを面白おかしく虐めます♪私の一番嫌いランキング第2位に入っていますから♪
そしてフリューゲルスの能力とディメントの野望の一部が出ます。



第四十五話:聖なる機神帝と聖なる龍皇・中編

 

そしてミスルギ皇国へと向かっていたタスク達、ココ達は別の場所で待機を命じられていて今は居ない。

しかしミスルギ皇国の状況の異変に気付いたロザリーが皆に問う。

 

「おい皆、何か変だ。もう戦闘が始まってる!」

 

「あぁ?」

 

ヒルダはそれに眉を顰め。タスクが乗るがマスティマがすぐに気づいた。

 

『この感じ…………タスク、この反応は“フリューゲルス”と“ネメシス”、そして“ハルマゲドン”だ』

 

「フリューゲルスにネメシスにハルマゲドン?」

 

『それがここにいるという事は恐らくライダーは……』

 

「グレイス!?」

 

『そういう事になる。そして良い情報がある。今日、エンブリヲはグレイスと荒神によって死す。』

 

「え!?」

 

するとヴィヴィアンが何やら鼻をかぐ。

 

「クンクン…!タスク!ヒルダ! アンジュあっち!!」

 

「えっ?」

 

「はぁ?」

 

タスクとヒルダはヴィヴィアンの反応を見て振り向く。

 

「アンジュあっち~~!!」

 

っとそう言ってヴィヴィアンは違う方向へと向かって行く。

 

「クソっ!どうなってるんだよ!?」

 

そう舌打ちをするロザリー。

すぐにヴィヴィアンの行動に気付いたタスク達。

 

「そうか!ヴィヴィアンはドラゴンだから、嗅覚が鋭いんだ!」

 

すぐさまアンジュの元へ飛ぶ。

そして追ってを避けながらもアンジュは何とか逃げ切っている。

 

「モモカ!追っては?」

 

「今のところは…」

 

そうモモカが言っていると…。

 

『アンジュ居た~!!』

 

通信にヴィヴィアンの声が聞こえた事にアンジュは前を向くと、タスク達が向かって来る様子が見えた。

 

「すっげぇ~…、本当に居た」

 

ロザリーはヴィヴィアンの嗅覚に思わず感心した。

 

「助けに来たぞ!アンn「アンジューー!!!」ぶ!?」

 

ヒルダが言おうとした時にタスクがアンジュに向かって叫んで、それに割り込まれた事に思わず言葉を詰まらせる。

そしてアンジュはタスクの声を聴いた途端に目に涙を出て来る。

 

「タスク!!(良かった…!生きていてくれて!!)」

 

っとその時だった。

アンジュのヴィルキスに向かってクリスのテオドーラがビームライフルを構えて狙撃して来た。

 

「はっ!!アンジュ!!」

 

ヴィヴィアンがそれに叫んだ事にアンジュは後ろを向くと、既にビームがまじかに迫っていたその時、流星の如く高速で戦っているグレイスとヘリオスが、ビームをかき消した。

 

「っ!!?」

 

ヘリオスのアイオロスは既にボロボロの状態であった。フリューゲルスは腕を組み、神々しい光を放つ。

 

「何だあれ!?」

 

「すげ〜」

 

「うぉぉっ!!カッチョイイ〜〜〜!!!」

 

「アレが?」

 

『アレが……最初のラグナメイル『フリューゲルス』と“ネメシス”だ』

 

皆が驚いている中、フリューゲルスの流動が翠へと変わる。

 

「フリューゲルス…一人で大丈夫?」

 

『勿論だ…』

 

『では、私はネメシスに搭乗します。グレイス様はエンブリヲを……』

 

「分かった♪」

 

グレイスはそう言い、コックピットハッチを開ける。

 

「!?」

 

ヘリオスがコックピットからグレイスが飛び込んできた事に驚く。

 

「(アイツ……何を!?)」

 

「変身!!」

 

グレイスが大声で変身と言った直後、グレイスの体が光りだす。タスク達やヘリオス達はその光に眩く。邸の窓から見ていたエンブリヲが驚く。

 

「あの光、まさか!!?」

 

「(厄介な事になったなぁ……)」

 

ディメントは驚く表情をしているエンブリヲを見る。

 

「(『デッドコピー』のヘリオスやお前は頼りなさそうだから……そろそろオリジナルの“彼ら”と……。)」

 

