適当な妄想を吐き出してるだけです。それがダメな人はブラウザバック推奨。
10/30 ゲイボルクがゲイボルグになっていたので修正しました。
間違って覚えやすいですね。気をつけます。
「姿勢制御不能。各所火災発生。外部装甲広範囲で破損。エンジンコア圧力上昇。生命維持機構停止」
けたたましく警告音が鳴り響く。
「煩いな。くそ、頭が痛い」
船体が持たない。まさかこんな場所で次元流にぶち当たるなんて。モニターに映し出されているのは漆黒の闇と輝く星々。それと見たこともない黒い惑星。
「全く、災難だ。ネモ!ここはどこだ!」
船の制御AI「ネモ」に問う。
「計算中。不明。現在、センサー各種破損が甚大な為観測不可。残念ですが分かりかねます。」
「推測を話せ」
「推測では、完全に未知の宙域に流された可能性大。月面基地及び地球への帰還は厳しい状況です」
「機体の状況は」
「エンジンコア停止、動力出力5%まで低下、各種武装破損、外部装甲の5割が断裂及び剥離しています。極めて危険な状態であり、酸素の漏れも甚大です。生命の維持に困難な状態です」
「修理は可能か?」
「現状直ぐには厳しいと思われます」
目の前が真っ暗になるとはこの事か。船体は甚大な被害を受けて、未知の宙域に放り出され、生命維持装置も当てにならんと来た。
「絶体絶命、進退窮まったわけだ。ネモ、帰還は諦めんぞ。帰還するにはどうするべきか答えろ」
「回答。まずは艦長は自信の身の安全な空間へと退避して下さい。かなりの時間が掛かりますが、今近くにあるこの惑星へ資源回収ポット並びに探索ポットを投下します」
「ポットは無事だったのか?」
「半分のポット、半分の小型船は使えませんがそれ以外は修理可能です」
「分かった。話を続けろ」
話を促すと、ではと言ってネモは話し出す。
「現状エンジンコアの被害が甚大です。まずはこれを修理します。ただこれにはかなりの時間を要すると思われます。地球時間にして3年は掛かると思われますので同時並行に回収した資源をもとに船体各所を修理します」
「食料と水はどうだ」
「水に関しては問題ありません。食料は爆散しました。ただ食料製造ラインの損害は軽微ですので、製造は可能です。しかし、酸素の残量が少ないです。酸素製造機も現在停止していますので船長が船長でなければ酸素欠乏症で亡くなっていたでしょう」
俺を化け物の様に言いおって。
「まあ、その通りだ。では俺は虚数空間へ行けばいいのだな」
「はい。話が早くて助かります。虚数空間に退避をお願いします。船長が退避中に修理してみせましょう」
虚数空間。世界の裏側とも言うべきか、いや正確ではないな。ありえるが、ありえない場所か。
「Start-up」
自身の魔術回路を起動させる。魔術回路とは言ってみれば、様はCPUみたいなものだ。あとは魔術刻印と呼ばれるものもある。魔術刻印は代々受け継いできた魔術そのもの。何を置いても大事なもの、愛/命よりも重い。
我が家は代々虚数魔術の家系だ。虚数魔術とはかなり珍しく殆ど使い手はいないだろう。アベレージ・ワン、五大元素を兼ね備えた者以上よりも稀有だ。
それ故に初代様は苦労したらしいと伝え聞く。
ポケットに入れた懐中時計を手に取る。
古びた懐中時計。最初作った時は新品同然だったが今では爺さんになってしまった。
「ネモ。眠るのは3年でいいか?」
沈黙していたネモが答える。
「はい。3年で修理完了させましょう」
この懐中時計は虚数空間で自分が迷わない為の礼装。自分が自分であることを認識させるための。時が無い世界で時を刻むもの。
「我は裏と表を歩むものなり――」
「我は真理と法則を欺くものなり――」
「我は時と空間を隔てるものなり――」
「我は在り得ないものと在り得るものを視るものなり――」
「ここは既に我が領域、我が支配を受け入れろ――」
「
★★★★★★★
呼ばれて来てみれば、マスターらしき青年がサーヴァントに襲われているではないか。寸での所で敵の刃を退ける。
「聞こう。君が私のマスターか?」
良く観察すれば、制服の胸の所に刺した様な穴が開き血で汚れている。しかし、どうやら回復している様だが。聞きたい事は色々あるんだがそれよりも先ほどのサーヴァントだな。
「マスター?――うっ!?」
左手に刻まれた令呪の痛みで青年は表情曇らせる。
「契約完了だ。我がマスターよ。今から私は君を守る剣であり、敵を屠る盾となろう」
