機動戦士ガンダムE   作:グランクラン

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……あれ?章ナンバーが進んでない気がする?っと書いた後に分かりました。ここ数日体調を崩してしまい投稿が遅れました。


ウィー・ラブ・ユーⅣ《君の名を叫ぶ》

 

 コックピット内に満ちている光が俺の意識を肉体に戻し、空気を銘一杯肺の中にいれると心臓を素早く動かし、血液の流れは俺の両目と脳に力を与える。進化したなどと言っても俺個人の肉体は普通の強度でしかなく、ガンダムの力を脳波を強化することで俺は人間を超えることができる。

 ガンダムは今の俺にとって別の肉体であり、外宇宙生物とコンタクトを取るために必須な存在でもある。

 それが俺が選んだ進化の道とはいえ、元々の肉体を進化させているわけでは無い、なので肉体自体は空気を欲している。

 先ほどみたいに酸欠状態になれば余計に力は振るえないだろう。

 もう一度肺に空気を送り酸素と血液を体中に巡らせる。

 もう一度虹色の炎が輝く目をもう一度開き、目の前に存在する黒い騎士のようなガンダムをよく見る。

 黒を基本カラーにしているが、所々に金色の装飾が施されている。しかし、問題にすべきではないだろう。こいつには目立った武器が無い。

 しいて言うならビームサーベルぐらいだが、いや、シールドも持っているな。しかし、取っ組み合った状態ではうまくいかないだろう

 相手のパイロットはいうなれば俺の闇が自我を持った存在。

 こうして取っ組み合っていると違う何かを感じる。進化したからこそ分かる自我や力は俺の本質を写しているが、それを操っているのは全くの別の存在だ。

「お前は俺の闇が形作った存在ではあるが、それを操っているのは別の存在だ。聞こう……『お前』は誰だ?」

「………君は本質を見ることができるのかな?私にはそんな力が無いが」

「別にそういうわけじゃない。こんなのは処世術だよ。人の顔色ばかりを気にして、親から気に居られようとした愚かな男の得意技だ。お前の本質は別だ。他人の心を覗くことができても他人の心を浮き彫りにすることなんてできない。俺にはそんな力はない。勿論クレアにも不可能だ。しかし、お前の力は本当に心の本質を浮き彫りにするものなのかな?」

「そこまで言えばもう賢い君なら分かるだろ?」

 取っ組み合いをするお互いの機体。しかし、同時に黒い騎士のガンダムの装甲が動き始めた。

 いや、正確には騎士の装甲がと言ったほうがいいかもしれない。どうやら下には別の装甲が用意されていたようだ。

 騎士の装甲は次第に背中に移動していき、その装甲はつぎ足されているように重なり伸びていく。まるで天使の翼を黒くしたようにも見え、悪魔の翼を再現しているように見える。

「ダークエデンモードon、仕方ない。この方法で手に入らないなら別の手段を使うまでだ」

 黒い翼から放出している黒い炎のような光りは周囲をどす黒く染め上げようとしているように見える。

 反射的にエデンの背中から虹色の炎みたいな光が黒い炎の光を押しとどめようと試みる。飛行機から振り落とそうと試みる。

 あえてガンダムエデンの出力を落とし、押し切られそうになるが、その瞬間にお互いに体勢を崩したために、両手が離れてしまい俺はその隙に両手で飛行機につかまりながら黒いガンダムを蹴り飛ばす。

 飛行機から離れていき視界から消えていったのを確認すると、俺は飛行機の天井をガンダムの指先で破壊して人一人が入れる隙間を作り、コックピットから慎重になって入っていく。

 このままだとエデンは捕まってしまうかもしれない。しかし、ここからが俺がエデンと共に出来るようになったことでもある。

 俺はエデンを光の粒子に変えてしまうと、光の粒子は俺の体の中に入って隠れてしまう。

 よし、クレアを捜索するか。

 

 先に乗り込んだモンタークは四階のフロアを探し回っていた。しかし、肝心のクレアももう一つの目的である妹であるアルミリアの姿すら発見できない。

 最後の扉を手に掛けたとき、同時に衝撃音が部屋の奥から聞こえてきた。迂闊に開けないほうがいい気もするが、誰がそれをしているのかもおおよそで検討を付けていたからだ。という事は少なくともこの部屋は違うという事だろう。

