サンジェルマンのパパになりまして   作:アラバス体系

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クリスマス記念&リハビリ作品。本編はちょっと待ってね。


クリスマス特別編

 「それでは皆さん、ご一緒に!メリークリスマス!」

 

 「「「「「「「「「「「「「メリークリスマス!」」」」」」」」」」」」」」

 

 クリスマス。とある聖人が生まれた日と世間一般では言われるが、実際は違うと言われている。ただいつの間にかそういう日になっていたし、ここ日本ではカップルの日になってしまっている。まったく日本人というのはなんでもお祭りにするのが好きだ。欧米諸国では教会に言ったり家族と過ごすというのに、お父さんと二人きりになれると思ったのに!

 

 まあ、ここにいるやつらはだれもかれもそんな色恋沙汰とは無関係、もしくは盛大にこじらせた奴ばかり。よく考えるとここにいるメンバーを見たら、裏の人間なら卒倒してそのまま昇天するかもしれない。

 

 なんせ、世界の歌姫三人を含んだシンフォギア装者たち、オートスコアラー、各組織のトップたちががん首そろえているのだから。

 

 「これ、時系列どうなっているのかしら・・・」

 

 「メタ発言とは興がそがれるぞ、サンジェルマン。それとも、空気を読むことも年のせいで忘れたか?」

 

 ‥‥‥オートスコアラーがいるのだから、もちろん彼女もいる。お父さんを奪おうとする泥棒ネコ。

 

 「おや、キャロルいたのか。すまないな、小さすぎて気付けなかったよ。」

 

 まったく、その貧相な体には同情する。そう言って煽るとキャロルはにやりと笑って、何か取り出す。竪琴、てそれは!?そのままキャロルは糸を体にまとわせることで、身長はみるみる伸びて、体つきもよくなる。一瞬のうちに童から美しい女へと姿を変える。

 

 「うーん?何か言ったかな~?もう一度言ってくれないか?」

 

 「このガキ・・・」

 

 にやにやと笑っている顔がとても腹立つ。ここらで一度、立場をはっきりさせたほうがいい。私もラピス・フィロソフィカスを取り出してあわや錬金術師の頂点どうしの戦いが始まろうとする。

 

 「ちょっと~、サンジェルマン?そんなにムキになることないでしょ?」

 

 「今のはキャロルが悪いです。ほら、謝った方がいいですよ」

 

 「「‥‥‥ふん!」 

 

 まあ、そんなことをすれば大惨事になるため止める人がいる。こっちにはカリオストロが、あちにはエルフナインが間に入る。キャロルは興味を亡くしたのか、そのまま食事をしに歩いていく。やけ食いでもして、胸と尻だけでなく腹も出てしまえ。

 

 「ごめんなさいねぇ、うちのサンジェルマンが。彼女お父さん子だから、キャロルちゃんを警戒してるのよ。まったく、お姉ちゃんなんだから少しは我慢してもらいたいものね」

 

 「いえいえ、こっちのキャロルも先におにいちゃ……サンジェルマンのパパさんのとこにいたサンジェルマンさんに嫉妬してまして。悪い子じゃないんです、分かってやってください」

 

 「お前たちは保護者か!!」

 

 そう突っ込みを入れるが、二人は生暖かい笑顔を浮かべている。まるでむくれている子供を見ているみたいだ。そんな目で私を見るな、全く。お前達は私よりだいぶ年下でしょう。

 

 「うーん、でもぉ、いずれはダーリンと一緒になるかもしれないしぃ。今から、ママって呼ぶ練習でもしとくぅ?」

 

 「ああんッ!!」

 

 やば!とカリオストロもそのまま走り去っていく。あのカマ、まだお父さんを狙っているのか。これはもう一度教育しなおすか、男に戻してやろうか。

 

 「え、ええと、それにしても今日は招いてくださってありがとうございます。てっきり二人きりで過ごすのかと思いましたがずいぶんとたくさん呼びましたね。」

 

 まあ、確かに本音をいえばお父さんと二人でいたい気もないわけではない。だが、べつにこうやって集まるのも悪い気はしない。周りを見渡せば、色々とあったシンフォギア装者たちと仲間たちが笑って話している。こんな幸せな世界がお父さん、そしてお母さんが望んだ世界なのだから。でも、これだけは目の前の少女に言っておきたい。

