遅れてすいませんでした!!!
不定期更新、とタグにあるが、不定期すぎだろと。すいませんでした。
気をつけます。マジで。
今回のテーマは『普通』です。いつもですが。
楽しんでいただけたら、幸いです。
「ん、うぅん……」
何かゲームの世界に転生するとかいう意味が分からない夢を見ていた気がする。
中々に、面白い夢だったが……夢は夢だ。現実とは違う。
流石に俺は、そんなことも分からない程に、普段から夢見がちな純粋少年というわけではない。
俺は普通の少年だからな。
今日もいつもと変わらぬ日常が始まる――ことはなかった。
「目が、覚めましたか?」
「へ?」
横から女の声が聞こえた。
どういうことだ?俺の母さんと妹はこんな声ではないぞ?まさか――父さん!?……いやいやないないない。うん、分かってる。というかもし仮に父さんが俺が起きるまで横にいて、こんな声を出していた――なんてことが発覚したら家庭崩壊ってレベルじゃない。
待てよ、じゃあ今の声は誰の声だ?
考える。考える。考える。
よし、分からん。
俺は普通の人間だぞ?
起きた直後に聞こえた、聞きなれぬ声の主が誰か?そんなことが分かるわけがない。
ならば―――――
普通に声が聞こえた方を向こうか。
なんて、結局どうしようもなく普通な結論に至ってしまった。これが最善の策だということは、もう随分も前に分かっていたことだと言うのに。俺は回りくどく考えるのが好きらしい。
俺は極普通に寝返りをして横を見る。
そこには、いた。
何が?何かがだ。
一瞬、理解が出来なかった。
そこにいたのが見知らぬ女だということは理解が出来た。
だが―――――
「なんで……尻尾!?」
その女には、尻尾があった。
いや普通尻尾って動物に付いてるものじゃないの?。
俺にはない。皆無い……筈。
一体、何の尻尾だ?俺の脳内バンクに検索をかける。
出てきたのは……狐、かな?
多分、狐。尻尾は。
あんれー?俺さっきまで「純粋少年じゃない」なんてこと言ってたけど、実は夢見がちだった?
いやいや、そんな筈はない。俺はいたって正常だ。
つまり、目に映っている光景だけが、真実だ。
「どうか、されましたか?」
「へっ!?あぁ、いや、えっと」
我ながら、どもりすぎだ。
「……どちらさまでしょうか?」
見知らぬ人とは、まず自己紹介をしよう。
普通な世界の、常識だ。
この常識が『見知らぬ狐みたいな人』にも適用されるかは分からないが。
この場合もっと気にすることがあるだろうが……うん、置いておこう。
いやいやいや、あんたらね?置いておく、諦める。そんなことも大事なんですよ?
だから俺は、面倒事はとりあえず投げ捨てていく。
「あぁ、申し訳ありません。私は、八雲紫様の式神で、藍と申します。」
「藍……さん?」
「呼び捨てで構いません」
「そ、そうですか?じゃあ、藍で」
へぇ、この人(みたいなの)は藍というのか、覚えておこう。人の名前を覚えるということは、社会的常識だからな。
「ん?待って下さい。八雲……紫?」
「はい、私は紫様の式神です」
八雲、紫。八雲紫。ゆかりん……じゃなくて、紫?
「あ、あぁ何か……思い出してきた」
八雲紫。東方Projectに登場するスキマ妖怪……俺は、そいつに出会って、それで、泊めてもらえることになって……ん、ん?
「あぁ!!!」
「え?」
「……夢じゃ、ない?」
夢じゃなかった。現実だった。俺、死んでランジェに転生させてもらったんじゃん!
「貴女は、八雲藍、ですか?」
「え?あ、あぁ、はい」
藍は戸惑っているようだった。当然だ。俺だって目の前でいきなり変な男が叫んで「……夢じゃ、ない?」なんて言っていたら、黄色い救急車を呼ぶだろう。普通の反応だ。
誰だってそーする。
俺だってそーする。
だが、普通夢だと思っちゃうだろ?あんなの。
「え、ってかちょっと待って下さい、ここ八雲紫の家」
「はい」
「あぁ、さいですか……」
道理で……見覚えがないと思った。俺の部屋、和室じゃないし。
いやーうっかり、うっかり。
もっと前に気がついて置くべきだったが。
「あ!待ってくれ、藍!」
「え、え、はい?」
付いて来れていないようだな。だが俺にはやるべきことがある!さっきまで使っていた敬語を忘れる程には、緊急的な。
「ここ八雲家なんだよな?」
「は、はい」
「俺、ここに入るの、初めてだよな?」
「えっと、はい」
「あー……ちょっともう一回させてくれないか」
「え?」
「最初の……俺が目を覚ますところから」
「えぇ?」
「じゃ、俺寝るから」
「は、はぁ……」
俺はもう一度布団に潜る。
察しの良い人なら、気がついているかもしれない。
分かるわけない?まぁ、そうか。
いやなに、俺は普通にやりたいことがあったんだ。
それじゃあ……テイク2!