 しかし、ダメもとで部屋を訪ねてみることにし、部屋のドアをゆっくりと開けようとするが途端に空気と気圧の流れからか重く感じる。

 モンタークは体重と力を最大まで使ってドアを開こうと押すが、反対側からドアが開かれる。

 そこには天井に開いた大穴へと流れる風で髪の毛が大きく乱れているサブレ・グリフォンの姿だった。

 しかし、モンタークは同時に疑問を抱いてしまった。

「エデンはどうしたんだ?」

「便利な収納術を習得したんでね」

 そう言って部屋の中から出ていき、左右を一回筒確認するように首を振り、敵がいないことを確認し、そのまま腰につけたハンドガンの弾を確認する。

「このフロアは確認したらしいな」

「ああ、両方ともこのフロアにはいなかった。さすがに格納庫に居るとは思えないが、どこにいるのかを探す必要必要があるな」

 そこまで言った所でサブレは瞳を閉じ、周辺に脳波を発してソナーの要領で人の数や居場所を探る。

「三階に十五人、二階に二十人、一階に三十人だ。アインは二階にいるようだな。多分可能性が高いとしたらアルミリアという女性も二階の可能性が高いだろうな。どうする?個人としてはアインと接触しておきたいというのがある。今のお前ではアインは難しいかもしれないな」

 モンタークは一旦考え出した結論は意外なものだった。

「三階に行こう。アルミリアが二階にいると決まったわけじゃない。それに、俺がアインと真正面から戦って勝てる可能性は低いだろう。君の方が勝てるんじゃないのか?」

「まあな。あんたがそれでいいなら俺もそれでいい。俺は二階の捜索に入る。クレアを見付けたらそのまま格納庫のドアを開けて外に飛び出して逃げろ」

 そう言って二人で階段を目指し、降りようとしているところでモンタークは疑問に思ったことを聞いた。

「私が君を助けようとする理由は聞かないんだな」

 サブレはゆっくりとモンタークの方を見る。モンタークを見る目は虹色の炎が輝いているように見える。その姿に驚きを隠せずにいるモンタークに対しまるで心を覗けたかのように微笑むサブレ。

「人を助ける理由にそいつが嫌いだからじゃダメなのか?」

 そう言って階段を下りていき、下の階を警戒しながら降りていく姿を見るとモンタークは誤魔化されたっと判断した。

 サブレは階段を下りた瞬間に周囲に展開していた部隊を素早く鎮圧し三階をモンタークに任せてそのまま二階に降りていく。

 モンタークは周囲を警戒しながら部屋を一つ一つ確認しながら開いていくと、左端の通路の階段から数えて三番目の部屋のドアを開けるとそこには窓を眺めるクレアの姿を見つけ出した。

「あなたは?」

 そう言って立ち上がりモンタークの方を見つめるクレアは金髪を一瞬だけふわりとなびかせ、窓から入ってくる光が金髪に反射し一瞬だけ目を薄めてしまう。

「私はモンタークという。サブレ・グリフォンと共に君を助けに来た。まずは格納庫に出よう」

 クレアはモンタークの手をゆっくりと手に取り、その瞬間にモンタークの心を覗いてしまう。

「あなたは妹さんを大切にしているのですね」

「!?どうしてそれを知っているんだ?」

「私には触れた対象の心を覗いてしまうんです。サブレが近くにいると力を発揮できないのですが」

 クレアは寂しそうな表情と辛そうな表情を足して二で割ったような表情をしつつ無理矢理笑顔を作る。

「だとしたら醜いものを見せてしまったな。自分でも黒歴史というやつでな。特に鉄華団と出会った時はひどかったよ。あの時は偏見でモノを言ったことを後悔している」

「でも、今は違うんでしょ?」

 モンタークは唇をかみしめながらマクギリスを撃った時を思い出す。

「だが……俺は自分の手で親友を撃ってしまった。その時、気が付いたんだ。俺は親友から目を背けて殺したことを無理矢理忘れようともしたよ。だけど無理だった。自己中な正義は己に帰ってくるという事なのかもしれないな。今なら別の何かが見えてくる気がする」

