八幡は魔法科高校に入学する。   作:丹下

29 / 42

誤字報告ありがとうございます!!

今回は後半から本編にもどります!




ではどぞー!


深雪はお姉ちゃん。

 

八幡と材木座が司波宅に泊まった翌日の夜、達也と深雪は今日は自分達の家にいた。

 

「お兄様、深雪です。少しよろしいでしょうか」

 

「入っておいで」

 

深雪は達也の元へ訪れていた。深雪が入ってきたのを確認したら、深雪の方へと体を向けた。

 

「昨日のことか?」

 

「………はい」

 

深雪は少し間が空いたが、達也の問いに答える。

 

「亜夜叔母上も考えがあったから八幡を連れていかなかったんだ、それは深雪もわかってるはずだが」

 

「それはわかっております…ですが!」

 

昨日、達也と深雪は亜夜に頼まれて八幡と材木座を家に泊まりに行かせるように、二人に言っていた。

その時に事情を聞いて最初は渋っていたが達也は了承し、ある情報を亜夜と真夜に提供した。

 

「昨日の件は八幡がいれば、確実にそれを止めに入っていた。小町がもしもの時に控えていたなら尚更だな」

 

小町が出る局面があるとすれば、雪ノ下陽乃に亜夜子と文弥が捕まってしまった場合、もしくは正体がバレてしまった場合の時である。

小町の能力ならこれを上手く解決できると判断して亜夜は小町を同行させた。

もっとも、あの二人が捕まるとは思ってなかったが念には念を入れたということであるが。

八幡は小町が出るのに自分がいかないわけがない、それに小町が出る前に片付けようとする。

達也は自分がもし深雪が同じ状況にあれば必ずそうしていた。

 

「お兄様が言いたいことはわかっているつもりです。小町ちゃんをわざわざ連れて行く必要がありましたか?」

 

深雪は小町のことを心配している。お姉ちゃんと呼んでくれる小町のことを深雪は実の妹のように思っていた。

 

「あの場では、小町の能力が一番だ。俺でも深雪でも八幡でもなく小町にしか出来ないことだ。俺も最初は反対したよ、最終的には条件付きで了承をしたんだが」

 

達也も最初は反対をした、小町を連れて行くなら自分が出ると。だが、事情を聞いて小町の能力でしか解決出来ないことであり達也は同行を頼んだが、それすら却下された。

 

「条件ですか?」

 

「俺の眼で追わせてもらうようにし、何かある時まで小町の姿を隠しておくことと条件をつけさせて貰った」

 

深雪の質問に達也は答える。

何かあれば小町の元へ駆け付けられるように達也は昨日の夜は密かに警戒していた。

 

「そうだったんですね…ありがとうございます。お兄様」

 

「小町も俺にとっても妹のような存在だ、失いたくはないさ」

 

達也は深雪にそう告げる。達也も深雪も小町のことを妹と思っている。

 

「私も小町ちゃんの家族として何より姉として、守りたいと思ってます!」

 

深雪は今まで兄しかいなかったが、妹のような存在ができたことにより小町を姉として守ると決めているようである。

 

「深雪もお姉ちゃんになったんだな」

 

達也は深雪の守りたいと言っている姿を見て微笑み掛けていた。達也自身こんな深雪を見れるなんて思っていなかったのかもしれない。

 

「それで、お兄様。今回の件はどうなるのでしょう?文弥と亜夜子ちゃんがこのまま調査するのですか?」

 

「いや…今回の件については俺が引き受けることにした」

 

深雪の問いかけに達也は自分がやると答える。

 

「えっ?」

 

深雪は予想外だったのか驚いたようだ。

 

「今回の一件は俺が適任だと思っている。特に相手が雪ノ下家ならな、これには亜夜叔母上、真夜叔母上も賛成してくれた」

 

「それはどういうことでしょう?」

 

「深雪、今から話すことは必ず内密にしてくれ」

 

そして達也は釘を刺して、深雪に事情を説明した。

深雪は驚きを隠せずに口に終始手を当てていた。

 

「お兄様が動く理由はわかりました…確かに今回の件に関しては、お兄様が一番適任だと思います。ですが、八幡さん達には何故秘密なのですか?」

 

深雪は落ち着き、一息入れ達也に問いかける。

 

「それは俺にもわからないが、口止めしてきたのは叔母上達だ。何か考えがあるんだろう」

 

達也も話してもいいと思っていたが、亜夜と真夜に口止めをされているようである。

 

「お兄様は今回の件に関してどう思われているのですか?」

 

深雪は達也に問いかける。

 

「真夜叔母上が、雪ノ下家のことを調べようとしたのは本当だろうな。でないとわざわざ黒羽姉弟に指示は出さないだろう」

 

「では、それを亜夜叔母様が止めたということですか?」

 

「いや、もしかしたら真夜叔母上は雪ノ下陽乃が動くかが気になってたのかもしれない。雪ノ下家から追い出されたとはいえ、今はまだ雪ノ下を名乗っているわけだからな」

 

