『パワプロ成長』でダイヤのA   作:ネコガミ

162 / 291
本日投稿5話目です。


第160話★

春の高校野球選抜全国大会の準決勝第2試合で、成宮が敬遠球を暴投してサヨナラ負けした直後、某ネット掲示板では大騒ぎになっていた。

 

 

 

 

【怪物】パワプロを応援するスレ44【ラスボス】

 

 

1:このスレはパワプロこと葉輪 風路を応援するスレです

  アンチは別スレに移動をお願いします

  次スレは800を踏んだ奴が建てる様に

 

 

71:主人公逝った―――!www

 

 

73:マジか!?この場面で暴投!?

 

 

76:いくら主人公でもこの試練はキツ過ぎやろ…

 

 

78:敬遠ってそんなに難しいんか?キャッチボールと変わらんやろ?

 

 

80:78>お前、あんな大観衆に見られてド緊張する場面でも普段通りに動けるんか?

 

 

83:これはマジ物のイップス案件やなぁ…

 

 

89:それでも!それでも主人公なら立ち上がってくる!

 

 

92:なおラスボスは一発出たら同点の場面でリリーフをして笑顔で三振を奪った模様w

 

 

95:あのラスボスは緊張って言葉を知ってるんやろか?

 

 

101:ラスボスと主人公の勝負を楽しみにしてたんやけどなぁ…

 

 

103:101>しゃあないやろ。これが一発勝負のトーナメントの怖さや

 

 

105:せやで!アンチの住民は早くも大阪桐生に鞍替えしとるわ!www

 

 

107:尻の軽い奴等めwww

 

 

110:アンチの住民は大阪桐生に鞍替えしたみたいやけど勝てるんか?

    今大会の青道って隙があらへんぞ

 

 

112:稲城の時みたいに待球作戦してパワプロの体力を削っても

    レフトで回復して戻って来るからなwww

 

 

116:112>ラスボスが回復とかいい加減にしろ!

 

 

119:112>やめろぉ!俺のトラウマを抉るなぁ!

 

 

123:こうなるとパワプロのレフト起用は名采配やな

 

 

127:123>ワイは初めから青道の監督が名将やと信じてたで!

 

 

130:123>ワイも信じてたで!

 

 

133:127、130>お前らwww

 

 

138:秋の大会の時にはメチャメチャ叩いてたやないかwww…ワイも信じてたで!

 

 

142:【朗報】片岡名将説

 

 

147:さて、ワイは決勝戦の日に有給をとらなアカンからこれで失礼するで

 

 

151:ワイも失礼するで!

 

 

155:部長首を洗って待ってろや!今度こそ有給を勝ち取ったるで!

 

 

 

 

稲城がサヨナラ負けをしたのを見届けた青道野球部のメンバーは、旅館に戻りミーティングを開いていた。

 

「我々の手で稲城にリベンジ出来なかったのは残念だが、気持ちを切り替えて後日の決勝戦、勝ちに行くぞ!」

「「「はい!」」」

 

一同を見渡してから片岡は口を開く。

 

「では、決勝戦のメンバーを発表する。先発は葉輪!」

「はい!」

 

笑顔で返事をするパワプロに青道メンバーの皆が目を向ける。

 

そして青道メンバーの脳裏には秋の大会の光景が浮かび上がった。

 

青道メンバーのそれぞれが強く思っていく。

 

もう足を引っ張らない、このエースに置いていかれたくない、パワプロの後ろで守るのは俺だと。

 

「キャッチャー、御幸!」

「は、はい!」

 

御幸の名前が呼ばれた事に、当人を含めて多くの者が驚きの表情を見せた。

 

「疑問に思っている者もいるだろう。今から説明する。」

 

片岡は言葉を区切り、皆を見渡してから話し出す。

 

「準決勝の試合の後、クリスが肩の違和感を俺に報告した。」

 

片岡の言葉に、皆は一斉にクリスの方を向く。

 

「またケガをしたわけじゃない。ただ、寒い時期になると、たまに肩の筋が張っている様な違和感が出る時があるんだ。」

 

骨折等の大きなケガをした後、雨が降った時や寒い時期等にケガをした箇所に何かしらの違和感や軽い痛みの様なものを感じるという現象が発生する事がある。

 

その現象がクリスに起こっているのだ。

 

「正直に言えばプレーには支障無い。だが、今無理をして後悔をしたくないんだ。」

 

野球選手に限らずアスリートは多かれ少なかれ何かしらのケガを抱えているものである。

 

これは競技者の宿命と言っても過言では無いだろう。

 

故にケガとの付き合い方は人それぞれだが、クリスは手術とリハビリをした経験から無理をしない事を選択したのだ。

 

「御幸、先発のマスクは譲るが、不甲斐ないプレーをしたらいつでも代わるからな。」

「次の大会の時は実力で奪ってみせますよ、クリスさん。」

 

クリスと御幸が火花を散らすと、それに触発された様に青道メンバー達は燃え上がるのだった。




これで本日の投稿は終わりです。

また来週お会いしましょう。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。