クロスアンジュ 天使と竜の輪舞 アドベント・オブ・チルドレン   作:オービタル

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第四十五話:聖なる機神帝と聖なる龍皇・後編

 

その頃アウラの元に向かおうとエルシャ達のラグナメイル達と戦っていたサラ達、しかし性能がやや上なのか一向に進めなかった。

戦っているサラは今の現状ではアウラを救えない事に拳を握る。

 

「はやり今の戦力ではアウラを…」

 

そしてサラはナーガとカナメに通信を入れる。

 

「引きますよ…カナメ、ナーガ」

 

『『ええっ!?』』

 

二人はサラの言った言葉に驚きを隠せず、サラはそのまま言う。

 

「現有戦力でのアウラ奪還は不可能です。一度引いて体制を立て直します」

 

そう言ってサラは皇宮のそばに隠れているリィザに言う。

 

『リィザ、聞こえますか?貴女も合流するのです。貴女に何があったのか今は問いません。ですが多くの仲間を死なせた事を悔やんでいるのなら、より多くの仲間を救う為共に戦いなさい!』

 

「サラマンディーネ様…」

 

サラにその事を言われたリィザは少しばかり考えた後、決心を決めて外に出て飛ぼうした時だった。

彼女の近くの壁に銃弾が当たり、それにリィザは撃って来た方を見ると、ライフルを不器用に構えたシルヴィアがいた。

 

「大人しく地下牢に戻りなさい! さもなくばエンブリヲおじ様に切開してもらいますわよ!」

 

「…哀れな子、ジュリオ…あなたのお兄様を殺したのは…あの男だと言うのに」

 

「はぁ…?何を言って?」

 

リィザの真実の話に思わず困惑するシルヴィア。そしてリィザは空へ飛んでいき、それに慌てるシルヴィア。

そしてカナメの碧龍號がリィザを乗せて飛び立ち、サラはビーム砲を撃ちまくった後にナーガ達とそのばから撤退した。

 

「くそっ!逃がすか!!」

 

ターニャが思わず追いかけようとした所をエルシャがそれを止める。

 

「深追いは駄目よ…ん?」

 

エルシャは皇宮の側の庭を見ると、そこにビームの巻き添えを食らってしまった子供たちが死んでいて、それにエルシャは思わず目を見開いてしまう。

 

 

一方ヒルダ達の方は、相手はクリスでありながら彼女が乗るラグナメイル、テオドーラの性能に圧倒的に押されていた。

 

「ぐぅぅっ! クリス強ぇぇ…!」

 

ヴィヴィアンがクリスの強さに思わず声を出し、ヒルダは舌打ちをして睨み返す。

 

「くそっ…!」

 

「待ってくれよクリス!!」

 

ロザリーは必死にクリスに問いかけ、見捨てた事を必死に否定していたが、クリスはそれを耳も傾けず、自分の八つ当たりを人にぶつけていた。

ヒルダはどうすればいいかと考えていた所に。

 

「お姉様ーー!!」

 

マリカがのるグレイブがやって来て、マシンガンを撃ちながらクリスに向かって行った。

それにヒルダ達は足を止めて、マリカを止める。

 

「やめろ!マリカ!!」

 

「邪魔…!」

 

クリスがラツィーエルを投げて、マリカに向かって行く。それにマリカは思わず目を瞑った、しかし何もない事に目を開けると…。

 

「間に合って良かった!」

 

アドベント・オブ・チルドレンへとなったグレイスが、ラツィーエルを受け止めていた。

ヒルダとロザリーが驚く中で、赤色のビームがその両機の間を通り、それに皆は振り向くとサラ達の焔龍號達がやって来たのが見えた。

 

「あの機体は…!」

 

「サラサラさん!」

 

ヴィヴィアンの言い間違いに思わず呆れる表情になるサラ。

 

「サラマンディーネです、ヴィヴィアン…それよりもあれは」

 

「グレイスだよ!」

 

「え!?」

 

サラはグレイスの姿がアウラに似ている事に驚く。

 

「クリス…落ち着いて聞いてくれ……エンブリヲが死んだ…」

 

「……だから何?」

 

「え!!?」

 

「エンブリヲ?……誰ソイツ?知らないんだけど」

 

「え!?だって!お前を助けたのは…」

 

するとクリスに通信が入る。

 

「……チッ!」

 

グレイスはクリスのラツィーエルをクリスに投げ飛ばし、それに慌ててラツィーエルを掴みヒルダ達を睨み。退却する。

 

 

その頃、グレイス達がエンブリヲを抑えている間にアシッドでミスルギから逃走するアンジュとモモカ、そして夕暮れになって来て海岸線が見えたのをアンジュがモモカに言う。

 

「モモカ!海よ!!」

 

アンジュがそう言った時にモモカがアンジュの腕を掴み、スロットルを離す。

 