理解が追いついていない顔をしている。これは厄介かもしれんな。
「話はあとでしよう。まずは敵のサーヴァントの相手をしてくるよ」
少年の返事を待たず、月の光が差し込む土蔵を出る。土蔵など歴史の本の中でしか見たことはないな。なるほど、大分前の世界へ呼ばれたか。
外では律儀に赤い長槍を持ったサーヴァントが待っていた。
「すまんな、待たせた。間違っていたらすまないが、君はランサーで合っているかな?」
胡散臭いものを視ている様な目でこちらを観察している彼。はは、恐ろしい。隙がない。相当の霊格を備えたサーヴァントであろうか。
「はん、そーいうてめぇはセイバーか?」
「そう言う君はランサーって事でいいのかな?」
「この槍が剣に見えるか?」
「いいや。――うん、そうだ。私はセイバーだよ。まさかセイバーで呼ばれるとは思わなかったがな」
見定める様に私を視るランサー。今にもあれが飛んできそうだな。己の剣を握り直す。
沈黙。これは刃と刃の戦争。言葉はそもそもいらない事。
赤い点が襲ってくる。速い。それに答える様に己の黒剣で挨拶をする。
突く・斬る・払う。それらが巧妙に組み合わさり、虚実含めて私に迫る。それら全てに応えてやる。人間の視認できる出来る限界を超えて切り合う。
人の次元を超えた戦闘。まさに奇跡。神話の再現。まあ、私は神話には出ていないがな。
重い一撃で一度ランサーを吹き飛ばす。巧みなステップを魅せるランサー。この俊敏さは獣の様だ。ステップから突きこんでくるランサーを全霊を掛けて打ち迎える。
ここからは私の番だ。
ランサーを追うように攻め立てる。どうやら俺の技量は通じる様だが、怪しいものだ。
「はあぁ!!!」
首を落とすつもりで放った一撃は防がれて距離を取られてしまう。
「一つ聞かせろ。貴様どこの英霊だ!」
この剣を見ればランサーが問うのも頷ける。
「さてな。己の真名を敵にばらす英霊はなかろう。そうだろう?ランサー」
「ちっ、口は滑らねえか。ただその剣はいただけねえ。なんだそれは?」
「さあな。言葉ではなく、その槍で聞け!ランサー!」
私から先端を切る。幾つかの切り合いをして離れる。
「ちともう一つ聞くが、お互い初見だしよ。ここで分けって気はねえか?」
「そうだな。魅力的な提案だが断る!ランサー、君はここで終われ!」
「あーそうかよ。こっちとしては様子見だったんだがなぁ」
そう言うとランサーは自身の宝具である朱槍を使う気らしい。醜悪なほどに込められた魔力が見て取れる。何の能力を秘めた宝具だろうか。強力な宝具である事は確かだ。
「その心臓貰い受ける!」
これは自分も宝具を使わねば防げぬか。剣を正道に構えそれを待つ。ランサーは神速で迫り、その槍を放つ。莫大な魔力と共に死の気配を纏っている。
「ゲイ・ボルク!」
朱い死が迫る。真面に受ければ死ねるな。が、易々とここで敗退するわけにはいかぬ!
己の剣を少しだけ開く。ただそれだけ。心臓を守る様に開いた剣で朱槍を防御。刹那、防いだと思った瞬間それは起こった。槍は虚空を穿ち。主人の手へと戻る。
ランサーは驚い顔で言い放つ。
「躱したな。セイバー、我が必殺の一撃を!」
「その槍が利口で助かったなランサー。それにしても呪詛か、いやこれは因果逆転の一撃。――ゲイボルクと言えば、ランサー君はアイルランドの光の御子だな」
バツが悪そうにランサーは言った。
「ちっ、どじったぜ。こいつ出すからには必殺じゃなけりゃやばいってのになあ。それにしても、てめぇのそれりゃ何だ?」
「聞かれても答えんぞ。ズルいとも言わせん」
そーかいと言うと背を向けて歩き出す。
「うちの雇い主は臆病でな。槍の一撃を躱されたら帰って来いなんて抜かしやがる。まあ、追ってきても良いが、その時は決死の覚悟を抱いて来い!」
怒気を波乱だ声で吐き捨ててランサーは塀を飛び越えて消えて行った。
「あれは追えんな。死が伴う」
振り返ると青年が何とも言えない顔でこちらを見ている。
「大丈夫かマスター?怪我はないか?」
「あ、ああ。大丈夫だけど、学校の赤い奴とさっきの青い奴にあんた等何者なんだ!?」
「ふむ。形を言えばランサーも私もサーヴァントだ。そして私はセイバークラスのセイバーだ。セイバーと呼んでくれれば良い」
そう言うと。
「俺は士郎。衛宮士郎」
「衛宮――士郎?」
衛宮。衛宮士郎。はは、何とも度し難い奇縁か。面白い。面白いぞ。興が乗ってきた。あの衛宮か!
