東方日常日記   作:sameragi

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どうもsameragiです!にじファンから移転しました!
長々とした前書きもあれなんで、とりあえずどうぞ!


どこにでもあるプロローグ
プロローグ、テンプレ、普通はじまりってそういうもんじゃん?


気がついた時、白い空間に独りで居たらどうする?

 

 

まずは……驚くだろう。それから、その場所のことを調べようとしたり、突然のことへの恐怖で、叫び声を上げたり、泣き喚いたりするかもしれない。俗に言う、人夫々ってやつだ。

だが、そんなことは普通起こらない。現実でそんなことは起こりえない。

 

 

それが普通というものだ。

 

 

そんな奇特な出来事は、ゲームやアニメなんかの、物語の中だけで十分だ。多くの人がそういった奇特な出来事を夢見ながら、そんなことは起こりえない。というか実際起こったら困る――そう考えることだろうと思う。

俺だったらそう思うね、非日常は必要ないってな。

さて、何故俺が、冒頭からこんな意味無き例え話をしているかというと―――――

 

 

 

気がついたら独りで白い空間にいました。

 

 

 

way?一体、何がどうなっているんだ?何故、こんなところに俺は居る?さっきも言ったが、普通に日常を送っていれば、こんなことは起こらない。有り得ない筈、なんだ。

 

考えろ、考えるんだ。

非常識で、非凡で、非日常的なこの現状。

現状という、結界を破壊する為には、考え、理解し、解答を導き出すことだ。

 

まず、一に―――――

 

 

俺は自分の頬を思い切り強く抓った。

 

「痛ぇ!」

 

 

痛い、だと……

ということはつまり、だ。

 

「第一の可能性、『夢オチ』が潰れたか……」

 

誰が言ったか知らないが、夢の中では頬を抓っても痛みを感じないらしい。

本当かなんて、知るわけがないが……とりあえず、現実ということで話を進めていこう。

 

だが待て。実際、夢だと思ってたからもう考えとかねぇよ。

OK。GAMEOVERだ。電源ボタンはどこだ?ない?そりゃ大変だ。

 

 

 

―――じゃねぇよ!?

 

 

 

待て待て待て、夢じゃないとしたらここはどこだよ、おい!!!現実にこんな場所が在るわけねぇだろうが!

うん分かった、落ち着け俺、一旦クールダウンだ……この状況をどうにかする名案を考えるんだ。

 

そ、そうだ!記憶を辿ればここがどこだか分かるかもしれないっ!

えっと、俺は普通の高校二年生だった。よし、ここまではOK。

友達は多くもなく、だが少なくもなく、普通の家庭に誕生し、普通に生活してきた。何の変哲も無い。あぁ、平々凡々な環境だ。

 

それで確か俺は今日は……朝七時起床。朝飯はトースト。銜えて登校したりは、してないが。で、学校で教師から強力な睡眠呪文を受け、時間が過ぎて――えー、で?あっ、とそう。昼は購買のカツサンド――ってどうでもいいよ!

んで、そっから帰宅部の幽霊部員である俺は、一人で帰宅していき、家に……え?家に――帰ったか?俺、家に帰ったっけ?待て、ここだ。記憶が曖昧だ。よく、思い出せ?

俺は一人で帰宅して――その、途中で――

 

 

その時だった。俺の脳裏に一つの、ハッキリとした映像が流れ込んできた。

 

 

横断歩道がある。小学生低学年くらいか?少女が渡ろうとしている。

ビニール袋を持っているし、おつかいかな?微笑ましいもんだ。

ん?あれは――大型のトラックが突っ込んできた。ふと、トラックの運転席を見ると――居眠り運転!?マズイ、このままだと、あの子が!

そう思った瞬間、少女の所に一人の男が……

 

 

あれは……俺……?