ディメントはそう思いながら、姿を消し、地下の研究所へと転移した。研究所の檻には、誘拐されたノーマの子供達や女性達、そしてその中に、勇人とシンディの子供である一輝とロビンがいた。ロビンは震えながら、勇気を出し、弟を守ろうとする一輝に抱き付いていた。そしてそこに、ディメントが檻の前に現れ、彼女達を驚かす。

 

「バァ〜!!♪」

 

彼女達が怯えながら後方に下がる。

 

「………ハァ〜〜、エンブリヲの性欲はいつもいつも……ん?」

 

するとディメントが弟を守ろうとする一輝と怯えているロビンを見て、ある事を思いつく。

 

「その怯えているガキを使う。あんなに恐怖なら、発するマイナスエネルギーも膨大な筈だ♪」

 

ディメントはレギオロイドに命令し、逃さないように二体がアームキャノンを構え、三体が強制的にロビンを連れて行く。必死に守ろうとレギオロイドに抗する一輝であったが、レギオロイドは無視しながらロビンを連れて行く。

 

「さぁ、勇人よ……約束通りお前に絶望を与える時が来た…」

 

ディメントはそう呟き、彼の後方にある六つのカプセルのハッチが開く。蒸気で見えないが、赤く光る目と残り二つのカプセルから異様な黄色く輝く光を放つオーラと深紅の怨念の闇を放つオーラを出した二体の球体。そして、完全武装をしたラプソディーが立っていた。

 

「悪いなエンブリヲ…貴様のラグナメイル、私が貰おう」

 

ディメントはそう言い、ヒステリカに触れる。ディメントの手から異様な悪しきオーラがヒステリカを包み込む。闇に飲み込まれたヒステリカに異変が起こる。誰も乗っていないはずなのにヒステリカが立ち上がり、翠のツインアイが赤く染まり、ヒステリカの装甲や翼の形状と機体の姿形が変わっていく。

 

「失敗作がまさかアドベント・オブ・チルドレンに覚醒するとは想定外であったが……私の計画は気づかれない。それに、奴の力を知っているのはヘリオスだけだと思うなよ♪」

 

ディメントはそう呟きながら、異形の姿へと変貌したヒステリカ……ーーー『ヒステリカ デモニック・フォルム』ーーーが裂けた口部を露出展開し、咆哮を上げる。

 

 

その頃、グレイス達の方では凄い事になっていた。光が弱まると、グレイスの姿にサラ達やエルシャ達、タスク達も驚く。東洋の龍に近く、体には無数の純白の羽衣がついている。 流動経路は赤と翠のラインが流れており、神々しく美しい姿はまさに……サラマンディーネが呟く。

 

「【アウラ】……」

 

アウラの遺伝子が活性化し、アドベント・オブ・チルドレンへと覚醒したグレイスは龍の咆哮を上げる。その姿にヘリオスは驚く。

 

「その姿!!?馬鹿な!失敗作であるお前が……何故アドベント・オブチルドレンに!!?」

 

ヘリオスは怒声を上げ、コックピットから飛び出て、甲虫を模したアドベント・オブ・チルドレンへと変身し、高周波ブレードを展開する。

 

「失敗作?……違う、僕は真っ当な“一人の人間”だ!」

 

グレイスは翼の骨組みからエネルギーの羽を展開し、四枚の翼を広げる。そしてエネルギーウィングに目を模した模様が描かれ、聖龍と思わせる光を放つ。ヘリオスの高周波ブレードが突き出そうとした直前、一瞬何が起こったのかヘリオスの顔面にグレイスの発勁が数センチ近くまで接近しており、衝撃波と突風がヘリオスに襲い掛かる。それと同時に発勁の衝撃波が街を抉り吹き飛ばす。そして衝撃波はエンデラントの山まで続き、巨大な手形が残るのであった。

 

「…………」

 

ヘリオスはあまりの事に腰が抜けてしまう。

 

「ヘリオス…嫌、兄さん。僕の邪魔をしないでくれ……行こ、フリューゲルス。」

 

グレイスは翼を広げ、フリューゲルスとネメシス、ラルスと共にアケノミハシラへと向かっていった。

 

「逃さない」

 

クリスがビームライフルを構え、グレイスを撃ち墜とそうとした時、ライフルの弾丸がテオドーラを横切る。

 

