とある傭兵さんの受難   作:リンフォン

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最終回。真実は常に、あらゆる真実でない物を破壊する残酷な物と言えるのかもしれません。

でもだからと言って嘘を吐けばそれはそれで転身火生三昧されるケースもあるから正直者で居ましょうというお話(違う)

と言うか相変わらず短いなぁ…


In the dream? No.The end.

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 思考が纏まらない。感覚が覚束無い。私は今立っているのか?倒れているのか?これが命が無くなるという感覚なのだろうか。いや、正しくそうだろう。肉体が死んで行くのではなく、魂そのものが地上から乖離していくのがわかる。魂が。そう、精神ではなく魂がだ!

 自分が消えていくのがハッキリとわかるのだ。虫に食われていくのを自覚する感覚等に喩えられるか?いや、無理だ。不可能だ。そんな喩えで()()を表現されるのは不愉快だ!

 恐怖が体を突き動かし、何処か子の地獄から抜け出そうと足掻こうとするものの、そもそもその体自体が無いのでは意味が無いのだ。消える。消える。消える。消える。嗚呼、己が消えていく。辛うじて分かるのは我等の名前。へシアン。へシアン(ヘッセンの人)、だと?違う。違う!私は、俺はそんなものではない。俺は、俺とは―

 ああ、溶ける。蕩ける。消える。消える!俺という全てが消えてしまう!

 

 死を否定し続けた魂が死んで行く。魂すら消えれば俺には何が残る?何も残らない。家族に会うことも出来ない。何時か、何時かこの首の無い体でも家族に再び会う事が出来たかもしれないのに!ああ、なんて事をしてくれたんだあの悪魔め!この怨みは、必ず―

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 恐らくは、倒れ伏したままぼんやりと考える。考えてみれば家族が大事なら傭兵なんてものはやっていない。そもそも死ぬ事にも恐怖は無かった筈だろう。死に様で恥を晒すなんて恥ずかしすぎる。

 …いや、待て。単騎で突っ込んで砲弾で頭を吹き飛ばされるとかかなり恥ずかしいんじゃないか…?

 …ああ、もう、嫌だ。考えないようにしよう。そう言えば、俺は頭も無いのにどうやって周りを見ているのだろうか。凄く気になる。実は頭が付いていたりしないだろうか?確認したくても手が動かない。と言うかこれ、肘辺りまでは消えているのか?ううむ、良く分からん。

 落ち着けたのは、助からないと納得出来たからだろうか。それとも、そもそもそれが俺の性根という奴なのだろうか。出来れば生死に無頓着、なんて冷たい奴では無いことを祈ろう。

 そうだ。次に目を開けた時は、自分について知ってみるのも悪くは無いかもしれない。いまいち自分が優しいのか、優しくないのか、何が好きなのか…何かもよくわからないのだ。来世では頭も付いているだろう。付いていないと困る。後は、可愛い生涯の相棒と納得出来る人生があれば良い。

 そう思いながら、気持ちの悪い感覚に従い意識を手放した。




終わってしまったので、また新しく始まります。
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