 クレアもモンタークの後ろをついていきながら階段前の曲がり角に辿り着いたところでモンタークにとってよく知った人間が現れた。

 紫色の短めにカットした髪を多少なびかせ、ミニスカートに肩先を露出した一見タンクトップに見えなくもない緑色の服を身にまとっているアルミリアを目撃したモンタークは一旦動きを止めてしまう。

 モンタークもよく知る妹の姿に一旦立ち止まってしまうが、心を切り替え説得する為に口を開こうとしたとき、アルミリアが取り出したハンドガンに反応できなかった。

 撃たれることしかできないように思えた瞬間、クレアはいち早く反応しモンタークと共に廊下の角へと隠れることに成功した。

 モンタークはハンドガンを取り出し弾を別の物に切り替える。実弾から麻酔弾へと切り替えて戦う覚悟を決めるが、クレアが不安そうな表情を浮かべながらモンタークの裾をつかみ、いったんモンタークの意識を引き戻す。

「彼女があなたの妹なのですか?」

「ああ、間違いない」

「……ですが…あれではまるで」

 クレアは何かに気づいているような、それでいて言い出しずらそうにしているとまるでその辺を組んだかのようにジャックの声が聞えてきた。

「クレアさんが言いたいことを教えてやるよ」

 モンタークはもう一度アルミリアの方を見るとアルミリアの右隣にジャックが立ち尽くしており、ジャックはニヤニヤ顔をしながら面白そうな顔をモンタークたちの方へと向ける。

「アルミリアはあんたなんて覚えていないってことさ。あるのは幸せな奴への憎しみぐらいかな」

 その言葉にショックを覚えクレアの方を見るモンタークに対し、クレアは苦しそうな表情を浮かべるだけだった。

「どうしてそんなことになったのかを知りたいならクレアさんにでも聞きなよ。そんな人でも元々木星帝国の関係者なんだから、最低限の事は知っているはずだし。安心していいよ。ククナ様からはあんた達を逃がすように言われているし、今は一階で暴れているサブレって人にも言ってよ」

 二階で捜索しているはずのサブレはこの数分で一階まで降りている理由が分からなかったが、モンタークは唇をかみしめ何とかアルミリアも助けられないかどうかで葛藤することになる。しかし、その辺を予想していたのか、ジャックもハンドガンとナイフを取り出して交戦の構えをとる。

「ちなみにアルミリアに手を出すなら俺は許さないよ。彼女は俺と同じでククナ様の計画の賛同者であるという点は偽りはないからさ。アルミリアの事は忘れる事を進めるよ」

「計画の賛同者?アルミリアをどんな計画に巻き込むつもりなんだ?」

「さあ、アンタたちがそれを知ることは無いよ。帰るときは格納庫からお帰り下さいね。アルミリアを押さえておくのにも限界があるんだからさ」

 クレアの救出を優先するという約束である以上はそうするべきなのかもしれないが、妹を助けたいという気持ちも存在し余計な葛藤を生んでいた。まるでそんな思いを知ったのか、クレアが「私の事を気にせずに」っと言われてしまうが、モンタークは今は助けることが不可能だと自分の気持ちを切り替えクレアの手を取ってそのまま格納庫の方へと走り去っていく。

 そんな中、モンタークはクレアに尋ねる。

「アルミリアの記憶を奪った奴は誰だ?ククナというやつか?」

「確かにお姉様は研究職ですが、能力開発や人体開発をしているのがお姉様です。しかし、お姉様が一切手を出さないのが薬品関係です。薬品関係の研究職には別の人間がいるからが理由だったような気がします」

 言い出しづらそうにしているのを見てモンタークが代わりに尋ねた。

「木星帝国の事はゲイナーからあらかた聞いた。皇帝の直轄にテラ。幹部は数が少なく、火星侵攻に乗り出しているメンバーを除けばあとは一人しかないと、その一人なのか?」

「いいえ。多分話だけなら聞いたことがあるのではないでしょうか。火星侵攻に際し、やってきた一人だと先ほどから聞いていますし」

 そこまで言われてモンタークは脳を回転させながら記憶を探り名前を四人ほど口にする。

「確か……テラ、テトラ、Fと……ペぺロだったか?」

「はい。テラは皇帝直轄の幹部で皇帝に直訴できるのはテラを覗けばお姉様ぐらいでしょう。テトラとFがテラ派の人間だと聞いたことがあります。元々テラはサイボーグ関連の研究を主にしていると聞いたことがありますから、Fはその時の実験体でその手伝いをしていたのがテトラだったかと」

