〜前回のラブライブ!µ’sと仮面ライダーの物語!〜
優「凛がアギトに変身した事で、µ’sのメンバーとコピーライダーシステムに何か関係があるんじゃないかという話をした俺と蓮と姉ちゃんと咲さん。結局、はっきりとした事は分からなかったものの、µ’sの中で7人も変身している事は偶然ではないと思う俺達…」
希「これは、ウチも変身するかもってこと?スピリチュアルやね!」
優「希。いや、それはちょっと分からないんだけど…って、今回こそはあらすじ紹介をちゃんと…」
にこ「優!あんた、まだ私達に隠してる事あるんじゃないの?」
優「えっ、いや、それは…」
絵里「にっ、にこ!ゆっ、優に秘密なんて、あああああるわけないじゃない!」
優「絵里!?(誤魔化してくれるのは嬉しいけど…そんな焦ってたら、逆に怪しまれるって!)」
にこ「絵里?何焦ってんのよ、逆に怪しいわよ?」
希「えりち、ウチらになんか隠し事しとるん?」
優「(ほら…やっぱり、怪しまれてる…)」
絵里「べべべ別にっ、そんな事、ないわよっ!?そっ、そろそろ時間みたいね!どっ、どうなる、83話!」
優「えぇ…とうとう、勝手に始められちゃってるし…もういいよ、本編入っちゃって…」
〜side 優〜
『今日からこの学校に転入する、──さんだ。』
『よろしく…お願いします…』
『俺は仮野優。よろしくな、──さん!』
『…』
『──さん?』
『優くん、私…優くんの事…ううん、なんでもない…バイバイ、優くん。』
『─…またな!』
『ッ…!うん、またね!』
バサッ…!
「……夢、か…?」
夢から飛び起きた俺は、数秒間考えた後、今自分が夢を見ていたことに気がついた。
俺が見た夢は、俺が…いや、この世界の、転生した別の世界の俺の魂が入る前の俺の夢だった。と、思う。あれは、俺が…この世界から元々いた仮野優が、小学生の頃の夢だろう…
「もしかして、この世界に元々いた俺の記憶が、戻りかけてる…?」
そんな事を考えながら、俺は自分の部屋を出て、キッチンへと向かった。
コンッコンッ パカッ
ジュー…
卵を割り、フライパンの上で焼いて、目玉焼きを作る。俺は朝食の準備を進めていく。
「おはよ、優くん。」
「姉ちゃん、おはよ。朝食ももうすぐ出来るから、そろそろ優奈を起こしてきてくれないか?」
「分かったわ。」
時刻は7時前、今日は土曜で学校は休み。スクールアイドルの練習は午後からのため、午前はゆっくり出来る日だ。姉ちゃんも昨日から天界での仕事は休みで、人間界の俺の家にいるため、優奈を起こしに行ってもらった。
「お兄ちゃん、おはよ…」
まだ眠そうに、目を擦りながら優奈が起きてきた。
「おはよ、ご飯できたぞ。」
「うん、ありがとう…」
「ほら、顔洗ってシャキッとしてから食べた方がいいぞ。」
「はーい。」
そう言って、優奈は洗面台へと向かっていった。
「優奈の朝が弱いのは、本当に直らないな。」
俺はそう思いながら、テーブルに3人分の朝食を並べた。
「いっただきまーす!」
「「いただきます。」」
優奈は顔を洗うと一気に目が覚めたようでハイテンションで、俺と姉ちゃんは普段通りそう言って、朝食を食べ始めた。
「そういえば、お兄ちゃん。µ’sの練習はどう?次の最終予選を勝てば、ラブライブ出場でしょ?」
「あぁ、みんな頑張ってるよ。次はA‐RISEと戦うことになるからな。それに、新しいマネージャーも加入したし。」
「えっ、お兄ちゃん以外のマネージャーが出来たの?」
「そういえば、優奈は会ったことないんだっけ。そいつは俺と同じで、µ’sのマネージャーであり音ノ木坂学院の共学化試験生で、さらに仮面ライダーに変身するやつなんだ。」
「へぇ。お兄ちゃんとそこまで同じって事は、転生者でもあるの?」
「あぁ、あいつも転生者だ。」
優奈が俺達が本当の兄妹じゃない事や、転生者である事を知ってから、こういう会話も出来るようになった。
そんな会話をしながら、俺達は朝食を食べ終えた。その後、優奈は雪穂ちゃんと亜里沙ちゃんと遊びに行くらしく、出かけていった。
「なぁ、姉ちゃん。」
「どうしたの?」
「俺、今日夢を見てたんだけど、それが俺の…転生する前からこの世界にいた仮野優の過去の記憶に関する夢だったんだ。」
「夢…?」
「やっぱり、俺の記憶が戻り始めてるのか?」
「えっ、えぇ…そうかも、しれないわね…」
「姉ちゃん…?」
姉ちゃんの言葉が、いつもより暗く聞こえた俺は、少し疑問になって姉ちゃんの名を呼んだ。
「えっ?」
「なんか、暗くないか?」
