クロスアンジュ 天使と竜の輪舞 アドベント・オブ・チルドレン   作:オービタル

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第五十話:次元大戦・前編

 

各地で時空融合が開始して、各地に甚大な被害が及んでいた。

それにはサラ達の世界も影響が及んでおり、アウラの民達は宮殿へと避難をしていたが、時空融合の嵐が宮殿にまで迫っていた。

 

ミスルギ皇国に居るディスピアース達は大きな地図の上に人形を置いて、位置を動かしながら皆の行動を見ていた。

 

ミスルギ皇国に集まってきた各国の民。しかし時空融合が迫り、人々を避難民や兵士達を襲う。

 

そしてアウローラ のブリーフィングルーム、グレイス達はその様子を映像で見ていた。

アツマとダストは思わず拳を握る。

 

「どんどん被害が広がっているぞ…」

 

「ディメントめ…、本気で世界をぶっ壊すつもりかよ!」

 

「させはしない…」

 

グレイスの言った言葉に皆は振り向き、映像を見ながらグレイスはレイブラスターを握る。

 

「ディメントの野望も…一気に止めてやります」

 

「おいグレイス!まだアンジュが戻ってないんだぞ! 先走るのは早いぞ!」

 

ヒルダはまだ戻らぬアンジュの事で怒鳴り、それにグレイスは言う。

 

「心配ないですよ、アンジュさんはタスクさんと一緒に戻って来ます」

 

っとグレイスがヒルダにそう言った時だった。

 

『…ちら…ジュ、応答せよ!』

 

「「「?!」」」

 

「グレイス殿」

 

サラの言葉にグレイスは頷く。

 

「えぇ、タスクさんとアンジュさんです」

 

海面上に低空飛行で飛んでいるタスク達がアウローラ に通信を入れていた。

 

「こちらタスク、ただいまアンジュとモモカを連れて帰投中」

 

「早くこっちを収納しなさい!!」

 

相変わらずの怒鳴りに通信を聞いていたグレイス達は呆れてしまい、アカリ達はアウローラ を浮上させる。

浮上して来たアウローラ を見て、タスクとアンジュはモモカを連れてアウローラ へと入って行った。

 

収納された三人は格納庫で待っているグレイス達に向かい入れられる。

 

「「アンジュ!!」」

 

「お帰り!!」

 

すぐさまヒルダ達がアンジュの元に行き、アンジュは笑顔でヒルダ達に言う。

 

「ただいま皆、遅くなっちゃってゴメン」

 

「たくっ!何処ほつき歩いてたんだ!てめぇはよ!」

 

ロザリーが相変わらずの意地悪風な言い方でアンジュは安心し、グレイス達はタスクに近寄る。

 

「待ってましたタスクさん。遅かったですね?」

 

「あはは…、ちょっとね」

 

タスクは苦笑いをしながらグレイス達に言う。するとエマがやって来てモモカの姿を見て安心した。

 

「モモカさん!無事だったのね!」

 

「監察官さん! あっ…お酒やめられたのですね?」

 

モモカはその事をエマに言い。エマは目線を反らすも何とも情けない表情で言う。

 

「飲んでいる場合じゃないわ…、私もリベルタスに参加します!!知ってしまったもの…人間とマナの真実を」

 

「…そうか」

 

そんな中でアンジュはエルシャが乗っていたレイジアを見る。

 

「あれ…?あれはたしか…」

 

アンジュが見たのをグレイスが言う。

 

「あぁ、エルシャさんがこっちに来て仲間になったんだ。そしてエルシャさんはようやくエンブリヲとディメントの呪縛から目が覚めたらしい…」

 

「そう…エルシャが…」

 

「ああ」

 

グレイス達に説明によりアンジュは納得する。

 

「何も知らないのは貴女だけですよ?」

 

っとそこにサラ達がグレイス達の元にやって来て、それにアンジュは振り向く。

 

「サラ子!」

 

「アウラの民とノーマ、そして天帝軍である者達が集い、今こそ立ち上がる時です」

 

「フッ。そうね」

 

そう笑みを浮かばせてサラと握手をするアンジュ。

っとアンジュはサラ達の後ろに居るリィザを見て、リィザは少しばかり目線を反らす。

 

「…モモカから聞いたわ、居場所を教えてくれたですってね。忙しくなるわよ?あの男を抹殺しなきゃいけないんだから!」

 

アンジュが言った言葉にリィザは振り向く、謝罪の言葉は後回しで良いと言う事に…。

 

「アンジュリーゼ…様」

 

聞いたグレイスとサラは笑みを浮かばせ、モモカは笑顔で微笑む。

 

「あれ?司令はどこ?」

 

アンジュは司令であるジルがいない事に気付く。

 

「今の司令は私」

 

