クロスアンジュ 天使と竜の輪舞 アドベント・オブ・チルドレン 作:オービタル
そしてグレイス達の通話を終えたディメントは受話器を戻して、窓を見る。
「やれやれ…野蛮な龍人だ、それにあの失敗作…この私に勝てるとでも思ってるか」
そう言い残してディメントは小説を読み始めた。するとそこに思いつめたエルシャが子供たちの服を持って来てやって来る。
「エンブリヲさん」
「おや、どうしたねエルシャ?」
ディメントに聞かれたエルシャは思いつめた事を問う。
「幼年部の子供たちが…、あの子達を…また生き返らせて下さい」
エルシャは再び子供たちを蘇らせてほしいとディメントに頼んだのだが、
「(面倒な事を頼むとは……ドレギアスの言う通りだ。欲まみれの人間は…怪物そのものだ。……そうだ、フフフ♪)」
ディメントは何かを思いつき、立ち上がる。
「良かろう。生き返らせてやる…」
「本当ですか!?ありがとうございます!!」
エルシャが喜ぶと、ディメントは心の中でエルシャの陽気さに呆れながら笑うのであった。
デスティニーフェニックスでは結界が張られて、陽弥達は来られないが通信ならできると分かり、陽弥達に報告していた。
『何だと!?』
「はい、ディメントが…この世界に武器や兵器、弱肉強食の法則を売りつけたのです。」
勇人は目で見た光景や事実を報告すると、陽弥が頭を抱える。
「……はぁ、まずい事になった。それとお前も無理するな、ロビンが改造させられた事に……」
「すみません……俺の不注意でした。」
「……ともかく、これから戦いが起こる。気をつけるんだ。」
「はい…」
陽弥が通信を終えると、勇人の眼から大粒の涙を流す。
「……これから、ロビンを殺さないとダメなのか?……あの子の父親である俺が……神様でも誰でも、俺の命でも良い、あの子を元の姿に…本来あるべきの大人しく無邪気な子に…」
勇人は叶わぬ願いを呟くのであった。
その頃、地下の研究室では子供達の遺体が並べられおり、ディメントが注射器を死体に注射器を射し込む。
「…………」
「ありがとうございます!」
「気にするな、名いっぱい安心感を出せ、それと……その子らは“わんぱく”で……“腹を空かしている”。なんか食い物でも出しておけ♪」
「は、はい!」
ディメントはそう言うと、子供達がゆっくりと起き上がる。エルシャはホッとしたその時、牢屋の中に囚われている一輝が叫ぶ。
「お姉さん!!気をつけて!!」
「え?」
その時、エルシャの肩に激痛が走る。
「っ!!?」
よく見ると、子供の口が耳まで裂けており、サメのようにぎっしりと並んだ鋭い歯、鋭い爪、獣の赤い瞳をしていた。エルシャは肩に喰らい付いている子供を引き剥がし、投げ飛ばす。肩から血を流すエルシャは子供の姿がみるみる内に変わっていく。
「何……これ…」
エルシャは怪物へと変わり果てた子供達に恐怖すると、ディメントが笑いだす。
「ハハハ!何を怯えている?望んだのだろ?子供達を生き返らせてほしいと…………♪」
「……そんな」
「腹空かしている……お養母さんの血肉を味わえ♪」
ディメントはそう言い、その場から消える。怪物へと改造された子供達は口から唾液を垂らしながら、エルシャを睨みつける。
「…………」
「お姉さん!こっち!!」
一輝はクアンタの血筋の力で、檻をこじ開ける。
「こっち!!」
エルシャは急いで檻の方へ走り出す。怪物達も走り出すと、檻にいる一輝やノーマ、子供達が、一輝が掘ってあった洞穴に入る。
「早く!!」
エルシャは勢い良く牢の中に入り込み、一輝は檻を元の形状に戻す。怪物達は檻の中に入れなく、唸り声を上げたり、檻に噛み付くのであった。
そして一輝やノーマ達と子供達が外へ出ると、エルシャはようやく気づいた。ディメントが言った言葉の嘘に…。
「全部…嘘だったのね、平和な世界も…余分な暮らしも…何もかも」
絶望に落とされたエルシャは涙を流しながら悔やんだ、自分の事を…子供たちの事を…。
「ゴメンね…皆、本当に…!」
エルシャは再び涙を流す。
そしてアンジュを乗せたシャークレイスはタスクと出会った島に到着した、到着した直後にアンジュの手錠が外れる。
アンジュは手錠が外れたのを見て、そして目の前にある洞窟が見えた。アンジュはそこに向かうとタスクが住んでいた洞窟が出会って別れた日のまま放置されていた。
「…あの日の…まま?」
呟くアンジュはそのまま洞窟に入ろうとした時にポケットから一部血の付いたタスクのネックレスが落ちて、それにアンジュは見る。
「(帰る時は…いつもあなたが居た、帰る場所には…またあなたが)」
アンジュの心にはタスクとの思い出が頭の中に浮かんで、そしてアンジュはタスクのネックレスを拾う。
「なのに…なのに…!うっ!うわああああああ!!!」
アンジュはその場に泣き崩れる。アンジュの心にはタスクとモモカ、そしてグレイス達を失った傷が癒えてなかった。
