薬師高校との第２回戦を７回コールドで勝利した青道高校は、第３回戦と準々決勝となる第４回戦に丹波を先発としてマウンドに送った。
準決勝に明川学園、そして決勝では稲城実業と戦う可能性が高く、それらの試合でパワプロを先発として起用する為に丹波に少し無理をさせた形になったが、頼られた丹波は胸を張ってマウンドに立っていた。
そして優勝候補の前評判通りに順調に勝ち進んだ青道高校だが、一つ大きな問題を抱えていた。
それは、捕手達が成長したパワプロの変化球をまともに捕球出来なくなってしまった事だ…。
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「いっ！？…つー！」
ミットの芯を外してパワプロのスライダーを捕球してしまった御幸は手が痺れてしまい、思わず声を出してしまった。
「一也、大丈夫か！？」
ブルペンのマウンドからパワプロが声を掛けてくるが、御幸は片手を上げて返事をした。
「いやはや、なんともまぁ…」
ブルペンでパワプロの投球練習を見ている落合は驚きで言葉が出てこない。
落合は強豪校でコーチをしてきた経験があり、教え子の中にはプロに行った者もいる。
だがそのプロに行った才能豊かな教え子達の中にも、高校時点でパワプロ程のボールを投げる者は一人もいなかったのだ。
青道高校のコーチである落合だが、捕球に苦戦する捕手達にどう指導しようか頭を悩ませる。
だが、どうしようもない目の前の現状に落合は頭を掻くしかなかった。
（大会期間中でなければ、投げ込みの時間を多くするなりしてまだやりようもあったんだろうがな…。）
大会期間中に練習でケガをして戦線離脱などしたら目も当てられない。
今の落合に出来る事は、痛みに呻き声を上げながらも目を輝かせてキャッチャーボックスに座っている御幸に釘を刺す事だけだ。
「御幸、あくまで調整の投げ込みだ。後１０球で終わりにしとけ。」
「…はい。」
残念そうに苦笑いをする御幸の姿に、落合は大きなため息を吐いたのだった。
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パワプロが調整投球をしていた頃、高校野球シーズンを迎えて某ネット掲示板は盛り上がっていた。
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【怪物】パワプロを応援するスレ８１【ラスボス】
１：このスレはパワプロこと葉輪 風路を応援するスレです
アンチは別スレに移動をお願いします
次スレは８００を踏んだ奴が建てるように
７０：ラスボスは参考記録ながら息をするように完全試合を達成した模様
７４：またラスボスか…壊れるなぁ…
７９：なお最高球速もまた成長した模様
８３：左で１５５kmとかいい加減にしろ！
８５：ワイ野球未経験者なんやけど左の１５５kmってそんなに凄いんか？
９０：８５＞最高球速だけで言えば日本全国を探せば他にもおるかもしれへんけど、ラスボスの凄いところは平均球速も１５０km前後あってコントロールも抜群なとこやね
９３：８５＞他にもあるで！そういった凄い連中って無茶な練習を重ねて大抵は故障持ちが多いんや！せやけどラスボスは故障持ちの噂が欠片もあらへんやろ？せやから凄いねん！
９６：ワシは平均１６０kmを投げた！
１００：９６＞はいはいおじいちゃん。オムツを交換しましょうね
１０７：そう言えば薬師のちっこいバッターはいいスイングしとったよな
１１１：パワプロに真っ直ぐだけで３三振されたけど、将来が楽しみな逸材やで！
１１５：１０７＞いいスイングはしとったけど、あの守備はあかんやろ…何回エラーすんねん！
１１８：サードからコンバートするべきやないか？
１２２：そもそも守備の基礎が出来てへんみたいやからどこ守っても一緒や！
１２５：市大三高のピッチャーを打ち崩したあのバッティングは魅力的やけど、あの守備じゃあプロには行けへんな
１３３：１２５＞まだ１年なんやからこれからやろ
１３６：アンチスレではあの１年にパワプロからホームランを打つのを期待しとったみたいやけど、早速手の平を返してるわｗｗｗ
１４１：アンチスレは今日も平常運転なのであった
これで本日の投稿は終わりです。
また来週お会いしましょう。