μ’sと仮面ライダーの物語   作:シーチ

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はい、98話です。

今回は久しぶりの日常要素多めの話、凛ちゃん&蓮メイン回です。あと、後書きにて告知があるので、後書きまで見ていただけると嬉しいです。

そして、評価☆10を頂きました。初の☆10で、久しぶりの評価だったので嬉しかったです。お気に入り登録も85人を超えて、現在86人です。本当にに嬉しいです。まだお気に入り登録や評価などをされていない方は、良ければよろしくお願いします!

では98話、スタートです!


98話 純粋な想い

〜前回のラブライブ!、μ'sと仮面ライダーの物語!〜

 

穂乃果「仮面ライダー王蛇との戦いで負傷し、緊急手術して1週間の入院生活を送ることになった優くん。」

 

海未「そんな時、穂乃果が浅倉威に誘拐されてしまう。穂乃果を返してもらうために、財団Xが持ち出してきた条件は、私とことりが誰にも言わずに来ること。穂乃果を助けるため、私とことりは穂乃果が捕えられている場所へ。」

 

ことり「だけど、圧倒的な強さを持つ王蛇に苦戦する私達。そんな時、私は仮面ライダー龍騎サバイブに、海未ちゃんは仮面ライダー装甲響鬼に覚醒し、王蛇を倒すことに成功。無事、穂乃果ちゃんを助けました!」

 

海未「しかし、何故敵であるクロッカーが、私にアームドセイバーを渡してきたのでしょう…」

 

穂乃果「うーん…あっ!穂乃果を助けようとする2人を見て、やっぱり悪いことはやめようと思ったとか!」

 

海未「はぁ…彼がそんな人情のある人なら、これまで非情に人を殺してきた組織に入ってないでしょう…」

 

ことり「でも、だったらなんでなんだろ…財団Xって、結構謎な行動する時多いよね。」

 

穂乃果「うーん…そうだよねぇ…」

 

海未「まぁ、それをここで考えても仕方ありません。本編を見ていく内に、その謎も解明されると思いますし。では、98話始まります!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜三人称視点〜

 

「「変身!」」

 

蓮と秀夜は、出現した屑ヤミーを倒すため、蓮は仮面ライダーバースに、秀夜は仮面ライダーバース プロトタイプに変身した。

 

『カッターウィング』『ショベルアーム』

 

蓮はカッターウィングの力で飛行し、上空から下降していきショベルアームで屑ヤミーを蹴散らす。秀夜はバースバスターで屑ヤミーを撃ち抜いていく。

 

『クレーンアーム』『ドリルアーム』

 

「おりゃあああ!!」

 

蓮は次に、上空からクレーンアームを伸ばして、その先端に付いているドリルアームで屑ヤミーへ攻撃する。

 

『キャタピラレッグ』

 

蓮は地上に降り立ち、キャタピラレッグで屑ヤミーへと進んでいき、右足のキャタピラレッグで蹴り回す。

 

「蓮、決めるぞ。」

 

「あぁ!」

 

『『ブレストキャノン』』

 

蓮と秀夜は、胸にブレストキャノンを装備する。それにより、蓮は全てのバースCLAWsを装備した姿、仮面ライダーバース・デイに変身した。

 

「「シュー!!」」

 

2人はブレストキャノンからエネルギービームを発射し、全ての屑ヤミーを倒した。

 

〜side out〜

 

 

 

 

 

〜side 優〜

 

「ことりと海未が、龍騎サバイブと装甲響鬼に変身!?」

 

俺が入院している聖都大学附属病院の病室に、2年生3人が来て、穂乃果を無事助け出したと報告してくれた。その事に安心していた俺だったが、ことりと海未が新たな力を手に入れたと聞いて驚きを隠せない。

 

何故だ…?姉ちゃんの話では、コピーライダーシステムには、最終フォームに変身するための力は作ってないって言ってたし…

 

「金色のオーディンっていう仮面ライダーが現れて、このサバイブのカードを渡してきたんだ。それを使って変身したよ。」

 

「私は、財団Xの幹部であるクロッカーが渡してきた、アームドセイバーを使って、装甲響鬼に変身しました。」

 

「なんで財団Xが、2人にパワーアップアイテムを渡したんだ…?そういえば、絵里と希にベルトを渡したのも、財団Xだったな…いや、それよりも、開発されてないサバイブとアームドセイバーがなんで…?」

 

俺の頭の中には、考えても分からない疑問ばかり浮かんでくる。そんな中、もう1つある考えが浮かぶ。

 

