誤字報告ありがとうございます!
ではどぞー!
討論会前日の夜。
達也は予定通り、深雪と八雲の寺へやって来ていた。
「それで今日は一体何の用かな?」
八雲は達也に問いかける。
「実は師匠の力で調べて欲しいことがありまして」
達也は司甲とブランシュについて自分達が調べた事を話した。
「そこまで調べておいて、僕に何を調べて欲しいんだい?」
達也はブランシュの情報を話した為、八雲は達也に再び問いかける。
「師匠にお尋ねしたいのは、ブランシュが司甲を使って何を目論んでいるのかわかりませんか?」
「もちろん、その程度の事なら調べられるけど」
八雲はあっさりと頷いた。この手の話なら九重八雲にとっては朝飯前の事であった。達也もそれを知っていて頼みに来ている。
「でも、僕は出家の身だ。俗世には関わらないことにしている。それにそこまで見当がついてるなら、風間くんに頼んだ方が早いんじゃないかい?彼のところには藤林のお嬢さんがいるだろう?」
「……少佐に頼るのは」
「叔母君がいい顔をしないか」
八雲の問いに達也が答えようとするが、遮って最後まで言わせなかった。
「そういう事情なら、僕のところに来るのも仕方ないね」
八雲は達也と深雪に座りなさいとジェスチャーして、前置きなしで語りはじめる。
「司甲。旧姓、鴨野甲。両親、祖父母いずれも魔法的な因子の発見は見られず、いわゆる『普通』の家庭だけど、実は賀茂氏の傍系に当たる家だ。傍系って言っても血薄いんで、そういう意味では普通の家庭と言って差し支えないんだけど、甲くんの『目』は一種の先祖帰りだろうね」
達也が司甲の事を、ブランシュの事を聞きにくるのを予知していたかのように話す八雲。
「師匠、プライバシーと言う言葉を、ご存知ですか?」
「言葉の意味なら知ってるよ」
達也は自分からプライバシーの侵害を依頼していながら、自分の事を棚に上げて八雲を非難した達也に、一片のやましさも見られない顔で答えた。
「それにしても、俺が司甲の調査を依頼するってわかってたんですか?」
達也は話題をいきなり変える。
「いや、君の依頼関係なく、彼のことは知っていたよ」
「…何か理由が?」
「僕は坊主だけどね。同時に、いや、それ以前に僕は忍びだ。とりあえず、縁が結ばれた場所で問題になりそうな曰くを持つ人物のことは、一通り調べておくことにしている」
達也の問いに八雲は答え、達也は少し目を細めた。
「俺たちのこともですか?」
八雲は達也の問いに楽しげに笑った。
「調べようとしたけどね、その時はわからなかった。君たちに対する情報操作は完璧だ。さすがと言うべきだろうね」
少し二人の間にキナ臭い雰囲気が、流れる。
「それに、比企谷くんだっけ?彼についても調べたよ」
八雲の言葉に二人がピクッと反応してしまう。
「何故ですか?」
「少し興味があってね、彼が通っていた中学には様々な人達が集まるからね。その中でも彼は異彩を放っていたからかな」
総武中学に通っていることすらも知っていたようだ。達也自身はその辺の話は詳しく知らない。
「八幡さんがですか?」
「おや?深雪くんが他の男性に興味を示すなんて珍しいじゃないか」
思わず質問した深雪に達也は頭を抱えたくなった。
「い、いえ、そ、そんなことありませんよ?」
深雪は『しまった』と顔に出してしまい、更に動揺してしまった。
「君たちの従兄弟だってことは最近知ったよ、正直驚いたけどね。彼らの情報操作も完璧だったからね」
八雲が楽しげに二人告げる。
「やはりご存知でしたか…」
達也が少し苦笑いを浮かべ八雲に答えた。
「八幡さんが通っていた中学ってそんなに特殊なんでしょうか?」
深雪は開き直り八雲に問いかける。
「特殊といえば特殊だね。雪ノ下陽乃、城廻めぐり、雪ノ下雪乃、三浦優美子、一色いろは、そして比企谷八幡、比企谷小町。4.5年の間にここまで魔法師として優秀な家系の人間が集まる中学は日本で、あそこくらいだと思うよ」