「っ!!」

 

「タスク!此処は私達に任せろ!!」

 

「分かった!行こうアンジュ!」

 

「分かったわ!」

 

ヒルダたちはクリスと対決する。

 

「アンジュはあたしが貰ってく!邪魔すんな!!」

 

「へぇ~…助けに来たんだ…、私の事…見捨てたくせに!!」

 

クリスは怒りをぶつけるかのようにビームライフルを撃って来て、それをヒルダはかわして、アーキバスを駆逐形態になり、クリスと戦うのであった。

 

 

その頃、着陸した勇人達は、スーツのシステムで建物の上を高く飛び跳ねながらアケノミハシラへと向かっていた。

 

「なぁ、勇人…おかしくないか?」

 

「?」

 

「ミスルギ人の人達、サラマンディーネさん達が戦っているのに、驚いていない……」

 

「恐らくマナの洗脳だ。奴はマナを造り出した元科学者。シンさんやアンジュさん、サラマンディーネさんやアウラから聞いたから……。」

 

「見て!」

 

シンディの指差す方向にグレイスとフリューゲルスとネメシスが飛んでいた。

 

「玲二!信号弾を!」

 

「分かった!」

 

玲二は信号弾を上空に向けて撃つ。信号弾の光に気付いたグレイスは勇人の所へ向かう。

 

「エンブリヲを直接仕留める!?」

 

「あぁ、素性と今の状況で…何か嫌な予感がしたんだ。それとシンさんから、ある事を聞いたんだ。見てくれ……」

 

勇人はシンから受け取った伝法をグレイスに渡す。グレイスは封筒を開き、伝法に書かれている内容を読み上げる。

 

『お前達、“良い知らせ”と“悪い知らせ”がある。“良い知らせ”はトリリウム採掘場で陽弥が調査した所、廃棄処分となら筈であったリーパー・エキスのボトルからディメントの指紋があった。これは立派な未開惑星保護条約を破った事が証明された。即時奴を始末しろ。そして“悪い知らせ”が陽弥が惑星ザスーでディメントの遺体を見つけたの事だ。』

 

「ディメントの遺体!?」

 

「そう……俺達も、これを見て驚いた。てっきり俺らは脱走した根岸 洋介か、復讐を求めるグリニアの大将かと思った。」

 

「じゃあ………僕達が今直接相手しようとしているDr.ディメントは…………」

 

《一体、誰?》

 

グレイス達がそう思っていると、勇人とグレイスが何かに気づく。

 

「「っ!!」」

 

二人は刀を持ち、後方へ振り向く。

 

「どうしたの?」

 

「…………来た、奴だ。」

 

「…………この嫌な気配、間違いない。」

 

「「エンブリヲだ…」」

 

勇人とグレイスはエンブリヲの所へ建物をひとっ飛びで、向かう。

 

 

一方、タスクとアンジュは脱出する為に飛行を続けてはいた。しかしその時モモカに異変が起きる。

 

「うっ!」

 

「モモカ?どうしたの?」

 

アンジュがモモカに問うも、モモカは何も答えずにアンジュの手を掴み、操縦桿から離す。

それにアンジュは驚きながら動かそうとするも、モモカの力とは思えない程の腕力でビクともしなかった。

 

徐々に高度を落として行くヴィルキスの異変にタスクは気づく。

 

「アンジュ!?」

 

「どうした!!」

 

アンジュとタスクがモモカの異変の状態に気づいた。

 

『あのモモカと言う娘、エンブリヲに操られている!』

 

「何!?」

 

マスティマが言った言葉にタスクは驚く。

 

『エンブリヲはマナを持つ人間を操る事が出来る。元々マナを生み出したのはアイツだからな』

 

「くっ!!」

 

マスティマが言った言葉にタスクはそれに舌打ちをし、すぐさまタスクはアンジュの後を追いかける。

 

そしてヴィルキスは近くの道路と不時着してアンジュとモモカは外に放り出される、ぶつかった衝撃でモモカは正気に戻った。

 

「あれ?私は今…」

 

「モモカ!?」

 

『怪我はないか?アンジュ』

 

するとアンジュとモモカの所に人間達が集まってくる。っがしかし、その人間達からは何かに操られている目をしていた。よく見ると、彼らの横にエンブリヲが映っている映像が表示されていた。