そういえば、龍騎と響鬼のカメンライドカードも復活したんだった…クウガのカードも、穂乃果がライジングマイティに変身した時だったし…もしかして、μ'sのメンバーが進化する時に、そのライダーのカメンライドカードも復活するのか?ライジングマイティは違うけど、龍騎サバイブと装甲響鬼に至っては最終フォームだし…

 

「優くん。財団Xの具体的な目的って、何か分からないの?」

 

「……いや、俺にもまだ分からない。」

 

穂乃果が聞いてきた事に、俺は半分嘘で答えた。確かに、正確な目的は俺も知らない。が、今の財団Xの狙いは、穂乃果たちμ's9人だと言うことはこの前聞いた。しかし、最終予選も近いみんなに、そんな事言って不安にさせる訳にもいかないからな。

 

「そっか。」

 

「しかし、この力のおかげで、私もパワーアップする事が出来ましたし、損ではなかったのでは?」

 

「そうだな…」

 

けど、これも何かの計画なのでは?そんな事が頭に浮かび、俺は不安に思ってしまった…

 

そして、穂乃果たちは帰り、1日を終えた。

 

〜side out〜

 

 

 

 

 

〜side 秀夜〜

 

「で、相談ってなんだ?」

 

俺は蓮から相談があると言われ、学校もμ'sの練習も終わった放課後に呼び出された。最近入ったばかりの俺は知らなかったが、μ'sの中ではお馴染み(?)らしいハンバーガー店、ワクドナルドで話をすることにした。まぁ、世界的にも有名店な店舗なだけあって、俺も何度も来たことがある。前世でも有名な店だったけど、名前が1文字変わってるんだよな。

 

優たちとは違って1人暮らしの俺と、今日は咲さんが天界の用事でいないらしい蓮は、ついでに夕食も食べることに。

 

「それが…」

 

「そっ、それが…?」

 

いつもとは違って深刻な表情を浮かべている蓮に、俺は思わず聞き返す。

 

「凛のことを好きだと気づいたはいいけど、どうしたらいいのか分かんねぇんだよ!」

 

「そうか………は?」

 

そうか、と返事してみた俺だったが、蓮が言ってきた内容がただの恋愛相談だと気づいた俺は、思わず「は?」とだけ言った。

 

「は?じゃねぇよ!」

 

「あのなぁ…わざわざ放課後呼び出されて、どんな相談かと思ったら恋愛相談だと思うかよ。」

 

「それは悪かったって。けど、俺にとっては一大事なんだよ。最近、凛を見るとドキドキして、何話せばいいかわからなくなる時があるんだよ……」

 

「……いや乙女か!」

 

意外だな…蓮の事だから、好きだと気づいたら猛アタックでもするのかと思ってた。意外とピュアだな、こいつ…

 

「で、蓮は付き合ったりしたいのか?」

 

「そりゃしたいけど…凛はスクールアイドルなんだし、とりあえずスクールアイドルをやってる間は、告白はしないでいようと思ってる。」

 

「そうか…けど、凛は俺たちと同じ1年生。μ'sの3年生が卒業した後、スクールアイドルを続けるのかは知らないけど、続けるとしたら2年後になるぞ?」

 

「まあな。それに関してはいいんだけど、このままだと高校生活、ずっと凛とまともに話せなくなっちまう!どうすればいいんだよぉ!」

 

「俺に聞くなよ。俺だって、まともに恋なんてした事ないんだぞ。」

 

「えっ?お前、花陽のこと好きなんじゃないのか?」

 

「はぁ?なんでそうなるんだよ?」

 

「だってお前、不良に絡まれてる花陽を助けたんだろ。初対面なのに。てっきり、一目惚れでもしたのかと思ったぞ?」

 

「別に、そういう訳じゃねぇよ。確かに、可愛いとは思うし、気がついたら助けてはいたけど、好きとかじゃない。」

 

「本当にそうなのか?」

 

「そうだって言ってるだろ。それより今は、お前の話だろ。」

 

しつこく聞いてくる蓮から逃れるため、俺は話を元に戻した。

 

「でも蓮は、μ'sのマネージャーになって1番最初に仲良くなったのが、凛なんだろ?今も休みの日は、一緒にラーメン食べに行ったりしてんだろ?」

 

「まぁ、1番話が合ったのも凛だし、仲良いとは思う。」

 

「でも、仲が良いからとは言っても、お前がこの世界に来て凛と知り合ってから、まだ2、3ヶ月だろ。だから、まだ凛の知らないとこもいっぱいあるはずだ。」

 

「確かに、ラーメンが好きだからラーメン食べによく行くけど、他のところに遊びに行ったりとかもしてないな…」

 

