μ’sと仮面ライダーの物語   作:シーチ

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はい、88話です。今回から13章に入りたいと思います。13章では、とうとうダークインフィニティについての話です。という事で、今回から何話かオリジナル回になります。

では88話、スタートです!


13章 3人目のライダー編
88話 ダークインフィニティの正体…


〜前回のラブライブ!、µ’sと仮面ライダーの物語!〜

 

優「ハロウィンイベントでのライブで、お客さんにインパクトを与える方法を考えるµ’s。しかし、穂乃果が客観的にみんなを見た事で、自分たちには自分たちの個性があるという事に気づけた。そして、ハロウィンイベントでのライブは成功する事が出来た!」

 

蓮「成功出来てよかったよな。」

 

優「おっ、ネガティブ野郎。」

 

蓮「誰がネガティブ野郎だ!」

 

優「お前のせいで、俺はラビリンスと戦ったとこから音ノ木坂学院まで。更にそこから理事長室、部室前までお前を引っ張って来たんだぞ!どれだけ疲れた事か…」

 

蓮「どうせ俺なんか、引っ張られる価値もないやつなんだ…」

 

優「まーたネガティブに戻ったし…もう俺は知らねぇ。では、こいつはほっといて、どうなる88話!」

 

 

 

 

 

 

 

 

ハロウィンイベントが無事終わった日の夜、夕食を作り優奈と2人で食べた後、俺は理事長先生から預かった本を開く。目次に書いてある『仮面の戦士伝説』のページは、中間よりも少し後ろぐらいのページにある。分厚い本であるこの歴史書では、ページをめくるのでも少し疲れる。

 

「このページか…」

 

 

 

 

 

 

 

 

『仮面の戦士伝説

 

 

これは、日本にまだ武士がいた頃…江戸時代の話である。

 

その頃、日本では人間よりも遥かに強い力を持つ怪人が突然現れ、人々を襲い暴れていた。武士達は刀を持ち戦おうとするが、怪人達には到底敵わない。人々は、怪人達に敗れ、生きる事を諦めかけていた…

 

そんな時、人々にとって救世主が現れた。腰にベルトを巻き、人間とは違う姿の仮面の戦士が怪人達から人々を守った。

 

その仮面の戦士は、怪人達を次々と倒し人々を守っていたが、その怪人達をまとめている者の力は他の怪人の力とも、仮面の戦士の力とも比べ物にならないぐらい強かった。

 

仮面の戦士は、その怪人と戦うため究極の姿へと変わった。究極の姿に変身した仮面の戦士は、その怪人と他の怪人達を封印する。封印に成功した仮面の戦士は、究極の姿に変身するための力を悪用されないように、今の音ノ木坂学院がある場所のどこかへ隠し、究極の姿に変身したため、変身解除すると同時に消滅した…

 

その後、何故か人々は戦士と怪人達の事に関する記憶を失ってしまった…しかし、例外となる人物がいた。その人は、その戦士が自分達を助けてくれたのだと人々に話すが、そんな話を信じるものはいない。だから、未来で誰かにその話を知ってもらうため、巻物にして記したそうだ。

 

その巻物が、今どこにあるのか…そして、この話が本当であるのか、今は誰にも分からない…』

 

 

 

 

 

 

 

 

なるほど…ってか、巻物がどこにあるのか分からないのに、なんでこの本に載ってんだよ…

 

けど、もしこの話が本当なら、その戦士は仮面ライダーである可能性が高い。腰にベルトを巻いてるって書いてあったし…

でも、江戸時代に仮面ライダーがいるなんて事ありえるのか?世界で最初の仮面ライダー、仮面ライダー1号が生まれたのが1971年。江戸時代の話なら、それよりもさらに100年から350年ぐらい前の話だ。

 

「お兄ちゃん、どうしたの?そんな難しい顔して。」

 

すると、風呂から上がってきた優奈がそう聞いてきた。

 

「いや、また仮面ライダーの事で、新たな謎が出てきたんだよ…最近、謎が出てくる一方でな…」

 

「へぇ。ねぇ、仮面ライダーって何なの?お兄ちゃんが変身してるのは、お姉ちゃん達女神様が作ったんでしょ?でも、この世界の事を調べてみると、他の仮面ライダーもいたって書いてあるし、それも女神様が作ったの?」