「まるで研究メンバーだな、もしかしたら全員が研究員なんて言わないよな?」

「それはありませんが、Fとアインは戦闘要員です。しかし、テラがサイボーグ関係の研究で、ペぺロは薬品研究、お姉様は能力開発と人体開発で、テトラが神経開発だった気がします。最後の一人が『オズボーン』という名前で皇帝の代理で政治関係を扱っていると聞いた気がしますが……私はあったことが無いのです」

「では………アルミリアをああしたのは……?」

「おそらくですが………ペペロだと思います。Fとテトラがテラ派だと昔聞いたことがありますし、お姉様の下にアインがいると聞いたことがありますが、ペテロとオズボーンに関しては聞いたことがありませんでした。最近の行動を知った際にてっきりテラ派なのかと思いましたが、どうやら話を伺う限りお姉様の派閥のなのかもしれません。記憶を消したりすることができるのは薬品関係だとソニアさんに聞いたことがありますから」

 モンタークの中で怒りが心の奥から湧いてくるのをクレアは感じ取っていた。

 

 サブレがどうして二階から一階に戦いの場を移したのかを語るにはアインと接触する直前までさかのぼる必要がある。実は、クレアが三階にいるという事に気が付いていた。しかし、その目前にアルミリアもうろついているという事にも気が付き、あえてモンタークを行かせることで説得できるチャンスを与えたかったからだ。しかし、それを口に出せばモンタークの性格上遠慮する可能性があった、だから騙す形でクレア救出とアインの引き留めを自らかって出た。

 二階に降りて、アインの元へ向かうのに今のサブレには三十秒もかからなかった。

 ガンダムの粒子を体に入れている段階では人を超えた動きができる事が要因である。しかし、そんな状態でも出来ないことがあるという点では決して便利とは言えない。

 今回に限って言えばその優れた身体能力が功を奏したのは言うまでもない。

 アインの隣にククナがいたという事を除けばおおよそ予想通りだった。

「覚醒者は無意識で脳波を発しているから個人の識別ができるという私の予想はおおよそ当たっていたようね。久しぶりね。ふ~ん、それが人類の先の姿というのかしらね。本当の意味での『エヴォ・エクス』っていう事なのかしらね」

 楽しそうにしているククナに対して不愛想を貫くアイン。

「なるほど。偽名としてのエヴォ・エクスは元々進化した人類の意を込めていたのか。それより、お前たちは黒衣の騎士の正体に気が付いていたのか?」

 ククナが一瞬だけアインの方を見るが、アインは答えようとしない。

「私は少し前にアインから聞いたんだけどね。そう聞くという事はあなたは多分真実にたどり着いているんでしょ?まあ、あえて言うなら、あれは呪いそのものというべきでしょうね。私は信じていないけど」

「呪い……二千万年前に男が口にした『呪ってやる』っという言葉。あれが現実だったのか?」

 小さな言葉でそうつぶやき、アインをもう一度見る。呪いを撒いた本人というべき存在を見るが、アインにサブレは問う。

「お前はどうするつもりなんだ?アイン」

「今はまだ動くべきじゃないからな………もう少し様子を見るさ」

 そこから先を問おうとするが、後ろから妙な駆動音と壁を叩く衝撃音がサブレの耳に届き、ふと後ろを向くとククナ達は物陰に隠れるてしまう。

「ガンダムを取り込んだあなたの身体能力を見せてね」

 あくまでも楽しそうにしているククナの言葉を最後まで耳にすることは無く、サブレの体は壁の奥から現れたモビルスーツをワーカーサイズまで縮小したような存在に押し切られてしまい、そのまま格納庫の柵を破壊し、一階まで落としてしまった。