「この家、あ、そんなこと聞きたいんじゃなくて」
「分かっているよ。君は正規のマスターじゃない。偶然巻き込まれたのだろう。しかし、マスターはマスターだ」
「いや、でもいきなりマスターとかおかしくないか?」
「では、士郎と呼ぼうこれでいいかな?」
いっと士郎は声を出して痛みを感じた左腕を見た。
「何だこれは?」
令呪を見て困惑する士郎。何も知らないか。
「それは令呪だ。士郎と私を繋ぐ。縁であり、鎖だ。それは3回しか使えない絶対の命令権だ。考えなしに使うなよ。絶対に忘れるな」
お客さんが来たか。察するに学校でランサーとやり合っていたサーヴァントだろう。
「士郎。客人が二人来たようだ。出迎えてくる」
「あ、おい待て!くそ、なんだよ!」
塀を乗り越えて道路へ出る。道路は薄暗く電灯の明かりだけがくっきり見て取れる。
二刀使いか。赤い外套を羽織ったサーヴァントを強襲する。一つを砕き、もう一つを弾き飛ばす。咄嗟に引こうとする。
「逃がさん!」
「くっ!!!」
胸を突くが浅い。ただ軽くはない。このまま切り伏せる。黒剣に魔力を回す。
その時。
「やめろ!セイバー!」
令呪の鎖がわが身を襲う。動けん。くそ、マスターか。
「士郎。正気か? 今ならば確実に一騎削れたものを!」
「待ってくれ、セイバー。こっちは点で訳が分からないんだ。マスターなんて呼ぶんならちゃんと説明してくれ!」
言ってくれる。反対にこちらは隙だらけとなった。今襲われればどうなるか分からんか!
「ふーん、つまりそーいう訳ね」
理解したとばかりに可愛らしい声がそう言う。
「素人マスターさん。取り敢えずこんばんわ。衛宮君」
目も当てられん。目の前のお嬢さんはどうやら士郎の知り合いらしい。全くここで排除すれば良かったものを。
★★★★★★★
リビング。士郎の家は平屋の日本家屋だった。慣れた手つきで士郎がお茶をお嬢さんに用意する。
「それじゃあ、話を始めるけど、衛宮君――今自分がどんな立場にいるのか分からないでしょう」
そうお嬢さんがお茶を一啜りしてから話を切り出す。自分は霊体には成らず控えている。
士郎はお嬢さんの言葉に同意する。
「率直に言うとね。衛宮君はマスターに選ばれたの。身体の何処かに聖痕が刻まれてる筈よ」
令呪の事だと助け舟を出す。
「あ、ああこれのことか」
そう言われて令呪の刻まれた左手をお嬢さんが見える様に出した。
「そう、それがマスターとしての証よ。そしてサーヴァントを律する呪文でもある。だからそれがある限りサーヴァントを従えられるの」
ある限りってどうゆうことだよと士郎が疑問を口にする。
「令呪は絶対命令権なの。サーヴァントの意思を捻じ曲げてでも守らせることが出来るのがその刻印」
お嬢さんの右手の令呪が見える。どうやら既に一角を使用したらしい。それはうちも同じだが。
「ほら、さっきだってセイバーが攻撃をやめたでしょ。ただし使えるのは3回までだから無駄遣いはしちゃだめよ」
そうだもっと言ってやってくれと心の中で愚痴る。
「その令呪が無くなったら殺されるだろうからせいぜい気をつけてね」
「殺される!」
その言葉に士郎は驚きを隠せない様だ。
「そうよ。マスターが他のマスターが倒すのが聖杯戦争の基本的なルールだもの。そして他の6人を倒したマスターには望みを叶える聖杯を手に入れられるの」
聖杯ってなんだと士郎が身を乗り出した。
「簡単に言えばあなたは儀式に巻き込まれたの。聖杯戦って言う、7人のマスターによる魔術師同士の殺し合いに」