 

「いや、それは人間が作り出したものが多いな。まぁ、自称神が作ったものはあるけど…」

 

自称神、それはもちろん黎斗神さんの事だ。

 

「けど、かっこいいよね!お兄ちゃんは変身して、人を襲う悪い怪物から人を守ってるんだもんね。それで、お兄ちゃんが傷つくのは嫌だけど…」

 

「うーん…けど、どうかな。」

 

「どういう意味?」

 

「仮面ライダー、なんて存在はいない方がいいんだよ。人を襲う怪人がいなかったら、仮面ライダーなんていなくていいわけだし、そうなったらこの世界は平和なわけだし。」

 

「そっか、そうだよね…」

 

「まぁ、そんな事言っても、怪人がいる限り俺は戦うんだけどな。それよりも、受験勉強の方はどうなんだ?」

 

「最近は、苦手な数学でも段々と点を取れるようになってきたかな。お兄ちゃんが鬼のように教えてくれるからねっ!」

 

そう言いながら顔を膨らませる優奈は、我が妹ながら可愛いと思う。

 

「そんな事言っても、やらないで後悔するのは自分なんだぞ?」

 

「もう、そんな事分かってるよぉ…」

 

「だといいけど。じゃあ、俺は風呂入ってくるよ。」

 

「いってらっしゃーい。」

 

俺はそう言って、お風呂場に向かった。さっきの音ノ木坂の歴史書を、机に置いたまま。

 

〜side out〜

 

 

 

 

 

〜side 優奈〜

 

お兄ちゃんがお風呂に行った後、私はお兄ちゃんがさっきまで読んでいた分厚い本が気になった。お兄ちゃんは読んでいたページを開いたままだった。

 

「お兄ちゃんは、たまにこういう抜けてる所があるんだよねぇ。まぁ、開いたまんまで置いてるんだし、ちょっとぐらい読んでもいいよね。」

 

私はそう思い、そのページに指を挟んで閉じ、本のタイトルを見た。

 

「音ノ木坂学院の歴史…?なんでこんな本を読んでたんだろ…」

 

私は指を挟んでいたページをもう一度開き、今度はそのページを読み始める。

 

「なになに…音ノ木坂の伝説 仮面の戦士伝説?」

 

私はそのページを全て読み終えた。

 

「江戸時代、そんな昔から仮面ライダーがあったんだ…けど、伝説だし本当の話なのかも分からないって事だよね。お兄ちゃんが悩んでたのはこれの事だったんだね。」

 

私は深く考えず、そのまま自分の部屋に戻って行った。

 

〜side out〜

 

 

 

 

 

〜side 優〜

 

ハロウィンイベントの日から少し経った土曜日、今日の練習は午後からのため、朝俺は部屋でゴロゴロして過ごしてていた。すると、スマホから着信音がなった。

 

「ことり?」

 

電話をかけてきたのはことりだった。

 

「もしもし?」

 

『優くん?今日の練習の前って空いてるかな?』

「あぁ、空いてるけどどうかしたか?」

 

『今日、穂乃果ちゃんと一緒に衣装の生地とかを買いに行きたいんだけど、荷物が多くなっちゃいそうで…2人でも大変そうだから、手伝ってもらいたいんだ。』

 

「分かった、いいぜ。」

 

『ありがとっ!じゃあ、買ったあと直接練習に行くから、11時頃神田明神集合でいい?』

 

「了解。」

 

 

 

そして、俺は待ち合わせの時間の少し前に神田明神までやって来た。

 

「優くんお待たせ〜。」

 

俺が来た少し後に、ことりもやって来た。

 

「いや、そんな待ってないよ。まだ集合時間にもなってないし。そういや、今日は海未は来ないのか?」

 

「うん。海未ちゃん、最近弓道部にあまり行けてなかったから、今日は練習まで弓道部の方に行くんだって。」

 

そんな会話を交わしながら、穂乃果を待っているが…

 

 

集合時間から10分過ぎても、まだ来ない…

 

「はぁ…穂乃果のやつは、普段通り遅刻だな…」

 

「だねぇ…」

 

