μ’sと仮面ライダーの物語   作:シーチ

121 / 136
はい、111話です。

ついに夏休み突入!これからは少しでも多く投稿できるように、と考えています。まだ分かりませんが…
そして今回、オーズ編完結です!

では111話、スタートです!


111話 紫の力とグリードの死と映司の想い

〜三人称視点〜

 

『プテラ!トリケラ!ティラノ!プ・ト・ティラーノ・ザウルース!』

 

「うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉおおおおお!!!」

 

「これは、一体…?」

 

「優くんが、プトティラコンボに…」

 

優が仮面ライダーオーズ プトティラコンボに変身し、その影響で自我を失ってしまった。

 

「うぅぅ…!」

 

海未と映司が戸惑う中、優は後藤と伊達が戦っている屑ヤミーの群れに方向転換する。すると、優は冷気を放って屑ヤミーを全て凍らせた。

 

「ふんっ!」

 

優は尻尾であるテイルディバイダーを伸ばし、一気に屑ヤミーを全て倒した。

 

そして、次に優の標的となったのは、タコガウルヤミーだ。

 

『スキャニングチャージ!』

 

優はオースキャナーでベルトのコアメダルをスキャンし、両肩のワイルドスティンガーを伸ばしてタコガウルヤミーに突き刺した。

 

「あぁ!」

 

優はワイルドスティンガーを縮め、タコガウルヤミーに急接近して右手で握り潰し、一瞬で倒した。それにより飛び散ったセルメダルの1枚を優はキャッチし、地面に手を入れてメダガブリューを作り出して取り出した。

 

『ガブッ!ゴックン!』

 

優はメダガブリューにセルメダルを1枚飲み込ませ、バズーカーモードにした。

 

『プ・ト・ティラーノ・ヒッサーツ!』

 

「うぁぁ!!」

 

優はメダガブリュー バズーカーモードからエネルギー弾を吐き出し、バハムートヤミーに命中させ倒した。屑ヤミーとあんなに苦戦したヤミー2体を、ほんの1分程度で倒したのだ。しかし、それでは全てを無にするプトティラコンボの闘争心は収まらない。

 

「うぅ…」

 

優はゆっくり、後藤と伊達の方を向く。

 

「後藤ちゃん…このパターン、やばくね?」

 

「ですね…」

 

「うおぉ!」

 

後藤と伊達の予想通り、優は2人に襲いかかった。

 

「優!どうしたんですか!?」

 

「プトティラコンボは、変身者の意思とは関係なく、目に映るもの全てを破壊しようとしてしまうんだ…」

 

驚く海未に、映司が説明した。

 

「そんな…」

 

「「ぐぁ!?」」

 

海未が映司の説明を受けていると、後藤と伊達が優の攻撃を受けて強制変身解除に追い込まれた。

 

そして、優はメダガブリューを2人に向かって振り下ろそうとした。

 

「海未ちゃん!?」

 

その時、海未は優に向かって走り出し、後藤と伊達の前に立って庇うように手を広げた。

 

「優ダメです!」

 

すると、奇跡的に優の動きが止まった。

 

「私には、人を守るために傷ついている優が、どれほど辛い思いをしてるのか、想像もつきません…でも、私たちは少しでも優の力になれたらって思っています!私たちは隣で一緒に悲しんだり、一緒に楽しんだりするぐらいしか出来ないかもしれません…でも…それでも、私たちは少しでもあなたの力になりたいんです!だから、元に戻ってください…!」

 

海未が涙ながらに訴えると、

 

「うっ…海未、悪い…」

 

優の変身が解け、意識を失った。

 

「優!」

 

「優くん!」

 

倒れた優に、その場にいた4人が駆け寄った。

 

 

 

戻ってきた映司たちは、鴻上ファウンデーションのさっきの一室に優を寝かせた。

 

「優…」

 

心配して言葉が漏れた海未。

 

「あの…優は、大丈夫なんですか?」

 

「……うん。優くんも今は気を失ってるだけだろうし、すぐ目を覚ますと思うよ。ただ、あのコンボは優くんの意思とは関係なく、変身してしまうんだ。だから、また暴走してしまう危険はあるから気をつけて。」

 

「分かりました…」

 

「もう辺りも暗くなってきてるし、そろそろ帰った方がいいんじゃない?」

 

「そうですね…」

 

「はい、これ俺の連絡先。もし何かあったら、これに連絡して。」

 

映司は自分の携帯の電話番号を書いた紙を、海未に渡した。

 

