はやてが高速道路での襲撃を受けて姉アミタに助けられてから数分。はやてに念話である知らせが届く。
「え?そっちにソラ姉向かったんか?そらマズイで」
「ソラというとあの調停者でしょうか?」
「せやで。しかも私が傷つけたと怒っとるみたいや。手遅れになる前に急がんと」
「了解しました!ではしっかり捕まっててくださいね!」
そうしてバイクを飛ばすアミタ。一方キリエと戦っていた夜天の騎士やなのは達と言えば。
「え!?はやてちゃんの夜天の書を奪うため襲っちゃったの!?」
「おいおい!そりゃヤベェよ!おい!アンタ!逃げろ!」
「意味が分からな……」
なのはとヴィータが口をそろえて逃げることを推奨したが残念!神からは逃げられない!という風に空間を断絶し現れる女性。
「……」
無言でアミタを睨みつける女性。その殺気と重圧に場に居る全員1歩後ずさる。
「デバイス展開状態かよ」
「すまない。止め損ねた」
女性から分離するように現れたのは融合機のリインフォース・アインス。
「交渉はどうだった」
「半殺しで済めばいい方ですね」
無論止めたら治すと言っていましたがと一応の安全は保障されているものの不安しか残らないのであるが。
「アンタが調停者ね。調べたわよ。変な術を使うとか聞いたけどこっちも故郷守る為に本気で行くわよ」
「……」
片やファイティングポーズを取り戦闘態勢に入るが女性は特にデバイスも構えずに立っているだけである。
「……ッ!」
動こうとした瞬間キリエ自身の視界が大きくブレて刹那、女性の拳が腹に突き刺さり高速道路の壁に叩きつけられる。
「……カハッ」
叩きつけられたと感じたら再び視界がブレる。そして今度はデバイスによる切り上げで高く舞う。
「あーあー。アイツ多分何が起きてるか全く分かってないぞ」
「相手に空間転移と時間停止を使ってのリンチ……私も体験したが時間停止させられている時点で無理だと悟ったな」
かつて闇の書としてはやてを依り代に世界を滅ぼそうとした時の記憶が蘇り遠い目をしているリイン。
その際は復活した瞬間にはやてその他と分離されデバイスや拳での物理ではなく無限に等しい魔力を使った極大魔法のオンパレードであったが。
女性と戦った後になのはのスターライト・ブレイカーを見て温情に感じたとは彼女にガチでリンチされた者の共通認識である。
「話している間に10ループ目に突入したぞ」
「まだ気を失ってない意志の高さと頑丈さは認めるが限界だろう」
「とはいえ止められないけどな」
彼女に対する魔法が巻き戻されるのは転生者のみではなく魔法使い全員に適応されている。故に間に割って入る事が出来ないのである。だから女性に対して銃口を向けている大型機械があるもののピタリと停止している。
「……」
女性がデバイスを横に薙ぐ。それだけで形成されていた機械たちが真っ二つになり爆発するでもなく次元の狭間に吸い込まれる。
「驚いたホントに魔法が発動出来ないのね」
「……やっと出てきたか」
「ソレ、私の大切な相棒なんだけど。返して貰えないかしら」
一言ボソッと呟く。それだけでキリエの服含めて全修復が完了しイリスの足元まで転移される。
「あら随分素直に返してくれるのね。じゃあ私達はこれで」
「行かせるわけないだろ」
「知ってたわ。貴女が出張った時点で私達の負けは決まってたもの」
「それは自業自得だ。で?その夜天の書で何をするつもりだ?」
「調停者の貴女ならすべて知ってるでしょ?」
「全部知る事は出来るがそれは知ろうと思った事柄だけだ。無関心な事には無知だ。はぁ……はやてに手を出すなら最初から私の所に寄れ」
「あら?私達見たいな無法者も受け入れるのかしら?」
「言ってるだろう。はやてに手を出されるよりかも遥かにマシだ」
「ちなみに今からお願いして聞いてくれるのかしら?」
「聞いてはやる」
少しオシオキしてからだがと付け加えデータ体であるイリスに生身の体を与える。
「デタラメね。ま、甘んじて受けるわよ。それで私の復讐が出来るならほんの少しの我慢くらい」
「はやてが受けたと聞いたダメージ分だ。と思ったがソイツに免じて一発で終わらす」
その後は目覚めたキリエが怯えた目で女性を見たり、事情を聞いたりと一悶着あったもののイリスがスッキリするまでユーリをボコボコにしたり、一瞬でエルトリアの大地とキリエ達の父が蘇ったりしたりした。
「情報改竄能力……便利すぎね?」
話を聞いた転生者達はそんな事を呟いたという。
オリ主の極大魔法は威力だけで言えばアルカンシェルの2倍程(殺傷設定オン)。それを反撃不可状態で無限にノータイムで連打してくる。
デバイス展開状態は男性に見える外見から金髪碧眼のリインフォースになるという設定があったり無かったり。なおデバイス展開する必要があるかと言えば……
ぶっちゃけ長門有希の能力便利すぎってだけですね。