μ’sと仮面ライダーの物語   作:シーチ

99 / 136
はい、97話です。

皆さん、2週間投稿を休んでしまいすみません。少し私生活の方が忙しくて、投稿が出来ませんでした…不定期更新と言っていますが、一応週一ペースでは更新していくつもりです。しかし、今回のように予告無しに休んでしまうこともあると思います。すみません。

では97話、スタートです!


97話 サバイブと最強の鬼

〜前回のラブライブ!、μ'sと仮面ライダーの物語!〜

 

優「俺、穂乃果、ことり、海未。その4人の前に、仮面ライダー王蛇、浅倉威が現れた。そんな王蛇と戦う俺たちだが、王蛇の圧倒的なパワーに押されてしまう…そして、俺は王蛇に倒されて病院に搬送された。なんとか一命を取り戻したが、意識不明のまま…

 

えっ?じゃあ今話してる俺は誰かって?それは…大人の事情ってやつだ。

 

とっ、とにかく、どうなる97話!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜side 優〜

 

「うっ…うぅ…ん…?」

 

俺が目を覚ますと、白い天井が見えた。

 

「ここは、病院か…?そうだ。俺、王蛇に…」

 

とりあえず、ナースコールを押すべき、だよな…?俺がそう悩んでいると、

 

「目が覚めたのか、学生。」

 

飛彩さんが入ってきた。

 

「飛彩さん…ってことは、聖都大学附属病院に入院したんですね。」

 

そう言いながら、俺は病室に置いてあるデジタル時計を見る。時刻は午後5時。日付は王蛇と戦った次の日だった。

 

「って、俺こんなに寝てたんですか!?」

 

「あぁ。無理もない話だろう。お前が運ばれてきた時一緒にいた3人には言ったんだが、学生の体はかなり強化され、生命力や回復力が並のものでは無い。それは自分でも分かっているんだろ?」

 

「はい。仮面ライダーインフィニティに変身した事で、俺は普通の人よりも高い回復力を持っています。」

 

「そうか…しかし、それによって蓄積された疲労も溜まっていた。今回は少なくとも、1週間は入院だ。」

 

「そんな!その間に財団Xが現れたら…」

 

「1週間は入院しないと、まともに戦う事なんて出来ないぞ。それに、お前の仲間だって、戦えるようになったんだろ?」

 

「けど、今回の敵は強敵です…人を殺すことになんの躊躇いもなく、戦いをただ楽しんでいる。μ'sは最終予選だって近いのに、そんな危険な相手と戦わせる訳にはいかないんです。」

 

「だが、危険な相手と戦ってまた傷を負うことなるのは、お前も同じだ。」

 

「違います!俺は人を守るために仮面ライダーになったんです!俺が今1番やらなきゃいけないことは、人を助けることと、μ'sのみんなをサポートする事なんです。だから、俺は戦わなきゃいけないんです…そのために、俺は…」

 

この世界に転生してきたんだ…最後のその一言は、声に出さず心に深く言い聞かせた。

 

「俺はお前が何を背負っているのかは知らないが、このまま無茶を続けると学生自身が持たなくなる。それは、しっかりと自分でも覚えとけ。それで、今回の敵はどんな相手なんだ?」

 

「王蛇っていう仮面ライダーに変身する男です。」

 

「王蛇?まさか…そのライダー、蛇のモンスターの力を使ってなかったか?」

 

「えっ?あぁ、はい。使ってました。知ってるんですか?」

 

「あぁ。俺の知っている王蛇だとしたら、やつの名は浅倉威。俺も1度戦ったことがあるだけで、詳しくは知らない。が、やつは1度死に、何者かの力によって蘇ってきたらしい。その時俺と戦った。その時また死んだはずだが、まさかまた蘇っていたとは…医者としては信じられないな。」

 

「もしかして、前に浅倉威が蘇った時も、財団Xが関わっていた…?飛彩さん、何か財団Xが関わってそうな手がかりとか、ありませんでしたか?」

 

「いや、そんなものは特になかったぞ。強いて言えば、その時使ったナイトオブサファリガシャットが、消えたことぐらいだ。」

 

「ガシャットが、消えた…その、ナイトオブサファリってガシャットは、黎斗さんが?」

 

「いや、確かあのガシャットは研修医が…待て、確か財団Xという組織は、白い服を着ているのが特徴だったな?」

 

「はい。」

 

