成り代わり短編集   作:紗代

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東京喰種
月山さんは転生者?


ハロウ。私は月山玲。前世はただの極普通の女子大生だった現世月山習に成り代わった人間、いや喰種だよ!

確かに私は前世東京喰種の大ファンだった。アンソロジーとか買い込んじゃうくらいどっぷりハマった。格段腐れているわけではなかったけど本編のifとか絡みの延長線上って考えたらそんな気にするようなことでもなかったし。グロいのは見る分には平気だった。見る分には。

確かに東京喰種は好きだよ。単行本大人買いしてアニメも平行して観賞しちゃうくらい。主人公むくわれねーなとか、ヒロイン可愛い、ヒナミちゃん健気ないい子とか各キャラクターにもある程度愛着持ってたし。

けどさ、こんな血生臭い世界に転生なんて・・・はっきり言ってしたくなかった。だって今日明日死ぬような世界に転生とか嬉しいわけない。

ここで私以上に入れ込んでいたファンがいたらきっと私のことを罵って「原作改変のチャンスだ!」とか意気込んで行動するのかもしれない。でも私は命が惜しい。

ただでさえあの物語はモブもいっぱい死んでいくし、主人公を筆頭に主要人物は皆死んだり重傷を負ったりしているというのに。

その点は転生先に感謝である。月山さんは主人公と関わらない限り酷い目には遭わない。月山家も元はと言えば月山さんがカネキくんの失踪にショックを受けて弱り果てたのが原因で襲撃されたのだし。要はカネキくんを含め主要人物に関わらなければいいのだ。

 

そう思っていた時期が、私にも有りました。

 

「あの、前にリゼさんと一緒にいた人、ですよね?」

 

おずおずと話しかけてくる青年はまだ黒髪のままの主人公・カネキくんである。

 

「君は、たしかよくこの喫茶店に来ていた・・・」

「あ、僕金木研っていいます!」

「カネキくん、ね。覚えたよ。見たところ、君も「あんていく」のスタッフになったんだね。私は月山玲。よろしくね、カネキくん」

「は、はい!よろしくお願いします!!」

 

すると奥からトーカがやってきてカネキくんの耳を引っ張った。

 

「おいカネキ!いつまでレイさんのこと見てんだ!!ぼーっとしてないで早く注文取ってきな!」

「い、いたた!痛いよトーカちゃん」

「ふん、ならさっさといけ」

「やあ、久しぶり。トーカ・・・二人とも随分仲がいいんだね」

「そんなんじゃないって。で注文は?」

「それじゃあコーヒーのブレンドを」

「了解、ちょっと待ってて」

 

去っていくトーカを見送る。

うん。突っ込みたい人はいっぱいいるよね、だって原作だとトーカちゃん月山さんのこと毛嫌いしてたし。私もきっと会ったらそうなるだろうと思ってなるべく喰い場になりそうなところに寄り付かないようにしてたんだけど・・・会っちゃったんだよな、これが。まだトーカとアヤトが霧嶋姉弟として有名だった時に帰りが遅くなって小腹が空いてたからちょっと自殺者の遺体の一部でも貰おうかなと思ったらそこにいた。で、二対一のガチンコバトルへと発展したわけですね、はい。その後よく二人とエンカウントするようになって仲良く?いやどっちかっていうと懐かれ?今のような関係になったわけである。

あれ?私が成り代わったせいなのかそれとも月山玲が女だからなのか微妙に原作から逸れている気がする。

いやこの後も原作通りになんて進まないけどね。なんたって主犯は私になるんだから原作通りになんてなるはずがない。

 

(どうか私の平穏な日々が一日でも長く続きますように)

(届いたコーヒーを飲みながら願った)




スペックは月山さんそのもので完璧超人。でも常識のある人でとにかく命を大事になアルマジロ型の人。でも戦う時や守るものがいれば身体を張らずにはいられないタイプ。
平穏を望むのに滅茶苦茶強いのは死にたくないから。
トーカとアヤトにとってはお姉さん、カネキにとってもそうだったはず・・・な対人関係。原作ほど変じゃないので周りとうまくやっていけてる。
少なくともレストランと教会イベントは起こらない。
マスクは薔薇がモチーフ。
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