 

 

そう、その毎朝顔を洗うときに見る、見慣れた顔は……正しく俺だった。男、いや俺は少女を突き飛ばし、歩道へと逃がした。

少女は助かった。トラックに轢かれず、無事のようだった。いきなり突き飛ばされて、驚いてはいるが。

 

安心したのも束の間、少女を突き飛ばした俺は……

 

女の子の身代わりとして、トラックに潰された。

無残にも、惨めにも、滑稽にも―――――

とても、呆気なく、潰れた。

トラックが、横断歩道が、全てが赤に染まったころに、やっと運転手が降りて来た――

 

と、そこで映像は終わる。

 

「なんだったんだ、今のは……?」

 

自分が、トラックに潰される映像。

自分が――死ぬ瞬間。

 

「今のは、あなたの最後のきおくです」

 

俺が呟くと同時くらいに、突然後方から綺麗な声が聞こえた……

振り向くとそこには女性というにはまだ若すぎる……少女が立っていた。いや下手したらまだ、幼女という年齢かもしれない。顔立ちはとても整っていた……胸は、ないが。って、初対面で!しかも幼女とも言えるくらいの子に!なんてことを思ってやがるんだ、俺は!変態か?いや変態だよ!多数決とったら、満場一致で犯罪者だよ!自重しろ、落ち着け、俺。

と、とりあえずだ。

 

「君はだ「すいませんでしたっ!」

 

セリフを被らせてきた。

まぁ、俺も大人だ。高校生だが。こんなことで幼女に怒ったりしない。じゃ、気を取り直して。

 

「すいませんってい「本当にすいませんでしたっ!」

 

……またかよ。

 

「いやだか「本当に申し訳ありませんっ!」いい加減にしてくれ!!!「ヒッ!」

 

流石に怒るよ?そんなに被らせてきたら。大人?んなもん知るか。

幼女は俺が突然叫んだのに驚き、またすいません、すいませんと謝っている。

 

「いや、大声出して悪かった……なぁ、なんでさっきから謝ってるの?」

 

そう聞くと、幼女は少し俯いてしまう。なんとなく、言いにくいことだというのは分かった。

 

「あの……さっきの映像はあなたのきおくだって言いましたよね」

 

「あぁ……そんなこと言ってたね」

 

でもあの映像が俺の記憶なら、俺はトラックに潰されたはずだ。でも今の俺は無傷。それと、ここがどこかの説明が欲しいところだが……

ん?でももし本当にさっきのが俺の記憶なら、一つだけ、この現状も、この空間も、この常識外の全てにも、常識を当てられる選択肢が在る。

 

だがそれは、BADEND突入用の、ただ一つの、どうしようもない選択肢だった。

 

「……あなたは……もう死んでいるんです……」

 

北斗神拳の使い手みたいなセリフだな、なんて場違いで空気に合わないことを思った。

で、なんだって?俺が死んでる?あぁ、ってことは、ここは死後の世界かなんかなのかね?

 

「って、ちょっと待って!」

 

幼女はビクッと肩を振るわせた。怖がっているのだろうか、普段の俺ならちょっとは気遣えたかもしれないが、今は頭に血がのぼっていて他人を気にしてはいられなかった。この図、客観的に見たら危ない図だな。

 

「俺が死んでいる?本当にか?」

 

「……はい、すいません……」

 

どうやら俺の耳が怪電波を拾ったわけじゃあないらしい。俺はもう一度、頬を抓るがやはり痛かった。だが普通こんなこと直ぐ「はいそうですか」なんて信じられるわけもない。生憎のところ、そんな凄まじい適応力は持ち合わせていない。

 

「ここは、死後の世界なのか?」

 

天国?地獄?

それとも、それ以外の『どこか』か?

 

「いえ、ここは死んだもののタマシイのゆくすえを決める場所です」

 

成程、じゃあこれから天国か地獄なんかに連れて行かれるのか……

 

「あの……すいませんっ!あなたが死んでしまったのは、私のミスなんですっ!」

 

「え?君の……ミス?」

 

どういうことだろう?普通な俺は状況に全く付いて来れていないので、分かるように教えていただきたい。

できれば、短い文章に纏めていただけると、大変分かりやすくていいですが。

 

「はい…本当は、あそこであのあなたが救った女の子が死ぬはずだったんです。でも私がしっかりと注意していなかったせいで、あなたがあの少女の運命に介入してしまった……」

 

「……………」

 

「それで、本当はもっと生きるはずだったあなたを死なせてしまった……すいません……」

 

