クロスアンジュ 天使と竜の輪舞 アドベント・オブ・チルドレン   作:オービタル

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第四十七話:大戦前夜・前編

グレイス達はミスルギ皇国から離れ、離れた小島に到着して、デスティニーフェニックスから下りる。タスクが下りると勇人がタスクをげんこつする。

 

「痛った〜〜い!!?」

 

「タスクさん、今度自爆しようとしたら本気で殺しますよ!」

 

勇人は怒りながら、スサノオを突き付けてくる。

 

「あれは最後の手段だと思って、つい……」

 

「ついでも、俺達に知らせろ」

 

勇人やみんなの目つきが鋭くなる。

 

「う〜……」

 

するとシンが、治療したモモカを連れてきた。

 

「とにかくタスクとモモカよ、お前達は一刻も早くアンジュの所へ戻れ。それと…」

 

シンはタスクに青い宝石が付いたブレスレットを渡す。

 

「これは?アシッドを呼ぶ為のブレスレットだ。これがあればアシッドはヴィルキス同様次元跳躍が出来る。」

 

「分かった!」

 

「じゃあ、勇人…私はタスクとモモカをあの島に転送装置で送る。お前達はアカリ達と合流しろ」

 

「はい!」

 

シンはデスティニーフェニックスに搭載されている転送装置で、アンジュのいる島へと転送された。

 

「おい!皆んな!!」

 

突然雄二が急いで勇人達を呼ぶ。

 

「どうしたんだ?」

 

「大変なんだ!……エンデラント連合、ローゼンブルム王国、マーメリア共和国、ヴェルダ王朝、ガリア帝国、ミスルギ皇国が……国とマナの存続の為……戦争を起こしている」

 

《えぇっ!!!???》

 

デスティニーフェニックスのモニター画面に、各国のニュースや情報が映し出される。

 

「何……これ?」

 

ジャーナリストである瑠璃が呟く。

 

「一体、どうなっているんだ?」

 

そして映像の中には、複数のレギオロイドとピレスドロイド、そして勇人達が使われる戦車や無人戦闘機が使われていた。

 

「ディメントだ。アイツ……ついに共和国条約第1条『未開惑星保護条約』を破ったんだ。」

 

「それじゃ!?」

 

「あぁ、これだけの武器と兵器となれば……彼らが生き残る確率は…間違いなく0.0000003%だ」

 

「そんな!?」

 

「急いでこの事を師匠やレオンさん達に伝えないと……」

 

勇人がそう言っていると、シンディが大声を上げる。

 

「えぇっ!?」

 

「どうした!?」

 

「勇人、大変!陽弥さん達が来られないの!」

 

「何!?」

 

陽弥からの内容はこうであった。偽りの星を覆うドラゴニウム素粒子を放つ放射線と超強度リフレクターシールドが大気圏突入を塞ぎ、陽弥達どころかレオン達、共和国軍、全神々、スペクトロブスが入って来られないと言う。

 

「そんな……」

 

「三大組織が来れないって…」

 

「……急いでアウローラ へ合流しよう。」

 

 

 

 

 

その中で整備班達はメイの指示の下で動いていた。流石にメイも大人たちを命令するのは初めてだったが自分の役目をしっかりと果たしていた。

 

「レイザーは破損部の装甲を換装!ロザリー機は補給を最優先!ヒルダ機はダメージチェックをお願います!!」

 

「「了解!!!」」

 

男たちの活気に思わずメイは引いていた。

そしてココ達は無事だったマリカにメアリーとノンナが抱き合っていた。

 

「良かった~…!マリカ! もう勝手に動かないでね!?」

 

「御免なさい…!」

 

そしてココ達は優しく見ている所でリィザの元に集まっているヒルダ達を見る。

 

「はっ?!二つの地球を融合だって!!?」

 

ヒルダが驚いた事実にリィザは頷く。

 

「制御装置であるラグナメイルと…ラプソディーとエネルギーであるアウラ、エンブリヲは二つの地球を時空ごと融合させ…新しい地球をゲホッ!!ゲホッ…!」

 

するとリィザは突如せき込んでしまい、体力的に無理と判断したマギーが止める。

 

「これ以上は無理だ。休ませるよ?」

 