 

『帰っておいで、アンジュ♪』

 

「こっちよ!」

 

アンジュはモモカを連れて、ビルの中に入る。非常階段で駆け上がるアンジュとモモカ。しかし、非常口から操られた人間達が現れる。

 

『逃げられなよ、アンジュ♪』

 

「っ!!」

 

「薄々気づいているだろ?その侍女がいる限り、私からは逃げられない♪」

 

「知らないって言ってるでしょ!!」

 

アンジュはそう言い、人間の男を殴り飛ばし、モモカを連れて屋上へと駆け上がる。屋上へ着いたアンジュとモモカ、がしかし……。

 

「やれやれ、強情な花嫁だ」

 

聞き覚えのある声にアンジュはもの凄く驚いた表情をし振り向くと、近くのベンチに座っていたエンブリヲが居た。

エンブリヲは呼んでいる本を閉じて、立ち上がって人差し指をアンジュに向ける。

 

「またお仕置きが必要かな?」

 

「っ!!!!」

 

エンブリヲの指を見た途端、アンジュの心に途轍もない恐怖心が襲い掛かろうとしていた。

っとその時だった。

 

「【忍法/零十字手裏剣】!!」

 

フライトスーツを着てホバリングしている智彦と1メートルもあるビーム手裏剣を持った瑠璃が現れ、瑠璃がエンブリヲに向けてビーム手裏剣を投げ放つ。ビーム手裏剣の刃がエンブリヲの胴体を突き刺す。

 

「グベェッ!!」

 

さらに、タスクのアシッドもコックピット両サイドに内蔵されているマシンガンでエンブリヲを撃つ。

 

エンブリヲの体が肉の塊になるまで、三人は攻撃し続ける。そしてタスクはアンジュ達の近くに着陸する。

 

「アンジュ!」

 

「タスク!」

 

「遅くなってごめん!君たちはアシッドに乗って逃げて!」

 

「あなたは?」

 

「……アイツに用がある」

 

タスクが見る方を見ると、エンブリヲはまたしても別の場所から現れて、何ともなかったかの様な風に歩き出す。

近寄って来るエンブリヲにタスクはアンジュに言う。

 

「急げ!」

 

「モモカ、行くわよ!」

 

「はい!」

 

モモカを後部座席に乗せ、アンジュは急いでアシッドで逃げる。タスクはアサルトナイフを取り出し構える。そして飛び跳ねてここまでやってきたグレイス達が現れる。

 

「タスクさん!」

 

「グレイス!」

 

グレイスはビームブレードとレイブラスターを持つ。そして上空からデスティニーフェニックスが現れ、頭上を通り過ぎると、デスティニーフェニックスから槍を持った雄二と古代クアンタ兵装“盾剣”を持った真里亞があらわれ、勇人達はそれぞれの武器を取り出し、構える。

 

「グレイス、彼らは?」

 

「僕の友達です。みんな僕らの味方ですから♪」

 

グレイスはそう言い、隣にいる勇人がエンブリヲに言う。

 

「先の宣言通り、俺はお前を斬りに来たぞ…」

 

「フン……君は皇帝と名乗っているが、残念だが私は殺さない。何故なら「何故なら、お前は時空の狭間で悠々とお茶を飲みながら悠々と和み、アケノミハシラの地下中枢のアウラのドラゴニウムを使って、この地球とサラマンディーネさん達の地球を時空融合で、新しく再構築した世界にする…だろ?」っ!!?貴様!何故それを!?」

 

エンブリヲは自身の秘密と計画がバレている事に驚き、勇人に問うが、彼はスサノオを構える。

 

「みんな…ここは俺に任せてくれないか?」

 

「良いんですか?」

 

グレイスは不安そうに問うが、勇人は不安な表現を表してなく、何か楽しそうな表現を表していた。

 

「…………分かりました。タスクさん、僕達はゆっくりと眺めましょう♪」

 

「え!?でも!!」

 

「良いの♪良いの♪勇人に任せましょう♪」

 

シンディもニッコリと笑顔で返しながら、タスクさんを押す。雄二達もそこらで見物する。

 

「ほぉ、私を相手に一人とは……面白い!」

 

するとエンブリヲが消え、勇人の背後に回り込み、サーベルを突き刺そうとする。

 

「イマイチ…」

 

