クロスアンジュ 天使と竜の輪舞 アドベント・オブ・チルドレン 作:オービタル
「Dimensional Rift Attuned Gargantuan Organic Neototypes」(次元を越えて侵攻してくる巨大攻性生物)
頭の頭文字を取って付けられた名前は本当に存在していいのか.......その名は.......『DRAGON』(ドラゴン)
「時空を超えて侵攻して来る巨大敵性生物、それがドラゴン。このドラゴンを迎撃、殲滅し世界の平和を守るのが此処アルゼナルと私達ノーマに課せられた使命です。ノーマはドラゴンを倒す兵器としてのみこの世で生きる事を許されます。その事を忘れずに戦いに励みましょう」
《イエス、マム!》
アルゼナルにある教室、そこでは指導員のノーマの女性がまだ幼いノーマの子達にドラゴンと戦う使命を教授していた。幼年部の子供達に混じって、グレイスはラルスが教わった事を復習するが、もう一人は全く不貞腐れていた。名前はアンジュ。彼女は元ミスルギ皇国第一皇女 アンジュリーゼ・斑鳩・ミスルギであり、洗礼の義で実兄 ジュリオ・飛鳥・ミスルギによって妹がノーマだと暴露され、
「分かったか?グレイス、アンジュ」
「はい、大体はラルスから教えられていたので……」
「……」
ジルに問われ、グレイスは返事をしたがアンジュは無視していた。
「もうすぐ…ミスルギ皇国から解放命令が届く筈です」
アンジュは現実を受け入れられない様であり、叶いもしない希望を見出そうと、口にしていた。
「監察官、グレイスとアンジュの教育課程は終了。本日付で2人を第一中隊に配属させる」
「だっ!?第一中隊にですか!?」
エマはジルの言葉に驚いた。
「ゾーラには既に通達してある、二人共さっさと付いて来い」
ジルはアンジュの手を掴み、無理矢理連れていき、グレイスはその後を付いていく。
「ちょ!ちょっと! 離してください!」
ジルはアンジュの手を取ると教室を出て行き、グレイスも2人について行くのだった。
ちょうどその頃、カタパルトデッキから幼年部の部屋を双眼鏡で見ている金髪の女性は赤髪の女性の身体をいじりながら舌を舐め、赤髪の女性は頬を少し赤くしながらつぶやいていた。
「ふぅ~ん、あれが噂の皇女殿下と男のノーマか、男の方はいいとして、皇女殿下はやんごとなきお顔に穢れを知らない甘くておいしそうじゃないか」
「新しく来た子なら誰でもいいんでしょう?」
「「うんうん」」
その後ろに、薄青と茶髪の女性二人が頷いた。
「なんだ? 焼いているのか~?」
「そ、それは…」
「可愛いなぁ~、お前達♪」
金髪の女性は3人の女性とじゃれあっていると、蒼い髪のツインテールの女性が注意する。
「隊長!スキンシップは程々に。身辺からも揉み方が痛いと苦情が....」
「はいはい、気を付けるよ。副長~」
金髪の女性は手をワキワキすると、蒼い髪のツインテールの女性は咄嗟にガードする。
「年上の新兵さんと男の人もいますが、新兵同志お二人共仲良くね♪」
「「は!はい!」」
ピンク色のロングヘアーの女性が、蒼い髪のツインテールの女性が持っていた名簿を取って、配属されていた新兵の二人にも声を掛けた。蒼い髪と深緑色の新人は緊張のあまり答えると、少しオレンジがかかった赤髪の少女が飛んでとないことを発した。
「ねえねえ!サリア! クイズしよう!誰が最初に死ぬのかな~?」
新人二人は少女の言葉に息を飲むと、サリアと言う女性はは赤髪の少女の頭をグリグリしながらしかる。
「死なせないようにするのが私達の役目でしょ!?」
「あいたっ!?...ご...ごめん」
「それと隊長。。お訊ねしたい事があるんですが」
「うん、なんだサリア?」
サリアは手に持っていた書類を見せながらゾーラに訊ねる。
「今日、配属される新人についてです。アンジュという子のデータは詳しく記載されているのですが、例の男のノーマは所々、不明な部分や曖昧な所があるんですがこれはどういう事なのでしょうか?」
サリアが出した書類には確かにアンジュとは違い、グレイスは表記が曖昧だったり、UNKNOWN(不明)と記載されていた。
「ああ、それか。グレイスはどうやら記憶喪失みたいなんだ。」
『記憶喪失~!?』
ゾーラの言葉にこの場にいた全員が驚いて声を上げていた。が、
「って、一体なんぞ?」
そう言うヴィヴィアンに全員が思わずずっこける。