「だから、まずは情報収集をしよう。」

 

「情報収集?」

 

「あぁ。凛の事をよく知る人物に、色々聞けばいいだろ。」

 

「なるほど…となると花陽だな。」

 

 

 

そして翌日…

 

「それで急に、私達3人でお昼ご飯を食べようって誘ってきたんだ。」

 

凛について教えて欲しいと蓮が頼んだことに、そう納得した花陽。昼休み、真姫に理由を話して、凛と別々にご飯を食べてくれることに成功。真姫が意外とノリノリで協力してくれた事に、少し驚いた俺と蓮だったが、

 

『べっ、別に友達に恋愛相談されたのが初めてだから嬉しいとかじゃないわよ!仕方なく、手伝ってあげるだけなんだからっ!』

 

と言った真姫を見て納得した。生のツンデレ、初めて見た。

 

そして、3人で昼食を食べながら、花陽に凛について聞く。

 

「それで、凛ちゃんの事について聞きたいんだよね?」

 

「あぁ。凛が行きたい場所とか。」

 

「フムフム…凛ちゃんとのデートスポットかぁ…」

 

「デッ、デート!?」

 

花陽の言葉に、顔を真っ赤にする蓮。

 

「だって、凛ちゃんと2人で遊びに行きたいんでしょ?だったらデートだよ。」

 

「そっ、そうなのか…?」

 

蓮って、こんなにピュアなやつだったか…?

 

「うーん…でも、蓮くんと凛ちゃんって、よくラーメン食べに行ってるよね?」

 

「そうなんだけど…逆に、ラーメンしか食べに行ってないというか…遊びに行ったりしてないんだよな。だから、凛が行きたい場所とか知らないか?」

 

「凛ちゃんが行きたい場所かぁ…あっ!そういえば、ファッションショーのライブ以来、凛ちゃんも可愛い洋服とか着てみたいって言うようになったから、ショッピングとか行ってみたら?」

 

「なるほど…それいいな!」

 

蓮はショッピングデートに乗り気なようだ。

 

「じゃあ、明日は土曜で練習は午前までだろ?その後、1年生で優の見舞いに行くんだし、その帰りに2人で行ってきたらどうだ?」

 

「おっ、おう!そうだな!」

 

少し緊張気味に、そう意気込んだ蓮。

 

「そのまんま、手でも繋いでから帰ってこい。」

 

「てっ、手を!?」

 

「あっ、けどファンの人には気をつけてね。最終予選も近いし、バレたらまずいから。だから、人のいない所に連れて行って、そっと手を繋ぐ。はぁぁ…ロマンチック〜。そのまんま、そっと甘い口付けを〜。」

 

「くっ、口付け!?そそそそれはまだっ、むむむむむ無理!」

 

そう焦る蓮を見て、俺と花陽がクスッと笑う。それにしても、花陽もああいう事には憧れるのか…って、別にそれがどうこうって訳じゃないんだが………そうだよな?…って、誰に聞いてんだか。

 

そんな感じで、蓮のデート大作戦(?)が始まった。

 

〜side out〜

 

 

 

 

 

〜side 真姫〜

 

「それにしても、珍しいにゃ。蓮くんと秀夜くんとかよちんの3人でご飯食べるのは。なんでなんだろ…」

 

私と凛で昼食を取っている時、そう凛が言った。まぁ、理由を知らなければ珍しいと思うのは無理ないわね。本当は、あなたに想いを寄せる人の恋愛相談なんだけど。

 

「まぁ、たまにはそういう事もあるんじゃない?」

 

「そういえば、真姫ちゃんは今まで彼氏とかいたの?」

 

「ヴェェ!?」

 

突然凛が聞いてきた質問に、驚く私。

 

「何よ急に。」

 

「いいからいいから!」

 

「べっ、別に、今まで言い寄ってくる男は何人もいたけど、私に見合う人がいなかっただけよ!」

 

「って事は、いなかったって事かにゃ?」

 

「そっ、そうよ…急にどうしたのよ?そんなこと聞いてきて。」

 

「えっ?いやぁ…そのぉ…//」

 

急に顔を赤くした凛を、少し不思議に思った私。でも、少し思い当たることがあった。

 

「もしかして、蓮について?」

 

「えっ、なんで分かったにゃ!?」

 

「あなたが恋愛関係のこと聞いてきて、顔を赤くする事なんて、蓮の事ぐらいしか思い当たらないわ。」

 