達也と深雪は八雲から聞かされてようやく理解した。
総武中学は自然的か必然的かはわからないが、魔法師として優秀な生徒が集まる学校であると。
「そして、教師には君達の姉弟子がついている」
八雲はさらなる追い討ちをかける。
「静さんですか…」
「そんな繋がりまで…」
八雲の言葉に更に驚く二人。
平塚静は達也と深雪にとって姉弟子である。
「そういえば最近、静さんを見ていないような気がするのですが…」
達也は毎日、早朝に八雲の寺で修行を積んでいる。八幡の家にいるからと言って例外ではない。
「あー…この前、ウチの門下生が静くんに結婚するって言ったのが原因でね…」
「そんな自殺行為を…」
八雲の説明に、深雪は呆れた感じに言葉を発した。ここでも結婚という言葉は禁句なようである。
「それ以来しばらく休むと言ってまだ来ていないんだよ。ちなみにその時の門下生は、入院中だよ」
笑いながら八雲は話す。
「全く、あの人は…」
達也も少し呆れているようだ。
そのあと本題に戻り。八雲に司一の詳細の事実を知り、司甲が第一高校に入学したのは義理の兄、司一の意思が働いているというものであった。
八雲に美月の『目』のことを教えてもらい、それが達也が懸念するようなものではないと聞かされて、正直安心した達也であった。
その頃、八幡と材木座はブランシュの新しいアジトに下見に行っていた。
「おい、材木座。ここ本当にブランシュのアジトか?」
「いかにも!我を信じないのか八幡よ!」
八幡の問いに材木座は答える。
「いくら遮断フィールド使ってるからって大声出すなよ…」
「すまぬ…ついテンションが上がってしまったのでな」
あくまでもバレないように立ち回らなければならないので、材木座を連れて来たのは間違ってたかと一瞬迷ったがもう遅い。
「誰もいなくないか?」
「八幡よ、アレを使えばよかろう」
「そうだな…」
八幡は知覚系魔法が一応使える為、CADを取り出し中を確認する。
一応というのは今の所広範囲には使えない精々50mが限界である。
これは達也と材木座が開発した魔法で知っているのは、八幡、達也、材木座、深雪、小町、水波だけであり、達也以外のCADに組み込んである。
「誰もいないぞ?」
「へっ?」
「へっ?じゃねぇよ、どうするんだよ…」
ブランシュの新しいアジトは此処ではなかったらしい。
「昨日までは、ここに集まっておったのだぞ?」
「ここは予備ってことなのか?………なら最初のアジトが怪しいんじゃねぇの?」
材木座は少し焦るが、八幡は冷静に考えて答える。
「とりあえず、最初のアジトだった、廃工場に向かってみるか」
「無論である!行くぞ!八幡!!」
二人は森の中をかけていった。
その頃、十文字家でも動きがあったようである。
「そうか、情報提供に感謝する」
「いえ、こちらも協力させてもらっているのでこれくらいさせてください。何かあればこちらも行動を起こしますので、その時はご了承ください」
克人は誰かと会話をしている。
十文字家は、情報収集をあまり得意とはしていないが、協力者がいるようである。
「うむ、その時は行動してくれて構わない。それにしても、よく調べたな」
「私がここにいるのはその為ってこともありますから」
何か今後があるようなものいいだが、ブランシュとの関係性が何かあるかもしれない。
「こちらとしても大いに助かっている。今後ともよろしく頼む」
克人は座りながら、頭を下げる。
「十文字さん、頭を下げないでください。元はといえばこちらがお願いしている方なので」
頭を下げた克人に少し驚く。立場はこの人物の方が低いようである。急いで克人に頭を上げさせる。
「それにしても随分と立派になったな」
克人は付き合いは長いようで、少し懐かしむ感じで相手に告げる。