「お前、知らないで驚いてたのかよ…」
ロザリーが呆れながらツッコむ。
「記憶喪失というのはね、自分や過去の事を全く覚えてない事をいうのよ」
「へえ~そうなんだ」
エルシャが説明し、ヴィヴィアンは理解した様である。
「でも、記憶喪失なのにパラメイルを操縦できていたんですか?」
サリアが少し驚きながらゾーラに訊ねる。
「らしいな。だがな、もっと驚く事があったんだ。司令が言うにはグレイスのパラメイルは喋る事が出来るらしいんだ♪」
『えええええぇぇぇぇぇ!!??』
サリア達は開いた口が塞がらなかった。無理もない、普通パラメイルがべらべらと喋る筈が無いただの兵器だから。
そう言っている内にジルがアンジュとグレイスを連れて来た。
「着いたぞ」
ジルに連れられたアンジュは未だに顔を俯かせており、グレイスはアンジュの隣に立った。
「ゾーラ、後は任せたぞ」
「イェス・マム!」
ゾーラと呼ばれた金髪の女性とそのノーマ部隊の仲間であろう女性達はジルに敬礼する。
「死の第一中隊にようこそ。私は隊長のゾーラだ。後のメンバーの事は副長、紹介してやれ」
「イェス!マム、第一中隊副長のサリアよ、こちらから突撃班のヴィヴィアン」
「ヤッホ!」
ヴィヴィアンは元気よく挨拶する。
「そしてヒルダ」
「フンッ」
ヒルダは威張りちらした笑みを浮かべていた。
「後、救護班のロザリーと「これ、全部ノーマですかか」」
茶髪の女性を紹介しようとした途中、アンジュは口を開くと、ヒルダが爆弾発言を放った。
「はんっ!私達ノーマは物扱いだ」
「このアマ!」
ロザリーが二人の発言に切れる型が、
「そうだよ。皆、グレイスもアンジュも一緒のノーマ。仲良くしようね♪」
ヴィヴィアンは友好的にそう言って来る。
「違います!、私はミスルギ皇国の第一皇女アンジュリーゼ・斑鳩・ミスルギ!。断じてノーマではありません!」
「アンジュさん、程々にしたら?」
「でも使えないんでしょう?マナ」
ヴィヴィアンの言葉にアンジュは戸惑う。
「こ、此処ではマナの光が届かないだけです…此処から帰ればきっと…」
すると、突然ゾーラが笑いだす。
「はっはは!ったく指令め、とんでもない者を回してきたか…状況認識がなっちゃいない不良品じゃないか」
「不良品が上から偉そうにほざいてますわ」
「うわぁ…痛い…痛すぎる」
「不良品は貴方方の方でしょう!」
すると、ヒルダがアンジュの足を踏んづける。
「痛っ! な…何をするのです!?」
「身の程をわきまえな!イタ姫よ」
ヒルダがアンジュの胸元を掴んで黙らせようとする。
それを見たグレイスは止めに入る。
「ねぇ、もうその辺に」
「まあまあそのくらいで」
グレイスより先にピンク色のロングヘヤーの女性が止めに入る。
「エルシャ、こういう勘違い娘は最初でキッチリとしめておいた方がいいんだよ」
「そうそう」
ヒルダとロザリーがエルシャの慰めの事に反するかのように言う。
「あらあら~そうなのぉ?」
「(もしかして……天然なの?)」
は思わず心の中でそう叫ぶしかなかった、叫んだりしてもすぐに反撃の言葉を貰うからだ。
「サリア、期待の新人教育を任せるぞ、同じノーマ同志として…」
「はい」
その言葉にアンジュは苦しい表情をするのをレオンは見て目を細める。
「これより訓練を開始する!エルシャ、クリス、ロザリー、一緒に来い!遠距離砲撃戦のパターンを試す!」
「「「イェス!マム!」」」
エルシャ、ロザリー、そして三つ編みのクリスが敬礼する。
「サリア、ヴィヴィアン、ヒルダは新人教育を任せる。しっかりやんな!」
「「「はい!」」」
「各自かかれ!!」
「「「イェス!マム!」」」
ゾーラの指示によりアンジュ以外の皆はそれぞれ動き出して行った。
グレイスはサリアの後を付いていくようにした時だった。
「何ボサッとしているの? こっちよアンジュ」
「何人たりとも皇女であるこの私に命令するなど!」
相変わらず態度を崩さないアンジュに対し、サリアはナイフホルスターからアーミーナイフを取り出して、アンジュの首に突き付ける。
「ここでは上官の命令は絶対よ、良い?」
サリアの重たい言葉に流石のアンジュも首を縦に振った。
そしてサリアはグレイスの方を向いて言う。
「グレイス、あなたもよ?」
「言われなくても…分かってます。副隊長」
グレイスはサリアの命令に従った。