苦笑いでそう言う俺とことり。

 

「2人ともお待たせぇ!」

 

やっと穂乃果が来たみたいだ。

 

「ったく、お前はいつも遅刻だな…」

 

「ごっめーん!」

 

 

 

それから、ショッピングモールのお店で衣装の生地を買い終えた俺達は、まだ時間があるため生地を大きめのロッカーに預けて、昼食を食べる事になった。

 

俺達はショッピングモール内のあるカフェレストランにやって来た。穂乃果はハンバーグ、俺はステーキを頼んだ。そして、ことりは…

 

「チーズケーキ…?昼ごはん、だよな?」

 

「そうだよ〜」

 

「ことりちゃんは、ケーキとかよく食べてるよね。特にチーズケーキ。」

 

穂乃果はいつも通り、という表情だ。なんでそんなスタイルが良いのだろうか…

 

「穂乃果ちゃんだって、甘い物好きでしょ?」

 

「そうだけど、ことりちゃん程じゃないよ。」

 

そんな会話をしながら食べ進める2人。とりあえず、俺も腹減ったし食べよ…

 

「いただきます。」

 

 

 

「「「ごちそうさまでした。」」」

 

食事を食べ終えた俺達は、店を出てロッカーに預けておいた生地を取りに行った。

 

 

生地を取り、音ノ木坂学院へ向かおうとした時、蓮のメカアニマル、ドラゴンアニマルが飛んできた。

 

「蓮がダークインフィニティと戦ってる!?分かった、すぐ行く!」

 

「優くん、行こう!」

 

俺達3人は、ドラゴンアニマルの案内で蓮の元へ急ぐ。

 

〜side out〜

 

 

 

 

 

〜side 蓮〜

 

遡ること数十分…

 

「いやぁ、食べた食べた。」

 

「美味しかったにゃ!」

 

「そうだね。」

 

今日は俺、凛、花陽の3人でラーメンを食べに来ていた。いつもなら真姫もいるんだが、今日は練習前にやっておきたい事があるらしく来れなかった。

 

 

食事を終え、俺達はラーメン屋から出て歩いていると…

 

「見つけたぞ、宮崎蓮。」

 

そこにはダークインフィニティと数体のダスタードが…

 

「今度はなんだ?俺達、今から練習あるんですけど…まぁ、言ってもしょうがないか…」

 

「モモタロスさん、行けますか?(おう!俺はいつでも戦えるぜ!)」

 

「「「変身!」」」

 

俺は仮面ライダーネイチャー サンダーフォームに、凛は仮面ライダーアギト グランドフォームに、花陽は仮面ライダー電王 ソードフォームに変身し、戦い始めた。

 

〜side out〜

 

 

 

 

 

〜side 優〜

 

「「「変身!」」」

 

俺は仮面ライダーインフィニティ レッドメモリーズフォームに、穂乃果は仮面ライダークウガ マイティフォームに、ことりは仮面ライダー龍騎に変身して、蓮達とともに戦い始めた。

 

俺と蓮はダークインフィニティと、穂乃果達はダスタードと戦っている。

 

「そろそろ、お前との戦いにも決着をつけたい所だ。」

 

蓮はそう言い、ネイチャーピストルにサンダーデータボトルを差し込んだ。

 

「はぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

ネイチャーピストルから電気が放たれ、ダークインフィニティへと飛んでいく。

 

『スペシャルアタック!ガード!』

 

しかし、その攻撃はダークインフィニティによって防がれてしまう…

 

「きゃっ!?」

 

更に、跳ね返った電気砲が穂乃果へと当たってしまう…

 

「穂乃果!大丈夫か!?」

 

「うっ、うん…大した事ないよ、平気平気!」

 

「良かった…」

 

俺は穂乃果の言葉に一安心。

 

「よーしっ、まだまだ行くよ!超変身!」

 

穂乃果は緑のクウガ、仮面ライダークウガ ペガサスフォームに変身した。

 

「穂乃果、これ使え!」

 

蓮はネイチャーピストルを穂乃果に投げ渡す。

 

「ありがとう!」

 

穂乃果がネイチャーピストルを受け取ると、ネイチャーピストルはペガサスボウガンに変わった。穂乃果はペガサスボウガンでダスタードを撃ち抜いていく。

 

「「はぁ!」」

 

俺達は再びダークインフィニティを殴る。

 

「甘い、ふんっ!」

 

「「ぐはぁっ…!」」

 

俺達はダークインフィニティの反撃を受けてしまう…

 

「なんか、ダークインフィニティのやつ強くなってねぇか…?」

 

蓮の言った通り、ダークインフィニティの今の攻撃は、いつもより数倍…下手したらもっと強かった。元々強いのに、もっと強くなったのかよ…いや、それともこれまでのは本気じゃなかった…?