「ありがとうございます。あの、優をよろしくお願いします。」

 

「うん。」

 

「私、送ってきます。」

 

海未は比奈と共に、部屋を出た。

 

「なんか、仮野って火野に似てるよな。」

 

海未と比奈が部屋から出ていくと、唐突に伊達が映司に言った。

 

「そうですか?」

 

「あぁ…だからこそ、余計に心配になる。紫のメダルを取り込んでるってことがな…」

 

「……」

 

伊達のその言葉に、映司は答えなかった…否、どう答えたらいいのか、分からなかった…

 

 

 

「やっぱり、驚いたよね…」

 

「はい…あの優が暴走して、人を襲うなんて思ってもいませんでした…」

 

夜道を歩きながら、比奈と海未が話している。しかし、さっきの件もあり海未の顔色は優れない。

 

「実はね、さっきの映司くんも、昔あのメダルで暴走したことがあるの。」

 

「えっ?」

 

「その時は、私もどうすればいいのかわからなくなりそうになった時もあった…けど、映司くんはいつも誰かのために戦ってた。どんなにボロボロになっても…」

 

「(優と、同じ…)」

 

「だから、いつも誰かに手を伸ばそうとする映司くんの手を、今度は私が繋ごうって思ったの。それぐらいしか、私には出来ないから…」

 

「手を繋ぐ…」

 

「あの優くんって子がどんな子なのか私はあまり分からないけど、なんか映司くんと似てるなって思ったの。」

 

「優が、火野さんと?」

 

「うん。海未ちゃんにとって、優くんはどういう人なの?」

 

「優は…優は、自分のことは二の次で、いつもボロボロになっても誰かのために戦ってます…それでも、いつも私たち部員のことをサポートしてくれる…私…いえ、私たちは、いつの間にかそんな優に惹かれていきました。優は、私たちにとって大切な人です!」

 

「そっか。だったら、いつも信じてあげているのが、1番なんじゃないかな?」

 

「信じる…」

 

「うん。っていうより、海未ちゃんはもう優くんのことをすごい信じてるんでしょ?海未ちゃんだけじゃなくて、私は会ったことないけど部活の仲間の子たちだって。信じてないと、自信を持って大切な人だなんて言えないでしょ?」

 

「っ…!はい。もちろん、私は優のこと信じてます!」

 

「それにしても、優くんが羨ましいな。こんなにも想ってくれてる子がいるなんて。」

 

比奈は『ふふっ』と笑ってから、海未にそう言葉をかけた。

 

「うぅ…//」

 

比奈の言葉に、海未の顔はトマトのように赤面する。

 

「あっ、ここが私の家です。」

 

「へぇ…おっきいね!」

 

海未の家に着き、比奈が少し驚いたように言う。

 

「私の家は、日本舞踊を営んでいるんです。なので、道場も含まれています。」

 

「日本舞踊…すごいね!」

 

「いえ、そんなことは…」

 

比奈の言葉に、少し照れて再び顔を赤くする海未。

 

「よければ、寄って行きますか?送って頂いたお礼もしたいので。」

 

「お礼なんて…私はそんなに大したことしてないよ。それに、私もそろそろ帰らないと…兄の夕飯も作らないといけないから。」

 

「お兄さん?」

 

「うん。警察官の仕事で忙しいのに、私の事いろいろ考えてくれて…大切なお兄ちゃんなの。」

 

「素晴らしいお兄さんですね。」

 

「うん!じゃあ、私は帰るね。」

 

「はい。ありがとうございました!」

 

比奈との別れを告げ、海未は家に帰った。

 

 

 

 

 

「迷惑かけて、すみません…」

 

その頃、映司たちが看病していた優が目を覚ましていた。

 

「大丈夫。俺も同じ経験してるから、よく分かるよ…」

 

「俺の体内に、コアメダルがあるって事は、徐々にグリードに近づくってことですよね…?」

 

「うん…言い難いけど、グリード化が進めば人間が感じる感覚…視覚だったり、聴覚、味覚とかが感じられなくなる…」

 

「そうですか…でも、暴走さえしなければ大丈夫です。」

 

「えっ?」

 

「感覚がなくなっても、戦えますから。俺は人を守るために戦えたら、それでいいんで。だから、暴走だけはなんとかしないと…」

 

「おい、そんな考えは寄せ。」

 

優の言葉を聞いた伊達がそう言い、後藤が続けて話す。

 

「欲がないと、ただグリード化が進むだけだぞ。以前の火野のように…」

 