雪ノ下陽乃が出てきた場合、あの二人なら逃げられると過程していたのなら今回の人選は理にかなっている。

亜夜子は普通の擬似瞬間移動より高度な擬似瞬間移動が使える。

 

「だから亜夜叔母様や小町ちゃんにフォローを頼んだということですか?」

 

「恐らくだがな、その可能性があるとしか言えないな。それにあの通達も何か関係してるのかもしれないからな…」

 

八幡と小町が亜夜の子であり、次期当主候補として分家に通達されたタイミングとしても何か意味があるのかもしれないと達也は懸念していた。

 

 

 

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

 

 

 

時は進み、新入生勧誘週間から一週間が経った。

放課後、達也は壬生にあの時の『宿題』の答えを聞く為に、カフェに来ていた。

まとわりつく監視の目線が鬱陶しかったが、達也の方から何かするつもりはなかった。

 

 

「ごめん待ったでしょう?」

 

壬生が遅れてカフェに到着した。

 

「大丈夫です。連絡をもらっていましたから」

 

達也は連絡を事前にもらっていた為、別に気にしてない様子だった。

 

摩利が登場したり、材木座が叫びながら走っていたが、それを無視し壬生と他愛のない話を、少しだけしてようやく本題に入った

 

壬生が達也の問いに対しての答えはとは。

 

学校側に待遇の改善を要求すること。

二科生の待遇全般。

授業の格差や部活の予算の割り当て。

実技以外が上回っていのに、実技が低いということでウィードと蔑まれるのが許せないと言うのが壬生の答えであった。

 

それに対して達也は質問し、どれも歯切れの悪い返答しか返ってこなかった。

待遇については達也自身も不満に思うところがあったが、達也自身は学校というものに興味がなく魔法大学系列でのみ閲覧できる非公開文献を閲覧出来さえすればいいと壬生に伝えた。

 

「残念ながら、先輩とは主義主張を共有できないようです」

 

そう壬生に告げ、その場を後にした。

 

 

「お疲れさん」

 

八幡は隠れて聞いていたようでカフェから出てきた達也に労いの言葉をかける。

 

「壬生先輩の話は参考になったか?」

 

達也も八幡が隠れていたのに気付いていたようだ。

 

「この前とあまり言ってることが変わってないように聞こえたんだが…」

 

「八幡は二科生で不満か?」

 

達也は八幡に問いかける。

 

「むしろ、教員がいなくてサボれるから悪くはないな」

 

「お前に聞いた俺が悪かった…」

 

達也は八幡の答えを聞いて聞く相手を間違えたと思ったのだった。

 

 

 

そして何事もなく、一週間が過ぎた。

八幡達はブランシュの情報をほぼ集め終わっていたが、雪ノ下達や七草家、十文字家が動きを見せないので静観していた。

そして授業が終わり、放課後に入った直後。

 

 

『全校生徒の皆さん!』

 

突然、大音声が、スピーカーから飛び出した。

周りの生徒達が慌てふためいていた。

 

『……失礼しました。全校生徒の皆さん!』

 

再びスピーカーから音声が飛び出したが、先程とは違いボリュームを調整したようだ。

 

これ恥ずかしいやつですよね…この声の主は黒歴史確定的ですね。可哀想に。

 

八幡は内心そんなことを思っていた。

 

「どうやらボリュームの調整をミスったようだな」

 

「や、ツッコンでる場合じゃないから、きっと」

 

エリカはボソッと言った達也の言葉を拾い、ツッコミを入れる。

 

「お前もツッコンでるだろ…」

 

八幡はエリカの揚げ足をすかさずとった。

 

『僕たちは学内の差別撤廃を目指す有志同盟です!』

 

「有志ねぇ…」

 

達也はスピーカーから聞こえた言葉に呟いた。

 

『僕たちは生徒会と部活連に対し、対等な立場における交渉を要求します!』

 

こんな大事なことをして、対等な立場で交渉できると思ってるんですかね…下手すれば退学になりそうなんですが…いいんですか。

 

「ねぇ、いかなくていいの?」

 

エリカが八幡と達也を見て聞いてきた。

 

「今日は非番だからな、休日出勤とかしたら社畜街道真っしぐらですよ…」

 

八幡はそう言って机に突っ伏した。

 

「おい…多分呼び出しがかかるとおもうぞ?」

 

達也は八幡に休日出勤確定のお知らせを告げる。

 

「八幡!達也殿!お呼び出しが掛かったぞ!行くぞ!!」

 

材木座が大声で八幡と達也に出動要請を告げて、猛ダッシュで駆けて行った。

 

「材木座行くなら俺いらねぇんじゃねぇの?」

 

「多分こなかったら深雪が怒るとおもうぞ?」

 

八幡の言い訳に達也が呆れた感じに答える。

 

 

「はぁ…行きますか…」

 

八幡は諦めて達也と共に教室から出て行った。教室の雰囲気は不安そうにし、このまま帰っていいのかわからなくなり戸惑っていた。

 

「お兄様!八幡さん!」

 

