【完結】地球の玄関口   作:ターキィ

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読み物:酷暑少々

いくつかの小話。

 

・あつーい!

 

それにしても暑い!暑すぎる!

近年の異常な夏の暑さには本当に参る。

ガウラ人たちはついに物流用の冷凍庫から出てこなくなった。

「ここまでの暑さは想定していないよ!」

バルキンは意外と平気そうだ。ルベリーの夏も似たようなものらしい。

「でもちょっと湿度がね……」

宇宙的技術ならこういったひどい環境に耐えられる服装など作れそうなものだが。

「もちろんあるぜあるぜああああるぜぜるるる」

暑さでバグったエレクレイダーが答えてくれた。無理はするな!

「だいじょうぶだいじょうぶ人工知能に影響はだいじょうぶ」

絶対大丈夫ではないよね!?急いで水を汲んできてぶっかけた。

「ちょっとへいきになったぜ。言語中枢の部品は熱に弱くてな熱に弱くてな熱に弱くてな」

本当に言語中枢の故障だろうか……心配だ……。

「ていうか全然冷房効かないじゃん!」

確かにバルキンの言う通りだ。ひょっとしてガウラ製の空調?

ここまでの暑さを想定していなかったりして……。

「かもしれないねぇ」

バルキンと話しているとどうもエレクレイダーが喋らない。

やばい!完全にオーバーヒートしてぐったりしている!

慌てて二人で抱えて彼を冷凍庫に連れていった。おもーい!

 

 

・平和洗脳?

 

とある、平和を愛するガウラ人女性がいた。

彼女は人権にも理解を示した。のだが、それがまずかったらしい。

まず彼女は原爆資料館などの戦争資料館に殴り込みをかけた。

「子供に恐怖を植え付けて洗脳するなら資料館は名乗っちゃダメよ!」

最初、館の職員はわけがわからなかったそうだ。

彼女は資料館の館長らを呼び出し公開討論を開いた。

「平和学習と言えば聞こえはいいけど、やってることは子供たちに恐怖を植え付けて洗脳することじゃない!」

これらは彼女に言わせると重篤な人権侵害であるのだという。

館長らは反論した。

「平和の大切さを学ぶことの何が洗脳か!」

しかし彼女はますます憤る。

「論点をずらしちゃダメよ!内容の是非に関係なく暴力と恐怖によって他人の思想を変えるのは洗脳よ!」

ましてや子どもの権利条約に従うなら如何なる場合も子供の心を傷つけるなんてことが肯定されてはならない、と付け加えた。

「それに演出!部屋の暗い色調!恐怖を煽っちゃダメよ!資料館を名乗るなら!」

彼女は問題点や平和学習の矛盾点、欠点をずらずら並び立てる。

ついに館長らは下を向いたたま押し黙ってしまった。

この公開された討論、というより一方的なリンチにより、日本の世論のガウラ人への心証はちょっぴり悪化した。

みんな不幸になった……。

 

 

・オリンピック

 

こちらの世界の(どちらの世界の?)オリンピックは1年延期で開催された。

例の新型感染症は克服している。

『日本人が100人死のうが1000人死のうがガウラ帝国には何の関係もないが、帝国の公衆衛生まで乱されることと、天皇陛下がどうしてもと言うから』

という異例の発表により、帝国製のワクチンがほぼ全ての日本国民に接種させられた。

ひどい発表だ!ヘ、ヘイトスピーチ……!

当然のように強制であり、陰謀論者が喚いていたが、

銃剣を突き付けられたことにより接種に納得したようである。

ワクチンは先進的な宇宙製ともあって瞬く間にウイルスを駆逐した。

そして、これまた天皇陛下のお願いにより全地球市民にも渋々提供され、

『王無き賤民』たちにもガウラ帝国のワクチンが行き渡りついに封じ込めに成功した。

出所であるという噂の中国の某研究所は帝国宇宙艦隊の演習中の『流れ弾』により、

タキオン粒子投射砲を2日間ぐらい照射され続け一帯から全ての生物が消えた。

やり過ぎでは?いや、流れ弾なら仕方ないのか……?