「欲ならありますよ。さっきも言った通り、人を守るっていう…」

 

「そんなの、自分の欲とは言えないだろ。ちゃんと自分の欲を持て。」

 

「そうそう。後藤ちゃんの言う通り、自分の欲を持たないと取り返しがつかなくなるぞ。」

 

「自分の欲…」

 

後藤と伊達の言葉に、優は迷いを見せる。

 

「それにもしグリード化が進むと、お前が心配してる暴走が酷くなるかもしれないんだぞ。」

 

後藤の言葉を聞き、優の顔が更に暗くなる。辺りが重苦しい空気に包まれる中、それを打ち消すかのように機械的なゴリラの鳴き声が聞こえた。

 

「っ!?こんな時にまたかよ!」

 

音を鳴らすそれを見た伊達が、そう怒り混じりに言った。音の発生源はゴリラカンドロイド。グリード、又はヤミーが現れたため、自動的に起動したのだ。

 

「とにかく行きましょう!」

 

映司がそう言い、4人は部屋を飛び出した。

 

 

 

「なんだ、屑ヤミーだけか…」

 

優たちが現場まで駆けつけると、そこにいたのは屑ヤミーだけ。とはいっても、数はかなりいる。そして、優と映司はオーズドライバーを、後藤と伊達はバースドライバーを巻き付けた。

 

「「「「変身!」」」」

 

『タカ・トラ・バッタ!タ・ト・バ!タトバ!タ・ト・バ!』

 

『シャチ・ゴリラ・コンドル!』

 

優は仮面ライダーオーズ タトバコンボに、映司は仮面ライダーオーズ シャゴドルに、後藤は仮面ライダーバースに、伊達は仮面ライダーバース・プロトタイプに変身した。

 

「はぁぁ!」

 

優はトラクローを展開し、屑ヤミーを斬り裂き、映司はゴリラアームで殴り飛ばし、伊達と後藤はバースバスターで撃ち抜いていく。

 

『『スキャニングチャージ!』』

 

『『セルバースト!』』

 

4人は同時に必殺技を放ち、全ての屑ヤミーを倒した。それを確認し、優たちが油断しているところを、ウヴァが突然現れ4人を攻撃した。

 

「「ぐぁぁぁぁぁ!?」」

 

それにより、4人は変身が強制的に解除され、優からはトラ、バッタ、タコが、映司は自分の持つ全てのコアメダル(タカ、クジャク、コンドル、トラ、シャチ、ウナギ、ゴリラ)が飛び散った。

 

「フハハハ!ついに…これで俺は、完全復活だ。」

 

「ウヴァ〜、俺とメズールのメダル取っちゃダメェ!」

 

ウヴァが落ちたコアメダルを全て拾い上げたところに、ガメルがそう言いながら走ってきた。

 

「俺は別に他人のコアは興味ない。欲しいならくれてやる。」

 

ウヴァはそう言ってゴリラ、シャチ、ウナギ、タコのメダルを投げてガメルの体内に入れた。そして、ウヴァ自身も奪ったコアメダルを取り込んだ。

 

「「うぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」」

 

それにより、ガメルとウヴァは完全体になった。

 

「これが、グリードの完全体…」

 

優は初めて見る完全体に冷や汗を流す。映司、後藤、伊達も数年前グリードの完全体と戦った時に、その驚異を知っているため、息を飲み込む。

 

「映司さん。これ、使ってください。」

 

「えっ?」

 

優は映司に、紫のコアメダル以外で自身が持つ最後のコアメダルである、タカ、クジャク、コンドルのコアメダルを渡した。

 

「完全体2体を相手にするなら、3人じゃ敵いません。」

 

「それって、優くんは紫のコアメダルを使うってこと?」

 

「……はい。」

 

「ダメだ!今の優くんじゃ、絶対に暴走する!」

 

「えぇ。だから、グリードを倒しても暴走していたら、俺を殺してでも止めてください。」

 

「そんなこと!」

 

優は映司の制止の言葉を聞かず、グリードに近づいていく。

 

「お前ら、俺が相手してやる!かかってこい!」

 

「ふんっ!生身の人間が、俺たちに敵うわけないだろ!望み通り、殺してやる。」

 

ウヴァはそう言い、優に襲いかかった。が、優はそれを避けようとせず、目をつぶった。

 

「オラァ!」

 

そして、ウヴァが自身の手の爪を優に突き刺そうとした時、

 

「うっ…」

 