でも驚いたわ。蓮が凛についての恋愛相談をしてる時に、凛も蓮について恋愛相談してくるなんて…これも、何かの運命ってやつなのかしら。まぁ、運命なんてないとは思うけど…

 

「それで、何を聞きたいの?」

 

「凛、今まで恋とかした事なくって…だから、蓮くんにどうすれば振り向いて貰えるかなって。」

 

「そんな事?自然で良いのよ、自然で。」

 

「自然で?」

 

「えぇ。何かのサイトのアンケートで見たことがあるわ。男の人が好きになる女性は、笑顔が素敵な女性だってね。凛は普段からとても可愛い笑顔してるんだから、そのまんまでいいのよ。」

 

「真姫ちゃん…ありがとっ!」

 

「べっ、別に、大したことじゃないわよっ//」

 

ついいつもの癖で、髪をクルクルさせながら言った私。そんな私を見て、凛がクスクスと笑う。

 

「とにかくっ、蓮とデートにでも行って、さりげなく手でも繋いできなさい。」

 

「デッ、デート!?それに、手を繋ぐなんて…//」

 

「凛!」

 

そう顔を赤らめた凛のとこに、ちょうどいいタイミングで蓮たち3人がやって来た。

 

〜side out〜

 

 

 

 

 

〜side 蓮〜

 

「凛!」

 

遊びに誘うため、凛の元へ行き声をかける俺。

 

「蓮くん?どうしたの?」

 

「あっ、あのさ…そのぉ…」

 

誘うんだ、俺!ただ、遊びに行こうって。いつも通りの事…いつも通りの事…なのに、なんでこんな緊張するんだよぉ!大丈夫だ、俺。デートじゃない、遊びに行こうって誘え俺!

 

「あのさ、明日デートしてください!」

 

「デッ、デート!?」

 

しまったぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!?デートって、言っちまったぁぁ!ほら、凛も凄い驚いてるし…なんなら、隣にいる秀夜も、花陽も、真姫もビックリしてるし…デートなんて言ったら、絶対断られちまうよぉ…

 

「うっ、うん…よろしく、お願いしますにゃ!」

 

ほらぁ…断ら………えっ…?

 

「えぇ!?いいのか!?」

 

「うん!凛も、蓮くんとデート行きたいにゃ!」

 

少し顔を赤らめながら、そう言う凛。なんだ、俺は夢でも見てるのか…?

 

「じゃあ、明日優のお見舞いの後、デート行こう!」

 

「うん!」

 

そう笑い合う俺たち。しかし、この後俺達は気づく。雰囲気を壊さないため、そっと見守っている3人に、俺たちのやり取りを見られていたという事に。それに気づき、顔を真っ赤にする俺たちであった。

 

 

 

「フッフッフーン〜♪凛とデートっ!フッフッフー!!」

 

凛がデートの誘いを受けてくれた事に喜び、もし周りに人がいたら引かれるレベルの鼻歌を歌いながら、スキップで自宅へ向かう俺。

 

「ん…?うおっ!?」

 

すると、少し強めの風が俺に向かって吹いてきた。俺はその風により、少し尻もちをついてしまう。

 

「なんだ…?」

 

「宮崎蓮ってのは、お前だな…?」

 

そう言いながら、俺の前に現れたのは…

 

「お前は…ウェザー・ドーパント!?」

 

強力なガイアメモリであるウェザーメモリを使用するドーパント、ウェザー・ドーパントだ。確か、天候を操る事が出来るんだったよな…?

 

「質問に答えろ。宮崎蓮ってのは、お前だな?」

 

「あぁ、そうだ。そういえば、財団Xは俺の命も狙ってるんだったな。って事はお前、財団Xか?」

 

「財団X?あぁ、この姿になれる力を渡してきた組織か。」

 

渡してきた組織…?こいつ、財団Xに入ってる人間ってわけじゃないのか?

 

「まあなんでもいい。さっさと片付けるだけだ。」

 

俺はネイチャーブレスからアクセルドライバーとアクセルメモリを取り出す。そして、アクセルドライバーを腰に装着した。

 

『アクセル!』

 

「変……身ッ!」

 

アクセルメモリをドライバーに差し込み、ハンドルを回した。

 

『アクセル!』

 

すると、メモリの名前が鳴った後にバイクのエンジン音が鳴り、仮面ライダーアクセルに変身した。

 

「さぁ、振り切るぜ!」

 

俺はエンジンブレードでウェザー・ドーパントへ斬りかかった。

 

「はぁ!てやぁ!」

 

しかし、それを躱され、

 

「ふんっ!」

 

ウェザー・ドーパントは俺に向かって雷を落としてくる。

 