「確か、ナイトオブサファリガシャットは研修医が白服の男とぶつかった時に、ポケットに入れられていたと言っていた。」

 

「じゃあやっぱり、その時も財団Xが…だとしたら、財団Xは死人を蘇らせる事が出来るのか…?」

 

 

コンコン

 

 

その時、俺がいる病室の扉がノックされ、俺と飛彩さんの会話は途切れた。

 

「優くん、目が覚めたんだ!良かったぁ…」

 

俺の病室に入ってきたのは、ことり、海未、蓮、秀夜が入ってきた。

 

「あぁ、悪いな。心配かけて。」

 

「ううん。みんなも来たがってたけど、病院に大勢で行くのは迷惑だと思って、練習を早めに終えて4人で来たんだ。」

 

「……ありがとな。」

 

「りんご買ってきたんで、剥きますね。」

 

そう言って、海未がりんごの皮を剥き始める。

 

「ありがとう。」

 

「あんたが鏡飛彩さん?」

 

俺が穂乃果達と話している時、蓮が飛彩さんにそう言った。

 

「なんだお前は?」

 

「初めまして、俺は宮崎蓮。仮面ライダーネイチャーだ。」

 

「俺は黒崎秀夜。仮面ライダーイボルブです。」

 

天才外科医であり、年上の飛彩さんに堂々と挨拶する蓮と、実は意外と礼儀正しい秀夜が自己紹介した。

 

「新しい学生の仲間か。俺は鏡飛彩、天才外科医だ。」

 

「自分で天才って…」

 

「事実だからな。俺に斬れないものはない。」

 

そんな感じで、蓮と秀夜が飛彩さんに挨拶を済ませた。

 

「どうぞ。」

 

「いただきます。」

 

俺は海未が剥いてくれたりんごを食べる。すると、また扉が開いた。

 

「お兄ちゃん大丈夫!?」

 

「優奈、雪穂ちゃんに亜里沙ちゃんまで。来てくれたのか。」

 

病室に入ってきたのは優奈、雪穂ちゃん、亜里沙ちゃんの3人。

 

「当たり前だよ。入院したなんて聞いたから、学校終わって慌てて来たんだよ?お姉ちゃんも、仕事が終わったら来るって。それで、私の話聞いて、雪穂も亜里沙も来るって。」

 

優奈が言う仕事とは、女神様の仕事の事だろう。

 

「2人とも、ありがとな。」

 

「いえ、私達も心配ですから!」

 

「私もです!」

 

そう言う雪穂ちゃんと亜里沙ちゃんを見て、彼女たちは本当に優しいんだと思った俺。μ'sのみんなも然り、この世界に来てからは、本当に優しい人達と出会ったんだなと実感する俺であった。

 

「そういえば雪穂、穂乃果の具合はどうですか?」

 

「穂乃果の具合?」

 

海未の言葉を疑問に思った俺がそう聞くと、ことりが答える。

 

「穂乃果ちゃん、今日お休みだったの。だから、風邪なのかなって思って。連絡しても、出れないみたいだし…」

 

「えぇっ、お姉ちゃんが休み?お姉ちゃんなら、朝『遅刻だー!また海未ちゃんに怒られるー!』って騒ぎながら行きましたよ?」

 

「そうなんですか?待ち合わせ場所に穂乃果がいつまで経っても来ないので、学校に行ったんですが、結局1日来ませんでしたよ?」

 

「そんなはず、ないと思いますけど…」

 

海未と雪穂ちゃんの言葉を聞いて、俺は嫌な予感がした。

 

「飛彩さん、俺もう退院します。」

 

「お兄ちゃん、何言ってるの!?」

 

「馬鹿を言うな。少なくとも1週間は、ここに入院してもらう。」

 

「でも、穂乃果が理由もなしに学校に行かないわけない。何かあったのかも…」

 

「それは私たちに任せてください。優はしっかりと、休養を取ってください。」

 

「でも、もし浅倉が関わってるなら、危険すぎる…」

 

「俺と秀夜もいるんだし、大丈夫だ。とりあえず、お前は体を回復させる事だけを考えろ。」

 

「みんな……分かった…穂乃果を頼んだ。」

 

みんなに反対され、俺は渋々入院生活を続けることになった。

 

「あっ!」

 

「秀夜?」

 

「どうかしたのか?」

 

突然声を上げた秀夜に、俺と蓮が問いかけた。

 

