『パワプロ成長』でダイヤのA   作:ネコガミ

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本日投稿4話目です。


第259話★

『さぁ、春の選抜甲子園大会の決勝戦、奇しくも秋の選抜東京地区大会と同じ組み合わせになった青道高校と明川学園の試合も終盤となる8回が始まりました!解説の――さん、ここまでの試合状況を見てどう思いますか?』

『明川学園のエースである楊くんは最後の大会とあって気合い十分な様子ですが、彼は決勝戦まで一人で投げ抜いてきたので疲労が溜まっている様ですね。それに比べて青道高校のエースである葉輪くんは選手層の厚さに恵まれて体力が十分に残っています。このまま両チームに得点が入らず延長戦に突入したら俄然青道高校が有利になりますね。』

 

春の選抜甲子園大会を決勝戦まで勝ち抜いてきた両校だが、その内容は真逆だった。

 

組み合わせに恵まれた青道高校は東条と沢村の二人を先発として、降谷と川上をリリーフとして使いこの決勝戦まで投手パワプロを温存して勝ち上がってきた。

 

対して明川学園は大阪桐生高校や巨摩大藤巻高校といった強豪との試合を制して勝ち上がってきた。

 

これによって楊の評価は激増したが、代わりに青道高校との決勝戦を戦うには不安な疲労を残してしまっている。

 

しかし気力が充実している楊は、青道高校相手に見事なピッチングを見せていた。

 

『おっとぉ!楊選手、8回の表も青道打線を0で封じ込めました!』

『得点圏にランナーを背負う場面もありましたが、最速148kmの真っ直ぐと100km台前半のスローカーブの緩急が効いて、青道打線に的を絞らせませんでしたね。』

 

8イニングを終えて無失点、0四死球、8奪三振と正にエースのピッチングを披露する楊の姿に、甲子園球場のスタンドから惜しみ無い拍手が降り注ぐ。

 

『さぁ、8回の裏のマウンドに青道高校のエースである葉輪選手が上がりました。解説の――さん、葉輪選手のここまでのピッチングをどう見ますか。』

『7イニングを投げてランナーを一人も出さずに19奪三振。こう言ってはなんですが、葉輪くんが投げる時には見慣れた光景ですね。プロでも一流の投手が高校野球にいる様なものですよ。』

 

解説者がかつて怪物と呼ばれて高校野球界を騒がせた一流投手達と同じ様な賛辞をパワプロに送るが、多くの者が彼と同じ感想を持っていた。

 

『葉輪選手!4番から始まった8回の裏も三者連続三振で切り抜けました!』

『高校野球における左投手の最高球速記録を塗り替えた158kmの真っ直ぐにあのスライダー…打てるボールがありませんでしたねぇ。』

 

呆れた様な口調の解説者に、実況者は苦笑いをするしかなかった。

 

その後も楊とパワプロは無失点で抑え、春の選抜甲子園大会の決勝戦は延長戦へと突入するのだった。

 

 

 

 

【怪物】パワプロを応援するスレ199【ラスボス】

 

 

1:このスレはパワプロこと葉輪 風路を応援するスレです

  アンチは別スレに移動をお願いします

  次スレは800を踏んだ奴が建てるように

 

 

334:楊とパワプロの投げ合いの決着は延長戦に持ち越しかぁ…

 

 

339:もっと二人の投げ合いを見ていたいけど、

    楊の肩肘が心配だから早く終わってほしいジレンマ

 

 

345:お前ら…ラスボスが高校野球で左の最高球速記録を塗り替えた事に何かないんか?

 

 

353:345>ラスボスなら塗り替えると思ってたし

 

 

360:345>どうせラスボスなら160kmを投げるし

 

 

367:345>もうラスボスだからでいいやろ

 

 

370:353、360、367>お前らwww

 

 

377:アンチスレではスピードガン盛るなって騒いどるわwww

 

 

383:377>勝てとは言わんからヒットを打てと騒いどるのを忘れたらあかんで!

 

 

411:しっかし現場では楊の応援の方が多いなぁ…

 

 

415:411>楊は努力の結晶、ラスボスは才能の塊って対比されとるからな

    楊に感情移入する奴が多いんやろ

 

 

419:415>140kmも投げられんワイから見たら楊も才能の塊やぞ!

 

 

450:延長12回に入ってから明らかに楊の息が上がってきおったな

 

 

456:今の高校野球って延長戦は15回までやっけ?

 

 

461:456>せやで

 

 

468:対してラスボスは笑顔で常時158kmを投げている模様w

 

 

472:468>無理ゲー過ぎるwww

 

 

475:勝ち負けは別にして、楊の肩肘の為にも再試合にならないとええなぁ…

 

 

 

 

春の選抜甲子園大会の決勝戦、青道高校と明川学園の試合は延長戦にまでもつれ込んだ。

 

明川学園の楊はよく奮闘したが最終回となる延長15回裏に、御幸にサヨナラタイムリーヒットを打たれて力尽きてしまう。

 

御幸のサヨナラタイムリーヒットでパワプロが延長15回を投げきっての完全試合達成が確定すると、青道高校は春の選抜甲子園大会の2連覇を達成したのだった。




次の投稿は午後3:34の予定です。

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