それにアカリやエグナントも頷き、マギーがリィザを医務室へと連れて行った。

 

 

「二つの世界が混ざり合えば…全ての物は破壊されるでしょう…。急がねば」

 

するとサラはヒルダの方を向いてある事を問いかける。

 

「貴女の名は?」

 

「あ?ヒルダだけど」

 

「メイルライダーヒルダ殿、我々アウラの民はノーマとの同盟締結を求めます」

 

「同盟…?」

 

ヒルダはその事を聞いてサラ達を見る。

 

「我々の龍神器だけではエンブリヲの防衛網を突破する事は困難、それにエンブリヲ以上に脅威であるディメントをも倒さなくてはいけません。それはあなた方も同じはず」

 

サラの言葉にヒルダは思わず考え込む。

 

「…確かにアタシ等だけじゃあラグナメイルもあの四人にも手も足も出ない…、良いよ…同盟結んでも」

 

その事にヴィヴィアンは思わず喜んでガリィとセシルにハイタッチをしまくる。

 

「ただし!アンジュを連れ帰ってからだ…!」

 

「ヒルダさん…」

 

「その余裕があると思うか?」

 

っとエグナントの言葉にヒルダが思わず睨みつける。

 

「何!?」

 

「恐らくエンブリヲはアンジュを必ず探している筈だ。必ず…」

 

その言葉にヒルダは黙り込んでしまった時だった。

待機室の扉が開いて、誰かが入って来た。

 

『おや?アンジュは戻っていないのか?』

 

っと皆は扉の方を向くとエマ監察官がやって来た、しかしバルカンとフラムは何故か警戒して唸りはじめ、そしてエマの様子がいつもと違う事にアカリとエグナント達、そしてヘリオスが気づく。

 

『やれやら…何処に行ってしまったのやら、我が妻は…』

 

「監察官さん?」

 

ヴィヴィアンがそれに問うとサラがそれを否定する。

 

「違います、あれは…」

 

するとエマがマナの通信画面を開くと、そこにエンブリヲの画面が映る。

 

「エンブリヲ!」

 

「嫌…違う!」

 

「良く分かったなぁ…生物兵器第一号♪」

 

するとエンブリヲの顔が溶けていき、ディメントへ戻る。

 

「ディメント!」

 

「アイツがディメント…」

 

がそう言い、それにエンブリヲは鼻で笑う。

そしてバルカンが思わず向かってしまい、それをエマが叩き落としてしまう。

 

バルカンはそれに悲鳴をあげ、ジャスミンが見る。

 

「バルカン!!」

 

「とうとう狂ったか!てめぇ!!」

 

ヒルダが銃を構えた瞬間、ヘリオスがビームソードでヒルダの銃の射線を塞ぎ、それにヒルダがヘリオスの方を見る。

 

「彼女は操られてるだけだ」

 

「何…?!」

 

ヘリオスの言葉にヒルダが驚き、それにサラも頷く。

 

「ええその通りです、逃げた女に追いすがるなど…不様ですわね、調律者殿」

 

『フン、ドラゴンの姫か』

 

ディメントはサラを見て鼻で笑い、サラは剣をディメントに向けて言う。

 

「焦らずとも、すぐにアンジュと共に伺いますわその首を貰い受けに…」

 

『ほう…、果たしてできるかな?』

 

「できるさ…」

 

っと別の声が聞こえた事に皆は後ろを見ると、先ほどリュミエールへと帰投したグレイスと勇人がやって来て、アカリ達はグレイスが戻った事に喜ぶ。

 

「オリジナルの失敗作か…」

 

「黙れ外道…お前に聞きたいことがある。クソ親父であるエンブリヲが死に際に言った言葉……ラプソディーに囚われているセレスが本当に……生きているんか?」

 

セレスが生存していた事に、ティアとヒョウマやアカリ達は驚く。

 

「……あぁ、そうさ。10年前にあの魚女に打ち込んだ弾……あれは、対象物を仮死状態にする事ができる。そして取り戻し、完璧に完成したラプソディーの生体ユニットとして組み込んだのだ。」

 

「…………取り戻す。セレスを、彼女を!」

 

グレイスが叫ぶと、アウラの様な龍人へとなる。

 

「エンブリヲが消えた事に、その遺伝子と洗脳も無くなったか……良いだろう。掛かって来い、アウラの子よ!」

 