 サブレは落ちる最中拘束を振りほどき、背中にまわって大きく距離をとる為にジャンプする。

 改めてその巨体を眺める。

 足はモビルワーカーが使用しているものを改良されており、多少小型化しているが、機動力や小回りはこちらが上だろう。胴体はモビルスーツに酷似しており、右腕はハサミ状のクローになっており、左腕はガトリングを装着されている。背中に様々な武装を持っているが、サブレはそんな興味よりわらわらと集まってきた兵隊の方に向いていた。

 何故なら目の前の兵器はサブレより周囲の兵隊たちに攻撃の矛先を向けようとしていたからだ。

「あら……システムに不具合があったみたいね。オズボーンがタダでくれたから使ってみたけど、自立制御式に不具合があったみたいね………結局はゴミを押し付けらたという事かしらね……」

 そう言ってククナはジャックに連絡を入れ始める。

 サブレは兵器を止めようと奮闘し、一階は阿鼻叫喚の装いを挺してきた。積みあがっていく死体の山々にサブレはそれらをうまく活用しつつ、周囲に転がっている武器を拾っては活用していた。

 バズーカを放っては放り投げて逃げ、落ちているアサルトライフルを拾っては関節部に容赦なく撃ちまくっては放り投げて逃げる。そんな戦いを繰り返している間にサブレは上から下がっている荷物を固定するために一番上から下がっている固定用のアームをつかみ、それを兵器の上から胴体の隙間に無理矢理ねじ込む。

 すると、三階からクレアの手を取って格納庫に入ってきたモンタークがそのまま端まで駆け寄っている姿を見付けたサブレは、格納庫後方にある荷物を出し入れす際に使われる搬入口からの撤退を図っていると判断し兵器から飛び降りて三階と一階のドアを開けようとするが、兵器はもがき鎖をほどこうと暴れ始め、サブレは「しまった」っと後ろを向いた瞬間に背中に隠し持っていたミサイルが周囲へと放たれる。そのうちの一個が搬入口の操作盤へと直撃し、ドアが強制開放状態になってしまう。

 ミサイルはクレアとモンタークの近くにあたってしまい、搬入口のドアからモンタークをたたき出す。同時に外で待機していたウイングソードがモンタークを回収しようと飛行機に近づき、モンタークを回収するが、ミサイルの迎撃と搬入口からの空気の流れから一旦距離をとる。

 肝心のクレアは柵にしがみついたままで耐えており、サブレも近くの手すりにつかまったままクレアの状態を確認する。

「クレア!!飛び降りろ!!」

 その声をかすかに聞こえたクレアは下の方を一旦見て懐かしく思えるサブレを見て微笑み、そのまま身を外へと任せた。

 サブレも駆け出していきクレアから数秒遅れる形で飛び降りた。サブレはそのまま手を伸ばし先に落ちているクレアの手を握りしめ叫ぶ。

「クレア!」

「サブレ!」

 二人は抱きしめ合い、その瞬間に二人を助けるようにサブレの体からエデンが実体化する。両手で二人を支え、サブレはまるでクレアを押し倒すような体勢になる。

「クレア……好きだ。でも……俺はその気持ちから逃げてきた。お前を選ぶことが多くの人を傷つける事なんだと思い、結果としてもっと多くの人を傷つける結果になった」

「私もそれは分かっていた。だから……あえて何も言えなかった。一緒に謝ります。そして……」

 サブレはクレアの唇に自分の唇を重ねて黙らせる。まるでその先は自分で言うと言わんばかりに。

「一緒に………俺と生きてくれないか?」

 クレアは嬉しそうな表情をしながら涙を流してうなずき答えた。

「……はい!」

 まだ戦いが終ったわけでは無いが、それでも自然と気持ちは落ち着いていた。




どうだったでしょうか?面白かったと言っていただけたら幸いです。まだまだクリュセ一帯の戦いが続きますが、今回のウィー・ラブ・ユー編でついにラスボス?と言ってもいいのかな分からない存在が分かると思います。登場しているようで違うようなラスボスですが……言っている自分ですらどう表現したらいいのか分からないですが……ウィー・ラブ・ユー編の最後に出てきますので楽しみに!
次回のタイトルは『ウィー・ラブ・ユーⅤ《集結の刻》』になります!
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