優の目が紫色に変わり、体内から5枚の紫のコアメダルが飛び出し、ウヴァを攻撃した。そして、そのうち3枚のコアメダルが自動的に優のオーズドライバーに入った。

 

『プテラ!トリケラ!ティラノ!プ・ト・ティラーノ・ザウルース!』

 

優は仮面ライダーオーズ プトティラコンボに変身した。

 

「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉおおお!!」

 

優は一気にガメルに詰め寄り、襲いかかる。既に優の意識はないようだ。

 

「ちっ…火野、後藤ちゃん、今はとにかくウヴァを倒すことに集中するぞ!」

 

「「はい!」」

 

「(アンク…お前のコアメダル、使わせてもらうよ!)」

 

「「「変身!」」」

 

『タカ!クジャク!コンドル!タージャードルー!』

 

映司は仮面ライダーオーズ タジャドルコンボに、後藤は仮面ライダーバースに、伊達は仮面ライダーバース・プロトタイプに変身した。

 

「はぁ!」

 

映司はウヴァにタジャスピナーから炎を吐き出したが、全く効かない。

 

「その程度か…オーズ。ふんっ!」

 

「ぐぁ!?」

 

「火野!はぁぁぁ!」

 

「オラァ!」

 

後藤と伊達もウヴァに攻撃を仕掛けるが、投げ飛ばされてしまう。

 

「くっ…やっぱり、完全体の力は半端じゃねぇな…」

 

 

「はぁ!」

 

その頃、ガメルと戦う優は、メダガブリューをガメルに振り下ろしていた。

 

「ふんっ!」

 

しかし、ガメルはいとも簡単にメダガブリューを手で掴み、セルメダルに変えてしまった。そして、優を殴り飛ばす。

 

「ぐぅ…うぉ!」

 

倒れていた優はすぐに起き上がり、再びガメルに飛びかかるが、パワーと防御力が格段に上がったガメルに、腕を掴まれてしまう。

 

「ふんっ!」

 

「っ…な、に…?」

 

しかし、優は肩のワイルドスティンガーをガメルに突き刺し、足元に冷気を放ちガメルの動きを封じた。そして、優は地面に手を突っ込み、再びメダガブリューを生成した。

 

『ゴックン!プ・ト・ティラーノ・ヒッサーツ!』

 

優はほぼゼロ距離から、メダガブリュー バズーカーモードでガメルを撃ち抜いた。それにより、ガメルは爆発し、倒れた。

 

「うっ…あれ…?俺の、コアが…メズール…!これ…」

 

そう言ったガメルの手には、棒付きキャンディーが握られていた。しかし、力尽きて実態を保てず、大量のセルメダル、ガメルの9枚のコアメダル、そしてシャチ、ウナギ、タコのコアメダルが辺りにこぼれ落ちた。

 

そして、その内の1枚、ガメルの意識が入っているサイのコアメダルが砕け散った。

 

 

そして、ウヴァと戦っている3人は…

 

「火野、俺と伊達さんでどうにか隙を作る。」

 

「その隙に、でかい一発頼むぜ!」

 

ウヴァには聞こえない程度の声で、後藤と伊達が言った。

 

「分かりました。」

 

「何をこそこそとしている。」

 

そう言い、ウヴァはゆっくりと3人に近づいていく。

 

『『ブレストキャノン』』

 

後藤と伊達は、ブレストキャノンを装備し、バースドライバーに出力限界になるまでセルメダルを投入していく。

 

「後藤ちゃん!今だ!」

 

『『セルバースト』』

 

「「シュー!」」

 

2人はウヴァが攻撃を仕掛ける前に、ブレストキャノンからビームを放ち、ウヴァに浴びせた。

 

「ふんっ…この程度の攻撃で、俺を倒せると思…っ!?」

 

『スキャニングチャージ!』

 

「セイヤーッ!!」

 

2人が攻撃を仕掛けている間に上空に飛び上がっていた映司は、ウヴァがブレストキャノンからのビームを防いで身動きが取れない状態のところに、プロミネンスドロップを放った。

 

「ぐぁぁぁぁぁ!?」

 

それにより、ウヴァは爆発して、大量のセルメダルと共に、自身の9枚のコアメダルと、タカ、クジャク、コンドルコアメダルが1枚ずつとトラコアメダル2枚が辺りに飛び散った。

 

「ふぅ…何とかやったな…」

 

「いえ、伊達さん。安心してる暇は、なさそうですよ…」

 

後藤の視線の先には、ガメルを倒した優が次の獲物を狙うかのように映司たちを見ていた。

 

