クロスアンジュ 天使と竜の輪舞 アドベント・オブ・チルドレン   作:オービタル

59 / 68
アフターストーリー、更新です。


after story
第五十四話:修練の旅


 

玉座の間に呼ばれたロビン。目の前の玉座には主君として立派な男性へと変わった勇人が座っていた。

 

「ロビンよ、顔を上げろ」

 

「……」

 

「呼んだ訳は、“新たな惑星の反応が見つかったのだ。”」

 

勇人は内容を説明する。このクアンタ星よりもそう遠くない星系にある磁気嵐が発生する暗黒星雲が存在しており、その星雲から微弱だが生命体の反応があったと言う。

 

「それで俺に?」

 

「あぁ、一輝はもう立派な跡継ぎとして未開の惑星を調査している。だからお前も立派な成人にもなる。だから兄貴に負けるなよ♪」

 

「分かりました。謹んで行ってまいります。」

 

ロビンは立ち上がり、調査用の効果ポッドに乗り、その星雲へと次元跳躍をする。

 

星雲の中を突き進むポッド、闇の中、小惑星帯同士がぶつかり合う。ポッドは回避行動を取り、突き進んでいく。がしかし、途中のトラブルに巻き込まれるが、無事に大気圏を突入して行き、星に辿り着く。

 

「ハァ〜……帰りのポッドがあんな風になってしまった。どうしよう」

 

『だけん!言っただろ!あんな蟲野郎を放ったらかしにして、とっとと急ぐぞって!!なのにお前は接触回線などと!ゴブっ!!』

 

ロビンの腰にぶら下げている鬼瓦が怒鳴る。ロビンは鬼瓦の口うるささにムカつき、拳骨する。

 

「悪かったな…と言うか痛てて…」

 

『フン!ザマァ見ろ♪』

 

ロビンが調子に乗る鬼瓦を睨みつける。

 

「それよりも、あの蟲…何だったんだろう?」

 

『それはワテも分からない。多分漂流し続けた生命体かも知れない。』

 

「帰りの船はぶっ壊れてしまったけど。」

 

ロビンは持ってきた荷物が全部無事な事にホッとする。

 

「アウラ製のポーチ(四次元ポケットの事)、フルオート式ピストル『N7 イーグル』、擬似マナ変換通貨システム、俺の真刀“夜光”♪」

 

『うむ、通信デバイスや特殊スカウター、後、エグゾ搭載クアンタ式甲冑や兵装、そしてお前さんの力を抑制する“ミスリル義手”忘れてはいないだろ?』

 

「あぁ、勿論♪」

 

『そんじゃ、調査開始じゃな』

 

ロビンは銀色に輝くミスリル鉱でできた義手を左腕に取り付け、腰にと脚に夜光とイーグルを収納し、走り出す。

 

数時間後、山から下りたロビンはフードで顔を隠し、付近の街の酒場で情報集めをしていた。

 

「(ふ〜ん、中々良い店だな。酒は俺の大好きなミード酒だ。蜂蜜の香りが漂う♪)美味しい」

 

星の文明は低レベルであった為、未開保護惑星成る程でもあった。すると酒場の外から何やら騒がしい音がする。ミード酒を飲み終えたロビンはこの星の通貨をテーブルの上に置き、酒場から出る。外では何やら暴漢達が、店を荒らし回っていた。ロビンはスカウターで彼らのステータスを調べる。

 

「ギルド“黒鷲”の者か…相手にとって不足はない。」

 

ロビンはそう小声で呟き、暴漢達の前に出る。

 

「子供を寄ってたかって虐めるとは、ここの治安は悪いなぁ」

 

「あ?」

 

「子供も必死にお金を稼いで、生きようとしているのだ。それくらいにしておけ…」

 

「何だよテメェ、文句でもあるのか?」

 

男と取り巻き二人組がケラケラと笑うが、ロビンは男の顎髭を見て呟く。

 

「お主、大分その顎髭が伸びているなぁ」

 

「何だと!!?」

 

 

男と取り巻き二人組が短剣を取り出そうとした瞬間、ロビンの抜刀術が男の顎髭の先を切り、喉元に付ける。

 