ヒルダが司令になっている事に驚くアンジュ達。そしてアンジュ達はジルが謹慎中である司令室に入る。

 

「よく帰って来られたな…」

 

「えぇ、みんなのおかげよ。」

 

「で?……私を笑いに来たのか?」

 

「笑われる自覚はあるようだね?ジャスミンから聞いたわ…エンブリヲにたらし込まれたそうね?」

 

「!」

 

「ま、もうそれは関係ないか。アイツはディメントによって殺されたから♪」

 

「アイツが!?」

 

「えぇ、この目で見たわ……グレイスがエンブリヲを元の人間に戻した直後、ディメントが殺した。あなたなら、アイツの事を知って「“巨神王 ディスピアース”」え?」

 

グレイスがアンジュに説明する。彼の元いた星は1000年以上に続く大戦争で壊れ、その星にいた数々の生命が結集し生まれた『知的生命体』または、『有機生命体』。またフリューゲルスもその星の種であった機械から生まれた結集した『機械生命体』だったと言う。

 

「いつから知ってたの?」

 

「フリューゲルスが教えてくれた……約五十億数千年前出来事って言うから……」

 

「五十億数千年前!?」

 

驚愕の年数にヒルダがアンジュ達は驚く。

 

「エンブリヲが知らないのも、無理がありま───ゴホッ!!」

 

突然グレイスが口を抑えつけ、咳をし出すと彼の口から血を吐く。

 

「グレイス!?」

 

「おいおい!?」

 

「ハァ…ハァ…ハァ…この事は、みんなには言わないでください。良いですね?」

 

グレイスの強い眼差しと威圧が三人を包み込むのであった。

 

 

 

 

テックラボでは、シンがグレイスの点滴とバイタルチェックを再確認していた。

 

「やっぱり、再開発したナノライズ薬では無理か……」

 

「寿命を伸ばそうしてくれてありがとうございます。おまけに血液の輸血や点滴も…」

 

「良いんだ……開発者、科学者、医者である私の全てをお前に注ぐ。」

 

「…………ありがとうございます。」

 

「それと、フリューゲルスに新たな武装を加えた。」

 

グレイスは首を傾げると、テックラボの窓からフリューゲルスが現れる。そしてフリューゲルをよく見ると機体の両腕が大きくなっており、悪魔か龍を思わせる形状になっていた。

 

「あれは?」

 

「ネオ・フェメシス四天王のラグナメイルの完全武装をも限界に超越する事が出来たフリューゲルス専用武装『SEITEN(聖天)』だ。」

 

「聖天…?」

 

 

『SEITEN(聖天)』

 

シンが各銀河のエネルギー鉱石を集め、無限のエネルギー動力源を元に両腕部に搭載、内蔵、装備された各武装の極大まで飛躍的に越える事に成功した対生命体、特殊機体殲滅超兵器。

リベリオンと同様形状が親指二つある手になっており、プラズマ・フェイズ・バルカンとマニュピュレーター内蔵バルカン、さらに実体剣の超振動波ブレードであるスーパーパドルデーゲンが超爪のようになっており、聖天の内蔵されたバーニアを併用すればビーム兵器以上にもなる。そして聖天にはまだ見ぬ秘密兵器が山程あると言う。

 

 

新たな武装にグレイスはシンに問う。

 

「こんなに改造してよろしかったのですか?」

 

「良いんだ。前回まで使っていたプライマルブラスターもあの聖天の右腕固定武装したから♪実は聖天には不可解な欠点がある……それはライダーの肉体とのシンクロだ。そこで君の右腕にミスリルで出来たデバイスを組み込もうと思っている。そうすれば聖天はさらに威力や出力も上がる。」

 

「それって……大丈夫なんですか?」

 

「大丈夫……私が保証する。」

 

シンの言葉にグレイスは心配する。さらにネメシスには腰部に備えた後ろ脚『マルチレッグ・ドレス』は先端部から足場となる硬質残光を発生させ、それ蹴る事で不規則な機動を行う事が出来る。同時に、脚部を伸ばす事で高出力スラスターにもなり、一撃離脱戦法を行う事も可能。 つまり、あらゆる大気場をアメンボのように進む事や蹴って回避することが可能となった事だ。そしてマルチレッグ・ドレスにも、聖天と同じまだ見ぬ秘密兵器が内蔵されている。

 

「これ……どれだけ強くなるのですか?」

 

「……使って見たらわかる♪」

 

「……ハァ〜」

 

グレイスは呆れ、コックピットの中を見る。

 

「……コックピットもですか!?」

 

「……何のことかな?」

 

「図星ですよ…」

 

コックピットにはグレイスの能力を飛躍的に向上させる程のシステムが組み込まれていたのであった。グレイスは最終決戦に備えて、そのシステムの再確認をする。結果、脳に大ダメージがあったが、本人は気にしなかった。