「ん、うぅん……」
俺は目を覚ます。
体が、少し重かった。
ここは……
「知らない天「目が覚めましたか?」……台詞、被っちゃった」
折角、折角、人生の中で言いたい台詞ベスト5に入るかな、くらいのこの台詞を言えると思ったのに……
「ハァッ……」
「あの……」
「ん?あぁ、すまん。付き合わせて」
流石に、もう一度リベンジ!なんてする気にはなれなかった。
俺は諦めが悪いが、諦めはいい方なんだ。
ま、要するに……普通なんだ。
「もう、宜しいんですか?」
「あぁ、よろしいですよー。よろしすぎて困っちゃうね」
「困ってるんですか?」
「え?あ、あぁ……いや別に」
しまった。藍にはどうやら、冗談が通じないらしい。
だが、そういう人を見ると、なんか冗談を言いたくなるのが、一般人の性!ロマンシング!そっちじゃない!
「なぁ、藍」
「はい?」
「アルミ缶の上にあるミカン!!!」
「……?」
なん……だと……
そ、そんな、俺の渾身のギャグにピクリともしないなんて……
「あの、申し訳ありません、『アルミ缶』とは、なんでしょうか?」
「へ?」
へ?
「あ、あぁ~そっか、アルミ缶知らないか……」
そ、そうか!アルミ缶が知らないんじゃ、仕方がないよな!
「それじゃ、次こそ!」
「は、はい……」
「猫がねころぶ!」
「……?」
「同じ反応!?」
そ、そんな……
俺の渾身の一撃が、効かない!?
「あの、どういう意味でしょう?」
「ガハッ!」
痛恨の一撃!生に9999のダメージ!
「クッ、やるな……藍」
「え?」
「次だ!……お金はおっかねぇ!」
「お金がないと生きていけませんが?」
「ある日のアヒル!」
「この辺りにアヒルはいませんが……」
「惰性はダセー!」
「働いているほうがいいですね」
「イルカは要るか?」
「要りません」
「猿が去る!」
「さようなら~」
「専用にはせんよ!」
「私のことは、遊びだったんですね!」
「苦心の屈伸!」
「運動しないから……」
「椅子はいいっす!」
「私は座布団派です」
「漫画は我慢!」
「漫画の代わりにこの小説を読みましょう!」
「停電してんでぇ!」
「ブレーカーが落ちました」
「出口で愚痴る!」
「迷惑ってレベルじゃないですね」
「コンニャクは今夜食う!」
「コンニャクご飯、コンニャクサラダ、コンニャクの炒め物etc...」
「アラスカを荒らすか!」
「アラスカ避難警報です!」
「ハリウッドで針売るど!」
「どなたか針、針は要りませんかー!」
「カレーは辛ぇ!」
「水!水プリーズ!」
「象だぞう!」
「狐だぞー」
「妖怪に用かい!」
「はい、何の御用でしょう」
*
「お隣、に、お泊……り……は、はぁっ、はぁっ……」
全然、効かない……
一体どれだけポーカーフェイスなんだ。おかしいだろ。
普通の人間の面白さは、式神には通じないのか?
「んぅ~……ど、どうすれば……このままじゃショックで失踪しそう、んむぅ……仏像をぶつぞう!いや駄目だ。クッ、どうすれば藍を笑わせることが出来るんだ!!!」
俺が1人ブツブツと念仏の様にギャグを考えていると突然、藍が下を向いた。
「……藍?」
「ふふっ、ふふふ……」
藍は、笑っていた。
だが何故だ?さっきまで鉄壁の表情だった藍が……俺、なんもしてないぞ?
