春の東京神宮大会の日がやって来た。
1週間前に高速スライダーと同じ握りで縦のスライダーを投げ始めたけど、まだコントロールが甘くて実戦では封印となった。
さて、1回戦の前に能力を確認しよう。
基礎能力
最高球速:154km(※160km)
制球:S
スタミナ:S
変化球:カーブ7(※7)
変化球2:チェンジアップ7(※7)
変化球3:高速スライダー6(※7)
変化球4:高速縦スライダー1(※7)
球速を2km、スタミナ、高速スライダー、高速縦スライダーをそれぞれ1ランクアップさせた。
球速を成長させるには筋力ポイントを主に使うんだけど、その筋力ポイントが球速を2km成長させただけで一気に半分まで減ってしまった。
その残った半分を使ってスタミナを成長させたせいで、筋力ポイントの残りは僅かしかない。
今大会で稼がないとな。
それと変化球を成長させるには主に変化球ポイントが必要なんだけど、高速スライダーと高速縦スライダーを1ランクずつ成長させただけで貯まっていたポイントの八割が無くなってしまった。
ポイント使用のインフレがとても激しい。
さて、投手能力はこのぐらいにして野手能力を確認しよう。
基礎能力2
弾道:4
ミート:B
パワー:C
走力:C
肩力:S
守備:C
捕球:B
野手能力はミートをBに成長させた。
肩力は球速を成長させたら勝手にSになった。
球速と肩力って連動してるのか?
まぁ、野手能力の確認はこのぐらいにして、最後に特殊能力を確認しよう。
特殊能力
『鉄人』
『鉄腕』
『身長高い』
『リリース○』
『怪物』
『キレ◎』
『牽制◎』
『クイック◎』
『バント○』
『サブポジ:外野◎』
『尻上がり』
特殊能力には新しく取得したものはない。
まぁ、取得したいなぁと思っているものはあるんだけど、必要ポイントが凄いんだよねぇ…。
こんな感じの能力で春の東京神宮大会を戦っていくぜ!
◆
「くっそ~、自主練をして早くエースになるつもりだったのに!」
春の東京神宮大会の1回戦の青道高校の試合が行われる予定の球場のスタンドにて、少し赤くなった耳を擦りながら文句を言うのは沢村である。
沢村は言葉通りに自主練をしようとして試合を見学するつもりは無かったのだが、幼馴染みであり、青道野球部のマネージャーでもある若菜に耳を引っ張られてつれてこられたのだ。
球場まで来てまだ文句を言う沢村に若菜は呆れた様にため息を吐く。
「栄純、見るのも勉強なのよ。」
「勉強するよりも練習をした方がいいに決まってるだろ。」
そんな沢村の言い分に若菜は頭を抱える。
「あんた、投球テストの時に葉輪先輩に教えてもらったって言ってたけど、それでも何も知らないで練習してるだけでエースになれると思ってるの?」
「うっ!?」
若菜の指摘に呻いた沢村は気まずそうに顔を逸らした。
「高校野球は私達がやっていた中学野球とは別物なのよ。もし、何も知らないで試合に出たら、何も出来ずに終わっても不思議じゃないわ。」
「そんなの、やってみなきゃわからねぇだろ。」
沢村はそう答えるが語気が弱い。
「栄純の球質は特殊だから打者1巡は抑えられるかもしれない。でも、慣れられたら終わりよ。」
「だから練習するんだろ!」
そう言って立ち上がる沢村につられて若菜も立ち上がる。
「まだ言うの!?本気でエースになるつもりなら練習だけじゃダメって言ってるでしょ!」
「わかってるっての!でも、練習しなきゃいつまでも追い付けないだろうが!」
お互いに唸りながら威嚇をしていると、不意に顔が凄く近くになっていた事に同時に気付いて双方共に顔を赤くする。
そしてパッと離れて日常会話をして誤魔化そうとする初々しい二人の反応を見て、近くに座っていた高島はクスリと笑ったのだった。
次の投稿は午後3:34の予定です。