俺があの女の子の運命を変えて救った?有難う。簡単で分かりやすい説明だ。まぁ状況は把握したさ。

実際はまだ全然把握できていないが、そんなに小難しく考えても、こんなこと、一般高校生レベルである俺の頭が答えを導き出せるとはとても思わない。考えるだけ無駄、ってやつだ。

 

「それは良かった」

 

「……え?」

 

非難の言葉を又は、困惑や疑念といった感情を、予想していたのだろうか。

少女は心底不思議そうな顔をした。これがマンガとかだったら頭上に『?』マークが飛び交っていることだろう。

 

「だってさ、結果的にその少女を救えたわけだろ?なら良かったじゃないか」

 

「でも、それで、あなたが……」

 

「何言ってるんだ。テンプレ通りじゃないか。誰かを救って最期を飾る。最高じゃないか。誰もが一度くらいは憧れたことがあるんじゃないか?普通に。だけど俺がそれをやったと思うと、嬉しいもんだ。最高に「ハイ!」ってやつだアアアアアアハハハハハハハハハハーッ、流石にWRYYYYYとは言わないが」

 

「は、はぁ……で、でも」

 

「ノンノンノートルダム。でもじゃなくてさ。いいんじゃないか、自分を責めなくて。そんなことしてたら、精神的に参っちまうだろ?普通に楽観的に簡単に「相手がそう言うならいいか!」とか考えることも大事だと思うぜ?」

 

「……は、はぁ……?」

 

「分からないか?んーまぁ、俺も全く意味が分からん」

 

「……ぷっ、な、なんですかそれ……」

 

「いやぁ、なんだろうか、俺が聞きたいくらいだって」

 

「ふふ、アハッ、アハハハハ!」

 

幼女は笑った。思い切り、笑った。笑壷に入ったらしい。なかなかどうして。良い笑顔をするじゃないか。女の子は笑顔が一番だ。一番の化粧は笑顔って言うし。……まぁ、悟ったような台詞を言って格好つけたが、実際俺は今も焦っている。というか、この状況下で焦らない奴は普通いないと思うが。これから、俺はどうなるんだろう。天国行けるよな?

 

「というか、君はなんなんだ?」

 

「あっ、私は神の下っ端をやらせてもらってます、ランジェと言いますっ」

 

「ふぅん……神の下っ端ねぇ……」

 

神に下っ端とかいるのか?いや本人が言っているのだからいるのだろうが。

あれ、神の数え方は人でいいのだろうか。見た目人間だけど。

 

「あんまり驚かないんですね?」

 

「普通に考えてこんなところに一般人がいるわけないからな。そんなところだろう」

 

幼女、元いランジェは、俺の答えに驚いたように眉を顰めながらも、納得していた。

 

「で?これから俺はどうなるんだ?天国には行けるのか?」

 

「いえ、あなたには転生してもらいます」

 

その言葉に、少し無気力状態だった俺は敏感に反応する。

 

「転生……?次の、体にか?」

 

「いえ、記憶と体をそのままの状態で転生させます。こちらのミスですから」

 

「いや待てよ。俺は死んだことになってるんだろ?そこはどうするんだよ」

 

「はい、ですから本当にすいませんが……元の世界には戻せません」

 

元の……世界?

また、話がややこしくなってきた。

普通たる俺に、もっと優しくしてくれ。

 

「あなたはアニメとかゲームとかって見たりします?」

 

「あぁ、割と好きな方だが……?」

 

「そういう物語の世界が、本当にあったら……とは考えたことありませんか?」

 

「普通は誰もが一度は考える道だな」

 

断言は……出来ないが、考えたことが有る人は多いのではないかと思う。

一般人代表みたいな俺が言ってるんだ。そんなもんじゃないか?

 

「あるんですよ」

 

「え?」

 

一体なんだ。何が有るんだ?