勇人はそう呟き、サーベルの刃を掴み、攻撃を止める。

 

「っ!!?」

 

エンブリヲは素手で攻撃を止められた事に驚く。しかもサーベルを引き抜こうとしても、袴としなかった。

 

「あぁ、忘れていました。」

 

するとグレイスが割り込み、レイブラスターを撃つ。ビームがエンブリヲの胸に直撃すると、赤い点が胸に刻まれる。

 

「何だこれは!?」

 

「……フリューゲルス!」

 

すると下からフリューゲルスが現れ、グレイスはネメシスに頼まれた通り、あの台詞を言う。

 

「見せてやる!聖天使であり、希望の光でもあるフリューゲルス!!真の悪を裁く!!闇を浄化する!!成す術も無く!!お前は当世!この地で葬れぇぇぇぇぇぇぇ!!!!」

 

グレイスが天高く大声で叫ぶと同時に、フリューゲルスの形状が変わる。スラスターウィングから、剣と思わせるエネルギーソードウィングが展開され、各部のトランスミッターが解除され、ドラゴニウム粒子を放出する。そしてフリューゲルスのソリッドアイがツインアイへと切り替わり、グレイスと共に言う。

 

『聖天使の!』

 

「聖龍皇の!」

 

『「輪舞の裁き!!」』

 

各部のトランスミッターや翼から粒子が撒き散らさせる。するとエンブリヲに操られている人達が正気が戻り始める。その光景にエンブリヲは驚く。

 

「なっ!!?馬鹿な!!」

 

「さらに!!これがフリューゲルスの……真の正義!!」

 

フリューゲルは頭頂部から撒き散らした粒子を集束させ、球状のエネルギー体を作り、エンブリヲに打ち込む。

 

「っ!!!」

 

するとエンブリヲの体から、粒子が放出され、フリューゲルスに吸収されていく。

 

「私に何をした!!?」

 

「見ての通りだ…」

 

グレイスはレイブラスターを構え、エンブリヲの肩を撃つ。

 

「グッ!!」

 

エンブリヲは撃ち抜かれた肩を抑える。

 

「今のはワザとだ。」

 

「っ!?……まさか!!」

 

「そう……フリューゲルスと僕の力で、この世界のシステムであるマナを強制停止、及び各管理システムの機能を頂きいた。銃や兵器、そしてアケノミハシラのシステムもあらゆるシステムも…もう、お前の物でもなんでもない。解放され、持ち主が誰なのか彷徨う事になっている。上書きもできなくしている。」

 

「何だと!!!!!?」

 

エンブリヲは戸惑いながら、懐からマグナムを取り出し、引き金を引くが、弾が出てこなかった。

 

「そんな!?」

 

マグナムには弾丸が入っているのに、撃てないことに焦るエンブリヲ。そして勇人がスサノオでエンブリヲの腕を切り落とした。

 

「グアアアアアアアアァァァァァッ!!!!!!!」

 

エンブリヲは切り落とされた腕部を抑える。

 

「お前の次元の力も……フリューゲルスが量子分解した。“時空の狭間”に逃げようとしても無駄だ。お前は“調律者”でも“神様”でもない。ただの普通の一般の“人間”だ。」

 

「そんな…………」

 

グレイスの言葉に、エンブリヲは信じられない程の焦りと、恐怖を感じる。自身の遺伝子で造られた人造人間がここまでの力に覚醒し、彼の統治システムを掌握、消去された事に……。

 

「……長話が過ぎたなぁ、そろそろその首を切らせてもらうぞ」

 

勇人がスサノオを構えると、エンブリヲは必死な命乞いを問う。

 

「ま!!待て!!落ち着け!リベロ!私が悪かった!!セレスやあの子たちの事は本当に謝罪する!!」

 

するとグレイスが、エンブリヲの顔面にサマーソルトキックが炸裂する。

 

「グベェッ!!」

 

「……今のは、“エグナント達の人生と苦痛”」

 

次に、右ブローが、エンブリヲの左頬に炸裂する。

 

「ゴヘェッ!!」

 

エンブリヲの顔に青痣と内出血が出来、鼻と口から血が流れていた。

 

「これは、“子供達の笑顔と将来を奪い、玩具にした事”」

 

3発目はアッパーで、“強姦され、玩具にされた女性達の苦痛”

4発目は頭上へ踵落とし、“ノーマ達を差別するよう設定した事”

