実はクロスオーバーじゃない作品を投稿するのはこれが初めてだったりしてます。結構苦戦してます。オリジナルパートは本当に0から作らないといけないので。
もしかしたら口調が変かもしれませんがそれはこれからもっと作品を知っていけたらなと思ってますので、今後に期待を。としか言えませんが長い目で見てくれればと思います。
それでは物語の始まり始まり、です!
今は俺と店員であるチノちゃん、そして今日初めてこのラビットハウスに訪れたお客の3人だけだった。そのせいか落ち着いた雰囲気がより感じて自分の作業がはかどる。
……ごめんね。多分カタカタ煩かったりするかもしれない。今チームメイトとチャットしてるんだよね。
反省会自体はもうそろそろ終わりそうで、もう自分にできること、言えることは全部伝えたから、あとはアドバイスとかがないかどうかを聞いているだけ。反応はしっかりとしないとね。伝わってるのかどうかわからないし。
チノちゃんが持ってきた2杯目のカプチーノを飲みながら優雅にチャットを楽しんでいると、落ち着いたであろうお客の女の子がチノちゃんと会話をしていた。
「私、春からこの街の学校に通うことになったの」
へぇ。じゃあこの街に引っ越して来たってことか。なんだろ? なんかこの2人を目で追っちゃうんだよな。どこか気になるというかなんというか。
「はぁ?」
でもチノちゃんは違ったみたい。まぁ急に話し始めたからね。何の脈絡もなかったからどう反応すればいいのかわからないと言ったところか? いや、ここの店員をやってるんだからそれはないか。それだけだとこれからどういう話になるかわからないからとりあえず反応だけしてみせたって感じかな。
で、その話の続きは何だろな?
「でも下宿先探してたら迷子になっちゃって」
迷子だったの……!? もしかしてこの店に来た時のテンションでいたとかだったら迷子にもなるか。それになんか行き当たりばったりな雰囲気も感じるから初めての土地だと迷子になりそうだね。
「下宿って?」
それに気になるのは下宿という単語。下宿とは家賃を支払って他人の家に住まわせてもらうこと。そこまでしてここの学校に来たかったのかと思うとかなり本気で目指していたように感じられる。
「道を聞くついでに休憩しようと思ったけど……。香風さんちってこの近くのはずなんだけど、知ってる? 香る風って書くんだけど」
下宿ということは他人の家である。そのことから人の名前が気になるところ。確かに喫茶店というものは休憩するにも話を聞くにも適した場所だろう。でもね。その苗字の人は……
「香風はうちです」
目の前にいるよ。この店は香風家が経営している喫茶店。だからその娘さんであるチノちゃんも香風ということになる。
目の前にはずっと探していた人が、場所が知らず知らずにうちに出会えていたということに気が付いた彼女は座っている席から急に立ちあがった。
「え!? すごい! これは偶然を通り越して運命だよ!」
そしてチノちゃんに近づき手を取ってブンブンと上下に振る。勢いが良すぎてチノちゃんの体が少し上下に揺れているところを見ると……可愛いな。
そんな中でも冷静なチノちゃん。怒っているというわけではないようだ。
「私はチノです。ここのマスターの孫です」
そう。このチノちゃんはラビットハウスを始めたマスターのお孫さん。マスターの息子さんであり、チノちゃんのお父さんと2人でこの店の経営をしている。まぁ、バイトの子がいるんだけどね。
それはともかく、チノちゃんの名前が分かった女の子は自分も挨拶を始める。
「私はココアだよ。よろしくね! チノちゃん!」
この女の子の名前はココアちゃんというみたい。苗字はわからなかったからほかに呼びようがない……。結構女の子をちゃん付けで呼ぶの恥ずかしいんだよな。それに見た目高校生っぽいから余計……。チノちゃんなら子供だからってなるんだけど。あ、呼び捨てはもっと無理。あとさん付けは年下の子にやるのはちょっと……。
「はい。ココアさん」
何はともあれ、これでお互い名前が分かった状態になった。他に誰もいないから自然に耳に入って着ちゃうんだよ。声が。
「あとは高校の方針でね、下宿させていただく代わりにその家でご奉仕しろって言われるんだよ~」
ご奉仕、だと!? ということはチノちゃんを主人としてそれに尽くすようにこの場所で生活するということか!? メイド服か!? メイド服なのか!?
「うちで働くということですね」
興奮している俺の考えをただすかのようにチノちゃんがココアちゃんの言った言葉の本当の意味を理解し、それを言葉にした。……なーんだ。ただここで働くってだけか。……ん?
