星3紗夜さん当たった記念に初投稿です!
さよひなイベよかったですね。
きっかけは本当に些細なことだった。
友人が急用が入っただのでもったいないという理由で僕にライブハウスのチケットを譲ってくれた。
最近、巷で話題のガールズバンドとやらのライブのチケットらしい。
ガールズバンドについての知識はないけれど、特に予定もなかったし、音楽は好きなのでそのライブハウスに足を運んだ。
開演の時間になり、ひとつずつバンドが演奏を消化していく。
プロで無いのにそれぞれのバンドのレベルが非常に高く、僕は結構驚いた。
そしていよいよライブも終盤となり、最後のグループがステージへと足を運んだ。
黒の衣装に身を包んだそのバンドが現れ、会場は一気にヒートアップする。
バンド名を紹介し、演奏を始める。会場の人達はその歌声を聴き、その5人の演奏を聴き盛り上がっていた。
が–––––––––僕は1人の人物から目が離せなかった。
この時、僕は彼女に一目惚れをした。
恋というものはしたことがなく、どんな感情かもイマイチわからない僕でさえ、彼女のことが好きだと感じる程胸の高まりを感じる。
結果、演奏中、緑色の髪のこちらから向かって右に立ってギターを弾く彼女に目が釘付けだった。
気付いた時には演奏が終わっていた。
自分でも驚いた、まるでライブの内容全てが彼女に持っていかれたかのような–––。
僕は走り、出口へと急ぐ、Roselia…彼女に会うために。
そして出口付近、Roseliaを発見した、もちろん彼女もだ。
そして僕は彼女の前に立ち、口を開いた。
「ライブ見て一目惚れしました!僕と付き合って下さい!!」
人生で初めての告白が、こんなにあっさりするものだとは思わなかった。いや、以外とこれが普通なのかも知れないけど。
告白を受けたにも関わらず、緑色の髪をした彼女は無表情で僕を見つめていた。
しかし、それに反するように他のメンバーの茶色い髪をしている人含め、3人はは心底驚いてる様子で少し顔を赤くして口を開けていた。
そして彼女の口が開き–––––––––––
「ごめんなさい」
それが、彼女から僕にかけられた最初の言葉だった。
⁑
「紗夜さん、お疲れ様でした!今日も可愛かったです!付き合ってください!」
「お断りします」
「ええぇーーーっ!! また駄目かぁ…」
Roseliaのライブが終わり、いわゆる出待ちというものをしていた僕は、真っ先に彼女の元へと向かった。
こうしてRoseliaのライブがある度に僕は会場に足を運び、紗夜さんに告白している。
そして–––その度にフラれる。これでもう5度目だ。
「あはは、また来たの?
今井リサさん–––––Roseliaではベースを担当している彼女が僕に声をかける。
「はい! だって紗夜さんのことが大好きですから!!絶対に諦めません!」
「ちょ、ちょっと
紗夜さんが少し顔を赤くしている。
かわいいな〜〜〜! いつもはクールキャラなのに照れると慌てる、このギャップがまた堪らない。
僕、
といってももちろん片思いで、先程5敗目を喫したばかりなんだけど。
「ねーねー純白くん、あこ達は?あこ達は?」
慌てる紗夜さんを目に収めていると、後ろから僕の袖を引っ張る感触があった。
振り向くと、そこにはRoseliaでドラムを担当している宇田川あこさんの姿があった。
彼女はすごく明るい性格で、いつもライブを見に来た僕に話しかけてくれる。とても嬉しいことだ。
「うん、もちろん宇田川さん達もかっこよかったし可愛かったよ!」
「だよねだよね!! りんりん聞いた? あこ達も可愛いかったって!」
「か、かわいい…なんて…そ、その…ありがとう…ございます…」
宇田川さんの隣にはキーボードを担当している白金燐子さんの姿もあった。
「リサ姉! 純白さんに可愛いって褒められちゃった!」
「お、それはよかったね〜。純白〜?私には言ってくれないの?」
「もちろん今井さんも可愛かったですよ!Roseliaは全員最高です!」
「………」
僕がそう言うと、紗夜さんはなぜか僕をじっと見つめ、少し剣幕な表情をして近付いてきた。
「真堂さん!」
「は、はい」
紗夜さんの真剣な表情を見て僕は身構える。
なぜ身構えるかと言うと2週間ほど前、街中で紗夜さんを見かけた時に「大好きです」「愛してます」などと言う旨の発言をし、お説教を受けた時と同じ表情をしていたからだ。
何を言われるのかドキドキしながら紗夜さんの顔を見る。彼女は無表情の時のが怖い。というより感情を顔に出している時は大体かわいい。
そして、紗夜さんが口にした言葉は––––––
「真堂さん、あなたは誰にでも私に言ったように可愛いと言うんですか?」
「へ?」
説教を覚悟していた僕は、思いもしない彼女の言葉に拍子抜けする。
というより、そもそもどうして彼女がそんな発言をしたのか意味がよくわからない。
