【完結】地球の玄関口   作:ターキィ

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ガウラの軍旗祭:はしゃぐ警備員

あまり関係が無かったので特に描写はしなかったのだが、実は日本とイギリスにはガウラの陸軍が駐屯している。

と言っても、地球内のガウラ人保護の為の最低限の戦力であり、この間降りてきたパレスチナ侵攻部隊とはまた別物だ。

在日米軍よりも遥かに数が少なく、日本には1200名ほど、英国と合わせてもわずか3000名足らずしかいない。無論、この少数でも地球文明が束になっても敵わないのだが。

さてでは、なぜ今回になって彼らの話を出したのかと言うと、このガウラ陸軍らのお祭りがあるというのだ。

メロードが、さも共に行きたそうに教えてくれたので、まぁ、どうしてもと言うから、悩みに悩んで仕方なく行くことにしたのだ。

「まさか二つ返事で良い返事をくれるとは、内容の説明もしていないのに」

彼の呟きは聞かなかったことにしてくれ。

 

 

このお祭りと言うのが、ガウラ陸軍の日本駐屯部隊、第62守備連隊が皇帝から軍旗を下賜された日を祝うものであった。

西暦で言うところの5月3日、ゴールデンウィークにぶち当たるため、絶好の機会である(そうでなくても有休を取ればいいだけの話だが)。

拝受は去年であるから、第一回目の軍旗祭となる。ガウラの軍隊ではあるが、地球の守備隊であるため地球の暦を使っているとか。

それで、いつもより遅めの軍旗祭であるので結構大きめの催しをするそうだ。

「今度の軍旗祭いつもよりも絶対に楽しいはずだ」とメロードは言うが、そうは言ってもいつものを知らないので何とも言えない。

そも軍旗祭と言うのも奇妙なものだ、日本陸軍が連隊旗を拝受した日に行っていた今でいうところの基地祭みたいなものなのだが、全く同じような催しをガウラ陸軍もやっていたとは驚きだ。

皇軍同士気が合うのだろうか。

メロード曰く、この催しではガウラの兵器が展示されるとか。

銃や背嚢、鉄兜などの個人用装備、装甲車、砲、航空機、船舶などの大型の兵器まであらゆるものが見られるという。

また、出店や軍楽隊、様々な出し物が開かれて、まさしく祭りと言うに相応しい賑わいとなるのだ。

当然、イギリスでも開かれるが、流石にそこまではしごするのは無理だろう。

彼の興奮具合とくれば、そりゃあもう凄いものだった。

勤務中に小躍りでもしかねないほどのテンションの上がりっぷりで、さながらはしゃいでいる子狐のようである。

ひとたび口を開けば、ガウラ軍の歴史なんかについて長々と講釈を垂れるのだ。

吉田の方のロボット警備員が「あいつガウラ軍の事になると早口になるの気持ち悪いよな」と言うぐらいである。

それを指摘すると「君だって楽しみしてるじゃないか」と言う。それはまあその通りなのだが、表情に出した覚えはない。

「匂いでわかる」彼は自身の鼻を指さして言うのだ。人の感情は匂いに出るというのは聞いたことがある。

いずれにせよ事実ではあるので特に訂正もしないのだが。

しかしながら、吉田にまで指摘された時には、なんだか癪だと思った。

 

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