「そうそう」
チノちゃんの言ったことは正しかったみたいでその言葉に首を縦に振るココアちゃん。……これは願ったり叶ったりじゃないか?
そう俺は考えたんだけど、どうやらチノちゃんは違ったみたい。少しだけ考えるようなしぐさを見せた後ココアちゃんのほうをしっかり見て口を開く。
「と言っても家事は私一人でもなんとかなってますし、お店も十分に人手が足りてますので何もしなくて結構です」
確かに、今のこの状態を見てもチノちゃんだけで何とか出来ている。家のことも人数が少なければやる仕事も減ってくる。であれば現状で何とかできる状況にあると言える。
「いきなりいらない子宣言されちゃった……」
そのチノちゃんの言葉はどんなことでもやってやると思っていたココアちゃんにとってヘッドショットを受けたのと同義だった。目に見えて落ち込んでるよ。
もう見てられないし、俺が思ったこともあるから目の前で2人が話している中でパソコンから一度目を離し、チノちゃんに対して言葉をかける。
「人手が足りてるとはいえ、チノちゃん。さすがに今は1人の負担が大きいでしょ? これから休みが明けるともっとお客さん来るよ? それでも大丈夫なの?」
仕事はしっかりできているとはいえ、これから休みが明ければ仕事終わりの休憩に来店する人や、この場所で仕事する人だっている。このあまりお客さんがいない状況になること自体が稀になるだろう。そんな中でチノちゃんともう一人のバイトの子だけでは当然回すのが辛くなってしまう。だったらこの従業員が増える大きいチャンスを見逃すわけにはいかない。
「……確かにそうですね。ではお父さんに聞いてみます」
俺の助言はチノちゃんにとって理解できたみたい。良かった。一人に仕事が集中するより分散して早く仕事をしたほうが効率的だし、いざとなった時の保険にもなる。だからこそ、中学生のチノちゃんにばかり仕事の行くような現状から打開するにはいい機会だった。
チノちゃんのお父さんも話せば絶対にわかってくれるし、これでココアちゃんの学校からの指令もクリアできるし、チノちゃんたちの負担は減るからかなりいいように持って行けたと思う。
仕事ができると決まったココアちゃんはその場に飛んで喜んでいた。けど、やらなくてはいけないことを思い出したみたいで飛び跳ねるのをやめたみたい。
「やった! っとその前に挨拶をしたいんだけど、マスターさんは留守?」
あ……、その話題は……。
俺は店の中でチノちゃんと話すことは今まであまりなかったけど、でもマスターとのかかわりは少なからずあった。と言ってもここに通うようになったのは去年からなんだけどね。ここに来る時間もまちまちだったから常連になるまで結構かかったんだよ……。とそんな話は置いておいて実はこの店にもうマスターらしいマスターはいない。
なぜならそれは……、
「祖父は去年……」
チノちゃんがそう言葉にすると店内に重苦しい雰囲気が流れる。この後の言葉は誰であっても想像がつくだろう。いないのかと尋ねられた後のこの言葉にはそれだけの重みがあった。
悲しいことが起こったのなんてすぐにわかる。だから、ココアちゃんの脳裏にもよぎっただろう。それからのチノちゃんのことを。
「……そっか。今はチノちゃん一人で切り盛りしてるんだね」
ただ、それはさすがに心配しすぎなんだよ。ココアちゃん。だってね……。
「いえ。父もいますし、バイトの子がもう一人……」
そう。チノちゃんの周りにはお父さんもいるし、今は見えないけどもう一人のバイトの子に、何よりティッピーさんがいる。何も寂しいことはないんだ。まぁ、多分中学生の子が働いているってだけで充分大変なんだろうと思っちゃうんだよな。
ただチノちゃんの言葉はココアちゃんに届いていなかったみたい。感極まりすぎてないかな?言い終わる前に抱きついちゃってるよ。……うん! 俺得!
「私を姉だと思って、何でも言って!」
そのあとにココアちゃんがチノちゃんの肩をもって真剣な表情で見つめあってる。
そして次の瞬間、何を言い出すかと思ったら……
「だからお姉ちゃんって呼んで?」
お姉ちゃんって!? なんで!? なんでそうなったの!? いや、確かに君はこの場所にこれから住むことになるけどね!! でもいきなり姉って過程吹っ飛ばしすぎじゃないですかね!?