「そういえば、穂乃果が持ってるハイパーメカアニマルから、通信とかなかったのか?敵の反応をキャッチすると、優のスマホとインフィニティブレスに連絡来るって言ってたよな?」

 

「そういえば…あっ、通信が来てた!寝てたから気づかなかったのか…朝6時前。穂乃果が朝練のために神田明神に向かってる途中、財団X…恐らく、浅倉威が襲ったんだろう。場所は、ここだ。」

 

そう言って、俺はスマホの地図を見せる。そこには、今穂乃果が持ってるベアーハイパーメカアニマルに付いてる発信機が示している場所が表示されている。

 

女子高生に発信機の付いている物を持たすのはちょっとあれだが、今回のような緊急事態にしか使わない。それに、穂乃果たちの了承も得ている。

 

「とにかく、俺達はそこに向かう。優はしっかりと休んどけよ。」

 

「悪い、頼む。」

 

そして、4人は病室から出ていった。優奈たち3人も、帰って行った。

 

〜side out〜

 

 

 

 

 

〜side 蓮〜

 

俺たち4人は、発信機が示している場所に来た。そこは使われていない廃工場。いかにもって感じの場所だな…

 

「海未、ことり。危ないし、俺と秀夜に任せてもいいんだぞ?」

 

俺が2人にそう言うが、

 

「逆に、これまで危なくなかった戦いなんてありません。」

 

「それに、穂乃果ちゃんが攫われたんだよ。私たちだって心配だし、助けたい気持ちは同じだよ!」

 

海未とことりの答えは変わらない。

 

「分かった。」

 

そして、まずは俺と秀夜が。それに続いて、海未とことりが廃工場に入る。

 

静かに廃工場の中へ入っていくと、廃工場の奥にある部屋へとたどり着く。恐らく、この部屋に浅倉がいると思う…

 

「隠れながらは無理か…正面から行くしかない。入るぞ。」

 

俺はドアノブに手をかけ、ドアを思いっきり開けた。

 

「穂乃果!」

 

しかし、ドアを開けた先には、鎖が巻かれているベアーハイパーメカアニマルしかなかった。

 

「これは…フェイクを仕掛けられたってことか…」

 

「そんな…穂乃果ちゃん…」

 

「これじゃ、穂乃果の居場所の手がかりが…」

 

「聞いた浅倉威の人物像から考えても、浅倉威がこんな事考えるとは思えない。やっぱり、財団Xの指示か…」

 

唯一の穂乃果の手がかりが外れた事に、落胆する俺たち。

 

「こうなったら、とにかく探すしかねぇ…もう暗いし、2人は帰った方がいい。」

 

「後は俺達が探しておくから。」

 

「でも!」「ですが!」

 

「もしかしたら、2人も狙われてるのかもしれないんだぞ。送ってくから、2人は帰れ。」

 

「……うん…」

 

「分かりました…」

 

俺は海未を、秀夜はことりを家まで送るため、別れてそれぞれを送り届けた。

 

 

「じゃあ、また明日な。俺は穂乃果を探してくる。」

 

「はい。見つかったら、連絡してください。後、この子を貸しておきます。良かったら、使ってください。」

 

そう言って、海未はカードを1枚取り出し、そこからラビットハイパーメカアニマルを召喚した。

 

「これ、海未のラビットハイパーメカアニマル。ありがと。」

 

俺はラビットハイパーメカアニマルを受け取って、

 

『スペシャル召喚 ライドネイチャー!』

 

「行ってくる!」

 

ライドネイチャーを走らせた。

 

 

 

しばらく走っていると、前からライドイボルブに乗った秀夜が見えた。

 

「秀夜!」

 

「蓮、とりあえず俺達が持ってるメカアニマルにも手伝ってもらって、手当り次第に探すしかない。」

 

「あぁ。」

 

『『『スペシャル召喚』』』

 

『ドラゴンメカアニマル!』

 

『ウルフハイパーメカアニマル!』

 

『バットハイパーメカアニマル!』

 

俺達は一体のメカアニマルと、2体のハイパーメカアニマルを起動させた。

 

「ことりから、こいつも預かってきた。」

 

そう言った秀夜の手の上にいたのは、ことりのシープハイパーメカアニマル。

 

「お前も、手伝ってくれるか?」

 

フェイクの廃工場に仕掛けられていた、穂乃果のベアーハイパーメカアニマルに聞くと、小さく頷いた。5体のハイパーメカアニマルと、ドラゴンメカアニマルに、穂乃果の捜索に向かってもらった。

