沢村栄純。
軟式野球出身で中学時代は無名の選手。
左投げ左打ちの投手でバントが非常に上手い…といったスカウティングメモを見たロジャーズのスカウトであるベックはマウンドにいる沢村に目を向ける。
「『まだ線は細いけど、非常に可能性を感じさせてくれる選手だね。』」
秋の高校野球選抜東京地区大会の第３回戦、仙泉学園との試合で先発している沢村の投球を見ながら、ベックはメモ帳にスラスラと何かを書き込んでいく。
「『僕個人としては沢村の方が降谷よりも好みの選手だ。』」
溌剌とした雰囲気を持ってマウンドで躍動している沢村を見て、ベックは笑みを浮かべる。
「『しかし、どうも日本では降谷の方が沢村よりも評価が高いみたいだね。僕の評価では降谷が沢村を上回っているのは球速ぐらいなんだけどなぁ…。』」
そう言ったベックは苦笑いをしながら頬を掻く。
野球界ではスピードガンが導入されてからとある考えが広がっている。
１５０kmの壁、１６０kmの壁…といった考えだ。
アマチュアに限らずプロの選手でもこの壁にこだわる選手は多い。
プロの一流選手の技術ともなると理論化出来ずに感覚的にしか説明出来ない事が多々ある。
しかもその感覚的なものは、同じプロの選手でも理解出来ない事があるのだ。
それに比べれば１５０kmの壁などは数値化されているので非常にわかりやすい。
また日本人投手に１６０kmの壁を超える事が出来た者が長年現れていない事もあり、プロアマどころか日本の野球ファンでさえも球速に対するこだわりが大きくなっているのだろう。
「『まぁ、おかげで沢村に接触しやすいのはありがたいかな。今はパワプロと御幸を確実にアメリカにつれていくのが優先だけどね。』」
カメラの電池残量を確認しながらそう言ったベックは、メモ帳を手に観戦を続けるのだった。
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沢村が投げている相手は東京地区大会でベスト８の常連になりつつある強豪校候補の仙泉学園なのだが、そんな仙泉学園を相手に沢村はランナーを出しながらも５回まで無失点で抑えていった。
１４０km台の真っ直ぐをバンバン投げていた降谷に比べて、沢村は１３０km前後の真っ直ぐと少し見劣りをしてしまう。
持ち球にツーシームとチェンジアップもある沢村だが、１３０km前後のボールならばそう突出したものでもないというのが正直なところだろう。
だが、仙泉学園打線はあと一歩のところで沢村から点を奪えていない。
この事が某ネット掲示板では話題になっていたのだった。
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【怪物】パワプロを応援するスレ１３５【ラスボス】
１：このスレはパワプロこと葉輪 風路を応援するスレです
アンチは別スレに移動をお願いします
次スレは８００を踏んだ奴が建てるように
５２３：今の高校野球では１３０kmなんて珍しくないやろ？
なんで仙泉学園は打ち込めへんのや？
５２８：５２３＞キレがいいんやろ
５３３：５２３＞コクがいいんやろ
５４０：５２３＞のどごしがいいんやろ
５４４：５２３＞キンキンに冷やすのを忘れずにな！
５５１：５２８、５３３、５４０、５４４＞いい連携やなｗｗｗ
５５５：解析班！解析班はおらんのか！？
５７６：ピッチャーのボールは打席に立ってみなわからんところがあるけど、
打者の反応を見るにタイミングが取れてへんみたいやね
５８６：投球フォームはそこまで変やないな。という事はボールの出所が見にくいんか？
５９２：左の変則ピッチャーか…ラスボスの弟子ってところやろか？
６０６：５９２＞笑顔で投げている所を見ると、その線が濃いと思うで
６１３：現状ではラスボスの下位互換ですらないけど、これはこれでいいピッチャーやな
６１７：打の青道やなくて投の青道やなｗｗｗ
６２０：６１７＞それなｗｗｗ
６３９：アンチスレではラスボスが投げたり引っ込んだりするのを
舐めプ言うてるけど、どうなんや？
６４５：６３９＞対戦相手に敬意を払ってるかどうかは別として、
舐めプに見えてもしゃあないやろな
６５０：アンチスレではラスボスが舐めプしている方向性で叩き始めとるなｗｗｗ
６５７：ラスボス程のピッチャーを潰すぐらいなら舐めプと謗られる方がマシやろ。英断や。
６７３：ちなみにお前らは青道と試合するとしたらどう思う？
６８２：６７３＞勝つならラスボスに投げてほしくない。思い出作りなら投げてほしい
７０５：６８２＞その通りやなｗｗｗ
７１７：アンチがどう叩こうともラスボスに投げさせるだけの力がない対戦相手が悪い
７３８：興行の事とか高校野球の健全性を持ち上げて叩くマス○ミが現れそうやな
７４１：７３８＞フラグやめぇや！ｗｗｗ
７４８：世間が煽りに煽って投げさせ続けた結果、プロに行く頃には
肩ボロになってた選手が何人いると思ってんねん！
７５６：片岡監督には周囲の声に負けずにラスボスを大事にしてもらいたいものやな
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某ネット掲示板での懸念が当たったのか、青道高校と仙泉学園の試合の後に高校野球の健全性を持ち出してパワプロの起用法について言及する記事が世間に流れた。
しかしプロの選手達がアマチュア時代の投げ過ぎについて語った事でこの話題が鎮火すると、今度は片岡監督のパワプロ起用について擁護する様な記事が世間に流れ始めたのだった。
これで本日の投稿は終わりです。
また来週お会いしましょう。