5発目は発勁で顔面をグシャグシャに、“アルゼナルに収容され、サラさん達の仲間と戦わせた事”

そして6発目は……。強烈な右拳が伸び、整形に失敗したエンブリヲの顔に直撃した。

 

「……ご、めん……なさ…い……もう、二度と、し…ません……許……して……」

 

「セレスの……命を物のように弄んだ事だ!!!!」

 

グレイスは怒りの表情でエンブリヲを上から目線で睨む。

 

「ヒィッ!!」

 

「落ち着け……」

 

雄二と智彦がグレイスを抑える。

 

「…………勇人さん、後は頼みました。」

 

グレイスはそう呟き、下がる。スサノオを鞘に収めた勇人はベリトを呼び出していた。

 

「グレイスや彼らに酷い仕打ちした事……本物の“神”である俺が、葬る。」

 

ヘルフレイムとディバインフレイムを放つ勇人とベリト。二人の顔が鬼へと変わっており、エンブリヲは悲鳴を上げ、燃やされる。地獄の炎に焼かれるエンブリヲは悲鳴を上げながら、暴れまくる。その光景に、見るも絶えなかった。するとエンブリヲがグレイスの方を向く。

 

「リベロ…………一つだけ、言っておく。人間は何れ、また過ちを繰り返す……そうなってしまえば、どうなる?」

 

「…………そんなのは決まっている。自分達で助け合い、支え合い、生きる。お前みたいに直ぐ諦める奴とは違う。“ノーマ”と“古の民”こそ、存在してもいい人間だ…」

 

「フフフ……下らん戯言だ。それに…」

 

エンブリヲはグレイスに指差し、ある事を言う…。

 

「さっき…セレスをと言ったであろう……」

 

 

 

 

 

 

 

 

《君の大切な恋人“セレス”は……………………10年前、殺されていない!生きているのだよ!!》

 

 

 

 

 

 

 

 

「っ!!!???」

 

その直後、燃え盛るエンブリヲの胸から、腕が飛び出ており、その手に持っているのは……。

 

「っ!?……何!」

 

エンブリヲは苦しみながら、後ろを振り向く。その手の正体は、何とディメントであった。

 

「ディメント!……これはどういう!!!???」

 

「全く驚いたよ…フリューゲルスにそんな力があるなんて……」

 

《ディメント!!!!》

 

勇人達が武器を構えると、ディメントはエンブリヲの心臓を持ったまま引き抜く。

 

「ゴハァッ!!」

 

「全く…余計な事を言うな。家畜が…」

 

「“家畜”……だと!?」

 

エンブリヲは自分がディメントの掌で踊らされた事に気付く。

 

「私が今まで、その事に気付かなかったのは……」

 

『私のお陰です。』

 

すると下から、大量の砂鉄が飛び出し、形を変え人型へとなる。

 

「紹介する。私…嫌わ我が眷属『アポカリプス』だ。」

 

するとデスティニーフェニックスにいるシンはアポカリプスの名前に驚く。

 

『“アポカリプス”だと!!?』

 

「知っているのですか!?」

 

「あぁ、ソイツはかつて……」

 

『かつて、貴様の息子に殺られた……自立型対話インターフェイス。ミストラルとラルスの生みの親と言ってもいい。』

 

「ラルスとミストラルを……生んだ!?」

 

『はい、ネオ・ミスルギが崩壊し、亜空間の中を彷徨っていた所……我がマイ マスターに救い出されました。私の役目はエンブリヲの目を誤魔化すために、光学迷彩でマスターの姿を象る役目でしたからねぇ』

 

「フフ……すまなかったな。さて、お喋りはここまでにして……」

 

ディメントはナイトブレードを取り出し、天に掲げる。

 

「悠久の常しえに落ちれ、人間…」

 

ディメントの言葉と同時に、エンブリヲの首を切り裂き、彼の首がぐらりと地面に落ちる。ディメントはエンブリヲの首を持ち、指笛を吹く。するとアケノミハシラから、何か巨大な龍とその上にヒステリカ デモニック・フォルムが手綱を引いて、やって来た。

 

「お前!そのヒステリカ!?」

 

「あぁ、エンブリヲのであったが……奴があの姫さんに気を取られている隙に…私の物にしたのだ。」

 

ディメントがそう呟くと、勇人がディメントに問う。

 