 

「よし、俺達も探すぞ。」

 

「あぁ。」

 

俺と秀夜も、バイクを走らせて、穂乃果を探しに向かった。

 

〜side out〜

 

 

 

 

 

〜三人称視点〜

 

「穂乃果ちゃん…」

 

家に帰ってきたことりは、自室で1人、穂乃果を心配して声を漏らす。

 

 

「穂乃果…」

 

それと時を同じくして、海未も自室で1人、穂乃果を心配して声を漏らす。

 

 

そんな2人のスマホに、同時に電話がかかってくる。

 

「穂乃果ちゃん!?」

 

穂乃果からの連絡かと思ったことりだが、

 

「違う…非通知だ。誰からだろう…?」

 

穂乃果ではなく、非通知からの電話だった。少し疑問に思いながらも、ことりは電話に出る。

 

「はい、もしもし。」

 

『どうも。南ことりさん。』

 

「どこかで聞いたことがある声…えっとぉ…ごめんなさい、誰ですか?」

 

『財団Xのグラス、と言ったら分かりますか?』

 

「…!?あなたが私に何の用ですか?」

 

さっきまでのぷわぷわしたことりの声のトーンが、少し下がってそう聞いた。

 

『あなたの大切なお友達、今どこにいるか分からない方がいますよね?』

 

「まさか、穂乃果ちゃん!?やっぱり、あなた達が穂乃果ちゃんを…穂乃果ちゃんを返して!!」

 

『まあまあ、少し落ち着いてください。』

 

 

そして、海未の方にも同じ内容の電話が、財団Xのクロッカーから電話がかかってきていた。

 

「穂乃果をどこにやったんですか!」

 

『まぁ、落ち着け。高坂穂乃果を返して欲しかったら、こちらの要求を飲んでもらう。』

 

「何が目的ですか…」

 

『明日の午前8時、今から言う場所に、お前と南ことりの2人だけで来い。もちろん、他言無用でな。』

 

「私とことりの2人…何故ですか?」

 

『別に、そんな事話す必要などない。高坂穂乃果を助けたければ、俺達の言うことを素直に聞け。場所は…』

 

そして、海未はクロッカーから場所を伝えられる。

 

「分かりました…」

 

海未がそう言ったのを聞いて、クロッカーは電話を切った。

 

「穂乃果…絶対に助けます!そうだ、ことりに…」

 

海未はクロッカーとの電話を切ったスマホの連絡先を開き、ことりに電話をかける。

 

「ことり!」

 

『海未ちゃん!もしかして、海未ちゃんにも電話が?』

 

「もしかして、ことりにも?」

 

『うん。』

 

「ことり、覚悟は出来てますか?」

 

『もちろん。蓮くんや秀夜くん、優くんにも内緒って事だよね?』

 

「えぇ…他言無用と言っていましたし。それに、優に話した場合、病院を抜け出してしまうでしょうし。」

 

『そうだね。じゃあ、また明日ね。』

 

「えぇ。」

 

そう言って、海未とことりは電話を切った。

 

 

 

海未と電話を終えたことり。

 

「穂乃果ちゃん…絶対に助けるよ!でも、今の私じゃ、あの浅倉って人の強さには…」

 

穂乃果を助けたい気持ちでいっぱいなことりだが、浅倉威の強さに敵わないと思ってしまうことり。そんな時…

 

 

キーン…キーン…キーン…

 

 

と音が聞こえた。

 

「なっ、なんの音…!?もしかして、この中から?」

 

音の出どころを探ったことりは、自室の鏡からだと気づく。すると、鏡の中に3体のモンスターがいる。

 

「あれって、確か…ミラーモンスター?」

 

鏡の中にいたのは、ゲルニュートという赤いミラーモンスターが3体。

 

「そういえば、仮面ライダー龍騎は本当は鏡の中の世界、ミラーワールドで戦うんだったよね。よしっ!」

 

ことりは、その鏡に龍騎のデッキを向ける。すると、Vバックルがことりの腰に巻き付けられる。

 

「変身!」

 

ことりはVバックルに龍騎のデッキをセットし、仮面ライダー龍騎に変身した。

 

「しゃっ!」

 

そう言って、ことりはミラーモンスターへと入っていった。

 

 

 

ことりはミラーワールドに入るまでの異次元空間、ディメンションホールに入ってきた。そこに、ライドシューターが置いてある。

 

