【完結】地球の玄関口   作:ターキィ

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恐怖の催淫シャンプー

 

そう、これは実に恐ろしい事件であった!にしてもひでータイトル……。

 

 

最近になってよく聞くようになったのが、宇宙人による性犯罪である。

幸いと言うべきか、強姦まではまだ起こってはいないそうなのだがこれでは時間の問題ではないだろうか。

なんでも、よく居るカラカル型人種、サーヴァール人というのだが、それらがある時期を境に突然暴走して襲う事が多発しているという。

しばらくして我に返ったり失神したりしてなんとか事無きを得たりはするのだが、既に社会問題となりつつある。

実に不気味なのが、加害者も、また被害者も老若男女入り乱れているという点だ。

例えば、若い女性のサーヴァール人がおじさんに執拗に性行為を迫ったとか、女児のサーヴァール人が女子高生のスカートの中を覗いたとか、なんとも頓智気なニュースばかりが流れている。

そしてこの人種、銀河でも類を見ないほど人口が多いのだが、それは彼らが移民をよくするからである。

この人種はあらゆる気候に高い順応性を示し、しかも現地の法や風習文化に自ずから進んで馴染み、唯一ドラッグの使用に抵抗が無い点を除けば模範的な市民である。

それ故にあらゆる国家で受け入れられ、この地球でも非常によく見かける人種となっているのだ。

よくマタタビの吸い過ぎで路上に寝転んでいるのを除けば地球でも大人しくしていたのだが、一体どういう心境の変化なのだろうか。

実に奇妙であるとして、警察が研究を進めている。

 

それはそうと、この日の吉田は上機嫌であった。

「フッフッフ、これが噂の女子高生の匂いがするシャンプーだ。どう?嗅いでみ?」

そう、これだからである。野郎から女子高生の香りがするとは変な感じがする。

「うへぇ、臭い!」とラスには不評であったが、バルキンには好評であった。

「いいねぇ!どう、今晩は暇なんだけど……?」

「いや、それはちょっと……」

バルキンは男なら誰でもいいのか。

「誰でもは良くないよ!まあ、病気がなければねぇ……」

そういうのを誰でもいいと言うのである。

ともかく、ガウラ人職員らには不評であったがそれ以外の人種にはそれなりに好評であったそうな。

当然日本人にも好評である。

「今度佐藤さんと会う時にもこれで行こうかなぁ~」

それはどうだろうか……まあ佐藤なら喜ぶであろうが……。

 

そうして、仕事も半ばという時に事件は起きた。

どうも吉田の方が騒がしく、メロードがエレクレイダーの救援に向かうほどであった。

何事だろうか、と様子を見に行くと、なんと吉田がサーヴァール人の老若男女たちにさながらアイドルか何かのように揉みくちゃにされていたのである。

黄色い歓声が響いている。エレクレイダーが叫んだ。

「そろそろ放してやらないと痛い目を見ることになるぞ!まぁ、その、彼は嬉しいかもしれないが!」

「いや、助けてくれよ!!」吉田も叫んだ。

「すっごーーい!吉田はモテモテの日本人なんだね!羨ましー!」バルキンも叫ぶ。

彼女を始め、野次馬たちが続々と集まってきているが、そんな事を言ってる場合だろうか。

周りで数人のサーヴァール人が慌てふためいているので話を聞いてみる。

「あ、あの、彼は一体どんな媚薬を付けてたんですか!?」

「媚薬というか、催淫性の香水っていうか、ああ、また、ムラムラしてきちゃった……!」

その内の一人の女性が吉田の方に駆け出した。

余りにも人数が多いのと彼らが手荒な事はしない質なのが幸いしてか何なのか、吉田が暴力を受けている様子では無さそうではあるのだが……。

「参ったな、撃ち殺すわけにもいかないし……」とエレクレイダーもお手上げだ。

そこでメロードも参戦する事になる。

「よし、私とバルキンの超能力で引き剥がすから、その隙に吉田を助けてやってくれ」

「あいよ」

「サー!サーイエッサー!サー!」

メロードとバルキンが目を閉じると、次の瞬間さながらモーセの海割りの如く、吉田の周りが一斉に開けた。

その隙にエレクレイダーがサッと吉田を抱き上げてその場から足早に立ち去る。

するとどうだろう、サーヴァール人の集団はきょとーんとした表情でその場に立ち尽くしている。

「さあ、話を聞かせてもらう」「口を割らなきゃお仕置きしちゃうよ!」

 

後日、原因が判明した。言うまでもなくあのシャンプーである。

これに含まれるγ-デカラクトンと呼ばれる成分がサーヴァール人の脳に作用して自制心の低下と性的欲求の促進を引き起こしたのである。

そして、性犯罪が多発し始めたのもこのシャンプーが有名になってからである。

これによりシャンプーの製薬会社がこれを販売中止にしようとしたが、サーヴァール人の製薬会社との提携で抗催淫薬が頒布されることとなり販売中止は免れたのである(それでもまあ多少の批判はあったが、販売継続の署名もまた多く集まったのだという)。

かくして催淫シャンプー事件は幕を閉じたが、吉田はサーヴァール人が軽くトラウマになっているらしい。

「もう俺、二度と猫カフェいかない」などと言っているのでちょっぴり可哀想である。

 

ところで、バルキンが妙なものを発見してきた。

「例のサーヴァール人の製薬会社製のさ、ほらこれ、ガウラ人に効くやつだよ……!」

……まあ、使う機会は無いが、貰えるものは貰っておく派なので、他意はないけど貰っておこう。

 

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