「いや、そんな事ないわよ。私は元気よ!」
そう言った姉ちゃんだが、どこかいつもと違うような気がするな…
ピンポーン
すると、俺の家のチャイムが鳴った。
「ん、誰だ?なんか荷物でも頼んでたっけ?ちょっと出てくる。」
「よろしくね。」
俺は玄関まで行き、ドアを開けた。
「どちら様で…って蓮?それに咲さんも。どうしたんだ?」
俺の家に来ていたのは、蓮とその姉の咲さんだった。
「よっ!」
「突然ごめんね。蓮くんがどうしてもって言って。」
「いえ、俺は別に大丈夫ですよ。上がってください。」
俺はそう言って、蓮と咲さんをリビングまで案内した。
「あら、2人ともどうしたの?」
「優香、ちょっと話があってね。」
「とりあえず、座って。」
姉ちゃんの言葉で、蓮と咲さんはリビングのテーブルの椅子に座った。
「それで、話ってなんですか?」
俺は2人にお茶を出して、そう聞いた。
「2人とも、凛ちゃんが仮面ライダーに変身したのは聞いてるわよね?」
「はい。」
そう答えた俺は、咲さんがこの話をするって事は、今日来た目的がなんとなく分かったと考えた。
「私も聞いてるわ。その話をするって事は…」
姉ちゃんも、分かったようだ。
「えぇ、私と優香がコピーしたクウガからキバまでのライダーシステムと、穂乃果ちゃん達µ’sの事…」
「やっぱり、残り2つのライダーシステム…ブレイドと電王の力も…µ’sの中の、恐らく希ちゃんと花陽ちゃんが資格者なのかしら…」
俺は姉ちゃんと咲さんの言葉を聞いて、疑問に思った事がある。いや、まあもっと疑問とかはあるけど…
「なぁ、資格者って言ってるけど、9つのライダーシステムを作った時、誰でも変身出来るようにつくったのか?」
「いいえ、うーんとね…例えば、優くんや蓮くんがインフィニティやネイチャー、ディケイドからエグゼイドまでの仮面ライダーに変身する事が出来るのは、普通の人よりもライダーエナジーが高いから。それは、この世界に元々いた優くんにも、前の世界で生きていた仮野優の体に魂が入った今の優くんにも、どちらにも当てはまることよ。そして、ノーマルデータボトルには優くんの、ネイチャーデータボトルには蓮くんのデータを入れて、2人は仮面ライダーに変身する事が出来たのよ。」
そう姉ちゃんが説明した。
「それは、俺達が前に聞いた通りだな。」
蓮が言ったように、それは俺も聞いている。
「けど、クウガからキバまでのライダーシステムのコピーで変身する適合条件は私達もちゃんと分かってないのよ…」
今度は咲さんがそう言った。
「分かってない?」
「えぇ、元々そのライダーシステムのコピーを作る資料とか設計図は、私や優香が考えたんじゃないの。ある日、私達と同じ女神の1人が優香と私に渡してきたの。それを元に、私達がコピーライダーシステムを作ったの。その資料を1通り見て作ったんだけど、そこに変身者の条件も書いていたの。そこで、その人に眠るライダーエナジーの量が書いてあったんだけど、今の蓮くんよりも遥かに高くないと変身出来ないって書いてあったの。元々、優くんのライダーエナジーは高いから、優くんなら基準値を超えてるけど。」
咲さんの言葉を聞き、
「俺よりも高いのか…」
蓮は少し驚いていた。
「具体的な数字ってないのか?」
「まず、ライダーエナジーっていうのは、天界で作ったライダーシステムを使うために必要な力みたいなものなの。」
俺の疑問に、姉ちゃんが説明を始める。
「普通の人にあるライダーエナジーは人それぞれだけど、大体は10ぐらいまで。それ以上ある人はこれから上がって変身することができる可能性がかすかにある人。100以上あれば、仮面ライダーに変身は出来るけど、ちゃんと力を制御できず、戦うことが難しいレベル。500以上あれば、ちゃんと戦える人達ね、2人のような。」
「なるほど…」
「後は、そこから上がれば上がるほど強くなる。ちなみに、今の蓮くんのライダーエナジーが900。元からこの世界にいた優くんのライダーエナジーが1000。前の世界にいた優くんが転生して来る前のライダーエナジーが750。今の優くんのライダーエナジーが1350。」
「俺と優でも、結構差があるんだな…」
「じゃあ、そのコピーライダーシステムを使うのに必要なライダーエナジーは?」
「1000以上よ。」
「えっ…?じゃあ、穂乃果達にはライダーエナジーが1000以上あるって事かよ…」