「これに乗らないと、ミラーワールドに行けないんだよね…?バイクの免許とか持ってないけど…仕方ないよね。」

 

そう言って、ことりはライドシューターに乗り込んだ。

 

 

ライドシューターを走らせ、ミラーワールドまでやって来たことり。そこに3体のゲルニュートがいる。

 

「やぁ!」

 

ことりは3体のゲルニュートへ殴り掛かる。

 

「穂乃果ちゃんを助けないといけないのに、あなた達の相手なんてしてられないんです!」

 

『ストライクベント』

 

ことりは腕にドラグレッターの頭部、ドラグクローを取り付けた。

 

「はぁ…やぁぁぁ!」

 

ことりはドラグクローから炎を吐き出し、まずは2体のゲルニュートを倒した。

 

『ファイナルベント』

 

すると、ドラグレッターが現れ、ことりは空中へ飛んだ。そして、ドラグレッターが吐き出した炎に包まれながら、残りの1体のゲルニュートへドラゴンライダーキックを放ち、倒した。

 

「よし…」

 

ゲルニュートを倒した事を確認したことりは、ミラーワールドから現実の世界に戻ろうとした。その時…

 

「ん…誰?」

 

ことりの前に、人影が見えた。

 

「仮面ライダー…?」

 

その人物…といえるのか分からないが、そいつは金色の仮面ライダーだ。

 

「私は仮面ライダーオーディン。」

 

「オーディン…?あなたは、何者?」

 

「知る必要は無い。」

 

そう言った仮面ライダーオーディンは、1枚のカードをことりに投げた。それをことりは、人差し指と中指で挟み取った。

 

「これって、アドベントカード?」

 

ことりが受け取ったアドベントカードには、炎の中に鳥の羽が描かれている『サバイブー烈火』のカード。

 

「これを使え。そして戦い、強くなれ。南ことり。」

 

そう言って、去ろうとするオーディン。

 

「待って!このカードは何?あなたは、何者なんですか!」

 

その疑問に答えないまま、オーディンは去っていってしまった。

 

「なんだったんだろう…」

 

そう疑問を残し、ことりはミラーワールドから通常の世界に戻った。

 

 

 

その頃、海未は家にある道場で黙想し、正座していた。

 

「(穂乃果を助けるには、もっと強くならなければなりません。しかし、期限は明日の8時…何としてでも、穂乃果を助けなければ!)」

 

海未はそう心に誓い、音撃棒を取り出し特訓を始めた。

 

 

「駄目です…この程度の力じゃ、王蛇には勝てない…」

 

額に汗を流しながら言う海未。

 

「進化した響鬼紅の力でも、王蛇にダメージを与える事すら出来なかった。もっと…もっと強く!はぁ!」

 

海未は再び、音撃棒で敵を倒すイメージで特訓を始めた。

 

 

 

その頃、穂乃果が捕えられている場所では…

 

「なんでこんな事するの?」

 

浅倉威に、椅子に縛られている穂乃果がそう問いかけた。

 

「なんで?面白いからに決まってるだろ。ライダー同士の戦い、生きるか死ぬかの戦い、こんなに面白いことはない。」

 

「戦いが面白い?なんで、そんな風に思えるの?穂乃果は、仮面ライダーになってみんなを守るために戦ってる。けど、相手が悪い怪物だと分かっていても、殴ったりするのは泣きそうになるぐらい辛いよ…」

 

「ふんっ…人を守るため?そんなのただの綺麗事だ。他人のために戦って何になるってんだ。」

 

「だって、知らない人だとしても、怪物たちに命を奪われていくのは辛いんだもん!それをただ見てるだけなんて、穂乃果は耐えられない。穂乃果は、人の笑顔を見たい。だから、穂乃果は戦うの!」

 

「昔1人いたな。そんな事を言うやつが…」

 

「えっ…?」

 

キーン キーン キーン

 

すると、近くの鏡から音が鳴る。

 

「なっ、何?」

 

焦る穂乃果とは対照的に、浅倉は動じない。そんな鏡の中に見えたのは、浅倉に盾にされたガイの契約モンスターであったメタルゲラス。

 

「お前は…そうか。契約者を殺されたから、俺を殺しに来たのか。」

 

