もしも、恒星に利用料があるしよう、きっと天文学的な数字になるだろう。
……天体である恒星と『天文学的数字』という慣用句を掛けたジョークである、面白かった?
とある旅行客が、どうも旅券を忘れたらしい。
「あちゃー、出直してきますわ」
宇宙は広大で復路もバカにならない時間であるので、帝国の大使館に行けば対処してくれる場合があるのだが。
「いいえ、そういう運命なのですよきっと」
そそくさと帰ろうとする。まあ、そういう日もあるさ。
「あ、パスポートを偽造用に譲ったとかそう言ったやましい事は一切しておりません念のため」
そ、そうなんだ……。
続いて現れたのはサングラスのようなものを付けたモルモット風な出で立ちの男二人組であった。
「なかなか洒落た宇宙港じゃないの」
「結構金持ってて羽振りいいんですってねぇ」
何の話かな……。
「何も起きなきゃいいけどな」
何だ!?
「いや何、弟が言ってるのは万が一妙な事が起きたら大変だなぁということですね」
それはそれとして書類の提示を……。
「書類だって兄貴」
「プーイプイプイプイ、お宅さん面白い人ですねぇ」
あなたの笑い方程ではないと思うが。
「地球人ってのは冗談がうまいんだな」
何の話なのかさっぱりである。
「宇宙船はいくつあるんだ?」
いくつって……数えた事はないが大体10前後だったはずである。
「気を付けなよ、壊れるかもしれねぇからな」
壊れる?
「なんだって壊れる事があるんじゃないですか?」
そう言って彼は受付台を拳で小突く、するとベキッとひびが入ってしまった!
「あらごめんなさい」
「兄貴は不器用なんだよ、特に機嫌が悪い時は手がワナワナっときてなんでも壊しちまうんだよな」
「宇宙船だって壊されたらマズいんじゃないですかねぇ」
どうやら脅迫されているらしいことはわかるが、私に言われてもってところがある。
「ここのオーナーはガウラ人だろ、知ってるぜ」
「毛皮に火をつけたらどんなことになるんでしょうねぇ」
まあ順当に燃えるだろうけど。というかそもそも何の話なんだろうか。
「兄貴が言ってるのはな、出すもん出しなってことだ」
「あなたは顔が利くんですって? 知ってますよ」
利かない事もないが、それで、どういった要求なのか、脅迫するならそれからだろう。
「脅迫? いやーいやー、誰がいつ脅迫したってのよ」
「俺たちは善人ですよ」
彼らの兄貴の方が今度は仕切りのガラスを突いてまたしてもひびを入れた。
警備員いるのわかってんのかなこいつら……。
「俺たちは宇宙警備隊の恒星観測員よ」
「これまで太陽を維持管理していたのは俺たちなんですよねぇ」
えぇ……何をバカな……。
「西暦で言うところの、252年から太陽はうちの管理下にあったんだからな」
「滞納した分払えって事ですよ」
はあ。ちなみにいくらぐらい。
「月に40兆円で手を打とう」
太陽の恩恵を考えれば妥当とも言えそうな値段だが、こんな詐欺まがいの事で払える値段ではない。
これ以上聞いても馬鹿馬鹿しいので警備員を呼び出す。
「わかった、100億でどうでしょうか」
「500万でもいい」
「話なら向こうで聞こうか」
メロードが二人を掴んだ。
「20万!」
「1000円!いや100円!」
どんどん値崩れさせながら、彼らは引き摺られていった……。
「あいつら詐欺師だよ!」
バルキンが言う。何か知ってそうだと、彼女に聞いてみたのだ。
「有名な二人組だよ、わけわかんねーこと言って金銭を騙し取ろうとする!」
有名という事は、それなりに被害者がいるという事だろうか。
「いいや、それがサッパリなの。だから有名なんだ」
あ、そう……銀河にもせこい事を考える人がいるものである。
とはいえ、あのような杜撰なスケッチのようなものでは全くお粗末な台本としか言いようがない。
ディレクターを呼び出すべきだろう。
はいどうもディレクターざんす
え!?気に入ったら感想ブクマ評価入れて下さるざんすか!?