 

 

 

そして決戦の時が来た。各艦艇の格納庫には皆んなが機体に乗り込んでおり、指揮するのは当然グレイスであった。グレイスは皆んなに通信を入れ、宣言していた。

 

皆に通信を入れる。

 

「皆…聞いてくれ、僕達はこれからミスルギに突入しアケノミハシラに向かい、時空融合を停止させる。ディメントが壊そうとしている世の中一体誰が想像する? ただ自分の想像する世界なんて何にもおもしろくもねぇ…。

それに世界は…誰かが導かなきゃ幸福にはなれないって誰が決めた? 誰も決めていない…自分達の未来は自分達で見つけて行かなきゃいけない…、ノーマとアウラの民に古の民、そしてディメントの世界を拒絶し共に戦ってくれている別世界の皆、それに何よりディメントから自ら離れ戦ってくれノーブルのヘリオス。最高にいい感じじゃねぇか。

ディメント…いや、巨神王 ディスピアースから世界を護る為に今立ち上がる時だ! 作戦名は…『ラスト・リベルタス』!巨神王が世界は俺達で壊す!? 皆!共に戦い!生きて帰ろう!!!」

 

『『『『『おおお!!!!』』』』』

 

グレイスの宣伝に皆は賛同するかのように声をあげるのであった。

 

 

そして海面上、ミスルギ艦隊の船がミサイルを発射し、リュミエール達へ向かわせるように放つ。

それにリュミエールのブリッジで、ミカがレーダーにミサイルを確認する。

 

「敵艦隊よりミサイルの発射を確認!数多数!!」

 

艦長席に座るジェームズがすぐさま指示を出す。

 

「迎撃態勢!!ホーミングレーザー砲を自動追尾!」

 

するとリュミエールの船体から迎撃システムのIBS機関砲が出て来て、

接近してくるミサイルをホーミングレーザーで迎撃して行く。

 

「内等の技術、なめるなよ!『イオンブラスター』射てぇ!!」

 

リュミエールの対艦隊兵器であるイオンブラスターから、イオン化された粒子が放たれ、ミスルギ艦隊の機能が停止していく。

 

「有り難いね、こっちも行くよ!」

 

後方のアウローラも対艦ミサイルを発射し、艦隊を撃沈して行く。そしてリュミエールとアウローラはアケノミハシラに向けて、空中へと舞い上がり、ミスルギ皇国へと向かう。

 

その様子をミスルギ皇国に居るディメント、そしてダイヤモンドローズ騎士団、大きな地図の上で自らの艦隊が全滅したの確認して呟く。

 

「強行突破か…」

 

ディメントは次の駒を動かす。

とピレスロイドが無数に動き出して、向かって来るリュミエール達の元に向かう。

 

無論デスティニーフェニックスの雄二がレーダーでそれを感知する。

 

「ミスルギ皇国より無人兵器を多数確認!!こちらに向かってきます!!」

 

それを聞いたアカリは厳しい表情をしながら無人兵器を睨む。

 

格納庫内でアシッドに居るタスクがグレイスに言う。

 

「グレイス!!来たよ!!」

 

それにグレイスは頷く。

 

「パラメイル部隊!!全機出撃だ!!!」

 

すると各自発進体制へと入る。

先ず最初に、勇人のアダムとシンディのイヴがコンテナから出撃し、ハイパーノバビームライフルで一掃して行くと同時に、ネメシスと合体したフリューゲルスも発進準備する。コックピット内にいるグレイスと一緒に戦うと誓った兄“ヘリオス”がバイク式のコックピットになったラルスに乗り込んでいた。

 

「準備は良いか、グレイス…」

 

「あぁ……あの四人に現実と弱さを思い知らせてやる。グレイス及びヘリオス、出る!!」

 

グレイスの声と同時に、フリューゲルスが彗星の如く速さで消え、アンジュ達と交戦していた敵が一瞬で瞬殺されて行く。

 

「速い!」

 

「マジ見えねぇぜ!」

 

「スゲェ!!速えぇ!!」

 

ヒルダ達もフリューゲルスの速さに、肉眼でも追いつかなかった。

 

ミスルギ皇国では、フリューゲルスの登場にエンブリヲは目を細める。

 

「来たか…反抗者め。」

 

ドレギアスがヴェルトサーガとエクゾディアスを見て呟き、二人がネオ・フェメシス四天王とダイヤモンドローズ騎士団達に言う。

 

「我々も出るぞ…」

 

そう言ってサリア以外のオリジナルのヘリオス達は敬礼して、サリアも少し間を空けて敬礼をし、皆はラグナメイルの元に向かうのであった。

 

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