 

『アドベント』『フルチャージ』

 

『俺の必殺技、パート2!おりゃああああああ!』

 

「「「やぁぁぁぁぁ!!」」」

 

すると穂乃果達が戦っていた、ダスタードは全部倒したようだ。

 

「蓮、俺達も決めるぞ。」

「あぁ。」

 

「勝つのは俺だ。」

 

 

『スペシャルアタック!インフィニティストライク!』

 

『スペシャルアタック!ネイチャーストライク!』

 

『スペシャルアタック!ダークストライク!』

 

 

「「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」」「はぁぁぁぁぁ!」

 

俺達とダークインフィニティのライダーキックがぶつかり合う。

 

「「ぐはぁぁぁっ…」」「ぐっ…」

 

俺達の攻撃は相討ち…俺と蓮は、強制変身解除してしまった…けど、それはダークインフィニティも同じみたいだ。

 

そして、爆煙が治まっていき、段々とダークインフィニティの変身者の姿がはっきりと見えてきた。

 

『(あなたは!?)花陽、知ってんのか?(はい。この前、不良の人達から助けてくれた人…)』

 

なに!?あいつが…

 

しかし…この中に花陽以上動揺している人物が1人…

 

「えっ…?あっ…はぁ…嘘、だろ…?」

 

冷や汗を流し、小刻みに震える蓮。

 

「蓮?どうしたんだ?」

 

「なっ、なんで…お前が…なんでだ!秀夜!」

 

「蓮…」

 

蓮の言葉に、ダークインフィニティも蓮の名前を呟く。

 

しゅう、や…?なんでだ…この名前、どっかで聞き覚えが…いや、聞き覚え程度じゃない。もっと、大事な…

 

俺がそんな考えに気を取られていると…

 

「蓮…悪い、俺は…ここで引き下がるわけにはいかねぇんだ。」

 

「どういう事だよそれ!」

 

「変身!」

 

秀夜という男は、再びダークインフィニティに変身した。

 

「はぁぁぁぁ!」

 

ダークインフィニティは、自身の剣を蓮へ振り下ろす。

 

「変身!」

 

蓮は咄嗟に再変身し、ネイチャーソードでその攻撃を防いで反撃をしようとするが、しっかりと戦えてない。あの秀夜っていうダークインフィニティの変身者を、蓮は知っているのか…?

 

そして、ダークインフィニティは自身の剣に自身のベルトに入っているデータボトルを差し込んだ。

 

「はぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

「ぐぁぁぁぁぁぁっ…!」

 

その斬撃を受けた蓮は、再び強制変身解除になり気絶してしまった…

 

「蓮くん!」

 

「クソっ、一旦引くぞ!」

 

『スペシャルアタック!スモーク!』

 

俺はその場に煙を出し、蓮を抱えてみんなとその場から離れた。

 

 

 

 

「蓮!?」

「どうしたのですか!?」

 

音ノ木坂学院のアイドル研究部の部室までやって来た俺達。他のメンバーはもうみんな来ていて、気絶した蓮を担いできた事に、驚いている。とりあえず、椅子を3つ並べてそこに蓮を寝かせた。

 

「それが…」

 

 

 

「そんな事が…」

 

俺はさっきあった事を説明した。

 

「蓮とあの秀夜ってやつは、どういう関係なんだ…」

 

それに、俺はあの秀夜というやつと会った事があるような気がする…どこで…あっ、そうだ。優奈を探しに行った時、神田明神ですれ違ったのはあいつだ!いや、でもそれじゃない…もっと、他に何かが…

 

「優くん?どうしたの?」

 