すると、浅倉へ向かってメタルゲラスが飛び出し、浅倉の命を奪おうとしてくる。そんなメタルゲラスに向かって、浅倉は1枚のカードを翳す。すると、そのカードが光り、メタルゲラスが吸い込まれた。

 

浅倉が翳したカードは『コントラクト』。そのカードにメタルゲラスが吸い込まれた事で、浅倉はメタルゲラスと契約した。

 

 

 

 

 

そして、翌朝を迎えた。ことりは母と2人で朝食を取っている。

 

「仮野くんの様子はどうだった?」

 

「うん。もう目が覚めてて、1週間で退院だって。あのね、お母さん。今日、ちょっと遅刻しちゃうと思う。」

 

「えっ?」

 

ことりが言った言葉に、ことりの母は疑問の声を漏らす。

 

「けど、絶対に行くから。穂乃果ちゃんと、海未ちゃんと一緒に。」

 

「ことり…分かったわ。絶対、無事に帰ってきてね。」

 

「うん!」

 

ことりが仮面ライダーだと知っていることりの母は、ことりの真剣な眼差しを見て、戦いに行くのだと察しが付き、優しくそう声をかけた。そんな母の言葉に、ことりははっきりと答えた。

 

 

 

 

 

「海未ちゃん、おはよう。」

 

「おはようございます、ことり。」

 

「じゃあ、行こっか。」

 

「はい。」

 

待ち合わせ場所で、ことりと海未はそう会話を交わし、穂乃果が捕えられている場所に向かった。

 

 

時刻は8時。海未とことりは、約束の場所にやって来た。穂乃果が捕えられている場所は、ベアーハイパーメカアニマルがいた場所とはまた別の廃工場。やはり、廃工場なだけあって、悪の溜まり場感満載である。

 

「これは、正面からしか入れそうにないですね。」

 

「うん。行こう!」

 

海未とことりは、廃工場の中へと入る。

 

「約束通り来ましたよ!」

 

「穂乃果ちゃんを返して!」

 

そう言いながら中に入った2人の耳に、

 

「海未ちゃん!ことりちゃん!」

 

穂乃果の声が聞こえた。

 

「穂乃果!」「穂乃果ちゃん!」

 

「来たか。」

 

そこに現れた浅倉威。その横には仮面ライダーシザースも。

 

「早く穂乃果を返してください!」

 

「ただで返すわけないだろ。俺を倒したら、その女連れてけよ。」

 

そう言った浅倉は、近くに置いてある鏡に王蛇のバックルをかざす。

 

「変身!」

 

浅倉は、仮面ライダー王蛇に変身した。

 

「あぁ…」

 

「やるしかないようですね。ことり、行きますよ。」

 

「うん!」

 

ことりは浅倉が使った鏡に龍騎のバックルをかざした。

 

「変身!」「はぁぁぁぁ…たぁ!」

 

ことりは仮面ライダー龍騎に、海未は仮面ライダー響鬼に変身した。

 

「「やぁぁぁぁぁぁ…!」」

 

2人は駆け出し、海未はシザース、ことりは王蛇と戦い出す。

 

 

「穂乃果を助けないといけないのに、あなたに構っていられません。はぁぁぁぁ…たぁ!」

 

海未は仮面ライダー響鬼紅に変身した。

 

「はぁ!やぁ!たぁ!」

 

海未は音撃棒でシザースを叩いていき、

 

「灼熱真紅の型!たぁ!」

 

響鬼紅の必殺技、灼熱真紅の型で、シザースを倒した。

 

「ことり!」

 

海未がことりの元へ向かうと、王蛇のべノサーベルによる攻撃に、ことりが押されていた。

 

「たぁ!」

 

海未は音撃棒を王蛇へ振り下ろすが、べノサーベルで防がれる。

 

「あぁ!」

 

「くっ…!?」

 

そして、べノサーベルで斬りつけられ、海未は吹き飛ばされる。

 

『ソードベント』

 

ことりはドラグセイバーで王蛇へ斬り掛かるが、再び王蛇によって防がれる。

 

『ストライクベント』

 

そして、王蛇はストライクベントで、前にガイが使っていたメタルホーンを召喚した。

 

「あれって…前にガイって仮面ライダーが使ってた…なんであの人が?」

 

そう疑問に思ったことりを、王蛇がメタルホーンで突き刺そうとする。

 

「きゃっ!?」

 

その攻撃で、ことりは転ぶ。

 

「ことり!」

 

ことりを助けようとした海未。

 

『ファイナルベント』

 

