ハーメルンで活動するのはかなり久しぶりですねー執筆さぼってなんかないですよー?
多趣味すぎるのもよくないですね。一つ一つがおろそかになってしまいます。
まあ僕の愚痴なんて聴きたいモノ好きはいないでしょうし(あえて言うならクリスタに聞いてほしい)、そろそろ本編をお届けしましょう。
基本的にはアニメベースで行くつもりです。
アニメがどこまでやるのか正直イマイチ把握できてないので、途中で方向性が面白いことになったり予期せぬタイミングで終わったりする可能性があります。
なので、それは困る、と言う方はブラウザのバックボタン推奨。
タグは基本的に自己満足なのでツッコまないでね☆
最後に一言、クリスタ結婚しよ。
第104期訓練兵① 反撃の狼煙
世界はいつだって残酷だ。
残酷で、そして美しい。
そんな美しい世界を見たくて、たくさんの人に見てほしくて、父さん達は戦っているんだよ――――。
そう言って、親父とお袋は死んだ。
☆
若い少年少女が一堂に並び緊張した面持ちで立っている。
全員が、背中に盾に二本の剣を交差させた紋章が入っている上着を着用している。
「オイ貴様、貴様は何者だ!」
「トロスト区出身、ジャン=キルシュタインです!」
青く晴れ渡った空に、よく聞き慣れた若者の声が響き渡る。
怒鳴られて大変だな、アイツ、と少年は隈が酷い禿頭の男性に頭突きをされてうずくまる少年を眺めながら頭の片隅でそんなことを考える。
幼いころから少年の悪友であるジャンは、リオが気付いた時には「憲兵団に入って内地で暮らす」と壊れたスピーカーのようにずっと言い続けてきた。
その感覚は少年にはまったくもって理解不能なものだが、しかし同時に、人類の九割は考えるであろう、あることを少年は理解している。
人類の天敵、巨人。
100年以上前に奴らが現れた時から、地上の覇者は人類ではなくなった。
突然現れた巨人どもは、人間を手当たり次第食い殺した。小さい個体でも人間の2倍以上の巨体を持っており、目前の人間をひたすら殺し貪り食う習性がある巨人に人類は対抗することが出来なかった。
また、巨人はずば抜けた不死性を持っており、あるたった一か所の弱点以外は何処を攻撃しても、よくて数分動きを止められる程度、運が悪ければダメージなんてものともせずにそのまま襲いかかってくる。
そんな人類の天敵に、当然人類は勝つことなど出来ず、巨人よりも更に大きな高さ50メートルの『壁』の中に引きこもることしかできなかった。
ウォール・マリア、ウォール・ローゼ、ウォール・シーナ。
人類は三重の壁によって保護された。
だが、その壁の一番外――――ウォーウ・マリアが、二年前に巨人に突破された。
巨人を一転に集めておくためにマリアの外側に取り付けられたような形をした区―――――シガンシナ区の壁が、全長60メートル近い『超大型巨人』によって破壊され、さらにマリア本体の壁が他の巨人とは異なり、堅い皮膚に覆われた『鎧の巨人』に破壊されたのだ。
当然、シガンシナ区は地獄となった。
人々は食われ、それまでだらけきっていた『駐屯兵団』はろくに機能せず、多くの命が終わりを告げた。
また、マリアが破壊されたことにより、人類は二割の人口と1/3の領土を失うこととなった。
そんなことがあって、100年の間に渡って人類を巨人から守った壁も、完璧ではないことが証明された。
だから、多くの若者が、より安全なウォール・シーナ内地で働くことのできる『憲兵団』を目指す。
それ以外にも兵団は存在するが、人気があるとは言い難い。マリアやローゼの壁の強化に努める『駐屯兵団』はまだ人が入る方だが、壁外に出て巨人領域の調査を行う『調査兵団』は、高い死の危険が伴う為に希望者は多くない。
ちなみにこの三つの兵団の中で、今住んでいるところから離れずに入ることのできる兵団は『駐屯兵団』のみ。
つまり、少年が希望する兵団とは――――
「……おい貴様、何をしている」
それまでただ黙々と『作業』をこなしていた少年に、目の隈が酷い禿頭の男性――――訓練兵団の教官、キース・シャーディスが声をかけた……というよりも、睨みつけた。
理由は単純だ。他の訓練兵はみな立っているのに、少年だけが、ひたすら逆立ち腕立てをしていたからだ。
「……? 空いた時間を見つけて己を鍛錬しているだけですが?」
少年は逆立ち腕立てをやめることなく、まるでそれが当たり前であるかのように応える。
周りの訓練兵は皆、冷や汗が止まらない。
「……その心がけは結構な事だが、貴様の周囲にそれを行っている者がいるか?」
「いませんね。どいつもこいつもやる気のない奴ばかりです」
「……貴様の名と出身地は?」
そこまで聞かれて、ようやく少年は逆立ち腕立てをやめ、二本の足を地に付けた。
そして
「トロスト区出身、リオ=ヴァラッグです!」
瞬間、空気が凍った。
教官であるキースは、まるで訳が分からないというように、己の疑問をリオにぶつける。
「貴様……敬礼はどうした? なぜ敬礼をしない?」
敬礼――――とは、どの兵団にも共通するある姿勢のことである。
己の右腕を左胸にあて、左腕は腰にあてる。それは『公の為に己の心臓を差し出す』という意思と覚悟を表しており、これが出来ない者はそもそも兵士になる為の訓練すらさせてもらえない。ついさっきも、コニーと名乗った少年が腕を逆にしてキースにコニられたばかりである。
兵士を志す者の基本中の基本――――それが敬礼なのだ。それを、リオはガン無視した。
「いやだって、あの敬礼は『公の為に死んでもいいですよ』ってことでしょ? 俺は人類のために死ぬなんてまっぴらごめんなので」
言い切った途端、教官の頭突きが飛んできた。
ついさっきジャンが思わずうずくまってしまったように、その威力は人間の頭部が生み出す物とは思えないレベルだ。
比較的小柄なリオなど、下手をすれば吹き飛ばされてしまう。
勿論、そんな事態にはならなかったが。
どころか――――頭突きの命中する音さえ、しなかったが。
「……!?」
「どしたんすか教官? 俺はここですよ?」
直前にいた場所より一歩下がった場所――――そこに、リオはいた。
突如繰り出された教官の頭突きを、その場で避けたのだ。
その凄まじさは、周囲の訓練兵と、そしてキース本人を驚愕させた。
まだ基礎訓練さえ開始していないというのに、かつて調査兵団で指揮を執っていたキースを上回る身体能力。
実力は、既に殆ど証明されている。
「……貴様、公に心臓を捧げる気はないのだな? ならば、何故貴様はここに来た?」
「そんなの決まってるじゃないですか」
リオは笑って、そして右腕を心臓のある左胸にあてた。
まるで、それを何かの為に捧げると宣誓しているかのように。
「俺は、大切なものを守れるだけの強さを得るために、ここに来たんです」
これは、ある一人の少年と、一人の少女の、進撃の物語である。
《現在公開できる情報》
リオ=ヴィラッグの基礎的な身体能力は、104期訓練兵団の中でトップである。