難しい顔をしていた俺に、そうことりが問いかけてくる。

 

「いや、なんでもない。それより、花陽は大丈夫なのか?」

 

「えっ、私?」

 

「あぁ。前に不良から助けてもらったっていうのも、あの男だったんだろ?」

 

「うん…もちろん悲しいけど、私は大丈夫だよ。」

 

「そっか…」

 

「うっ、うぅ…」

 

俺達が話していた間に、蓮が目覚めたようだ。

 

「蓮、大丈夫か?」

 

「優…みんな…」

 

蓮はゆっくりと起き上がり、椅子に座る。その顔は、いつもの冗談を言ったりする元気な蓮じゃない…

 

「蓮…お前と、あの秀夜って男は、どういう関係なんだ?」

 

「俺とあいつは…親友だった…」

 

その言葉に、俺を含むその場にいる全員が驚きを隠せない。

 

「俺には、3人の親友がいるんだ。1人は、さっき言った秀夜…もう1人は、俺より2つ年下の悠斗。そしてもう1人は…」

 

「拓真…」

 

俺は蓮の話を聞いていると、その名前がふと頭に浮かんだ。

 

「優?なんで知ってんだ…?」

 

「えっ…?」

 

「いや、俺が今言おうとした名前、拓真だぞ。」

 

「そうなのか…?なんでだろ…なんか、頭に浮かんできたんだ…」

 

「…?とりあえず、話を続けるな。」

 

そんな俺に蓮は不思議な顔をしながらも、話を続ける。

 

「俺達4人は幼馴染で、小学生の頃なんか毎日のように遊んでた。けど、中学に上がる頃、秀夜が引っ越す事になったんだ。それでも、連絡を取り合ってたりしてたんだけど、なんか突然連絡がつかなくなっちまったんだ…まさか、こんな事になってなんて…なんで…なんでなんだよ…秀夜…」

 

そう涙を流す蓮。部室には、蓮の涙を流す声だけが聞こえている。

 

「とにかく、今日は練習どころじゃないし、解散にしましょ。蓮も、今日はゆっくり休んだ方がいいわ。」

 

絵里の言葉で、今日は解散する事に。

 

「凛。悪いんだけど、ちょっと蓮についててくれないか?多分、今あいつを1番支えられるのは、凛だと思うんだ。」

 

「もちろんにゃ。凛が出来るか分からないけど、元気ない蓮くんは嫌にゃ。」

 

「悪いな。」

 

部室を出る前、俺は凛にそう頼んだ。俺はさっきの蓮の話を聞いてから、俺は何故かモヤモヤしている。蓮の気持ちを考えたら俺も辛い…ただそれだけじゃない…

 

「優、私達も帰りますよ。」

 

俺が1人、冷や汗を流して考え込んでいると、海未が、穂乃果とことりと一緒にそう言ってきた。

 

「悪い。俺はちょっと、やらなきゃいけない事があるんだ。先に帰っててくれ。」

 

「やらなきゃいけない事?」

 

「あぁ、ちょっとな。」

 

「…?分かった、じゃあまたね。」

 

「あぁ、またな。」

 

俺は穂乃果達と別れ、ある場所に向かう。

 

〜side out〜

 

 

 

 

 

〜side ことり〜

 

「あっ!」

 

優くんがどこかへ向かったすぐ後、私はある事を思い出して声を出した。

 

「ことりちゃん?」

 

「どうしたのですか?」

 

「それが、お母さんが今日の夕方の会議で使う資料を忘れたから、練習の時ついでに持ってきてって言われてたんだ。今から渡してくるから、穂乃果ちゃんと海未ちゃんは先に帰ってて。」

 

「待っていますよ?」

 

「ううん、大丈夫だよ。先に帰ってて。」

 

「分かりました。」

 

「じゃあまたね、ことりちゃん。」

 

「うん。」

 

私は2人に別れを告げ、理事長室に向かった。

 

〜side out〜

 

 

 

 

 

〜三人称視点〜

 

ダークインフィニティに変身していた男…秀夜という男は、この前の謎の女と話している。

 

「逃げられはしたものの、ネイチャーにトドメを刺しかけた。あなたも、やっと戦う気になったのね。そこで、あなたにこれを渡しておくわ。」

 

