八幡は魔法科高校に入学する。   作:丹下

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誤字報告ありがとうございます!!
毎度本当にありがとうございます!

少し今回は長くなりました…!w



ではどぞー!


八幡の反応速度も限界に迫っている。

翌日の昼休み。

生徒会室で八幡、達也、深雪、真由美、摩利、あずさの六人でご飯を食べていた。

全員がお弁当を持参して、ダイニングサーバーは活躍の場を失っていた。

 

「達也くん」

 

摩利が達也を呼ぶ。

 

「何でしょうか、委員長」

 

「昨日、二年の壬生をカフェで言葉責めをしていたというのは本当かい?」

 

八幡はその言葉を聞いて食べているのを吹きそうになるがギリギリのところで堪えた。

 

「……先輩も年頃の淑女なんですから『言葉責め』などという、はしたない言葉は使わない方がいいと思いますが?」

 

達也は少し間があいたが、摩利に問い返す。

 

「ハハハ、ありがとう。私を淑女扱いしてくれるのは、達也くんぐらいのものだよ」

 

摩利が笑ってから答える。

 

淑女って感じではないですよね…

 

八幡は心の中で思うが声に出すと怒られそうなのでグッと堪えた。

 

「そうなんですか?自分の恋人をレディとして扱わないなんて、先輩の彼氏は紳士的な方ではないようですね」

 

「そんなことない!シュウは…」

 

達也の言葉に摩利はさかさず答えるが顔を真っ赤にして、『しまった』と言う顔をした。

 

先輩もリア充なんですね…どこか平塚先生と似てると思っていた自分をお許しください。

 

「………」

 

「………」

 

達也は無表情で摩利を見つめる。

そんな二人を見て真由美は後ろを向いて肩を震わせていた。

 

「……なぜ何も言わない?」

 

「……何かコメントした方がいいですか?」

 

摩利の問いかけに達也は無表情で返す。

摩利は視線を横にズラし

 

「比企谷…何か言いたそうだな…」

 

八幡に言うなよと言わんばかりの圧力がかかる。

 

「ひぃや、何も思ってませんよ?」

 

やっぱりこの人平塚先生に似てないですかね…今の彼氏いなくなったら独身になる未来が見えました…言わないけど。

 

「……それで、剣道部の壬生を言葉責めにしたのは本当かい?」

 

視線を達也に再び向けて、摩利は先程の話がなかったかのように再び問いかける。

 

「ですから…『言葉責め』などという表現は止めたほうがよろしいかと…深雪の教育にもよくありませんし」

 

「…あの、お兄様?私の年齢を勘違いしてませんか…?」

 

達也の言葉に深雪が小さな声で抗議した。

 

「そうだぞ達也、深雪は『言葉責め』をする方だからな…」

 

八幡はつい口に出してしまった。

 

「あら?八幡さん?何をおっしゃってるんですか?」

 

深雪は物凄く笑顔で八幡に問いかける。

達也はそっぽ向いて、助けてくれる様子はなさそうである。

 

「いや、深雪に言葉で責められるの好きだなと思いましてでしゅね?」

 

何言ってたんだよ俺…ただの変態へジョブチェンジしちゃったよ…

 

「ハチくんはそういう性癖の持ち主だったのね…」

 

真由美が意外そうな顔をして八幡を見ている。

 

っべー!これマジでやばいでしょー……戸部ってる場合じゃない…あーちゃん先輩ドン引きしてるんですが…いいんですか?仕方ないですね…

 

あずさは八幡の発言にドン引きしている。

 

「ほう、比企谷は言葉責めで喜ぶドMなのか」

 

摩利はニヤニヤしながら八幡を見ている。

 

「ご、誤解ですよ?決してそういう性癖があるとかではなくてですね?」

 

八幡は慌てて弁解するがもう遅い。

深雪はというと。

 

「八幡さん皆さんの前で好きだなんて…でも私にはお兄様が…」

 

顔を真っ赤にして八幡に聞こえるか聞こえないかくらいの声でボソボソ呟いていた。

今日も深雪さんは絶好調である。

 

「それで達也は言葉責めしていたのか?」

 

八幡は強引に話題を戻す。これを弁解するのは無理だと思ったようだ。

 

「随分と強引だな…」

 

達也は笑みを浮かべて八幡に告げる。

 

「おい…」

 

八幡は達也を見る。

 

「で、どうなのだ?達也くん」

 

摩利は達也に向かって問いかける。

 

「……そのような事実はありませんよ」

 

達也は逃げられないと思い、答える。

 