すると、王蛇が仮面ライダーガイのファイナルベントのカードを使った。すると、メタルゲラスが現れた。

 

「おらぁぁぁぁ…!」

 

王蛇はメタルゲラスに足を乗せ、そのまま海未に向かって突進していき、メタルホーンで海未を突き刺した。それにより、海未は強制変身解除してしまった。

 

「くっ…」

 

「次はお前だ。」

 

『ファイナルベント』

 

王蛇が次にスキャンしたカードは、本来仮面ライダーライアが使うファイナルベントのカード。すると、エビルダイバーが現れ、それに乗って王蛇はことりに突進した。

 

「きゃああああ…!?」

 

その攻撃で、ことりまでもが強制変身解除。

 

「ことりちゃん!海未ちゃん!もう穂乃果の事はいいから、2人だけでも逃げて!」

 

傷ついていく2人を見た穂乃果は、涙を流しながらそう言った。

 

「そういう訳には、いきません…」

 

「穂乃果ちゃんは…大切な、友達だから!だから、私達は…」

 

「負ける訳にはいきません!」「負ける訳にはいかないの!」

 

そう言って、2人は立ち上がった。すると、ことりが持っている1枚のカードから、光が漏れる。

 

「これは…あの金色の仮面ライダーに貰ったカード…」

 

光り出したカードは、仮面ライダーオーディンから貰った『サバイブー烈火』のカード。

 

「園田海未。」

 

その時、財団Xのクロッカーが、海未に向かってある剣を投げた。

 

「これは…?」

 

海未が受け取った剣は、音撃増幅剣・装甲声刃(アームドセイバー)

 

「何故これを私に?」

 

「教える必要は無い。」

 

何故敵であるクロッカーが、パワーアップアイテムである装甲声刃(アームドセイバー)を渡したのか疑問に思った海未。しかし、今はそれどころじゃないと考えた。

 

「変身!」「はぁ…たぁぁぁぁ!」

 

ことりは仮面ライダー龍騎に、海未は仮面ライダー響鬼に再び変身した。

 

そして、ことりは『サバイブー烈火』のカードを、海未はアームドセイバーを取り出した。すると、ことりのドラグバイザーがドラグバイザーツバイに進化した。そして、『サバイブー烈火』のカードをドラグバイザーツバイの口先に入れた。

 

『サバイブ』

 

ことりは、仮面ライダー龍騎サバイブに変身した。

 

「よし…」

 

更に、海未はアームドセイバーを構える。すると、海未は仮面ライダー響鬼紅になり、

 

「はぁぁぁぁ…セイヤッ!」

 

そこに何体ものディスクアニマルが現れ、海未の体に装着されていく。海未は、仮面ライダー装甲響鬼(アームドヒビキ)に変身した。

 

 

 

 

 

その時、優の病室では…

 

「なんだ!?」

 

突然インフィニティブレスから2枚のカメンライドカードが飛び出した。そのカードは、龍騎と響鬼。エンプティ状態だったそのカードに、色がついた。

 

「どういう事だ…?何が起こったんだ?」

 

その事に困惑する優であった。

 

 

 

 

 

そして、王蛇と戦っていることりと海未は…

 

『ソードベント』

 

ことりが『ソードベント』のカードをスキャンし、ドラグバイザーツバイの先端に剣先が伸びる。

 

「「やぁぁぁ!」」

 

海未はアームドセイバーで、ことりはドラグバイザーツバイで王蛇へ斬り掛かる。王蛇はそれをべノサーベルとメタルホーンで防ごうとするが、防ぎきれない。

 

「何…?オラァ!」

 

その事に驚きながらも、王蛇は反撃する。しかし、海未がそれを防ぎ、ことりがそんな王蛇に斬り掛かる。

 

「グァ…!?何故だ…何故俺が負ける!」

 

『ファイナルベント』

 

ことりはファイナルベントのカードをスキャンした。すると、ドラグバイザーが現れ、バイクに変形した。海未はアームドセイバーを構える。すると、アームドセイバーが火を帯び、長くなっていく。

 

「はぁぁ…セイヤァァァ!!」

 

海未はそれで王蛇を斬りつけた。その直後、ことりがドラグバイザーに乗り、走り出した。そしてドラグバイザーが炎を吐き出しながら、王蛇を轢き潰した。

 

「ぐあぁぁぁぁぁ…!?」

 