「深雪、お前も呼び出しか?」

 

「はい、会長から放送室の前へ行くようにと」

 

深雪も生徒会で招集されたようで、合流し三人で放送室へ向かう。

 

「深雪と達也いるなら俺いらなくないですか…?」

 

八幡の意見はごもっともだが、風紀委員として招集されている為、現場には行かなければならない。

 

「私は、お兄様と八幡さんの活躍を見に来たのですよ?」

 

「活躍するとこなんてないと思うが…」

 

深雪の問いに八幡は答える。

 

「それにしても、ブランシュの仕業でしょうか?」

 

深雪は八幡と達也に問いかける。

この一件にブランシュが絡んでいるのかと疑問に思ったのだろう。

 

「違うだろ、多分アレだ…なんだっけ…」

 

「エガリテだろ?」

 

「それ」

 

エガリテとはブランシュの下位組織グループであり、第一高校に何名か潜り込んでいる組織である。

そして、三人は放送室前に到着した。

 

「遅いぞ、どうせ比企谷が休日出勤は嫌だと言っていたのだと思うが」

 

摩利が八幡を見ながら三人に告げる。

 

「委員長それは心外ですよ…」

 

「ええ、連れてくるのが大変で」

 

八幡が訂正しようとしたが、横の達也が肯定した。

 

「達也?酷くないですか?」

 

「お前達その辺にしておけ、今の状況を考えろ」

 

言い争いをしそうになっていた八幡と達也に克人が注意した。

 

「「すみませんでした」」

 

二人は揃って頭を下げた。

 

そして三人は鈴音から状況説明を受ける。

放送室のマスターキーを手に入れ、放送室に立て籠もっている。

放送室の電源は落とし、これ以上の放送ができないことを聞いた。

 

「それ犯罪じゃないんですかね…?」

 

「そのとおりです。だから私達もこれ以上彼らを暴発させないように、慎重に対処すべきでしょう」

 

八幡の問いかけに鈴音が肯定し、これからのことを相談する。

 

「こちらが慎重になったからといって、それは向こうの聞き分けが良くなるかどうかは期待薄だな。多少強引でも、短時間の解決を図るべきだ」

 

摩利は早急に取り押さえた方がいいと判断している。さっきまで意見の食い違いで口論になっていたようだ。

 

「十文字会頭はどうお考えなのですか?」

 

達也は克人の意見を聞いた。

少し出すぎた真似かもしれないが、この場はそういうところを考える場ではなかった。

 

「俺は、彼らの要求する交渉に応じても良いと考えている。元よりいいががりに過ぎない。しっかりと反論しておくことが、後顧の憂いを断つことになろう」

 

「では、この場はこのまま待機すべきと?」

 

克人の考えに達也は問いかける。

 

「それについては決断しかねている。不法行為を放置すべきではないが、学校施設を破壊してまで性急な解決を要するほどの犯罪性があるとは思われない」

 

結果的に克人の意見は鈴音寄りだった。

 

「確か達也、壬生先輩にプライベートナンバー教えられてなかったか?」

 

八幡のその一言で全員が達也を見る。その言葉に反応したのは深雪だった。

達也は深雪が反応したことに気付き八幡を見る。

 

「おい…今ここでそれを言うか…」

 

「お兄様?八幡さん?どう言うことですか?」

 

深雪が笑顔で問いかけて来た。

 

「待ち合わせの為にと教えられてたんだ、こんなところで役に立つとは思わなかったが…」

 

達也は深雪に答える。

 

「そうですか、それで八幡さんはその光景を見ていたと?」

 

「見てたな…ばっちり」

 

赤くなりながら壬生先輩が渡してたのすごく見てました。お兄様爆発しないかな…

 

「へぇ、また深雪に秘密ですか。報告の時にそんなことは聞いておりませんが?」

 

……なんだとっ!ここは達也が犠牲になるところじゃないんですかね。

 

「とりあえず、今はだな?その…アレだ早く事件を解決しないとな」

 

「渡辺先輩、少し八幡さんをお借りしてもよろしいでしょうか?」

 

深雪は八幡のことをスルーし、摩利に問いかける。

 

「プライベートナンバーを知っているのが達也くんなら、少しの間だけならいいぞ」

 

摩利は悪戯な笑みを八幡に向けながらそう答えた。

 

「ありがとうございます。すぐ済みますので」

 

「ほどほどにな」

 

摩利は深雪に軽くにしておけと言うが、建前だけなのかもしれない。

何故か、克人も見て見ぬふりをしている。

 

「では、時間もないので早く行きますよ八幡さん」

 

「達也!なんとかしてくれ!!」

 

八幡は柄にもなく大声で達也に助けを求める。

 

「壬生先輩ですか?司波です」

 

達也は八幡を無視して、壬生に電話を掛けていた。

 

 





入学編もいよいよ最終段階に入ってきました!!(40話までには終わるかな…?)


感想で葉山に関して色々言われていましたが…葉山くんはまだ脱落?はしないですよ!!!(多分…今後起こることを脱落と言わなければですが)


  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。