 

 「エルフナイン、招いてもらうなんて他人行儀な言い方はやめなさい。あなたはもう家族なのよ。血はつながっていないけど、お父さんによって縁がつながれた、ね。まあ、それを言ったらここにいる全員が家族みたいなものね。」

 

 これも全部、お父さんがふらふら歩きまわったおかげだ。お父さんの放浪癖と女癖も今を思えば、悪くないかも……いや、やっぱり悪いな。さっきのキャロルをはじめ、いったい何人がお父さんを狙っているんだか。

 

 「ふふッ、ありがとうございます。それじゃ、僕はキャロルをなだめに行ってきますね」

 

 そういって、パタパタとキャロルの方向へ歩いていく。見てみると、風鳴翼や小日向未来、プレラーティなどの少々一部が残念な者たちといろいろ言いあっていてガリィが油を注いでいた。

 

 シャンパンを飲みながら、クリスマスチキンをかじっていると今度はティキが走ってくる。

 

 「サンジェルマン、サンジェルマン!アダムがどこにいるか知らない?さっきから見当たらないの!」

 

 ティキの姿はいつもとは違い、赤のケープ付きのクリスマス衣装だ。パーティー前に、お父さんがおめかしを二課の面々に頼んでおいた結果だ。今思うと、キャロルのとこのオートスコアラー達は服を着てるがなぜこの子は着てないのか。

 

 「そういえばさっきから見かけないわね。ついでにニンジャと英雄ドクターも……てお父さんもじゃない!?どこ、どこに行ったの!?」

 

 「なーんだ、知らないのね。まったく気が利かないんだから、こういうところも三流ね!」

 

 なにかティキがしゃべっているが、まったく頭に入ってこない。部屋を見渡してお父さんを探す。立花響とセレナの前でレイアがコインの超絶技巧を披露している。キャロルと翼たちのところにマリアもなだめに入った。切歌と奏は料理を食べながらファラのダンスを見ている。カリオストロが大人組たちは集まって世間話でもしている。

しかし、お父さんの姿はどこにもない。

 

 「ええ、皆パーティーを楽しんでいると思うがここで一つ余興がある。クリスマスといえば欠かせない物、それはサンタだ。原型は聖ニコラウスと呼ばれており、子供たちにプレゼントを贈る愉快な爺さんだ。しかし、それは飽くまでただの伝説、おとぎ話なのだろうか?」

 

 風鳴弦十郎がマイクで皆の注目を集めているが、なんだか嫌な予感がある。こういうときに父親の仕事だとか言って飛び出す人物。そういえば、ここ最近頻繁に電話していた。

 

 「否!ここに、伝説は真実となる。さあ、皆拍手で迎えよう、サンタクロースの登場だ!」

 

 「メリークリスマス!」

 

 「「「「ブフッーーーーーーーー」」」」

 

 窓から何か飛び込んでくる。それを見て、口に飲み物を含んでいた者たちはいっせいに噴き出す。

 

 その赤い服に明らかな付け髭を付けた男はトナカイの服をきた何かが引くそりに乗っていたがそのトナカイたちが大変だ。

 

 まず筆頭にニンジャ、これはいい。頼めばやってくれそうな人間だからだ。だが、その他が問題だ。なぜなら英雄ドクターとアダムがトナカイをしていた。世界有数の頭脳と結社局長が何をしているのか。

 

 ちなみに後で聞いたら、これはフィーネの指示らしい。曰く、全員ぶちのめして言うこと聞かせたとか。

 

 「さ、さ、サンタ、サンタクロースデース!調!サンタは本当にいたんデスね!」

 

 「落ち着いて切ちゃん。あれはどう見ても」

 

 「何を言っているのかなー?私はどこからどう見てもサンタクロースでーす。疑うような悪い子にはプレゼントはお預けかなー?」

 

 「切ちゃん、あれが本当のサンタクロースだよ」

 

 本気でサンタクロースを信じていた暁切歌以外は皆唖然として顔をしていて、おそらく知っていた大人組は苦笑いだ。

 

 「さあ、よいこの皆にプレゼントだ。まずは立花響に小日向未来」

 