「ぐぁぁぁっ…!?」

 

「その程度か…ふんっ!」

 

「うおっ!?これは…集中豪雨?」

 

ウェザー・ドーパントは俺がいる所だけに、大雨を降らせてきた。

 

「くっ…だったら!」

 

俺はアクセルドライバーのグリップを握り、ハンドルを再び回した。

 

『アクセル!マキシマムドライブ!』

 

「おりゃあああああ!!」

 

俺はウェザー・ドーパントへ向かって、後ろ回し蹴りを繰り出そうとしたが、その足を掴まれ、阻止されてしまった。

 

「ぐはっ…」

 

掴まれた足を投げられ、俺は後方に飛ばされて倒れてしまう。

 

「お前を、殺す!はぁぁ!」

 

俺の近くまで来て、俺を踏み潰そうとするウェザー・ドーパント。俺は咄嗟に近くに落ちていたエンジンブレードを取り、ウェザー・ドーパントへ突き刺す。

 

「ぐはぁ…!?チッ…一旦引くか。」

 

ウェザー・ドーパントは竜巻を起こし、その場から消えた。

 

「逃げられたか…それにしても、あいつは誰なんだ?財団Xじゃないらしいし。それにしても、ウェザー・ドーパントか…厄介なやつが出てきたもんだな。まぁ、あの様子じゃ使ったガイアメモリは、ウェザーメモリだけのようだな。」

 

俺は文句を零しながら、家へ帰った。

 

〜side out〜

 

 

 

 

 

〜side 優〜

 

今日は土曜。μ'sの練習は午前までらしく、μ's1年生3人と、マネージャーの蓮と秀夜がお見舞いに来てくれた。ちなみに、飛彩さんの話では、明日か明後日ぐらいには退院出来るらしい。

 

「悪いな。お見舞いに来てもらって。」

 

「いっ、いや、気にすんなよ!」

 

「そっ、そうにゃ!優くんが入院したのに、お見舞いに来ないわけないにゃ!」

 

そう蓮と凛が言ってくれるのだが…

 

「どうしたんだ?2人とも、なんな緊張でもしてるのか?」

 

「いっ、いや!なんでもないぜ!」

 

「そっ、そうにゃ!」

 

「ん…?」

 

何故かあたふたしている2人に俺は疑問に思い、秀夜に目を向ける。すると、秀夜は『あとでいう』と口パクしてきた。多分だけど。

 

 

それから、しばらく病室に居たみんなは、帰っていった。さっきの事について秀夜に聞くため、秀夜だけは残っていた。

 

 

「なるほどな、それであんなに緊張してたのか。」

 

蓮と凛は、これからデートに行くため緊張してたと聞いた俺。

 

「あの2人がデートねぇ…これで少しは進展するといいけどな。」

 

「まぁ、蓮は凛がスクールアイドルでいる間は、告白しないでおこうかと悩んでいたがな。」

 

「ふーん…まぁ、2人とも鈍感だからなぁ…お互いの想いに全然気づいてないし。」

 

「そっ、そうだな…(いや、優も鈍感だろ…こんなに近くに、自分に好意を寄せてる人物が7人もいるってのに気づいてないんだから…)」

 

〜side out〜

 

 

 

 

 

〜side 蓮〜

 

「「……」」

 

俺と凛は聖都大学附属病院を出たところで、無言で立ち止まっている。

 

やべぇ…どうするどうする、俺!?俺、デート経験なんてないぞ!ってか、俺もう完全にデートって認めちゃってるし…やばい、どうしよ、緊張する…けど、ここで立ち止まっている訳にもいかない。行くぞ、俺!

 

「「あのっ!」」

 

まさかの同じタイミングで話し出したぁ!?嘘だろ、そんな漫画とかアニメみたいな展開あるかぁ!?

 

「「プッ…あはははっ!」」

 

そんな状況に笑いが止まらなくなった俺と凛は、思わず吹き出してしまう。しかし、これまた漫画とかアニメみたいな展開だな。

 

「なんか、いつもは普通に話してるのに、改めて2人でちゃんとお出かけするってなると、なんか緊張するにゃ。」

 

「そうだな。」

 

緊張が少し和らいだ俺達は、笑いながらそう話す。

 

「よしっ、じゃあ今からは出来るだけ通常運転に戻って、行きますか!」

 

「うん!」

 

 

そして、ショッピングモールにやって来た俺たち。

 

「そういえば、なんでショッピングモールに来ることにしたにゃ?」

 