「そういう事ね…けど、今分かってるコピーライダーシステムを使う条件はライダーエナジーが1000を超えていることなんだけど、もう1つ資料に書かれていたのは、最初から変身出来る人は、決まっていたみたいなの。」
その言葉を聞いて驚きながらも、俺は姉ちゃんに聞き返す。
「じゃあ、クウガのコピーライダーシステムを使えるのは穂乃果、龍騎のコピーライダーシステムを使えるのはことりって最初から決まってたのか?」
「えぇ、そうみたいなの。優くんから穂乃果ちゃんやことりちゃんが変身したって聞いた時からいろいろ調べて見てはいるんだけど、ほとんどの資料を財団Xについた女神達に奪われたまんまだから、調べようがなくてね…それどころか、他のみんなからも変身出来る人が増えて謎が大きくなるばかりだし…」
「にしても、今のまま行くとブレイドと電王の資格者は希と花陽がどちらかに変身するって事になる。違うかったとしても、同じスクールアイドルのグループに入ってる7人が資格者っていうのは、いくらなんでも偶然どころの話じゃない…µ’sの9人には、何か繋がりがあるのかもしれないな…そういえば、姉ちゃんと咲さんに資料を渡してきたっていう女神様に話を聞くことは出来ないのか?もしかして、その女神様も財団X側に裏切った女神様の1人なのか?」
「いいえ。彼女は私達に資料を渡した数日後、人間界に行った後、失踪したの…天界の力を使えば、失踪した女神の1人や2人見つけるのは簡単だけど、女神の反乱があったからそれどころじゃなくて、未だに見つかってないのよね…そうこうしてるうちに、その女神の行方が全く分からなくなっちゃったの…」
「今の状況じゃ、情報を得ることが出来ないな…」
「とりあえず、私と優香の方でもまだ見つかってない資料とかデータが残ってないか調べてみるわ。とりあえず、優くんと蓮くんは、µ’sのみんなの事を見守ってあげていて。それで、また何かあったら教えて。」
「「分かった!」」
咲さんの言葉に答えた俺達は、もうすぐµ’sの練習が始まるため、昼食を食べてから音ノ木坂学院へ向かっていった。
〜side out〜
〜side 咲〜
「どうかした、今日はちょっと暗いような気がするんだけど…?」
2人が家を出てから、私は優香にそう聞いた。
「今朝ね、優くんが夢を見たらしいの…それが、この世界にいた仮野優の記憶かもしれないらしく、優くんの記憶が戻りかけてるみたい…それは良い事なんだけど、この世界にいた優くんの記憶が戻りかけてるって事は、この世界にいた仮野優の体に魂が入った、今の優くんの精神…別の世界から来た優くんの記憶も戻る事になってしまうんだって考えると…」
「そっか…この世界にいた優くんの記憶が戻るって事は、前の世界での優くんの記憶も、戻る可能性が高いって事だもんね…」
「えぇ…優くんが前の世界での記憶を取り戻したら、どうなるかは分からないけど、彼は辛い思いをすると思うわ…彼は、前の世界にいた頃から正義感が強い。前の世界であの事が起こった時も、とても辛い思いをした。それなのに、またその記憶を取り戻したら、彼は2度もあんなに辛い思いをする事になってしまう…ただでさえ、優くんは仮面ライダーとして戦って数々の辛い思いをさせてしまっている…私は、この世界にいた仮野優との約束で記憶を戻るようにしているけど、そのせいで…私のせいで、優くんは数え切れない程の悲しみを背負う事になると思うと、私はこのまま優くんに戦い続けてもらっていいのか、優くんの記憶が戻るようなことしていいのか…分からなくなる…」
そう言いながら、優香は目に涙を貯めている。
「優香…確かに、そうかもしれない…けど、前に優くんも言ってたでしょ。少なくとも、優香のおかげで優くんが仮面ライダーに変身出来る能力を手に入れた。その事には、優くんもとても感謝してるっていってたじゃない。」
「でも…それでも優くんに辛い思いをさせてしまうって事は、決して変わらないわ…」
「そうね…けど、それをどう思うかは、記憶を取り戻してからの優くん次第じゃない?」
「そうだけど…」
「今は、悔しいけど私達には、見守る事しか出来ないのよ…だから、今は優くん達に私と優香が出来る最大限のサポートをする事が、私達に出来る事だと思うわ。」
「そうね…そうよね。よし、じゃあ、もっと徹底的にライダーシステムについて調べましょ!」
優香はなんとか、元気を取り戻したみたい。
けど、優香の言う通り、優くんがあの記憶を取り戻したら、どうなってしまうのだろう…下手したら、立ち直れずに、仮面ライダーとしての戦いどころじゃなくなってしまうかもしれないわね…