「おや、そうかい?壬生が顔を真っ赤にして恥じらっているものを目撃した者がいるんだが」

 

摩利の一言で先程まで悶えていたはずの深雪から冷気が出ていた。

 

「お兄様?一体何をしてらっしゃったのかしら?それに八幡さん、問題はないと聞いてましたがどういうことでしょう?」

 

「ま、魔法…?」

 

あずさが怯えながら呟いた。

 

「相変わらず事象干渉力が強いのね」

 

真由美は呟いた。前に八幡と話してたときに経験していたからである。

 

「落ち着け、深雪。ちゃんと説明するから魔法を抑えろ」

 

達也は深雪にそういうと室内の気温が下がっていくのが止まった。

 

「申し訳ありません…」

 

こうやったら止めれるんですね…さすがお兄様ですわ!

 

「夏場は冷房いらずね」

 

「真夏に霜焼けというのは間抜けですが」

 

真由美の冗談交じりの言葉に達也は軽く流した。

 

あれ?俺昨日霜焼けになってたんですけど…?間抜けってことなんですかね…お兄様ひどい…真夏じゃなければセーフですね、セーフだと思いたい…

 

「八幡、別にお前のことを言ってるんじゃない」

 

達也は八幡が何を考えていたのかわかってたようだ。

 

「八幡さん昨日は申し訳ありません…」

 

「いや…俺が悪かった?んだから問題ないぞ」

 

俺が悪かったのか…俺が悪かった事にしとけばすべて解決する。問題ない…けどもうあんな怖い思いしたくない!

 

「どうも風紀委員会の活動は生徒の反感を買っている面があるようですね」

 

達也は話を本題に戻し、壬生との会話を再現した。この話は八幡も聞いていなかった為、八幡も耳を傾けていた。

 

風紀委員はあの程度のよくある問題を自分達の点数稼ぎの為に、強引な摘発をしているというものだった。後は勧誘されたことや、部活連に対抗する組織を作る話や壬生から返事をもらえなかったことに関して説明をした。

 

「しかし、点数稼ぎの為になどということが本当にあるんですか?少なくともこの一週間そういう事例は見聞きしていませんが?」

 

「私もです。私の場合はモニター越しにしか現場を見ていませんが、あの無秩序ぶりからすれば、風紀委員の活動はむしろ寛容だと思われますが」

 

達也、深雪はそれぞれ意見を述べる。八幡は静観しているだけであった。

 

「それは壬生の勘違いだ、思い込みなのかもしれないが。風紀委員会は全くの名誉職で、メリットはほとんどない。対抗戦の成績のように、演習の評価が加算されるというようなことも皆無だ。風紀委員を務めたということで、多少は定性的な評価は得られるかもしれないが、それも校内だけのこと、生徒会役員のように卒業後も高評価の要因になることはない」

 

摩利は二人の意見に回答し、真由美は、

風紀委員会が校内では権力を持っているのも事実で、ヘイトを集めているという。それを印象操作している何者かがいるということを補足した。

 

「正体はわかっているんですか?」

 

達也は質問をした。まさか真由美が口を滑らせるなんて思っていなかったので、揚げ足をとる事に成功した。

 

「え?ううん、噂の出所なんて、そう簡単に特定できるものじゃないから…」

 

真由美は明らかに動揺していた。

 

「俺が訊いているのは、末端であることないこと…「ブランシュですよね?会長」…八幡」

 

達也は襲われた当事者である為、少しヒートアップしていた。

ブランシュの存在を知っていて放置しているのが余程気に障ったのだろう。

だが、それは昨日真由美と話をつけていた為、この場で達也が踏み込みすぎるのは良くないと判断した八幡が庇って入ることにした。

 

「ハチくん…」

 

真由美は少し顔をムッとさせた。この場で八幡が割って入るのもあまりいい策ではないがやむを得ない。

あずさはブランシュと聞いて目を丸くしていた、詳しい事情は知らされていないらしい。

 

「最近噂でよくネットで見るんでブランシュかなと思っただけですよ…」

 

「あの噂か…」

 

摩利も噂のことを知っているようだ。多分この第一高校の七割程はこのことを知っているであろう。

 

「私もその噂なら知ってます。確か、ブランシュのアジトが第一高校の近くにあるとかでしたよね?」

 

あずさも流石に噂を知っていたようだ。

 

「その噂が本当なら、会長も立場的には仕方のないことですから。さてと、時間もそろそろですから、俺たちは教室に戻ります」

 

昼休みが終わるまで、少し時間があったが達也は早々に部屋を出ようとする。

 

「ああ、待ちたまえ達也くん」

 