そう聞いてきた凛。凛には、服を買いに行くことは言っていない。言ったら凛が恥ずかしがるかも、と花陽に言われたので、直前まではショッピングモールに行くとしか伝えないことにした。

 

「フッフッフッ…まあまあ、着いてきなさい。」

 

不敵な笑みを浮かべる俺を不思議に思いながらも、着いてくる凛。

 

 

そして、俺達が来たのは最近オープンした色んなオシャレな服などが売ってる、今話題のお店。まぁ、男子の俺にはよく分からないのだが、花陽におすすめされた。

 

「うわぁぁぁ…!!」

 

その光景に、目をキラキラさせる凛。

 

「あのファッションショーでのライブ以来、凛が可愛い服とかに興味があるって聞いたから、ここに来たんだ。」

 

「うわぁ…!ありがとっ、蓮くん!」

 

そうニコッと笑って言った凛に、俺はドキッとして見惚れていた。

 

そして、早速色んな服を見ていく凛。

 

「うわぁ…!うわぁ…!うわぁぁ…!!」

 

本当にキラキラした目で服を見てく凛を見ると、自然と俺も笑顔になる。

 

 

それからしばらく服を見てた凛と、そんな凛を見てた俺。これだけ聞くと、俺が変態みたいだな…

 

そして、凛がとても気に入った服があるらしく、試着室に入って試着をする事に。

 

「じゃーん!どうっ、蓮くん!」

 

「うわぁ…!すっげぇ可愛い!」

 

「えっ…//そっ、そうかな…//」

 

俺の語彙力じゃ、『可愛い』としか言えないが、凛が着た服は、元々ちょー可愛い凛にちょー似合う服装だった。(スクフェス、フラワーブーケ編のSSR凛ちゃん覚醒前の服。)

 

「じゃあ、これ買おうかな。」

 

「じゃあさ、このままこれ着て行くか?」

 

「うん!あっ…でも、やっぱり制服で行くにゃ。」

 

「いいのか?」

 

「うん。だって、蓮くんも制服だから…//」

 

可愛いかよ!まじえんじぇーだよ!という事で、一旦制服に着替えるため試着室に戻った凛。待ってる俺の目に、ある帽子が映った。

 

 

「お待たせ!」

 

そう言って、試着室から出てきた凛。

 

「よし、じゃあ会計行くか。」

 

俺は凛が持ってる服を借りて、レジの店員さんに渡す。さっき俺が目に付いた帽子も一緒に。

 

全てレジに通した店員さんは、合計の金額を言った。俺は財布を取り出し、代金を出す。

 

「蓮くん?こんな高いのに、凛が払うよ!それにこの帽子…」

 

確かに、学生には少し痛い出費ではあるが、昨日の夜デートに行くって言ったら、咲姉ちゃんが小遣いをくれたのだ。

 

「この帽子は、さっき凛が試着室にいる間に見つけて、凛に似合うだろうなと思って。それに、俺が誘ったんだし、このぐらいのプレゼントはさせてくれ。」

 

「でも…」

 

「いいから。」

 

「分かった。ありがとう、蓮くん!」

 

 

 

服を買った俺達は、カフェに行った。凛と2人でこういう所に来るのも初めてだったが、とても楽しかった。途中、定員さんにカップルだと間違えられて2人であたふたしてしまったが…

 

 

 

「楽しかったにゃ!また行こうね、蓮くん!」

 

「あぁ!」

 

帰り道、笑顔でそう言う凛。俺は嬉しくなり、笑顔で答える。そこで、俺はある事を思い出す。あっ…そういえば、秀夜と花陽に手を繋いで来いって言われてたんだ。どっ、どうする…けど、チャンスなんてもう無いかもしれないし…よしっ!

 

そして俺は、凛の手に自分の手を近づけていく。

 

10cm…8cm…5cm…3cm…1cm…

 

とうとう俺の手が凛の手に触れそうになった時、

 

「蓮くん!あっ、あれ!」

 

凛が何かを指しながらそう言ったので、咄嗟に手を引っこめた。そして、凛が指さしてる所を見ると、昨日のウェザー・ドーパントがいた。

 

「またお前か…いい所だったのに…邪魔しやがって。」

 

「……」

 

俺の言葉には無反応で、じっと凛の方を見るウェザー・ドーパント。

 

「やっぱり…なんで…なんでお前みたいなやつがあぁぁ!!」

 

突然叫び、俺に殴りかかってくるウェザー・ドーパント。

 

「うおっ!?なんだよ突然!」

 

「蓮くん!」

 

「あぁ!」

 

「「変身!」」

 