「伊達さん後藤さん。ここは俺に任せてください。」

 

「火野?」

 

「優くん!こっちだ!」

 

すると、優は映司をメダガブリューで斬りつけようと、数回振り回す。それを映司はギリギリ避け続ける。そして、映司は強めに地面を踏み込み、ジャンプして少し優から距離をとる。

 

「優くん、決して君を死なせたりしない!俺は、この手で掴める命があるなら絶対に掴む!優くんの暴走も、止めてみせる!あの時、あいつが止めてくれたように…」

 

そして、映司は優に向かって飛んだ。

 

「はぁぁ!」

 

そんな映司に向かって、優はメダガブリューを振り上げた。それを映司は、右手で掴んで止めた。

 

「はぁぁぁぁぁぁぁ!」

 

優の動きが抑えられている間に、映司はオーズドライバーを水平に戻し、優を変身解除させて3枚の紫のコアメダルは優の体内に戻った。それと同時に、映司も変身解除し、倒れる優を抱きかかえた。

 

「はぁ…はぁ…映司、さん…?」

 

「優くん、大丈夫?」

 

「はい…すみません…」

 

 

 

しばらくすると、優も落ち着き、立ち上がれるようになった。

 

「本当に、ご迷惑かけてすみません…ありがとうございました!」

 

時間も遅いため、帰ることになった優は頭を下げ、3人に言った。

 

「ううん。でも、紫のコアメダルは本当に危険だから、気をつけてね。俺もサポートしたいんだけど、最近前に居候していたクスクシエの近くとか、鴻上ファウンデーションの近くとかで財団Xが生み出したヤミーが暴れてて…」

 

「えっ…?ヤミーが?」

 

「うん。少し前から、突然現れるようになって…」

 

「そうなんですか…紫のコアメダルのことは、俺がなんとかします。なので、こっちのヤミーのこと、お願いしていいですか?」

 

「うん。もちろん!」

 

優の言葉にそう答えた映司は、握手を交わそうと手を差し出した。優はその手を握り、2人は握手を交わした。

 

「そうだ。これ…」

 

そう言って映司が取り出したのは、コアメダル。ウヴァのコアが9枚とガメルのコアが9枚、タカ、クジャク、コンドル、シャチ、ウナギ、タコが1枚ずつ、トラが2枚、そしてガメルの意思が入った真っ二つに割れたサイ・コアメダル。

 

「俺はタジャドル、サゴーゾ、ガタキリバに変身するためのコアを1枚ずつと、トラ1枚あればいいから、残りのメダルは優くんが持ってて。」

 

「えっ?でも…」

 

「それに、ウヴァのコアの1枚には意思が入ってるものがある。それは優くんの方が厳重に管理できそうだし。」

 

確かに、天界で保管していた方が安全か…

 

そう思った優は、映司からコアメダルを預かった。

 

「分かりました。責任もって預かります。そうだ…このガメルの意思が入ってた割れたコアはどうします?映司さんが持っていた方がいいんじゃないですか?」

 

反対に、割れたコアメダルは映司さんが持っていた方がいいのではないか、と俺は割れたサイ・コアメダルを差し出した。

 

「えっ?俺が?」、そう疑問を口にした映司。

 

「はい。映司さんが復元しようとしてるアンクのコアメダルも、2つに割れてしまってるんですよね?もしかしたら、それの手がかりになるかもしれませんし…」

 

「あっ、なるほど…ありがとう。じゃあ、これは俺が鴻上さんに預けて調べてみる。」

 

そう言って、映司はサイ・コアメダルを受け取った。

 

「分かりました。じゃあ、俺はそろそろ…」

 

辺りも暗くなり始めているのを確認した優がそう言った。

 

「あぁ、そうだな。紫のコアメダルには、十分に気をつけろよ。」

 

後藤にそう言われ、優は頷いて「はい。」と答えた。

 

「優。紫のメダルを制御するためにも、とにかくお前自身の欲を持て。お前の欲、見つけろよ。次会った時は、俺にも聞かせてくれ。」

 

伊達は、いつしか映司にかけた言葉をかけた。それを聞いた優は、強く頷いた。

 

「優くん。グリードたちみたいな怪物と戦えるのは、自分みたいに変身できる数少ない人だけ。だから人を守らないとって、焦る気持ちはよく分かるよ。」

 

映司はかつての自分と重なる部分があるのか優にそれを伝え、「でも…」と更に言葉を続ける。

 

「これだけは覚えておいて。どれだけ手を伸ばしても、一人では掴めない命がある。」

 