摩利が達也を呼び止める。

 

「なんでしょう?」

 

「それで返事はどうするつもりだ?」

 

「答えをもらってから考えるつもりです」

 

摩利の問いに達也は答える。壬生の回答待ちだということである。

 

「それに、今の噂が本当なら放ってはおけないと思ってますよ」

 

摩利の問いに達也は冷静に答える。

 

「……頼んだぞ。比企谷もな」

 

「俺あんまり働きたくないんですけど…」

 

摩利に不意に話を振られたがいつも通りの返事をする八幡。

 

「できる範囲で構わない」

 

摩利は八幡は口ではそういうが、ちゃんと働く奴だと認識している為わざわざ追求はしない。風紀委員での仕事ぶりを見ててわかっているのだろう。

 

「達也が頑張るらしいので、その…アレです、達也が引き受けました」

 

「おい…」

 

三人はそのまま生徒会室を後にした。

出ていく瞬間に摩利はボソッと口にした。

 

「多分それがベストな結果につながるだろうからね」

 

 

 

 

 

 

 

時は少し進み、ようやく二科の生徒達にも魔法実技の実習が本格化した。

 

 

「940ms(ミリ秒)達也さん、クリアです!」

 

「やれやれ…三回目でようやくクリアか」

 

達也の成功に喜びながら美月は目を輝かせていたが、達也は疲れ気味の笑顔で答えた。

 

今日の実技は基礎単一系魔法の魔法式を制限時間内にコンパイルして発動する、という課題を二人一組になってクリアするのが目的である。

ペアの一方がクリアできないと一方のペアも自動的に居残りになる為、達也はホッとしていた。

 

「でも意外でした。達也さん本当に実技が苦手だったんですね」

 

「意外って…何度も自己申告したと思うが?」

 

美月の問いに達也は答える。

 

「確かにお聞きしましたが…謙遜だとばかり。だって達也さんみたいに何でもできる人が、実技が苦手なんて」

 

美月の言葉に達也は苦笑いするしかなかった。

 

「……自分で言うのもあれだけど、実技が人並みにできていたらこのクラスにはいなかっただろうな。それに実技ができるのにこのクラスにいるやつもいるんだがな…」

 

そういって八幡の方を見る達也。

 

 

「やはり我の相棒は貴様にしか務まらん!」

 

八幡は材木座とペアを組んでいる。

 

「そうだな、早くやれ材木座」

 

材木座のテンションとは真逆のテンションで八幡は答える。いつも通りである。

この二人はあくまで二科生であるので、実習では軽く手を抜くことにしている。

二人とも平均的な500msで課題をクリアしていた。

 

そして昼休みになり、達也達はレオとエリカの二人に懇願されて居残りに付き合っていた。材木座は摩利に呼び出されて風紀委員会本部に向かっていた為この場には不在である。

 

「1060ms…ほら、頑張れもう一息だ」

 

達也がレオを励ましている。

 

「遠い…0.1秒がこんなに遠いなんて知らなかったぜ」

 

「バカね、時間は『遠い』とは言わないの。それを言うなら『長い』でしよ」

 

レオの間違いをエリカが指摘している。

 

「エリカちゃん…1052msよ」

 

「あああぁ言わないで!せっかくバカで気分転換してたのに!」

 

それから達也が頑張ってコーチをして、徐々に二人のタイムは縮まっていっていた。

 

「八幡、アドバイスしてやったらどうだ?」

 

達也は隅の方で腐っている八幡に声をかける。

八幡はすぐに出ようとしたが達也に深雪がと脅され仕方なくここにいた。

 

「アドバイスか…って俺に聞くのおかしいだろ…」

 

「暇そうだったんでな」

 

達也は笑みを浮かべ八幡にそう言って二人にアドバイスをした。八幡を待たせているのに少し気を使ったのかもしれない。

 

「お兄様…お邪魔してもよろしいでしょうか?」

 

深雪が遠慮気味に入ってきた。

 

「深雪…と光井さんと北山さんだっけ?」

 

エリカは入ってきた三人を見た。

 

「エリカ、気を逸らすな。すまん、深雪次で終わりだから少し待っててくれ」

 

達也はエリカに注意し、次で終わらせろとレオとエリカに遠回しに言う。

 

「分かりました。申し訳ありませんでした、お兄様」

 

二人はプレッシャーをかけられたが、本番に強いタイプなのか二人とも無事課題をクリアできた。

 

「ようやく終わった〜」

 

「ふう…ダンケ、達也」

 

二人はやっと終わり一息ついた。

 