士郎は食って掛かる。当たり前だな。何も知らなけらば到底信じられんだろう。
「私は事実を口にするだけよ」
ふむ、全ては言わぬのだろう。お嬢さんと心の中で言う。
「それはあなただって分かるでしょう。既にサーヴァントに一度成らず、二度も殺されかけたんだから」
士郎はぐうの音も出ない様で俯く。
「納得した?――私もマスターに選ばれた一人。ちなみにそのサーヴァントは聖杯戦争を生き残る為に聖杯が寄越した使い魔と考えなさい」
士郎が私を見る。
「使い魔になんて見えないけど」
「それはそうよ。使い魔の分類だけど、人間以上の過去の英雄なんだから」
過去。過去とは限らんよ。お嬢さん。
「過去の英雄。セイバーが!」
「そうよ。過去だろうと現代だろうが伝説の英雄を引っ張って来て実体化させたものがサーヴァント。呼び出すのはマスターの役目で実体化は聖杯の現象ね。サーヴァントは基本的に霊体で存在しているけれど、戦いに際して実体化させて戦わせる事が出来るの」
理解を示す士郎。
「あの赤い奴」
「アーチャーよ。今は傷を負ったから霊体化させて下がらせてるわ。――さてここまでは理解できたかしら衛宮君」
あれがアーチャーか。ふむ、面白い。ならばこのお嬢さんは・・・。
「もっと詳しい事は聖杯戦争を監督してる奴に聞きなさい。――私が教えてあげられるのは、もう戦うしかないって事とサーヴァントは強力な使い魔だから巧く使えって事だけよ」
そう言い、お茶を飲み干すお嬢さん。
「さて、衛宮君の話を聞く限り、あなたは不完全な状態みたいね。セイバー」
そう言い私を一瞥するお嬢さん。
「ああ、士郎はどうやら魔術師として成立していなようで、魔力供給されない状態だな」
ストーブで沸かしていたお湯を急須に注ぐ為に立っていたお嬢さんにそう冷静に返す。
驚いたと少し目を大きく開いて驚いた表情をするお嬢さん。
「要はサーヴァントとは魔力をマスターから貰いこの世界で存在しているから、士郎から魔力供給が無くて困ると言う話だ」
私がそう言ってやると驚いた顔をする士郎。
「でもあなたが正直に話してくれるなんて思わなかったわ。セイバー」
「現在、圧倒的にマスターが原因で不利だからね。君と言う優秀な魔術師に諭しても貰えれば、私としてもありがたいのだ。それに全てを見抜かれた状態だ。隠した所で益はない」
おかわりしたお茶を啜るお嬢さん。
「風格も十分。――ああ、もう!」
両手で机を叩いて立ち上がる彼女。
「益々惜しい。私がセイバーのマスターだったらこんな戦い勝ったも同然だったのにぃ!」
「おいおい、それじゃあ、俺が相応しくないみたいじゃないか!」
「当たり前でしょ!このへっぽこ!」
「はあ!」
夫婦漫才みたいだな。
「さてと、そろそろ行きましょうか!」
「そろそろってもう夜の二時だぞ。どこへ行くんだ!」
「どこってこの聖杯戦争を良く知る奴の所へよ。別に衛宮君が行きたくなってなら良いけど。セイバーはどうするの?」
私に振るか。
「士郎よ。さっさと行くべきだな。事は命に関わる戦い。昼も夜も関係ない」
「で、でも。セイバーは過去の英雄なんだろう。現代の事なんて何も・・・」
「問題ない。サーヴァントはあらゆる時代に呼び出されるのだ。聖杯によりその時代の知識は与えられるのだぞ」
何とも微妙な顔する士郎。
「で、お嬢さん。お名前を聞いてもいいかな?」
あっ、忘れてたと言う顔して自己紹介をする。
「遠坂凛よ。よろしく」
「うむ、よろしく。士郎が世話になる。――でだ。凛よ。これから何処へ向かう?」
「新都にある協会よ」