気まぐれで人類を救ったり始末したりする彼らは、

まさしく神の如き存在であると再認識させられた、と人は語る(誰によって?)。

 

 

・アイスステークス

 

このクソみてーな暑さにより日本のアイスクリームが大ブームに!

というか、宇宙にも当然アイスクリームはあるのだが、輸入なんか待ってられないってことである。

では日本のアイスステークス、出走するアイスを紹介しましょう。

解説はラスちゃんです。

「あいよー!ってなんやねんこの茶番」

一番、ビッグチョコモナカ。

「被膜のパリッとした食感が爬虫類系の人種に人気やね!虫みたいで!」

モナカのこと被膜っていう人初めて見た。

二番、アイスのきのみ。

「ウチは好かんなぁ、噛めばいいの?舐めたらいいの?でも噛んだら歯茎がキュンとするやん」

ガウラ人にも知覚過敏あるんだ……。

クーレスト、三番での出走。

「飲むアイスやね!ということで一部の虫人種に大人気や!というか溶かさずに食べられるのがこれしかないらしいで」

残念なことである。彼らの間では普通に冷たい飲み物の方が主流である。

四番はソフトクリーム。普通のやつです。

「普通に人気や。ウチも大好き!金箔巻いてるやつあるらしいで!」

美味しいものね、金箔はなんで巻くのか私にもわからない。

五番、ブラックチョモランマ。最近になって九州から全国に殴り込みです。

「周りのカリカリがうまいんや!カリカリだけ売ってくれんかなぁ」

美味しいけど、単体で食べるのはどうなの!?

六番、ガッツリみかん。

「哺乳類系と虫系の人が好んどるで、まあ普通や」

柑橘類は宇宙でも広く人気のある果物である。銀河柑橘類協会も存在する。

七番はあいす大福。私これ好き。

「あーあかん!歯にくっつくのはいやや!」

そうなの、残念……。肉食動物系の人種には不評らしい。

八番はあずきスティック。

「固すぎて食えへんわ、頭おかしいんちゃうか」

そ、そこまで言わなくてもよくない!?

九番、バニラまんじゅう。和風が続きました。

「中のめちゃ黒くて甘いやつなんなん!甘すぎや!しゅきぃ」

確かに甘すぎると私も思う。私も好き。

十番、爽快カップ。カップアイスここで初登場。

「うん、まあええんちゃう」

適当である。なんで!?

十一番、ベルゲンダッツ。名前に意味はないらしいですね。

「高い割にそこまで味変わらんやん」

やはり……地球人にしかわからないか、この領域(レベル)の話は。

十二番、プピコ。二つついてるやつ。

「二人一緒に食べるときにええねん……か、彼氏とかおらんけどね!?」

ホンマにぃ~?怪しいなぁ~?紹介してよぉ~?

十三番、ワークス パワークーラントplus。……これは?

「冷却液やね。水冷系の機械人種が宇宙製より質は悪いけどこれしかないから飲んで、なんとか凌いでるらしいで」

な、なるほど、でもアイスではないのでは……。

十四番、ゴリゴリくん。

「中のじゃりっとしたのがええらしいな。ウチはようわからんけど」

時々変な味を出して赤字を出しまくることで有名だ。ナポリタンはねーよ!

十五番、アイスボンボン、チューピット、ポリジュース、棒ジュース、ポキポキアイス、うーん……。

「あれどれが正しい呼び名なんや……被膜の上から噛めるから食べやすいで。二人でも食べられ……まあそれはええんやけど」

別に隠さなくてもいいのに。『ポリエチレン詰め清涼飲料』と総称するらしい。

最後、十六番、ピコ。円錐台状の六つ入りのやつ。

「みんなでシェア出来るからええね!ウチは噛めへんけど……」

時々ハート型のやつが入ってるらしい!見たことないけど。

以上、16アイス立てのレースになります。

芝、2000m、天気は快晴、アイス場状態は稍重、まもなく出走です。

「どこに出走すんねん」

 

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