「そう言ってもらえるなら嬉しいですね、これでも色々頑張ってますから」
「来年はどうするんだ?」
克人は進路について問う。どうやらまだ相手は中学生のようである。
「第一高校に入学しようと思ってます」
「そうか。それは楽しみだな、活躍するのを近くで見れないのは残念だが」
克人は卒業する為、入れ違いになってしまう。
「私よりも優秀な方がいっぱいいると思いますけど?」
「少し過小評価しすぎではないか?少なくとも俺は、来年入ってくるであろう生徒の中では一番だと思っている」
「そんなことはないと思いますけど…でもありがとうございます」
十文字と謎の協力者はこの後、他愛のない話をして解散した。
時を同じくして、千葉の某所でも動きがあった。
「隼人くん、貴方にチャンスをあげましょう」
「どういうことでしょうか…?」
葉山にチャンスをあげると言い出す夏乃。
「明日学校でブランシュの構成員が第一高校を襲います。そこで魔法大学が所蔵する機密文献を盗み出そうとしています」
「なっ?」
葉山は夏乃の言葉に驚きを隠せず声を出してしまう。
「それを雪乃に止めさせます。そして貴方の仕事は………」
夏乃は葉山にある事を告げた。
「そんなこと…」
話を聞いた葉山は少し青ざめていた。
「上手くいけば貴方を雪乃の婚約者として認めましょう。貴方にとっても悪い話ではないと思いますよ?」
夏乃は更に条件を出す。雪乃の婚約者つまり、葉山を雪ノ下家に招き入れるということである。
「それは本当ですか…?」
「ええ、私は嘘をつかないもの」
「わかりました…引き受けます」
葉山は夏乃の言葉を信じて承諾し、その場を後にした。
「あの子が上手く行くはずはないもの、これが本当の制裁ってやつよ。葉山隼人くん」
夏乃は不気味な笑みを浮かべ独り言を言った。
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そして討論会当日がやって来た。
「意外に集まりましたね」
深雪が会場を見渡しそう告げる。席はほぼ埋まっている。
「予想外、と言った方が良いだろうな」
深雪の言葉に達也が反応する。
「当校の生徒にこれ程、暇人が多いとは…学校側にカリキュラムの強化の進言をしなければならないかもしれませんね」
「笑えない冗談はよせ…市原」
鈴音の言葉に摩利がすかさず答える。
四人は舞台袖から見ている。
そして少し離れたところに、真由美と服部。そして反対側の袖に有志同盟の四人とその四人の監視の為に、風紀委員が控えている。
そして近くには壬生の姿はなかった。
「実力行使の部隊が別に控えてるのかな…?」
摩利がわざとらしく聞こえるように呟く。
「その為に、八幡と材木座を外の警備に回したんでしょう?」
達也が摩利の呟きに反応し、問いかける。
摩利の指示で八幡と材木座は外の警備に出た、これに関しては八幡達からしてみれば好都合な話だった為、引き受けた。何かあればいち早く行動を起こせる。
「材木座がここにいると五月蝿くて敵わんからな、外に追い出しただけだよ。比企谷は材木座のお目付役だ」
摩利は建前で達也に答える。達也の言うことが間違いではなかったが、それを堂々と答えるわけにはいかない。
「さてそろそろ始まるぞ」
そして、パネルディスカッション方式の討論会が始まる。
ついに討論会が始まります!長かった…w
次回は討論会です!!
そして今回、三浦優美子の名前を出しましたが数字付きということで、魔法科の原作ではないですが師補十八家で第三研究所出身の家として、三浦家を採用しました…。
そして八幡が使った知覚系魔法に関しては、まだ未完成品です。
精霊の眼ではなく、マルチスコープ寄りの能力になります。
八幡以外でも使用できます。材木座のオリジナル術式が必要になりますが。