それにより、王蛇は強制変身解除。浅倉威の体が、段々と消えかけていく。

 

「何故だ…もっと戦わせろ。もっと、たたか…わ、せろ…」

 

そして、浅倉威は消えた。最後まで、戦うことを望んで…

 

「やりましたね…」

 

「うん。穂乃果ちゃん!」

 

「穂乃果!」

 

穂乃果に駆け寄り、縛りを解く海未とことり。すると、穂乃果は涙を流しながら2人に抱きつく。

 

「うあああん!!ありがとぉ!2人ともありがとう!」

 

「気にしないでください。」

 

「穂乃果ちゃんが無事で良かった!」

 

「海未ちゃん…ことりちゃん…ありがとう!」

 

再びお礼を言う穂乃果。

 

「じゃあ、遅刻になっちゃうけど、学校に行こうか!」

 

「えっ?でも、念の為病院へは?」

 

穂乃果の言葉に、海未が驚きながら聞く。

 

「大丈夫!それに、みんなにも会いたいから!」

 

「そうだね!お母さんにも、3人で絶対に帰るって言ったし。」

 

「では、行きましょうか。」

 

無事穂乃果を助けることに成功。3人は、笑い合いながら、音ノ木坂学院へ向かった。

 

 

 

 

その様子を、ある財団Xの基地でカメラを通して見ていたグラス。

 

「終わったぞ。」

 

そこに、何故か海未にアームドセイバーを渡したクロッカーがやって来た。

 

「お疲れ様です。やはり、浅倉威を利用したのは正解でしたね。彼女たちの覚醒は、無事完了しました。」

 

「あぁ。残り6人…いや、7人だな。急ぐぞ。」

 

「えぇ。」

 

そう不敵な笑みを浮かべる2人。

 

「そういえば、復元完了しましたよ。」

 

そう言ったグラスは、丸い石の箱をクロッカーに渡した。

 

「流石はグラス。仕事が早いな。」

 

「あなたの方こそ、まだ意識のない状態の仮野優としか会っていないのに、もう行動に移すのですか?」

 

「あぁ。別に、会ってからじゃなくてもいいだろ。それより、このワームホールは大丈夫なのか?」

 

そう言って、クロッカーは目の前にあるワームホールに目を移す。

 

「えぇ。今は閉じないように、無理やりこじ開けてる状態ですが、大丈夫ですよ。1度閉じてしまっている物なので、また開けてこの場所まで持ってくるのは大変でした。これを復元するのもね。」

 

「悪いな。が、これがあれば奴は人間では無くなっていく。」

 

「でも、それはあなたもでは?」

 

「別に、今更人間でありたいなんて思っていない。」

 

「それもそうですね。」

 

そこで会話を一区切りさせた2人。そしてクロッカーは、グラスからもらった箱をゆっくりと開けていった。

 

一体、その箱の中身とは…




次回の、μ'sと仮面ライダーの物語!

凛を好きと自覚した蓮。蓮は凛と出かけたいと秀夜と花陽に相談する中、蓮の意外と純粋な一面が見られることに…

次回、『98話 純粋な想い』





ライダースペック、紹介コーナー!

仮面ライダーイボルブ

・黒崎秀夜
・身長 103cm
・体重 98kg
・パンチ力 60.2t
・キック力 69.8t
・ジャンプ力 59m
・走力 1.9秒(100m)
・変身ベルト フォースドライバー
・変身アイテム イボルブデータボトル
・専用武器 ダークソード、イボルブアロー
・使用ブレス イボルブブレス
・使用バイク ライドイボルブ
・使用バックル イボルブバックル

黒崎秀夜が変身する仮面ライダー。常に進化し続ける仮面ライダーで、上記のスペック以上の力を引き出す可能性もある。変身ベルトであるフォースドライバーは、財団Xが渡したもの。それを元にフォースドライバーのデータを復元した優香が、イボルブデータボトルを開発し、秀夜に渡した。その時、専用武器であるイボルブアローと、必殺用の『インフィニティストライク』のカードを渡した。
常に進化し続ける仮面ライダーであるイボルブには、底知れない力が眠っている…







今回のスペック紹介はオリジナル3号ライダーである、仮面ライダーイボルブ。そして次回は、蓮と凛のメイン回で、久しぶり?の日常要素多めの話です。

見て下さり、ありがとうございました。お気に入り登録、評価や感想など頂けると嬉しいです。次回もぜひ、見てください!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。