「えっ?!モモカ!?」

 

アンジュがまたしてもモモカの行動に驚く、そして降りて行く先を見るとある広場で、ディメントは紅茶を飲んでいた。そしてよく見ると、テーブルの上にエンブリヲの首が置かれていた。

 

「っ!!?(エンブリヲ!?なんであいつの首が!?)」

 

アシッドは着陸して、操られているモモカはアンジュを強引に下ろしてディメントの前に連れて来る。

ディメントは紅茶をテーブルに置いて、アンジュの元に近づく。

 

「エンブリヲは我が殺した。奴はお前の美欲に虜になり、グレイスとフリューゲルスの力で本来の人間に戻された。だが、私の計画には貴様が必要なのだ。」

 

「来ないで!」

 

アンジュはディメントが差し伸ばしてきた手を払う。

 

「…………そうか、ならば…貴様の死体ごと連れ帰るまでだ!」

 

ディメントから放たれる黒い狂気がアンジュの心を蝕む。しかし、アンジュは最後まで抵抗する。

 

「何故貴様にそれだけの抗力がある……」

 

するとディメントは突如消えて、アンジュの後ろに現れる。

 

「あの若造か?」

 

「!!?」

 

そしてアンジュが驚く中でディメントはアンジュの腕を掴んで拘束し、アンジュは振りほどこうとするもビクともしなかった。

 

「っ…!(助けて…タスク!!)」

 

そしてそこに勇人達が到着して、グレイスとタスクは降りて前に出て、勇人達も降りてグレイスとタスクの横に並ぶ。

グレイスとタスクはアンジュを捕まえているディメントに怒鳴りながら叫ぶ。

 

「そこまでだディメント!!」

 

「アンジュを離せ!!」

 

「グレイス!タスク!皆!」

 

アンジュは二人が来た事に喜びの表情を浮かばせるが、ディメントはそれに鼻で笑う。

 

「フッ!……殺れ」

 

するとモモカがディメントの剣を持ってグレイス達に向かって行き、それにグレイスとタスクが驚く。

 

「「モモカ!!?」」

 

そしてモモカはグレイス達に剣を振り、それを勇人達は防御しながら後方に下がり、それにグレイスとタスクはモモカの行動に気付く。

 

「そうか…!ディメントがモモカを!」

 

「卑怯な事を…!」

 

それにディメントは笑みを浮かばせながら言う。

 

「そうだ、私がその小娘の身体能力を極限まで高めた。それにお前達にその小娘を殺せるか?」

 

「「くっ!」」

 

操られたモモカの素早い突き攻撃がタスクやシンディ、玲二に襲い掛かる。

 

「殺せ……そして、泣き喚け…」

 

「やめなさい…やめなさい、モモカ!!」

 

「無駄だ……我の力はエンブリヲと違って『絶対』だ。」

 

「違うわ…モモカは、私の筆頭侍女!目を覚ましなさい!モモカ!!」

 

その時、アンジュの声と共に、頭の中でアンジュとの思い出を浮かばせる。楽しかった事、悲しかった事、幸せだった事。モモカの遺伝子情報が変わり、正気を取り戻す。

 

「アンジュリーゼ……様…」

 

モモカの目のハイライトが戻る。そしてモモカは持っている剣を見て、決心をする。

 

「タスクさん!アンジュリーゼ様をお願いします!!」

 

「!? モモカ!?」

 

タスクはモモカの言葉に振り向き、そしてモモカはディメントに向かって行く。

 

「えーーーい!」

 

「ん?」

 

モモカはディメントに向かってふらつきながらも剣を振り下ろし、アンジュを引き離してディメントに向かって行く。

 

「フッ、愚かな」

 

っとディメントは銃を構えてモモカに目がけて撃ち、それにモモカは胸に銃弾を受けてしまうも、そのままディメントに向かって行く。

 

「マナの光よーー!!!」

 

するとモモカは車をマナで動かし、ディメントはまだ動けるモモカを見て驚いた。

 

「何!?」

 

「やああーーーーッ!」

 

モモカはそのまま剣をディメントに向かって突き刺し、車はモモカとディメントに突っ込んで行き、二人を巻き込んで壁を突き破って崖へと落ちて行く。

 

「モモカ!!」

 

アンジュはすぐさま崖へと落ちて行モモカに向かうも、既に落ちて行ってしまい、そして車は地面に直撃して爆発していった。

その光景を見てしまったアンジュは信じられないまま唖然としてしまう。

 

「モ…モモカーーーーー!!!!」

 

そしてグレイスとタスクはアンジュの悲鳴を聞いて、互いの顔を見て頷く。

 

タスクがアンジュを持ち上げてシャークレイスに向かう。

しかしアンジュはモモカの事で頭が一杯だった。

 

「待って…タスク、モモカが…モモカが! お願い!タスク!!モモカを!!」

 