「あれ〜、もしかして紗夜、嫉妬してる?」
今井さんが手を口に当てながらむふふと言った表情で笑う。
「い、今井さん!! そういう意味ではなく、私は責任感のない発言を彼がして今後トラブルを起こさないか心配して…!」
「も〜素直になりなって」
「違います!!」
待った、というか流石に僕は言いたいことがある。
「紗夜さん!」
僕が呼ぶと紗夜さんはこちらを向いた。
「僕は世界で一番紗夜さんの事が大大大大大好きです!他の人も可愛いけど紗夜さんにかける言葉は特別です、だって僕は紗夜さんのことを愛してますから!」
僕がそういうと紗夜さんは顔を真っ赤にし、手で顔を隠してふらふらしながら後退していった。
「あ、あの…真堂…さん…わ、わかったから…その…止め…」
その様子を今井さんと白金さんは不思議そうな表情で紗夜さんを見ていた。
普段クールな紗夜さんだけど、彼女は褒められ弱い気がする。あれだけギターが上手いなら周りからはよく賞賛されると思うけど、なんでだろう。
そんなことを考えていると、紗夜さんの後ろから銀色の髪をした少女が1人、僕たちの方へと歩いて来た。
「紗夜…どうしたの…?」
「み、湊さん…」
現れたのはRoseliaのボーカル、湊友希那さんだ。
どしようもなくなって湊さんにすがりつくようにする紗夜さんが目に入った、普段は絶対見れない紗夜さんの姿を見れて幸せです、かわいいなぁ。
「あら、あなたは…」
そして僕に気付いたようで、湊さんはこちらに視線を移した。
「こんばんは、ライブ、今日も最高でした!」
「ありがとう、あなたはいつも私たちのライブに来てくれてるのね」
「はい! 僕はRoseliaのファンですから!」
といっても最初は紗夜さんだけが目当てだった。でもRoseliaの演奏はすごく、音楽には詳しくないけど感動させられ、今ではすっかり紗夜さんとRoseliaのファンだ。
「ふふ、でも1番の目的は紗夜でしょう?」
「み、湊さんまで!?」
「はい! あ、でもRoseliaももちろん大好きですよ!」
「ありがとう、あなたは不思議な人ね」
「友希那〜」
そんなことを話していると、向こうから湊さんを呼ぶ声がした。その呼び方ですぐ今井さんだと気付いく。
「今日はもう解散でいいの?」
「ええ、時間も遅いし解散にしましょう」
その会話聞いて僕は思い出した。
紗夜さんはOKしてくれるかわからないけど、ずっとずっとしてみたかったこと。
それは–––––
「紗夜さん!」
僕が呼ぶと紗夜さんが綺麗な髪をなびかせこちらを向く。ただそれだけでかわいいから本当にずるい。
「どうかしましたか?」
「よければ僕と一緒に帰りませんか?」
そう、これが僕の叶えたい願いの2番目である『紗夜さんと一緒に帰路を歩く』だ。もちろん1番は紗夜さんと恋人になること。
「はい?」
紗夜さんは僕の発言がイマイチ理解できなかったらしく、今にもクエスチョンマークが出てきそうな表情をしていた。多分、「なぜ急に?」などと思われているのかも知れない。
「いいじゃん、一緒に帰ってあげなよ〜」
そこに助け舟を渡してくれたのは今井さんだった。
理由はわからないけど彼女はたびたび僕を助けてくれている気がする。
「し、しかしですね…」
「いいじゃない、夜道は危険だもの」
更にそこで湊さんが援護射撃(?)を加えた。
「う…た、確かにその通りです…わかりました。真堂さん、行きましょう」
「え、本当ですか!? やったー!」
「一緒に帰るくらいでそんなに騒がないでください…」
まさか承諾してくれるとは思っていなかったので僕は心の底から喜んだ。これも湊さんと今井さんのお陰だ…本当に感謝です…。
その後、帰宅の準備を終えた紗夜さんと一緒に僕はライブハウスを後にした。後ろではRoseliaの4人が手を振ってくれていた。
帰路の道中で僕は紗夜さんと他愛の無いことを話した。
今日のライブのこと、普段の生活のことなどいつもじゃ話せない会話に僕は胸を躍らせた。間違いなく人生で1番幸せな時間だ。
「あ、真堂さん、ここです」
楽しい時間が経つのはやはりあっという間で、気付くと紗夜さんの家の前に立っていたらしい。もちろん僕は初めて見る。
仕方ないことだが、この時間が終わるのはとても悲しい。
そんな感情を押し殺して、僕は紗夜さんに別れの挨拶をした。
「紗夜さん、さようなら」
「ええ、さようなら。真堂さんも帰り道に気をつけてください」
紗夜さんらしい別れの挨拶をし、彼女はそのまま玄関に入って行く–––かと思いきや、彼女は足を止めてこちらに振り向き、口を開いた。
「あ、あの…ライブ、また来てくださいね…」
そう言うと彼女はすぐ玄関のドアを開けて家に入っていった。
僕はと言うと–––––紗夜さんからの思いがけない言葉に、帰り道、ずっと心臓がドキドキしていた。
いかがだったでしょうか?
短い話数を予定してますがそれでもお付き合いいただくと嬉しいです!