「これは、新しいベルトとデータボトル…?」

 

「そう。これは、あなたが更に強くなれる新しいベルトと強化アイテムよ。けど、今のあなたじゃ使えないと思うけどね。」

 

「どういう事だ?」

 

「これは、装着者の意思とリンクしている。あなたがネイチャーを倒し、我々と共に戦うと強い意志を持って決断した時、使えるようになると思うわ。」

 

「なんで意思とリンクする、なんて面倒な事したんだよ?」

 

「元々、ライダーシステムは装着者の意思が強ければ強いほど、そのライダーのパワーも上がる。さっきも、あなたの意思が強くなったから、インフィニティやネイチャーよりも強くなっていたのよ。

 

このベルトで変身すると、ダークインフィニティ以上の力が出せる。そのため、変身する前から強い意志が必要って事よ。」

 

「なるほどな…安心しろ。次は、絶対に蓮…ネイチャーを倒す…!」

 

「そう。期待してるわ、ふふっ…」

 

不敵な笑みを浮かべ、謎の女はそう言った。

 

〜side out〜

 

 

 

 

 

〜side 優〜

 

「失礼します。」

 

俺が3人と別れて向かった場所は理事長室。

 

「仮野くん?どうしたの?」

 

「突然すみません。この前貸してもらった本についてなんですが…」

 

俺はそう言いながら、この前の本を開く。

 

「もしこの本に書かれている事が正しいなら、究極の姿に変身する力がこの音ノ木坂学院に隠されているはずです。音ノ木坂学院に、何かが隠されているという事は聞いた事ありませんか?」

 

俺が理事長室に来たのは、あの本に書かれていた究極の姿に変身するための力の事を知っているか聞くため。そんな力が本当にあるのか、あったとしてもインフィニティドライバーで使えるのかは分からないが、かけてみる価値はある。

 

「うーん…そんな話は聞いた事ないわね…」

 

「なんでもいいんです!ちょっとした手がかりでもいいんです。何か、聞いた事はありませんか?」

 

「落ち着いて。どうして、そんなに焦っているの?」

 

「すいません…けど、俺はどうしても強くならないといけないんです。」

 

今のままじゃ、強くなったダークインフィニティには敵わない…蓮との同時攻撃でやっと相討ち…けど、蓮は戦えないと思う。なら、俺がダークインフィニティを止めるしか…

 

「たとえその究極の姿に変身できたとしても、仮野くん、あなたが死んでしまうんじゃないの?私は、生徒が死ぬような力を渡さないわ。」

 

「……大丈夫です。俺は死ぬような力だったら使いませんから。だから、教えてください…」

 

「……はぁ…さっき言った通り、その力を使うためのアイテムの事を、私は知らないわ。けど、手がかりならあるかもしれない。」

 

「それは?」

 

「この学校に長方形で、何かが書かれている岩があるのを、知ってる?」

 

「はい。この学校に来てすぐ、茜に学校を案内してもらった時に見ました。確か、この学校が建てられるよりも前からあるものなんですよね?かなり昔からある特別な岩で、謎が多いとも聞きました。」

 

「そうよ。今あなたが言った通り謎が多く、なんのためにあるものなのか分からないんだけど、私が理事長に就く時、ある噂…いえ、伝説を聞いたの。」

 

「伝説?」

 

「えぇ。さっき言った岩に、ある宝石のような物を決まった数置けば、何か隠されている物が現れる。そんな話を聞いた事があるわ。そして、その宝石のような物の1つが、これよ。」

 

そう言って、理事長は大切そうに理事長の机の鍵付き引き出しに閉まってある箱を取り出し、開けて中身を見せた。

 

「それは…!」

 

俺はそれに見覚えがあった。過去µ’sの合宿に2度行ったが、その両方で俺が見つけたあの宝石…財団Xも狙っていて、姉ちゃんに調べてもらい、インフィニティシステムの根源のような物を封印した石と似ていた。

 

なるほど…この石…というか宝石は、インフィニティシステムの根源を封印したのには変わりないけど、この宝石を使って、更に指定の場所に置かなければいけなかったのか…

けど、これで確信した。究極の姿に変身するための物は、インフィニティに変身する俺が使う事の出来る物って事だ。

 