それを聞いて、優は少し不安な表情を浮かべる。映司はそんな優の肩に手を置き、優しい笑みで語りかける。

 

「大丈夫!優くんには、心強い仲間がいるんだから!一人で掴めない命でも、仲間となら掴めるはずだよ!」

 

その映司の言葉には、これまで数々の戦いを乗り越えてきた重みが篭っていた。

 

 

 

 

 

それから数時間後。先程ウヴァ、ガメルと優たちが戦った場所では…

 

「ガメル…」

 

ガメルが散り際に落としたキャンディーを拾い上げ、そう呟いたのはメズールだ。

 

「早く私も完全復活しないと…待ってなさい、オーズの坊やたち。」

 

そう言い、メズールは拾ったキャンディーを、投げ捨てた…

 

〜side out〜

 

 

 

 

 

〜side 優〜

 

映司さんたちと別れ、鴻上ファウンデーションから出た俺は、召喚したライドインフィニティに跨り発進させようとしていた。

 

 

一人じゃ掴めない命もある、か…

 

確かに、そうなのかもしれない…それも、数々の戦いを乗り越えてきた映司さんが言うんだから尚更だ。

 

でも、μ'sのみんなは極力戦いには巻き込みたくない…

 

それに、俺の体内には紫のコアメダルが入ってる。紫のメダルは俺の意思とは関係なく、強制的に変身して暴走する。

 

思い返してみれば、最近妙に味覚とかを感じてなかった。極ロックシードの影響だと思ってたが、それだけじゃなかったんだな…極アームズだけならともかく、暴走するプトティラコンボだなんて…

 

俺はもう、これ以上みんなと関わるべきじゃ…

 

〜side out〜

 

 

 

 

 

〜side 映司〜

 

「大丈夫ですかね…優くん。かなり危ない状態、ですよね…」

 

「あぁ…以前のお前みたいな感じだしな。」

 

「前の俺って、あんな感じだったんですね…」

 

後藤さんに言われ、初めて紫のコアメダルが体内にあった頃の俺がどういう状態だったのか実感した。

 

「それで、火野。お前はこれからどうするんだ?」

 

「俺は今まで通りこの周辺で暴れてる財団Xを止めるため戦います。あと、財団Xの基地というか…拠点を探してみようと思います。」

 

伊達さんの問に俺がそう答えると、後藤さんが「拠点?」と復唱して聞いてきた。

 

「はい。財団Xがコアメダルの復元だけじゃなく未来のコアメダルを創り出すことが出来るなら、その資料とかも拠点にあるかもしれません。それを手に入れることが出来れば、アンクのコアを復元できるかもしれませんし。」

 

俺の言葉に納得している2人に、俺は「それに…」と言葉を続ける。

 

「コアメダルの力は危険です。一刻も早くそれの資料を奪って、これ以上財団Xにコアメダルを創らせたり出来ないようにしないと…」

 

「確かにな…俺もしばらくは日本にいる予定だ。手伝えることがあったら言ってくれ。」

 

伊達さんもしばらくは日本に滞在するらしく、協力してくれると言ってくれた。

 

「俺も今暴れてる財団Xたちが落ち着くまでは、バースとして鴻上ファウンデーションでもまた働かせてもらってる。俺も手伝えることがあれば協力する。」

 

刑事に復帰してから数年経ち、これまで刑事としてたくさん活躍してきた後藤さんも、かつてのバースとしての活躍と再びヤミーやグリードがこの辺りで暴れている危険性を考慮し、現在は特例措置として警察官でありながら鴻上ファウンデーションでもバースとして働いているそうだ。

 

俺は伊達さんと後藤さん、心強い2人とともにこれからも戦っていく。

 

 

 

 

 

それから伊達さんと後藤さんと別れた俺は、夜道を歩いていた。

 

「仮面ライダーオーズ、火野映司よね?」

 

そんな俺に、仮面ライダーとしての名も含めて呼んできた女性がいた。

 

「そうだけど…君は?」

 

俺は少し警戒しながら、そう聞いた。

 

「そんなに警戒しなくても大丈夫よ。すぐに終わるから。」

 

女性はそう言うと、一瞬で俺に近づいてきた。

 

「っ!?」

 

俺が驚いている間に、女性は俺の頭の上に手を乗せた。

 

そして、女性はしばらく乗せていた手を離した。

 

「君、本当に何者?それに、今何をした?」

 

「あなたが知る必要はないわ。また機会があれば、会いましょ。」

 