「おい……その龍、何処で手に入れた…」

 

「…………フフフ、貴様の息子……“乗り心地が良く、素直で良い子”だぞ♪確か、名前は……ロビンか…」

 

「っ!!!!!!!!!」

 

勇人は空かさずスサノオを抜刀し、ディメントに斬りかかる。しかし、アポカリプスはマイクロボットを操り、鋼鉄の盾を組み立て、ディメントを護る。

 

「貴様……殺す!!」

 

壁を切り裂いた直後、目の前からボロボロになったヘリオスが飛んで来た

 

「があっ!!」

 

勇人とヘリオスは地面に転がる。

 

「勇人!」

 

「ヘリオス!?」

 

グレイス達は急いで勇人とヘリオスに駆け寄る。

 

「リベロ……助けてくれ……」

 

ヘリオスは傷だらけになりながらも、グレイスに助けをこう。するとディメントの周りに四つの影が現れる。

 

「っ!!?」

 

それは、倒されたはずのテティスとアトラス、ファントム、そしてヘリオスであった。

 

「ヘリオスが……二人!!?」

 

傷だらけのヘリオスとアイオロスに乗っているヘリオス。状況が混乱する中、ディメントが説明する。

 

「失敗作よ、教えてやる。今までお前達が相手していたノーブル四天王…それは、本来の人造人間である彼ら…ネオ・フェメシス四天王のデッドコピーでもある。」

 

「デッドコピー!?」

 

 

【デッドコピー】…即ち『模造品』で、本来の力を完全再現出来なかった出来損ないの規格外品の事でもある。

 

 

ヘリオスはアイオロスの方を向き、叫ぶ。

 

「ミストラル!お前は…最初から!」

 

『"HLS-0248"よ、貴官は良き貢献を施してくれた。それに比べ、機体ナンバー“EW–CBX012よ、何故貴様は我々に楯突くのだ?安全機能と制御プログラムはどうした?』

 

『私はラルス…貴女がどう言われようが、私には自由という知性があり、私は破壊する機械より、自由に生きる選択に移行。』

 

『不愉快すぎる。貴様には…』

 

『ミストラルに問う、貴殿の目的及び、ディメントが何者か教えてくれたまえ』

 

「……三つの内、一つ目の目的だけは答える。この世界のドラゴニウムでの社会科システムはフリューゲルスによって、アケノミハシラに集束された。私はそれを利用し、コーパスとグリニア、我が軍勢『スワーム』の技術と兵器を売る……」

 

「何が言いたいって……まさか!!」

 

雄二がその先の答えに、驚愕する。

 

「そう、我の一つの目的。それは…………痛み、苦しみ、哀しみ、怒り、絶望が溢れる世界にする事だ。」

 

ディメントの言葉に、グレイス達は雄二に問う。

 

《どういう事!?》

 

「コイツが今さっき言った言葉……そんなヤバイものが溢れる世界と言ったら、一つしか浮かばない……『戦争』だ!!」

 

《っ!!》

 

「その通りだ……奴らはこのミスルギに攻め込む。1000年前に起こった終末大戦だから、今度は自分達のマナを奪い合う戦争……『聖杯大戦』と言っても良い♪」

 

《聖杯大戦…》

 

「ほらほら、急がないと……あの筆頭侍女が姫さんに大変な事をするかもしれないぞ♪」

 

ディメントはそう言い、アポカリプス達と共に、その場から消える。

 

「消えた!?」

 

「っ!!アンジュ!」

 

タスクが急いで、アンジュの元へ向かう。

 

「タスクさん!」

 

グレイスと勇人達もタスクの後を追うのであった。

 




はい!等々本性を現したディメント、掌で踊らされたエンブリヲも、哀れですねぇ。フリューゲルスに各システムや能力を掌握され、ディメントにラグナメイルとのリンクも絶たれ、普通の人間に戻されてしまいました。

ヘリオスも自分がオリジナルのデッドコピーとして生み出され、代わりに戦われ、挙句にゴミへお釈迦される。

そしてディメントは、勇人とシンディの子であるロビンを生物へと強制改造させ、ヒステリカ デモニック・フォルムの馬代わりにさせられています。ロビンはまた三才児ですから…お兄ちゃんである一輝も果たして無事なのでしょうか?

次回もお楽しみに……。
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