「二人ともお疲れ様、お兄様ご注文の通り揃えてきましたが…足りないのではないでしょうか?」

 

深雪は二人を労い、達也に問いかける。どうやらみんなの分の昼食を買ってきてくれていたようだ。

 

「いや、時間もないことだしこのくらいが適量だろう。深雪、ご苦労様。光井さんと北山さんもありがとう、手伝わせて悪かったね」

 

達也は深雪と一緒に昼食を届けてくれたほのかと雫にお礼を言う。

 

「いえ、この程度のこと何でもないです」

 

「大丈夫。私こう見えても力持ち」

 

達也は三人から昼食を受け取りエリカ達に配る。

 

「深雪…八幡に持って行ってやってくれないか?」

 

達也は存在が危うくなっている八幡に昼食を届けるように深雪に頼む。

 

「えっ?八幡さんがいらっしゃるのですか??」

 

深雪は慌てて八幡を探す、どうやら気付いていなかったようだ。ほのかと雫も気付いていなかったらしく少し驚いていた。

 

「八幡さん!申し訳ありません…これを…」

 

深雪は半泣きになりながら八幡に昼食を渡す。

 

「俺…深雪にまでも気付いてもらえなかったんだな…ステルスヒッキーを魔法なしで使える日もそう遠くはないな…」

 

従姉妹の深雪でさえ存在を察知してもらえなかった八幡は少し落ち込んでいた。

 

「八幡、あまり深雪を虐めてやるな。お前が端っこにいたのが悪いだろう?」

 

「うるせぇよ…」

 

そう言って深雪から受け取ったパンを食べる八幡。結局、エリカ達にこっちに来いと言われ八幡はみんなの輪の中に入り昼食を取っていた。

 

「深雪さん達のクラスでも実習が始まっているんですよね?どんなことをやっているのですか?」

 

ほのかと雫はその美月の発言に気まずそうにする。

 

「多分、美月達と変わらないと思うわ。ノロマな機械をあてがわれて、テスト以外では役に立ちそうもないつまらない練習をさせられているところ」

 

深雪は遠慮の無い毒舌を吐き、達也と八幡以外はギョッとした表情を浮かべた。

その後は二科生の扱いについて、様々な意見が飛び交ったり、エリカが千葉家の道場で稽古を教える時のことなどを話していた。

 

「ねぇ?参考までにどのくらいのタイムかやってみてくれない?」

 

エリカは深雪がどのくらいのタイムが出るのか少し好奇心があったのか問いかけた。

 

「いいんじゃないか?」

 

達也は少し困っている深雪に伝える。

 

「お兄様が仰るなら…」

 

深雪は不本意ながらタイムを計る。

 

「……235ms」

 

美月が表情を強張りながらも伝える。

 

「えっ?」

 

「すげ…」

 

エリカ、レオは驚きを隠しきれていなかった。

 

「何回聞いてもすごい数値よね…」

 

「深雪の処理能力は人間の反応速度の限界に迫ってる」

 

ほのかと雫もため息を漏らすほどのタイムである。

 

八幡と達也は特に驚いている様子はない。

 

「八幡さんはどのくらいのタイムなのですか?」

 

深雪は不意に八幡に問いかける。

 

「えっ?俺?500msだったぞ?」

 

「手を抜きましたね…?」

 

八幡の答えに深雪はすかさず答える。

 

「八幡、俺も少し気になるな。ここにいる面子なら誰も言いふらしたりしないだろう」

 

達也も八幡の実力を把握しているわけではないので好奇心があったのか、八幡を説得する。

 

「でもだな…」

 

「そういえば八幡って手を抜いて二科生になったって言ってたわね!」

 

エリカもそれに乗ってきて、全員が気になりますって顔をしている。断れる雰囲気ではない。

 

「はぁ…」

 

八幡はため息を吐き、深雪は計測器をセットする。

 

「230msです!八幡さんすごいじゃないですか!!」

 

深雪が満面の笑みで八幡の腕にくっつく。

達也も含む全員が驚愕する。5ms違うだけだが、深雪よりもタイムが良かった。これに関しては達也も想定外であった。

 

「そんな人外を見る目で見ないでもらえませんかね…」

 

 

 

このことは必ず秘密と言う約束を交わして、昼休みは終わりを告げた。




雪ノ下に関しては少しだけ書こうかと思います!(触る程度になりそうですが…)

カウンセリングの話は見事にスルーしました…(大丈夫ですよね…多分)


最後のタイムで深雪とほぼ同じタイムだったのには理由があります!
わかるのはかなり先になりますが…わかる人にはわかるかもしれません!w
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