しかしグレイス達は死んでいない事にアンジュはまだ知りよしもなかった。
の医務室でリィザとエマはベットに寝かされえて点滴を受け、セシルとナナリーはヘリオスの傷口を消毒液を塗って包帯を巻いており、マギーはリィザのドラゴンの特徴を聞いた。
「ドラゴンの声はマナに干渉し人間を狂わせる…、だからマナを持たないノーマしか戦えなかったと言う訳か」
「そんな事何処に載っていません!」
エマはマナで資料をよく探しても見つからず、リィザの事実に驚きを隠せなかった。
「はぁ…、この世界は嘘で塗り固められいる。だけどマナを破壊するノーマは…その嘘を全て暴いてしまう」
「だから差別され、隔離された?」
マギーの問いにリィザは頷いて、再び話を続ける。
「人間達に…本能的にノーマを憎む様プログラムを与えて──」
「それだけじゃない……ディメントはマナ光が失なわれていく人間達は戦争を起こしている。レギオロイドは俺たちのデータを元にし造られた『弟妹達』まるで駒のように──」
「それじゃ!! ただの操り人形じゃない!!私達やあんた達!!」
っとエマが怒鳴りながらそう言った瞬間マナの端末が急に割れて散り、それにマギーとリィザが慌てて見る。
そして世界ではさらに大混乱が起こっていた。マナを失った各国は混乱し慌て始め、どうするかパニックを起こしていた。そして各国の勢力が使っていた武器や兵器が使えなくなる。つまり、セーフティー解除されている事と弾薬が入っているのに、引き金を引いても弾丸が出ることもなく、兵器がストップする。
さらに、各国で戦っていたレギオロイド達とピレスドロイドがの流動経路の色が赤へと変色し、兵士や一般市民を襲う。
そして各国の首相達が集まる場所に皆が集まり、世界に付いて話し合った。
「どうなっているのだ!?レギオロイドとピレスドロイドが我々に敵視している!ディメント!我々を騙したのか!?」
「……フフフ、アハハハハハハ!!!…………『愚かな下等生物が♪』」
ディメントの体から闇のオーラを放ち、本来の姿へと戻る。その姿は全長10メートルもあり、禍々しい闇と神々しい光、相互の力を放つ巨神になっていた。
「そ!?その姿は!!?」
「これが……私の本来あるべき姿。お前達みたいな野蛮な有機生命体から放たれる絶望によって、私は別世界から生まれた存在『我が名は…巨神王 ーーー“ディスピアース”ーーー』だ!!」
ディメントの本当の姿…ディスピアースは強大なオーラを放ち、各国の元首達の目を見る。
「お前達!私の目を見ろ!!」
ディスピアースの目が黒く染まり、元首達の目を睨む。
《っ!!?》
すると元首達の脚が段々と石化していく。そして徐々に元首達の体隅々まで石になり、ガリア帝国皇帝は苦しみながら呟く。
「嫌……死ぬ……は……」
そしてただの石になり、ディスピアースは尻尾を振り、石化した元首達を粉々に粉砕した。
「これで……元首達を失った人間共はさらに悲鳴と恐怖に駆られ、ミスルギ皇国へと避難してくるだろう。」
ディスピアースはそう呟き、その場から消える。
地下室の研究所に戻ったディスピアースは檻を見る。
「逃げたか……まぁ、良い。」
ディスピアースはコンソールのキーボードを打ち、二つのカプセルポッドのハッチを開く。
「決着を付ける時が来た。私が何千年もの頭脳の全てを持って、その力を注ぎ込んだ結晶……我が命により目覚めよ我が娘達『サイバーエルフェン』……『サイバーフェアリス』」
中から耳が尖った白肌で金髪の男性と耳が尖った黒肌で銀髪の女性が目覚め、両者は蒼眼と紅眼の瞳を光らせる。
『『イエス マイ ファザー』』
サイバーエルフェンとサイバーフェアリスは立ち上がると同時に、二人の体にはいつのまにか生まれたばかりのような裸だったの 筈が、サイバーエルフェンは肌と一体化し、有機生命体の神々しい光の翼を展開するスーツ、サイバーフェアリスは機械と融合し、機械生命体の禍々しい闇のスラスターウィングを展開する。
「アポカリプス…」
『はい』
「ここまで、よく頑張ってくれた。」
『えぇ……』
「最後に一つ……頼みがある。私の最終計画の為、お前を最終兵器にする。できるか?」
『…………分かりました。』
「それに、もうお前はアポカリプスではない。今からお前の名は……“パラサイト・リリス”だ」
『はい…』
「例の“あれ”の起動準備は出来ている。」
『“クリムゾン・ラグナルク”と“ディープ・アブソルト”……完成したのですね。』
「既にダーク・サイド・ムーンにはオリジナルの“アルゼナル”と、“アルゴルモア”を運搬している。お前はアルゴルモアのAIとしてなれ……いいな」
『はい…』
パラサイト・リリスは敬礼し、その場から消えたのであった。
・超次元生命体である巨神王“ディスピアース”
・機械生命体である機神帝“フリューゲルス”
・人造生命体である聖龍皇“グレイス”
三つの生命体……これからの戦い、自分も楽しみになりました♪