はっ!! いけないいけない……。つい熱くなってしまった。ここはいったんチャットに集中しよう……って終わってる~!! 反応はしてたけどまさかこれで終わりになるとは……。反省点を出し合えたからいいっちゃいいし、後で見直せるから便利といえば便利なんだけど、次の予定決めてないよ!?
もうなんかテンションぶちあがっちゃってるよ! もうこうなったら2人のやる取りをとことん見てやる!
「じゃあ……ココアさん」
ココアちゃんが手をつかんでお姉ちゃんと呼んでと言っているのにチノちゃんの呼び方は変わらない。うん、苦手そうだもんね。いや? 照れてるのかな?
「お姉ちゃんって呼んで!」
おっと、それでもあきらめないココアちゃん。その諦めの悪さ、嫌いじゃない。いやーゲームやってると諦めちゃうタイミングで悪あがきして勝っちゃうなんてことざらだからね。諦めないことって結構大事なんだよ。
でも、今回の場合は多分無理だよ。これから継続的に言っていけば、仲良くなっていければもしかしたらするかもね。
「ココアさん」
ほらね? チノちゃんは呼び方を変えない。まぁ、俺の呼び方は苗字だからココアちゃんに対して結構好意はあると思うからやっぱ続けていかなきゃね。
「お姉ちゃんって呼んで!!」
おっと、今もまだ諦めない。もうこれは呼んでくれるまで言い続ける感じだな。多分、本当に呼んでくれる時が来るよ。俺にはわかる。……エスパーじゃないからね? というかここまで必死だと応援したくなるってのが一番の理由かな。
「ココアさん。早速働いてください」
ただ、もうこのままペースを合わせるとダメだとチノちゃんが理解したみたいで強行策に出る。まぁ、これからここで働いていくんだし仕事を覚えないとね。
「任せて!」
言われたココアちゃんも頼ってくれたと思っているみたいで嬉しそうにチノちゃんの言葉を聞いた。……さっきまで本当に聞かなかったのに。
まぁ、ようやく話が進んだみたいで何より。ってあ、そうか。これからチノちゃんここは慣れないといけないんじゃ……。
「今は俺しかいないし行ってきていいよ。これから彼女にあれを渡すんでしょ?」
だってあれはこのフロア内にないから結局上に行かないといけなくなる。お客さんだけを残して従業員が裏に入ってしまうのはあまり褒められたことじゃないけど、今は他の客は俺だけだし、そうしないとチノちゃんも大変そうだから俺はそう提案した。
「はい。ではお願いします」
チノちゃんも俺のことを信じてくれているみたいで何よりだ。そう言って俺にお辞儀をしてココアちゃんを連れて階段を昇って行った。
しばらくするとチノちゃんだけがフロアに戻ってきた。
「お待たせしました。ココアさんにリゼさんを紹介してたら少しだけ遅くなってしまいました」
あ、リゼちゃんも来てるんだ。こうやって少しでもかかわっている人なら簡単にちゃん付できるんだよ。ただね、初対面になるとボロボロ。
でもそんなことはどうでもよくて、とりあえずは今まで何もなかったことを報告かな。
「大丈夫だよ。って言えばいいのかな? お客さんはまだ来てないから」
まぁ、あまりお店的には良くないんだと思うけど店員がいない間にお客さんが増えてないからこのタイミングだったらよかったのかな。
「今だけは助かりました。確かに吉田さんの言う通り人手は少なすぎますね。少しでも多いほうが今は助かりそうです」
それはチノちゃんも同じだったみたいで、少しだけホッとしていた。今のままだとチノちゃんだけしかいない状況で裏にはいるときにこういったことを心配しないといけない。だから人数を増えることは願ったり叶ったりだと言える。
「それに、今のままだともし風邪でダウンしたときに困っちゃうでしょ。起こりうる最悪のことを想定するのがゲームでは大事なんだ。それは他のことでも変わらないけどね」
それに、緊急事態が起こった時人手がいれば何とかなる可能性がグッと高まる。やっぱりココアちゃんの参加はかなりお店のためになることだったと思う。
「それもそうですね。これからココアさんとリゼさんには豆を持ってきてもらうのでカプチーノはもう少し待ってください」
あ~、そういえば3杯目を頼んでたんだっけ。今まではパソコンしながら飲んでたからちゃんとコーヒーメインで飲みたいんだよね。最低でも1杯は。それにしても今日は飲む量が多いな~。いつもは2杯だけだから、カフェイン、大丈夫かな……。
「そうだったね。ティッピーさん、危ないですよ。気を付けてくださいね。チノちゃんが困っちゃいますから」
コーヒーは待つとして、さっきまでのやり取りを見ているとどうしても言いたいことがあったからそれをティッピーさんに向けて話す。
『分かっておるわ。しかしいきなりというのはやはりなれないものでの』
ココアに触られた時に聞こえたダンディーな声がまたこの店内に響き渡る。いきなり触られることは動物も嫌う。やっぱり恐怖心とかそういうものがあるからなのかな?