「これは、音ノ木坂学院が創設された時から、代々理事長が大切に保管しているわ。この伝説が本当なのかは分からないけど、本当だった場合これを受け継いでも大丈夫な人に託すため、密かに保管していた。私は、あなたなら大丈夫だと思って、これを託そうと思うわ。」

 

「理事長…ありがとうございます!」

 

「ただし!絶対に、無茶はしないでね。私は戦う力なんて持っていない。大切な生徒が怪物と戦って危険な目に遭っているのを、指をくわえて見てる事しか出来ない自分が悔しい。でも、私は戦う事が出来ない。大切な生徒…それに大切な娘まで戦っているというのに…」

 

「理事長、ことりが仮面ライダーになった事を…?」

 

「えぇ、ことりから聞いたわ。その時、ことりが言ったの。

 

『私は、お母さんにどれだけ反対されても戦うよ。これまで優くんはたった1人で、危険な戦いをしてた。私は、それを近くで見守ってる事しか出来ないかった。だから、私が変身出来るようになった今、私は少しでも優くんの力になれるように、少しでも多くの人を守るために戦いたいの!』

 

って。あんなに真剣なことりは、あんまり見た事なかった。だから私も、ことりの意見を尊重したの。」

 

「理事長…本当に申し訳ありません…俺が、もっとしっかりと止めておけば…」

 

「いいえ。さっきも言った通り、私はことりを信じてあの子の意見を尊重した。それに、私は仮野くんの事だって信じてる。だから、この宝石をあなたに託すわ。」

 

「本当にありがとうございます!」

 

俺は頭を下げてそう言った。俺は、理事長に感謝してもしきれないな…

 

その時、

 

ガチャ

 

理事長室の扉が開いた。

 

「ん?」

 

俺が扉の方へ振り返ると、入ってきたのはことりだった。

 

「ことり?帰ったんじゃなかったのか?」

 

「うん、お母さんに渡さないといけない物があって。はい、これ頼まれてた書類。」

 

「ありがとう。」

 

「じゃあ、私は帰るね。」

 

そう言って、ことりは理事長室から出ていった。

 

「俺もこれで失礼します。本当にありがとうございました。」

 

「あっ、もう1ついいかしら?」

 

「なんですか?」

 

「こんな時に聞くのもあれなんだけど…」

 

 

そこで俺は、理事長にあることを聞かれた。タイミングがいいのか悪いのか…まさか今、こんな事を頼まれるなんて思ってもなかった…

 

 

「じゃあ、これで失礼します。本当にありがとうございました。」

 

俺は理事長との会話を終え、そう言った。

 

「仮野くん。さっきも言ったけど、絶対に死ぬような力なら使わないでね。人の命を守るあなたは、とても素晴らしいわ。けど、自分の命も大切にして。約束よ。」

 

理事長室を出る前、俺は理事長にそう言われた。

 

「……はい。失礼します。」

 

俺はそう返事し、理事長室から出ていった。

 

 

 

 

理事長…ごめんなさい。俺は、その約束を守るとは言いきれません。

 

 

俺は、なんでこんな大事な事を忘れていたんだ…自分の大切な友人…それに、まだもっと何か大事な事を忘れている気がする…

 

なんだよ…転生しても、俺は俺のままなのかよ…結局俺は、転生しても最低な大馬鹿野郎なのかよ…

 

〜side out〜

 

 

 

 

 

〜side 蓮〜

 

なんで、秀夜がダークインフィニティなんだよ…けど、秀夜の事だ。多分、何か理由があるんだろう。それがどんな理由だとしても、俺はお前を止める。大事な、親友だからこそ…

 

 




次回の、µ’sと仮面ライダーの物語!

ダークインフィニティの正体が蓮の親友だと分かり、更に優も何なを思い出す。そして、3つの封印を解くための宝石を揃えた優は、封印を解いてダークインフィニティと戦おうとする…

次回、『89話 封印されたデータボトル』





はい、今回多分初の1話の文字数が1万文字を超えました。結構長かったかもしれません。

そしてとうとう明かされたダークインフィニティの正体は、蓮の前世での親友。更に、優とも何か関わりがある人物なのか…?


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