そう言って、女性は消えていった。

 

「なんだったんだ…?」

 

俺はこの時、また何か嫌な予感がした。

 

でも、俺は今俺に出来ることを、今俺が届く手を繋ぐことに変わりない。そして、いつかお前のコアも復元してみせる。

 

だから、またいつかの明日で会おう。アンク…

 

〜side out〜

 

 

 

 

 

〜三人称視点〜

 

それから日を跨ぎ、午前6時…優は羽田空港にて、ガリュサと対峙していた。

 

「約束通り、来てくれたのね。」

 

「お前のために来たわけじゃない…」

 

「ふふっ…随分と大きな荷物持ってるのね?」

 

ガリュサが言ったように、優は肩に大きめのかばんをかけていた。

 

「そんなことどうでもいい…それより、俺の過去について知ってること全部話せ!」

 

「ここじゃ他の人間たちもいるし、場所を移しましょうか。」

 

そう言ってガリュサが手を前に出すと、ガリュサと優はどこかの廃工場に移動していた。外では雨が降っており、時折雷が落ちる音なども聞こえてくる。

 

「場所を移すぐらいなら、なんでわざわざ羽田空港に来させたんだよ…」

 

「どうしてだと思う?」

 

「はぁ?疑問に思ってるのは俺の方なんだが?」

 

ガリュサの余裕綽々といった態度に、少しイラッとする優。

 

「ふふふ…羽田空港は、あなたにとって因縁の敵を倒したところでもあるでしょ?」

 

「因縁の敵…アデュサのことか。」

 

「そうよ。」

 

「やはりお前は、アデュサと関係があるみたいだな…」

 

「あら、気づいてたの…」

 

「あぁ。まぁ、半信半疑ってところだけどな…お前の能力が人の記憶を覗くってことを聞いた時、何か引っかかっていた。しばらくして思い出したよ。アデュサが、人の記憶を見る能力を持っていたってことをな。人の記憶を覗いたお前と同じ能力ってことは、お前とアデュサは何か関係があるんじゃないかってな。」

 

「その通り。流石ね、仮面ライダー。」

 

「まぁ、お前はその上人の記憶を操ることも出来るってことは、お前の方が能力値は上なんだろ?」

 

「えぇ、そうなるわね。」

 

「で、肝心のお前とアデュサの関係ってなんなんだよ?」

 

「私は…アデュサの姉よ。」

 

「っ!?なるほどな…俺を呼び出したのは、妹を殺された復讐ってとこか?」

 

「そんなくだらないことどうでもいいわ。私たちにとって、姉妹なんて飾りの関係でしかない。ただ、気になったのよ。」

 

「気になった?」

 

「えぇ。あの子があそこまで執着した、仮面ライダーインフィニティってのがどんななのか。確かに、興味深い過去を持ってるようね…あの子が執着した理由も分かるわ。」

 

「なんだよ。その俺の過去って…」

 

「以前、黒崎秀夜との決戦の前に、あなたが思い出した前世での過去。あれはあくまで一部。だけど、あなたはその時少し感じたんじゃない?俺は転生しても、最低な大馬鹿野郎なのかよ、って。」

 

「あぁ。ずっと気になってた…お前、知ってんのか?だったら教えろ!」

 

「いいわ。教えてあげる…」

 

そう言ったガリュサは、不敵な笑みを浮かべながら優の頭に触れ、優は苦しみ出した…

 

 

 

 

 

「はぁ…ようやく外に出られたか…あいつら、俺をこんな目に遭わせたこと、後悔させてやる…そのためには、まずはμ‘sと…仮野優、だっけか?やつらを殺すとするか。」

 

ある場所で、μ‘sと優の命を狙うという発言をした謎の男。この男は何者なのか…この男の影響で、再び優とμ‘sとの関係に大きな亀裂が入りかけることになる。そんな中、彼らは再び新たなレジェンドと出会うのであった…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『ジョーカー!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ラブライブ最終予選まで、あと20日…

 

 

 

 




『第5回!何故、私がこのライダー?』

優「皆さんお久しぶりです!このコーナーの、司会進行を務める仮野優です。前回はゲストが凛だったこともあり、司会進行は凛を愛してやまない蓮が務めましたが、今回からはまた俺が帰ってきますよ!では早速、今回のゲストはこの方!」