「髭剃り料、銀貨六枚。」

 

「「「っ!!」」」

 

三人はロビンの威圧感に負け、怖気付きながら差別するのをやめ、逃げていく。ロビンは皆さんにお騒がせした事に謝罪し、宿屋に泊まる。

 

「ハァ……跳んだ調査になったなぁ…鬼瓦、天帝軍との通信は?」

 

『ダメだオニ、あの星雲から発する磁気嵐の磁場が電波を阻害していると思うのじゃ』

 

「ハァ〜、俺達…このままどうなるんだろう?」

 

『ワテに言うなオニ!』

 

一人と一体は部屋の中でこれからの旅に、相談し合うのであった。

 

 

 

 

翌朝、ロビンは東街道の先にある宗教国「イリアス神聖国」に行く為に、イリアス行きの馬車に乗っていた。ロビンは馬車の中で夜光の手入れをしていると、巨大なヘラジカが馬車を引いて下り、エルフの近衛兵と騎士が歩いており、馬車と王家の馬車が通りすがる。だがこの時、王家の馬車の窓際で外を見ている王女様と、兵の行列に凝視していたロビンの目が合う。

 

「……あ」

 

「……?」

 

王女の方は、ロビンの美しい金髪の御髪、碧眼の瞳に憧れる。

「(なんて綺麗な人……あ、こっち見た…)」

 

王女様がロビンの顔を見惚れていると、二台の馬車が急に止まる。

 

「ん?…何事だ?」

 

エルフ王である『ファラサール・ソルヴィフ』が問う。

 

「何事か?」

 

すると辺りが霧に包まれる。

 

《っ!?》

 

近衛兵や騎士達が警戒する中、馬車の中にいるロビンがスカウターで動いている熱源を見つける。

 

「……カエル擬きの“ゴブリン”の群れか」

 

ロビンがそう呟いたその時、霧がさらに濃くなり、足元すら何も見えなくなる。そして次々に兵士達の悲鳴と切られる音が響く。王家の馬車から金髪のエルフの王子が飛び出し、騎士と近衛兵を搔き集め、馬車を守ろうと囲む。一方、ロビンは馭者を馬車の中に避難させ、夜光を構える。

 

「……不名誉よりも死を」

 

夜光の刃が青白く輝くと、目の前からカエルのようなゴブリンが襲い掛かってきた。ロビンは回避し、一刀両断する。次に二匹のゴブリンが錆び付いた剣を持って襲い掛かるが、青白く輝く夜光の刃が錆び付いた剣の刀身や両生類の体を溶断する。そして次々に来るゴブリンの群れ、ロビンは夜光を鞘にしまい、奥義を放つ。

 

「マクライト一刀流『三の型 “覇王突風斬”』!!」

 

強力な突風の中に斬撃の衝撃波は放たれ、ゴブリン達を吹き飛ばし、身体を切り刻まれながら森に向かって激突させて殺す。エルフ達は彼の技に魅了され、ゴブリン達を圧倒して行く。エルフの王子『アノーリオン・ソルヴィフ』は二刀流のエルフブレードでゴブリンを真っ二つにしていると、ロビンの背中が向け合う。

 

「鋭い剣術と見事な曲刀だ……名は何と言う、人間?」

 

「……ロビンだ。そちらは?」

 

「ソルヴィフ王国第一王子“アノーリオン・ソルヴィフ”だ。」

 

二人は息ピッタリな剣術と技でゴブリンの群れを圧倒して行くのであった。

 

ゴブリンの群れを討伐したロビン達は彼らがこの先の宗教国“イリアス神聖国”に行き、王女の『アイナノア・ソルヴィフ』の鉄仮面の下の治療をしに……。

ロビンは馬車の中で隠れているアイナノアを見る。

 

「あの、失礼や無礼な事を頼んでもいいですか?」

 

《?》

 

「二人だけで、話させてください。」

 

ファラサール王やアノーリオンや兵士達はびっくりするが、ファラサール王はロビンの目を見て許可してくれた。王家の馬車の中、ロビンと不気味な鉄仮面をつけたエルフの王女アイナノアの二人だけで何やら話していた。しばらくすると、ロビンが馬車の中から出て、二人に内容を聞かされる。ロビンの答えは……