「す、すいません。日常さんが必死になってるのが、面白くて……」
「そんなのが、か?」
でも、藍は笑った。俺は何かしたつもりはないが。
「じゃ、俺の勝ちだな!」
「これ、勝負だったんですか?」
「……さぁ?」
「ふっ、ふふ……アハハハハ!」
「ハハ、随分と大声で笑ってくれるな……」
何故皆、俺の意図しないことで笑うんだ?不思議で仕方ない。
「も、申し訳ありません」
「いや、いいよ。楽でいい。話し方も、無理に敬語じゃなくてもいいぞ?」
「ですが、日常さんは大事なお客様と……」
「俺は普通の人間だ。大したもんじゃないよ」
「はぁ……」
「それに……」
「それに?」
「俺はここに泊まるわけだ。そこで一緒にいる奴から、敬語で話されるとかどんな拷問だよ」
「拷問?」
「だって、普通じゃないだろ?そういう堅苦しいの」
「普通、ですか?」
そう、普通。俺が、最も好きな言葉。
「俺は普通に平凡に常識的に一般的に平和的な日常を送ることを信条としてるんだよ」
「ふふっ、そうなんですか」
「笑わないでくれよ。結構真面目に言ってんだ。後、敬語じゃなくていいって」
「あぁ、申し訳、いや……すまない」
結構、凛々しい喋り方だった。
八雲藍ってこんな喋り方なのか。
「どうした?」
「いや、なんでもない」
「そうか……じゃあ、改めてよろしく、生」
「よろしく、藍」
絆っぽいものが、出来たのかもしれない。
「なぁ、そういえば……紫は、どこだ?」
「ん?あぁ紫様なら違う部屋だが……」
「そうか、じゃあ案内してくれよ、挨拶する」
「分かった、こっちだ」
「あぁ……そうだ、藍」
「ん?」
「喋り方、そっちの方がいいと思うぞ?」
仕上げに格好つけとこう。
*
「――あら?生、気がついたのね」
「お蔭様でな」
「いや~いきなり気を失うんだもの、死んだかと思ったわよ」
「死んでないが……そうか、心配を……ん?」
待てよ?俺は何故気絶してたんだっけ?
確か、紫と出会って、泊めて貰うことになって、家に連れて……ん?記憶が曖昧だ。
「だって貴方、スキマに落ちた程度で気を失うんだから!」
瞬間。俺は固まった。
否――幻想郷、全ての時が止まったようだった。
そんな能力を持つ奴がいるのだろうか?
それは凄く気になるが、今はその話ではない。
思い出した。全てだ。
そう、俺はこいつに……紫に突然、スキマに落とされたのだ。
非常識にも、非凡にも、俺は、普通から逸脱した行為をされた。
落とされる。
人間のすることじゃねぇ。
いや、妖怪か。
妖怪は皆、こんななのか?
何か、理不尽なことへの怒りが込み上げてきた。
この怒り、どうすればいいんだ。
よし、こういう時は普通に―――――
「なぁ、紫。突然落とすなんて酷くないか?」
本人に、言ってやる。
「ん~そうかしら?」
のらりくらり、とかわすつもりだな。だが、甘い。
「いや、酷い」
「そんなこと「お仕置きを受けてもらいたいくらいだな」……お仕置き?へぇ……どんな?」
食いついた。
針に食いついた魚は逃がしたくない。いや、逃がさない。
それが、普通だ。
「そうだな……『普通』自分がしたことをそのまま返されるだろ?」
「そ、え?キ、キャアァァァァァ!!!!」
落ちた。
八雲紫は、落ちた。
どこに?
自分の下に突如発生した、スキマにだ。
何かしたら、返される。
これぞ――普通。
「ゆ、紫様!?生、今のは」
「藍」
「え?」
「これは、俺の能力だ」
「や、やりすぎでは」
「藍……」
「え?」
「これは、自業自得だ」
俺はそう言って、ニヤリ、と笑った。
さぁ、今日から八雲家での楽しい楽しい新生活だ。ん?あぁ紫なら大丈夫だろ……多分。
本当にすいませんでした。ですが、不定期更新というか、gdgd更新は直りません。いえ、頑張ります。
今回は、いつもよりも長めでしたが、これからもこのくらいか?というと気分によります。すいません。
ご指摘、感想などございましたら、是非是非、お願いします。あ、そうだタグ直しました。ご指摘してくださった方、ありがとうございました。
ではでは、次回はもう少し早くお届けできるよう、頑張ります。