 

「物語の世界は、あるんです」

 

「え?あれは人間の考えたフィクションだろ?」

 

「はい、そのフィクションの世界があるんです」

 

「……マジで?」

 

「マジです」

 

即答か。

 

「……でジマ?」

 

「でジマです」

 

やはり即答か。

あーもういい。今更だ。ここまで来たら、もう大抵のことには驚かない自信が有る。

 

「えーじゃあ。俺はその物語の世界に行くってことでいいのか?」

 

「はい、さっきもですけど、やけに冷静ですね」

 

「そんなことはない。困惑してる。格好つけだから、表に出さないだけだ」

 

それに面倒でもある。

後、その感じの設定は所謂『テンプレ』だからな。

 

「ところで、どこに行くんだ?」

 

出来れば、知っているものがいいが。

 

「えっと・・・東方Projectっていう世界です」

 

「ふぅん、東方かぁ……」

 

東方というものは俺も知っている。確か弾幕シューティングゲーム、だっけか。友人が話していた。

その東方の世界に行くのか……ちゃんと生きていけるのか?実に心配だ。今からもう、胃が痛むぜ。

 

「では、転生するにあたって、なにか能力を授けます」

 

所謂、特殊能力?東方だったら「~程度の」ってのか。

 

「うん、別にいらねぇ」

 

ここは素直に断っておこう。

 

「えっ!なんでですか?」

 

あからさまに驚愕の色を顔に浮べるランジェ。さっきから思っていたが、結構子供っぽい……というか、顔に出やすいやつだな。

 

「だってそんな能力とかあったら普通に生活していけなそうじゃないか」

 

「普通、ですか?」

 

「そう、俺は普通に平凡に常識的に一般的に平和的な日常を送ることを信条としてるんだよ」

 

「な、なるほど……でももらってくれないと私が怒られちゃいます。困ります」

 

「そうか?じゃ、適当に付けといてくれ」

 

「て、適当って……私が決めちゃっていいんですか!?」

 

「OK、OK、大丈夫だ、問題ない」

 

「いいのかなぁ……?」

 

うんうん、無問題(モーマンタイ)

 

「大丈夫、大丈夫。あ、後そんなに強くなくていいから、普通の能力でいいよ、普通ので」

 

関係ないけど『大丈夫』って便利な言葉だよな。

 

「普通……ですか。分かりました」

 

そう言い、ランジェはにっこりと微笑んだ。

どうやらやはり、最高の化粧は『笑顔』というのは本当のようだ。

 

「じゃあ、頑張ってきてください」

 

「あぁ分かったよ。まぁ楽しんでくる。飽くまで、普通にな」

 

「『普通』、ですか」

 

「そう普通。俺の一番好きな、いや大切な言葉だ」

 

普通で、平凡で――

飽くまで常識的に、飽くまで一般的に――

俺は、それが、そんなのが一番いいと思う。

 

「えっと後……本当にすみませんでした……」

 

「どうしたまた?」

 

「いえ、やっぱり……」

 

「やっぱり気にしないのは難しい、ってか?」

 

「……はい」

 

「ランジェ。御免で済んだら警察はいらない」

 

「え?」

 

「謝ることは大切だが、相手の気持ちを押し切ってまでの無理矢理な謝罪は、有難迷惑ですらないぞ?なら、その行動に意味なんて有るか?OK、答えは『無い』だ。文字通り、答えは無い。だってそんなの価値観だし。だが、少なくとも俺はそう思ってる。だから―――――」

 

今回のところは、俺ルールで。

 

「気にすんな」

 

俺はそう言い、ニヤリ、と口端を吊り上げた。

 

「それじゃ、もう……」

 

「はい、転生させます」

 

「……今度は、俺が先読みされたか」

 

そんな会話をしながら、なんとなく頭をかいた。

 

「じゃあ……さようなら」

 

「いやいやランジェ。別れっていうのはさ」

 

ランジェは首を傾げる。まぁ多分俺がランジェの立場でもそうなる。誰だってそーする。俺だってそーする。

 

「またな」

 

「……はい!また!」

 

ちょっと、格好つけちゃったか?まぁ、今までもだけど。年頃だから仕方がないよな。

ランジェが笑顔でそう言った瞬間、俺の立ってたところに穴が開いて、俺は落ちていった。

 

 

……え?

 

「……う、うわああああああ!!!!!」

 

こういうところもテンプレかよっ!!!格好つけたのに!

 

 

 

こうして、俺の普通的転生ライフが幕を開けた……大丈夫!……なのか?




今回は説明回ですかね。多分次回もそんな感じです。後、多分今回が全話の中で一番長い。
楽しんでいただけたら嬉しいです!
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