 

「自身と勇気を出しての事です。後、秘密のおまじないもしましたので♪自分はこれで…」

 

ロビンはそう言い、イリアス神聖国行きの馬車に乗り、彼らに深く礼をする。

 

「何者でしょうね…」

 

「あぁ、あの小僧……只ならぬオーラを放っていた。」

 

すると馬車の中から何か落ちる音が聞こえた。

 

「アイナノア?」

 

アノーリオンが馬車の中を見ると、大声を上げる。

 

「父上!!」

 

「どうした!?」

 

すると馬車の中から鉄仮面が転がり落ちる。アイナノアは自身の顔を出で感じる。アノーリオンは魔法でミラーを作り、アイナノアに見せる。

 

「…え?」

 

黄金の髪に青の瞳、薄紅色の口紅に吸い付くような白い肌、子供の頃の部分もしっかりとある美しい女性へと変わっていた。

 

「!」

 

アイナノアはあの時のまじないを思い出す。ロビンが義手で頭に触れた時、義手からとてつもない魔力が送られ、顔の痛みや火傷が急に収まっていた事に……。アイナノアは自身の顔に触れて、涙を流す

 

「これ……私?」

 

「あぁ、間違いない。子供の頃の面影もちゃんとある。だがあのロビンは一体どうやって……っ!」

 

《君の心の傷を癒してくれる。絶対に……。》

 

子供の頃、頭の中で龍神の助言を思い出し、さらに涙を流す。

 

「………あの人だ…あの人が私の……運命の……♪」

 

アイナノアは頰に触れ、心の中でロビンに恋心を抱くのであった。

 

 

 

ファラサール王はロビンにお礼がしたいと、アーノリオンとアイナノアがその馬車に追いつくが、馬車にはロビンはいなかった。ロビンは木々の上で光学迷彩や隠密スキルで気配や体温と呼吸を止めて隠れていた。すると鬼瓦が話しかけてきた。

 

「良かったのかい?あのお嬢ちゃんに擬似マナやクアンタ人の治癒の力で癒して?」

 

「……良いさ。困って泣いている人を見かけたら、周りの人に見られないように力を使え……父さんと母さんが言ったからなぁ♪」

 

「未開惑星保護の為かい?」

 

「うん……下手したら“マスター・ギデオン”や“マスター・マクライト”と父さんに叱られるからね」

 

「そうだな♪あの三人は怖いから…」

 

ロビンはそう言い、イリアス神聖国まで歩き続けるのであった。

 

 

その頃、一輝はクーフリンでロビンとの通信が途絶えたとなった惑星にワープしてきた。

 

「ここか、ロビンとの通信が途絶えた星というのは……ん?」

 

すると前方から何かが接近してくる影が見え、一輝は拡大して確認する。それは甲虫のような生命体であり、半分がサイボーグとなっていた。すると各部の五つの結晶球体が赤く光り出し、生体レーザーを発射してきた。

 

「っ!!?」

 

一輝は急いで回避すると、甲虫はマッハ44の速さでクーフリンを通り過ぎる。

 

「くっ!こちら一輝!アンノウンと交戦中!!至急救援を!」

 

しかし、星雲の磁場のせいで天帝軍との通信が途絶える。

 

「クソ!!」

 

一輝はクーフリンを旋回し、追撃しながらノバビームライフルを発射する。甲虫は素早く回避すると、姿の形状が変わって人型へとなる。

 

「人型!!?」

 

すると相手は両腕部と腿の甲殻が展開され、生体レーザーを放つ。一輝も駆逐形態へ変形し、クァンタムシールドでレーザーを弾き返す。その直後、甲虫が手甲の突起が伸び、生体ブレードへとなる。一輝もスラスターウィングに装備されているクーフリン専用双剣『テオスブレード』を持ち、刀身が翠に光る。クーフリンと甲虫は刃を構え、一気に斬りかかる。両者の激しい戦い続き、一輝の一振りが甲虫の角にヒビができる。一輝はその隙をつき、甲虫を押し出し、惑星の引力に引き寄せられ、落下していくのであった。

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。