 「ええ!クリスマスプレゼントがもらえるなんて……ありがとうございます!おに……サンタクロースさん!」

 「ありがとうございます。ほら響、ありがたく受け取ろう」

 

 「そんなに喜んでもらえるとは嬉しいよ。二人とも、開けてみてくれ」

 

 二人は少し戸惑いながらも、言われたとうり箱を開ける。

 

 「こ、これは……ツヴァイウィングの限定プレミアCD!こ、こんなものを貰って本当にいいんですか!?」

 

 「ああ、もちろんだ。同じファンとして一緒にツヴァイウィングを応援していこうじゃないか!」

 

 「はい!」

 

 ああ、そういえばお父さんツヴァイウィングのファンだったわね。二人でサムズアップまでして…後ろで本人達がいるのに。天羽奏は笑っているけど、風鳴翼は顔が真っ赤だ。

 

 「よかったね響」

 

 「うん!あ、未来は何だったの?」

 

 「私は靴よ。あまり聞いたことないメーカーだけどかわいいしすごく走りやすそう」

 

 

 

 「ね、ねえ、プレラーティ。あーしあの靴どこかで見たことあるんだけど気のせいかしら?」

 

 「確かあれは、うちの工房で作った超強化型シューズ韋駄天、しかもその発展型。最近忙しいと聞いていたが、あれを作らせていたというワケだ」

 

 職員が死にそうな顔をしていたのはそのせいか。たぶん、報酬はもらっていたとおもうが追加で休暇を与えておこう。アダムのせいで、朝まで仕事をしていた私ももらってもいいと思うが。

 

 

 「次は、雪音クリス」

 

 「あ、あたしにか!?その、なんか悪いな…」

 

 サンタは馬鹿でかいぬいぐるみを取り出す。あれは特注品か、いつだったか注文しに欧米にわたっていたがその頃から準備していたのか。

 

 「悪いなんて思う必要はないよ。俺は大人だからな、こういう時にこういうことするのが当たり前さ。クリス、大切にしてくれよ」

 

 「‥‥‥‥‥‥うん」

 

 真っ赤になってうつむきながら、クリスはぬいぐるみを受け取る。しかし、イチイバルはああいうのが好きなのか、ずいぶんとファンシーな趣味だ。

 

 「あー、それじゃ風鳴一家、翼、弦十郎、八紘、訃堂!」

 

 「ブッ!!!」

 

 「これは……あまりに予想外の絵ずらというワケだ」

 

 ちょっと待て、今凄い名前呼ばなかった!?ていうか、いたの!?

 

 「ほれ、翼には刀、弦十郎にはDVD詰め合わせ、八紘には翼の写真、訃堂は……この『厳選!英雄たちによる国家論!!』でいい?」

 

 「ふん。どうせなら、うぬが国防に協力すると約束した書状が良いが……まあ、もらっておくとするか」

 

 「あ、ありがとうございます、ご先祖様。この翼、防人にふさわしい身となるよう精進いたします」

 

 「しかし…この年でクリスマスプレゼントをもらうとは…」

 

 「遠慮すんな。お前ら、俺よりずいぶん年下だし、親戚みたい、というか子孫だし、これぐらい安いもんさ。あと訃堂、素直にお礼を言えるようにしような」

 

 いや、まあ確かにここにいる人のほとんどは私よりも年下だが、普通あげるか?八紘、無表情を装っているが口角が上がっているぞ。お父さんが頻繁に写真を撮っていたがこういう時に使うとは。

 

 その後、調や切歌、マリアやセレナといったフィーネ組、オートスコアラーたち、パヴァリア組、その他の大人たちにもプレゼントを配っていった。

 

 「わー!サンタさんありがとうデース!」

 

 「ええと、ありがとうございます?」

 

 「ちょっと、なんであーしへのプレゼントがメリケンサックなのよ!実用的なのが余計に腹立つ~!」

 

 「ふむ、このカエルを飾り付けるのに丁度いいワケだ」

 

 「うたずきんなりきりセット!どうどう、アダム?ティキに似合ってる?」

 

 「ああ、もちろん。ピッタリさ、ティキにね」

 

 「私に地味は似合わない。これなら、派手な攻撃ができそうだ」

 

 以下、略。

 

 で、そうやって配っていると、残りは私とキャロル、エルフナインだけになった。

 