俺は仮面ライダーネイチャー サンダーフォームに、凛は仮面ライダーアギト グランドフォームに変身した。

 

「にゃ!やぁ!」

 

凛がウェザー・ドーパントに蹴り込み、隙ができた瞬間に、俺が殴りかかる。

 

「おい、お前財団Xじゃねぇって事は、まさか一般人か?」

 

「だったらなんだ?」

 

「そのメモリは危険だ!今すぐ捨てろ!」

 

「お前なんかの指図、受けるかよ!」

 

再び俺に殴りかかってくるウェザー・ドーパント。

 

「くっ…だったら、力ずくで止めるだけだ!」

 

『スペシャル召喚 ネイチャーソード!』

 

俺はネイチャーソードを取り出し、ウェザー・ドーパントへ斬りかかる。そして、凛も仮面ライダーアギト フレイムフォームに変身し、フレイムセイバーで斬りかかった。

 

「はぁ!オラァ!」「にゃ!やぁぁ!」

 

ウェザー・ドーパントを何度も斬り、

 

「「やぁぁぁぁ!」」

 

右と左から、それぞれ2人で同時に斬り裂いた。

 

「ぐぁぁっ!?」

 

そのダメージでか、ウェザー・ドーパントからウェザーメモリが抜け出し、ウェザー・ドーパントは人間の姿になった。ただし、メモリブレイクをした訳では無いので、ウェザーメモリは壊れていない。

 

「ドーパントの正体はあんたか。とにかく、そのメモリは危ないから渡して「あぁ!」凛?どうしたんだ?」

 

俺がウェザー・ドーパントの変身者の持ってるメモリを取りに行こうとした時、凛が大声を出した。

 

「えっと…確か、木村くん?」

 

「知ってるのか?」

 

ウェザー・ドーパントの変身者を見て、木村と聞いた凛。凛は、こいつの事知ってるのか?

 

「くっ…」

 

「あっ、待て!」

 

俺が凛の方へ振り返っている隙に、木村と呼ばれた男はウェザーメモリを持って逃げていった。

 

「で、あの男を知ってるのか?」

 

「あっ、うん…小学生の頃の、同級生。」

 

少し顔を曇らせたと思ったが、すぐにいつも通りに戻って答えた凛。

 

「そうか。本当に、それだけか…?」

 

「えっ?」

 

「いや、さっき一瞬、顔が曇ったから。」

 

「……いや、なんでもないにゃ!」

 

「そっか。」

 

そう言って、俺と凛は歩き出した。が、もちろんなんでもないと思った俺ではない。これは、またあの子に聞くのが1番かな…

 

 

「最後は色々あったけど、今日は楽しかったにゃ!服もありがとっ、蓮くん!」

 

家まで送ってきた俺に、そう笑顔で言う凛。

 

「気にしなくていいよ。それより、俺も楽しかった。あっ!あのさ…また、良かったら遊びに行かないか?」

 

俺の言葉に、

 

「もちろんにゃ!」

 

更に顔を明るくして、そう凛が答えてくれた。

 

「じゃあ、またな。」

 

「うん!」

 

凛に別れを告げ、俺は自宅へ向かった。

 

 

 

「ただいま。」

 

「お帰り、蓮くん!デート、どうだった?」

 

俺が帰ってきたと分かった咲姉ちゃんが、玄関まで走ってきて、そう勢い良く聞いてきた。

 

「すっげぇ楽しかった!」

 

「そっか、良かった!じゃあ、ご飯はもう少しで出来るから、先にお風呂に入る?」

 

「あぁ、そうするよ。」

 

そう答えて、俺は風呂場へ向かう。咲姉ちゃんがこの家に帰ってきてる時は、基本的にご飯を作ってくれる。料理が全く作れない俺だけだと、買ってきた物だけで済ませてしまいそうなので、とても有難い。

 

 

 

「ご馳走様でした。」

 

「はい、お粗末さまでした。」

 

風呂から上がり、夕食を食べ終えた俺。

 

「それにしても、まさか一般人がガイアメモリを使用するなんてね…まぁ、財団Xがミュージアムに資金援助してた時は、ミュージアムが風都の人達にガイアメモリを渡してたけど…」

 

帰りにウェザー・ドーパントが現れ、その正体が一般人だった事を話した俺に、そう言った咲姉ちゃん。

 

「財団Xが、更に大きく動きだしたってことかもな…何か他に行動を起こしてなければいいけど…」

 

「優くんは、いつ頃退院するって?」

 

「明日か明後日だって。」

 

「そう。そうだ、蓮くん。」

 

「ん?」

 