希「決めゼリフは運命はスピリチュアルやね!音ノ木坂学院3年、東條希です!」

優「いや待て、そんな決めゼリフ初めて聞いたぞ?」

希「まぁ、ウチも初めて言ったからね。今日のために、せっかくやから考えてみたんよ。」

優「いや、でもなんでまたそんな決めゼリフ?」

希「仮面ライダー剣のテーマといえば、『運命』。そしてウチといえば『スピリチュアル』やからね。でも、あんまりしっくりこなかったから今回限りかなぁ…」

優「自覚はあったんだな…まあということで、改めて今回のゲストはμ‘sの一員であり、仮面ライダー剣として共に戦っている東條希さんです。ではまず、仮面ライダー剣の簡単な説明から。本来の仮面ライダー剣に変身するのは、剣崎一真さん。俺たちは前に会ったよな?」

希「そうやね。やっぱり、本物ってだけあって、すっごいかっこよかった!」

優「あぁ。でも、彼も仮面ライダーとして色んな苦悩があったそうだ。ジョーカーアンデッドである相川始さんを信じていた彼は、そのことで仲間と衝突したり…」

希「そっか…アンデッドである始さんを封印するって言う人も、おったんやね…」

優「それでも、剣崎さんは人を守るためにアンデッドと戦い続けたんだ。でも、最終的にジョーカーアンデッドである始さんを封印することなく、他のアンデッドを全て封印するため、キングフォームに変身し続けて彼自身もジョーカーアンデッドとなり、彼は仲間の前から姿を消した…」

希「なんか、切ない最終回やね…」

優「メタい事を言うとそうだな…平成ライダーの最終回の中でも、かなり切ない終わりだった…」

希「ところで、このコーナーの趣旨でもあるけど、なんでウチが変身する仮面ライダーが、ブレイドになったん?まぁ、何となく予想はつくけど…」

優「あぁ、それは…ブレイドはトランプがモチーフで、ラウズカードを使って変身し、戦っている。そして、希といえば占い。その中でもタロットカードをよく使ってるイメージがあるからな。その共通点から、作者は選んだらしい。」

希「やっぱりそれか…で、他には?」

優「えっ?ないよ?」

希「えっ?ほんとに?」

優「うん。特に、それといった理由は他にないな。」

希「嘘…」

優「そう落ち込むなって。今となっては、希が戦っている姿を見て、希がブレイドに変身してよかったなって思うぞ?」

希「本当に?」

優「あぁ。危険だから1回しか使わなかったけど、まさかキングフォームに変身して戦えるなんて、凄いことだぞ?」

希「そっか…ウチが凄いか…まぁ、理由が少ないことぐらいええかな。これからウチが活躍してけばいいだけやし!」

優「そうそう!その意気だ!(ふぅ…何とかなってよかった…)じゃあ、そろそろ次回予告に行きますか!」

希「そうやね!」

優「あっ、前々回から仮面ライダーらしい次回予告をしたいということで、新しい次回予告をしてましたが、多分みなさんもですが、作者も何か違うなぁ…と感じていました。そんな時、ジオウの次回予告見て『あっ!テロップないじゃん!』と気づいたそうなので、今回からはテロップを入れています。」

希「では、今回はこの辺で…」

優・希「「次回も、お楽しみに!」」



次回、μ‘sと仮面ライダーの物語!

「うわぁっ!おっきい風車!」

「これが、俺の過去…?そうだ…思い出した…俺は…俺は…」

─ついに思い出した優の過去…

「俺はこの街を守る仮面ライダー、ジョーカー。」

─仮面ライダージョーカー、現る。

「俺の、大切な仲間をこんな目に遭わせて絶対に許さない!」


─そして…

パリンッ


次回、『112話 さらば、優…』




はい、ということでオーズ編完結。本日、ジオウ本編では仮面ライダーアクアが登場し、明日のパンツを持っていたのにはテンション上がりました!

そして、次回予告では仮面ライダージョーカーが…?と、まさかそのタイミングで来週のジオウで大道克己こと仮面ライダーエターナルが登場するとは…これは決して狙った訳ではありませんよ?僕自身、めちゃくちゃビックリしてますが、それよりもやっぱり嬉しいですね!

皆さん、ジオウもクライマックスなのに次々と登場するレジェンド、そして新仮面ライダーゼロワンを楽しみにされていると思いますが、その片隅で少しでもこの小説を楽しみに待っていてくださると嬉しいです!

あっ、それと次回は結構凄いことが起きる。かもしれません…

現在、お気に入り登録して下さった方が99人。ここまで登録してくださった皆様、本当にありがとうございます!100人まであと一人…よければ、お気に入り登録や感想、評価お願いします!では次回もお楽しみに!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。