 「キャロルとエルフナインにはこのお揃いマフラーだ。てッ、キャロル。またでかくなって、これじゃ二人で一緒にするのが無理だな。ちょっと縮んでもらえる?」

 

 「ほら、キャロル。こういってますし、はやくそのダウルダブラと解除してください。」

 

 「‥‥‥ふん」

 

 今の今まで、でかくなっていたキャロルがようやく小さくなり、エルフナインと一緒にマフラーをつける。黒と白のコントラストが、そっくりなふたりに映える。

 

 「似合っているぞ、キャロル、エルフナイン。それにしても、やっぱりキャロルはその姿が一番しっくりくるな。昔を思い出すよ。あの時はまだ口調もそんなぶっきらぼうじゃなかったな」

 

 「む、昔のことなんていいだろ!」

 

 そのまま、こっちに走ってくる。しかし、しっくりくるね…。先ほどのお返しをしようと小さく、しかしキャロルには聞こえるような声で呟やく。

 

 「そのちんちくりんな姿がお似合いだということだ。いや、かわいそうに」

 

 さて、私の番だ。後ろからキャロルの強烈な視線を感じながらお父さ、ゲフンゲフン、サンタの前に立つ。

 

 「サンジェルマン、今年もいい子で過ごしたかな~?」

 

 「ええ。毎日毎日、仕事から逃げようとする二人を引きずって机につかせ、無能な上司の失敗をカバーし、生意気な小娘と戦い、いろんなとこをうろつく父親を捜しまわったくらいで、社畜の様な日々を過ごしましたが、別に大したことではありません」

 

 私の言葉に、目の前のサンタと後ろの二人がさっと目をそらし、一人はフンと鼻をならし、一人はのんきに笑っている。

 

 「そ、そうか。それは大変ご苦労様だったな。そんな、サンジェルマンにお父…サンタからのプレゼントだ。大切にしてくれ」

 

 最後の方は父親としてだったサンタから、プレゼントを受け取り開けてみる。中に入っていたのは……

 

 「これは……お母さんの髪飾り……」

 

 そう、お祝い事につけていたものだ。思い出の品として大切にしていたのに、それをわたしにくれる。私は、それを頭につける。

 

 「‥‥‥どう、お父さん?」

 

 「‥‥‥ああ、お母さんにそっくりだ。大きくなったな‥‥‥サンジェルマン‥‥‥」

 

 もう、サンタであることを忘れて、お父さんは私をほめてくれた。なんだか、昔みたいにお父さんとお母さんと一緒にいるような気がした。あの三人で、一緒に笑いあった日々に‥‥‥

 

 私はカリオストロやプレラーティ、立花響やキャロルたちのところへ戻り、お父さんもサンタ役としてもう一度乾杯の音頭を取ろうとする。

 

 「それでは皆さん、グラスを掲げて。再び、祝いましょう。この奇跡の瞬間を。メリークリスマス!」

 

 ”メリークリスマス!”

 

 まだ、この奇跡の夜は終わらない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「って、ちょっと待ちなさい!皆に配っておいて私にはプレゼントはないの!?出番もなかったのに!!」

 

 「待ってほしい、フィーネ。僕もだよ、プレゼントも出番もないのは。ニンジャやドクターウェルでさえプレゼントもらったのに。何故ないんだい、僕に?」

 

 「いや、お前ら年上じゃん。俺よりもめちゃくちゃ年上じゃん。あげるわけねーだろ。あと、アダム。また、サンジェルマンに迷惑かけて、後で屋上な」

 

 

 「あ、そういえばアダムも私もここにいるっていうことは生存確定なのね!」

 

 「いや、そういうメタ発言している時点でこれは番外編というワケだ。だから、もしかしたら死ぬ可能性もあるワケだ」

 

 「という~か~、私たちの出番はいつなわけ~?あーし、もう、待ちきれなーい!」」




 キャラ出しすぎて書けないキャラもいましたが、大体の主要メンバーはいた設定です。アガートラーム姉妹には手袋が渡されたり、ウェルには『あなたもなれる!英雄への道!』なんて本が渡されたりしています。

 ちなみに、このあと散々迫られた結果、フィーネには、高級白衣、アダムはすごい帽子markⅡ(黒白セット)が渡されました。
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