クロスアンジュ 天使と竜の輪舞 アドベント・オブ・チルドレン 作:オービタル
グレイス達が逃げられ、タスクの爆弾の破片と爆炎がディメントの顔を傷つけられ、彼は医療レギオロイドに治療されていた。顔右半分が火傷を負い、右眼に破片が突き刺さっているが、レギオロイドの最先端技術で痛みを抑制、麻酔を受け、右の眼球ごと破片を抜き取り、素早く傷を縫ってもらう。そして手術が終わると、鏡に写っている自分を見る。
「…………ドレギアス、この仇は我が取る。」
ディメントはそう呟き、拳を鏡にぶつける。割れた鏡から、ドレギアスの血が流れ落ちる。
量産型レギオロイドやグリニア残党兵(前作と同じネザーを元に半分サイボーグ化した“クローン兵”)、コーパス、スワーム(虫のような小型の種族)が地下の広間で、整列していた。そしてネオ・フェメシス四天王と量産型ローガストメイル、ネビュラメイルが盾とビームソードを掲げ、ディメントの通り道を作る。ディメントは段を登り、演説する。
「……皆の者、誇り高きディアヴォリアスの兵士達よ……我々は長きに渡り、虐げられてきた。あの忌まわしきヴェクタの護星神『陽弥・ギデオン』が率いる連邦『ヴァルキュリアス』……ドレギアスを一度葬った天空の勇者『レオン・マクライト』と天空の戦士が率いる組織『フロンティア』……新生クアンタ帝国皇帝の荒神『勇人・ブリタニア・クアンタ』率いる『天帝軍』……そして、彼等に支援する“超時空共和国”から!!……だが今!ここに宣言する!我はこの手で、“自由”とそして平等と共存を…我の手で!潰してくれる!!!おっと…これを見ている共和国よ……我々『独裁星系帝国連合 ネオ・ディアヴォリアス』は……」
するとディメントの頭上に、15メートルもある巨大な爆弾であった。そして……。
『お前らを塵にし、争いでまた我々は強くなる!!』
《ウォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ!!!!》
グリニア、コーパス、スワーム兵達が歓喜の雄叫びを上げる。ディメントはその場で消え、ミスルギ皇国宮殿へと戻る。っとそこに、ヘリオスがやってくる。
「ディメント様」
「……ヘリオスか」
「ラプソディーの完全武装が済みました。それと、共和国や奴等が来るかもしれません。この星に結界を貼りましょう。スペクトロブスや神々も寄せ付けない程の強度に……」
「そいつは名案だなぁ…奴等はただ指を咥えたままになる。なら行動を開始しろ…」
「はい…」
ヘリオスはそう言い、その場から消える。アウラのドラゴニウムを原動力として、アケノミハシラから膨大なドラゴニウム素粒子のシールドが偽りの地球を覆う。そして、各国の首脳会談で呼び集められた各国の元首達。
ローゼンブルム王国国王、ヴェルダ王朝女王、エンデラント連合大統領、マーメリア共和国書記長、ガリア帝国皇帝が円卓に居座っていると、それは現れた。
「エンブっ誰だ!?」
エンデラント連合大統領がその人物に問う。何故ならエンブリヲではなく、全身を黒いマントで覆われているディメントであった。
「初めまして各国の元首の皆様……私の名はディメント、エンブリヲの右腕だったのですが…」
するとディメントは黒いマントの中から焼け爛れたエンブリヲの首を円卓の上へ放り投げた。
「キャァァァァァァァァァッ!!!!」
「エンブリヲ様!!?」
「……何あったのだ!?」
「……10年前のリベルタスで、ノーマやオリジナルの失敗作であるRBLー1272が、エンブリヲをいとも容易く抹消した。」
《…………》
「信じられない話だが、事実である。エンブリヲ亡き今、右腕であった私が最高指導者として務めている。」
「馬鹿な!!エンブリヲ様に変わってだと!?ふざけるのも大概にしろ!」
「……では、どうする?」
ディメントが、エンデラント連合大統領に威圧する。
「っ!!?」
《っ!!?》
他の各国の元首達も、ディメントに威圧される。
「エンブリヲを失った今、高度社会化システムであるマナが消えかけている。」
《!!?》
「マナを失えば、貴様達は人間から化け物として生きていかなければならない。」
「そ!そ!そ!そんな事!絶対に嫌だ!!我々人類が化け物になるなど!!」
「そうです!いい加減な事!」
「……そうなると思って、選択肢がある。“一つ……このまま人間からノーマとして生きるか。”」
《!!》
「“二つ……世界を壊して、新しく世界を再構築するか。”」
《……》
「そして“三つ……君達が争い、どちらかにマナの光を国家存続するか…”」
《!!?》
「つまり、君達の国家が一つ生き残り、国家存続の為のマナを与える。敗北した国家は未来永劫ノーマとして生きる。どうかな?」
《…………》
各国の元首達が深く考えていると……
「私は賛成だ!」
《えっ!!?》
何と、肯定したのはエンデラント連合大統領であった。
「そんな!?」
「私はノーマになるのはごめんだ!お前らが代わりになってくれ!」
「何を申すか!?私も嫌だぞ!」
「おやめなさい、二人とも」
「黙れ!ミスルギの罪人の一族の肩を持つ国家が!」
各国の元首達が互いに意見を言い争い、そしてガリア帝国皇帝が立つ。
「なら、始めようではないか…………戦争を…」
そして始まる……ガリア帝国、エンデラント連合、マーメリア共和国、ローゼンブルム王国、ヴェルダ王朝、ミスルギ皇国による国家対戦。『聖杯大戦』“通称ーG–warー”が発令した。エンブリヲに変わってディメントが、彼らの誰かの最高指導者と未来永劫に続くマナの光を与える条件を肯定し、各国家は戦争の準備をする。各国家にピレスドロイドやレギオロイドと兵器、ノーマを使っていない自爆用生物兵器を明け渡した。ミスルギ皇国の高台で、ディメントは違いが争うその光景に歓喜する。
「ア〜ッハハハハハハハハ!!!!見たかドレギアス陛下!!これが私のやり方だ!!」
彼の歓喜と共に、各国家で遂に戦争が始まった。無数に飛ぶ銃弾が兵士達の体を貫き通し、一般人や子供の泣き叫び、大都市の破壊衝動、悪雲で染まる空、兵士達や人々の血で染まる大地に成り代わろうとしていた。