ディメントがそう言うと、アカリはサラの方を見て、それに頷いてサラは叫ぶ。

 

「ラアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!」

 

サラが叫んだ声によりエマのマナが不安定となって破壊され、エマは正気を取り戻して気を失う。

 

「監察官さん!?」

 

ヴィヴィアンが問いかけ、すぐさまメタリカが見る。

 

「…大丈夫、気を失っているだけよ」

 

そう言った事に皆は安心をする。

そしてサラはヒルダの方を向いて問う。

 

「ヒルダ殿、ディメントはなりふり構わずにアンジュを探している様子です。ディメントの眼をかわしアンジュを助け出す事が出来ますか?貴女に…」

 

「っ…」

 

サラの言葉にヒルダは言葉を詰まらせる、ディメントの目をかわす事などヒルダには出来ない事だった。

それにサラは笑みを浮かばせる。

 

「アンジュは帰って来ます…タスク殿が必ず連れて帰ってきます」

 

「はっ!何であいつが!?」

 

「理由は簡単だ」

 

っとグレイスの問いに皆は振り向き、グレイスは当たり前の事を言う。

 

「あの人はアンジュの騎士だからですよ」

 

その事にヒルダは言葉を止まってしまう。

そして今思えばアンジュとタスクは共に行動している事を考えると、あのタスクがアンジュのナイト様っと考えると渋々納得するしかないと考える。

 

ヒルダがそう納得した時に、ヒョウマがグレイスに問い掛ける。

 

「グレイス…」

 

「ん?」

 

「……あの時、いきなり殴ってごめん…」

 

ヒョウマはグレイスが姉を死なせた事に恨みを抱いていたが、姉が生きていた事に、グレイスに謝る。

 

「良いんだよ、考えている事は同じ。それにもう、僕達は友達じゃないか♪」

 

「グレイス………すまん…」

 

そんな事を気にしないヒョウマは、自分の行った事に後悔し、涙を流す。

 

 

 

 

 

 

グレイスは自室で待機していると…

 

ゴホッ!!……ゴホッ!!……っ!!?

 

彼の手には血が付着しており、口元に付いている血を拭き取る。

 

「…………(エンブリヲが死んだ事で、生命活動が停止しかけているんだ……僕の体の中にあるドラゴニウム素粒子で、病を治すか……嫌、これは奥の手で一回しか使えない。使ったらもう……)そう言えば、」

 

グレイスはフリューゲルスとネメシスが言った言葉に疑問を持ち、格納庫に収納されているフリューゲルスとネメシスに話し掛ける。

 

「フリューゲルスとネメシスが……ディメントの古き友って、どう言う事なんだ?」

 

『我々、二機は……数多の世界の“メイルフレーム”の全てを結集した機体。』

 

『ディメントも、その世界の人間であった。だが、彼の世界は……平和と恩寵などなかった。彼の世界は何千年も続く争い、混沌の世の中、二つの種の戦い、そして……ディメントはその世界を壊し、体が消滅した。』

 

「消滅した!?」

 

『彼は体を失ったが、奇跡的に魂だけが生き残り、彼らの同胞の魂を吸収し、誕生したのが……』

 

「………“ディメント”」

 

『彼は人間から、一種の生命体へとなり、あらゆる情報を取り込み、“知的生命体”として進化していった。そして……完璧な頭脳を手に、我々を作り上げた。』

 

「それがフリューゲルスとネメシス……」

 

『彼はあらゆる別次元へと移動し、彷徨っていた。そして彼の元にある男が勧誘してきた。“宇宙大皇帝ドレギアス”。人間の傲慢差に呆れ、全てを滅ぼそうとしたもの。ディメントとドレギアス……異次元生命体と知的生命体……二つの生命体が出会った事に、ディメントはドレギアスの影響を受け、破壊する生命体へと変わった。』

 

ディメントの正体が、何もない知的生命体と知る。

 

「…………それで?」

 

「………私をオリジナルのアルゼナルに収納し、ネメシスはハルマゲドンの一部に……グレイスよ…ディメント、嫌、“ーーーー”をドレギアスの破壊の呪縛から解放してほしい…」

 

「……うん」

 

グレイスはディメントの本当の名前を知り、

 

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