にしても、反応が反応だからチノちゃんも俺と同じことを思っているらしい。
「おじいちゃんは少し耐性を付けてください」
だって喋っちゃね……? せめてうさぎの鳴き声で反応すればいいのに。……ってうさぎの鳴き声ってどんなのだっけ?
『しょうがないじゃろ……。触られる感覚が今までとは違うんじゃから』
チノちゃんのそう言われたティッピーさんはチノちゃんの腕の中で下を向いていた。かなり落ち込んでいるというか苦労しているというかそんな風に思っているみたい。
まぁそうなる気持ちもわからなくはないんだよな。同じ生物だったとしても人間と動物とでは体の構造が変わってくるし、そうなると敏感なところ、視界が今までと異なって出てくることはある。
「人間とうさぎはやっぱ違いますか」
やっぱどこかが違うのかな? そう思って俺はティッピーさんに尋ねてみたんだけど……。
「……って! 吉田さんティッピーのこと知ってたんですか!?」
今まで何の気なしに話をしていたチノちゃんが驚きの目で俺を見ていた。あ、言ってなかったんだった。
「あ~……。うん。いろいろあってね。それより、えっとココアちゃんだっけ? 来たよ。あ、リゼちゃんも一緒だったんだ」
チノちゃんがいないときにちょっとだけティッピーさんといろいろあったから実は話せますってことは知ってるし、元が人間だったということも知っている。だけどこの話はもう終わりにしないといけない。だってリゼちゃんもココアちゃんも来ちゃったんだもん。
「吉田さんじゃないか! またいつもので?」
今日初めてのリゼちゃんは俺がいることの気が付き挨拶をしてくる。リゼちゃんにもカプチーノの人と思われちゃってるみたいだね。まぁ、この店でそれ以外頼んだことないんだけど。
「まぁね。あれ? 荷物はそれだけ?」
それよりリゼちゃんの持っているものが気になる。小さい豆の入った袋1つだけ。確かにそれだけでも重そうだけど、リゼちゃんならもっと……。
「あ~!! あぁ!! 私ほら、か弱いし!」
か弱いって、確かいつも銃を護身用として持ってなかったっけ? ちょっと興味あったから触らせてもらったけど、あれは貴重な体験だった……。ってそうじゃなくて!
「え? いつももっと大きいの何個も……」
そう。もっと大きい袋をもっと持って何なら肩で背負って持ってきていたはず。なのに今回は……?
「あ~!! あ~!!」
俺がそういうとリゼちゃんが頬を赤くして俺の声を消そうとしてくる。……そういうことね。後ろにリゼちゃんと同じ袋を苦しそうに持っているココアちゃんがいることに気が付けばどういうことなのかわかった。
「そっそれより、ココアは仕事を覚えなきゃだろ! さぁ! 行くぞ!」
この場からいち早く逃げ出したかったんだろうな。リゼちゃんはそう言ってカウンターに豆を補充するついでにココアに仕事を教えるために向かった。
「あはは……。頑張ってね。リゼちゃん、ココアちゃん」
これからは大変だよ。リゼちゃんはそのうちぼろを出すと思うし、新しい仕事を覚えるココアちゃんはもっと大変になると思う。だけど、楽しそうにしている彼女たちを見てどこか優しい気持ちになれるこの雰囲気が何だか好きだった。
もしかしたらゲームでイライラしているものを癒すために自分はここに通っているっていうのもあるのかもしれない。これからは新しい人も増えるし、もっとにぎやかで楽しくなりそうだ。
明日は映画公開ということで、今日は前夜祭的な感じで投稿してみました。
一体どんな感じの物語で映画が展開されていくのか個人的にはすごく楽しみですので見てみたいとは思ってます。(なお時間の問題)
友人が行くっていうなら無理してでも付いていこうかな?(場所的問題)
それでは次回はきっと年末になるでしょう。それまでしばしお待ちください。