そしてアシッドにアンジュを乗せた瞬間、タスクの右肩にエネルギー弾が撃ち込まれ、それにグレイスが見る。

 

「ぐっ!!」

 

「タスクさん!!」

 

「フフフ…」

 

っとグレイスは違う方向を見ると、傷一つないディメントが立っていて、手からエネルギー弾を放とうと構えて笑っていた。

 

「そんな!!?」

 

各システムは停止し、フリューゲルスが統治している筈なのに、ディメントの能力だけ、何故か統治されていなかった。するとグレイスの元に、プライマルブラスターを構えたフリューゲルスとデブリスィーパーを構えるネメシスが現れた。

 

『グレイス!!離れろ!!』

 

『コイツから、生命電波率が0.0023%が確定。体温と呼吸をしていない!そして奴の力はマナの光でも何でもない!!』

 

《え!?》

 

「理解が早いなぁ、フリューゲルスにネメシス……嫌、我が“古き友”よ♪」

 

「古き…友!?」

 

するとディメントは、フリューゲルスに手をかざす。

 

『っ!!』

 

突然フリューゲルス全身に、1000ボルトの電流が流れ、システムをハックされる。

 

「どうした!?」

 

スタン状態へとなっているフリューゲルの頭頂部から、エネルギーの球体が出てきて、ディメントがそれを自分の所に引き寄せる。それはフリューゲルスの記憶や統治システムを管理しているメモリの一部であった。グレイスはその能力に思い出す。

 

「そうか!僕が今までの記憶が無かったのは……全部“お前”だったんだな!!」

 

「その通りだ。10年前の悲劇の他に、私の計画を知ったお前は力限り暴れまくったからなぁ…」

 

「クッ!!」

 

自身の記憶がまさか、ディメントの能力によって取られていた事に、グレイスはレイブラスターを構える。

 

「よくも…モモカを!!」

 

アンジュがディメントに突っ込もうとした時、タスクがアンジュの腕に手錠をかけてハンドルに固定し、アンジュはそれに驚いてタスクを見る。

タスクはアシッドのコンソールを見て、ある事に気が付く。

 

「(アカリさん、アシッドの機能にこんなものも……これなら)」

 

っとタスクはすぐさまコンソールを操作して、ある座標へと設定したのちロックしてオートパイロットにする。

グレイスはそれに問う。

 

「アシッドの機体に何をしたんです?」

 

「…少しね、君は生きるんだアンジュ。必ず戻るから…君の元に」

 

タスクは笑顔でアンジュに言い、それにアンジュは頭を横に振る。

 

「駄目…駄目よ!タスクッ!」

 

っと次の瞬間、タスクがアンジュに突如キスをして、それにアンジュは思わず唖然とし、そして少し頬を赤くする。

そしてキスを終えたタスクは持っているネックレスをアンジュに渡し、アシッドはアンジュを乗せて自動で飛び立っていく。

 

「タスク!…グレイス!」

 

そしてタスクはグレイスの隣に並ぶ、ディメントはタスクを睨み、呟く。

 

「『アルト・フォルク(古き人種)』の小僧……死ぬ覚悟は出来ているか?」

 

ディメントは手をかざし、エネルギー光弾を放つ。エネルギー光弾がタスクの防弾チョッキに直撃する。

 

「うっ!!」

 

「タスクさん!!」

 

「グレイス……皆も離れてくれ……」

 

「!?」

 

グレイスはタスクが何を言っているのか分からなかったが、勇人達はタスクがやろうとする事に、急いでシンに通信を入れる。

 

「(シンさん!タスクさんが!)」

 

『(分かっている!!)』

 

フラフラ立つタスクは、グレイスを払いのけ、ディメントの前に出る。

 

「小僧……次は急所に…」

 

「ディメント……お前に話したいことがある。アンタは、あの場にいたんだよな……そして、俺の両親と仲間が時空融合で石の中に埋められた時、あの場でお前は笑っていた……何故だ?」

 

「…………だから何だ?虫ケラが無様に死ぬのを?」

 

「俺の両親と仲間達が………待っているぞ!!」

 

タスクは防弾チョッキの中に隠していた時限爆弾を見せる。

 

《っ!!》

 

グレイス達やディメントはその爆弾に驚く。そしてタイマーが0になった直後、大爆発が起きる。

勇人達はフライトスーツを展開し、フリューゲルスやネメシスも負傷したタスクとグレイスを連れて、崖を降下していく。既に下にはモモカを救出したシンがデスティニーフェニックスで待機していてくれた。そして光学迷彩のまま乗り込むと、直ぐに海底で待機し、アウローラ と合流を果たしたリュミエールの元に運ぶ。

 

そしてその爆発はミスルギから去って行くアンジュの目からはグレイス達が爆発して行ったと勘違いを受けてしまう影響を与えてしまった。

 

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