すると咲姉ちゃんが、ある物をテーブルに置く。

 

「これって…秀夜が使ってる、フォースドライバー。なんで、もう1つ?」

 

「秀夜くんのフォースドライバーのデータを打ち込んだら、フォースドライバーに関するデータを復元することが出来たって言ったでしょ?それを元に、なんとかもう1つ作り出すことが出来たわ。だから、強化アイテムとして蓮くんに渡そうと思って。」

 

「俺に?」

 

「うん。でも、このドライバーで使うためのデータボトルの開発が出来てないの。フォースドライバーの資料にも、イボルブデータボトルしか載ってなかったから。全く資料もないものを、新しく作るのはかなり大変なの。今試行錯誤してはいるんだけど、作れるかどうかは分からないわ。ごめんね。」

 

「別に、咲姉ちゃんが悪いってわけじゃないだろ。普通のネイチャーとサンダーフォームだけでも、俺は充分戦えてるんだし。けど、やっぱり大変なんだな。変身アイテムとかの開発って。」

 

「うん。ただでさえ、財団X側の女神に資料を盗まれてるからね…このフォースドライバーの2つ目を作るのにも、結構苦労したのよ。インフィニティドライバーも、優くん用と蓮くん用の2つは作れたけど、これ以上増やすのは難しいと思うわ。」

 

「そっか…まぁ、焦らず行こうぜ。俺も優も、それに秀夜だって、強化アイテムがなくたって人を守るために戦い続けるんだし。」

 

「そうね…とりあえず、フォースドライバーを渡しとくわね。これだけだと、変身出来ないんだけどね。」

 

「分かった。預かっておくよ、ありがとう。」

 

俺はそう言って、咲姉ちゃんからフォースドライバーを受け取った。

 

 

 

その後、自室で1人俺は考えている。

 

咲姉ちゃんには大丈夫とは言ったけど、正直サンダーフォームの力でも、敵わない敵が出てきてるんだよな…フォースドライバーで使えるデータボトルか。何か、解決策はないのか…?

 

あっ!そういえば、あのデータボトルって、俺が持ってるままだよな…フォースドライバーなら、あの力を制御して使えるかもしれない。危険だけど、今使えるのはあのデータボトルしかない…

 

俺は引き出しにしまっておいた、あるデータボトルを見つめながら、そう悩んでいた。




次回の、μ'sと仮面ライダーの物語!

ウェザー・ドーパントの変身者、木村と凛の関係を聞いた蓮。そして、再びウェザー・ドーパントと戦う蓮と凛。苦戦する2人に、新たな力が宿る!

次回、『99話 炎と輝きのアギトと地球の力』





ライダースペック、紹介コーナー!

仮面ライダーインフィニティオリジン

・変身者 仮野優
・身長 204cm
・体重 109kg
・パンチ力 67t
・キック力 70.1t
・ジャンプ力 56.2t
・走力 1.5秒(100m)
・変身ベルト インフィニティドライバー
・変身アイテム オリジンデータボトル

音ノ木坂学院建設前より古くからある石の封印を解いた際、謎のデータボトル、インフィニティドライバーと共に入れてあったオリジンデータボトルを使用して、仮野優が変身した姿。
これまでのフォームより遥かに優れた力を持ち、過去苦戦したデビュラーを簡単に倒すことも可能。更に、時を越える力が備えられているようで、1度優が過去に遡ったことがある。しかし、まだ力の制御が出来ずにすぐに戻ってしまった。まだ謎が多い力を持つフォームだが、いつか力を使いこなし、優が時を越える時は来るのか…








いやぁ、今回は蓮と凛ちゃんがイチャイチャしてましたねぇ…来週は蓮と凛ちゃんが新たな力を手に入れるようですが、どうなるのでしょうか…


そしてそして、ここで告知です!!

なんと…なんと…初のコラボをする事になりました!小説投稿を開始して、約1年経ちましたが、ここに来て初のコラボさせて頂く事になりました。コラボさせて頂くのは、

ロギア クロニクルさん作『ラブライブ!Qいや、俺の出番なくね?Aあります』

です。コラボ作品の投稿は、年末年始辺りを目処としています。僕の方とロギアさんの方で、それぞれ別の話を書くので、是非両方ご覧下さい!僕が書くと、ロギアさんの書く仁くんと違ったりしてしまうかもしれませんが、そこは温かい目で見て頂けると幸いです。

改めてロギアさん、よろしくお願いします!


では今回はこの辺で…前書きでも少し書きましたが、お気に入り登録、評価や感想など頂けるととても励みになります!次回も見て頂けると、嬉しいです!

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