俺が6年生になって迎えるリトルでの最後の公式戦。
夏のリトルリーグ選手権大会が始まろうとしていた。
ちなみに、丸亀リトルの監督も今年で最後のようだ。
なんでも、丸亀シニアの現監督が高齢な事が理由で勇退するらしい。
そこで全国大会等の指揮の経験がある我らが監督が後継に指名されたようだ。
来年からも顔馴染みの監督が指導してくれるとあって6年生は嬉しそうな顔をしている。
そして、丸亀リトルの監督は一時的にコーチが代行するとの事。
期間はシニアの現監督が代わりを見つけるまでらしい。
コーチは野球経験無いからなぁ…。
それを抜きにすれば、練習後のケアの仕方とかを教えてくれる優秀な指導者なんだけど…。
まぁ、そんな感じで俺のリトルでの最後の大会が始まる。
俺はいつもの様に能力を確認する。
基礎能力
最高球速:105km(※105km)
制球:S
スタミナ:B
変化球:カーブ3(※3)
球速を上限まで成長させる事が出来た。
これ以上はシニアに行ってからだな。
続けて野手能力も見ていこう。
基礎能力2
弾道:2
ミート:C
パワー:C
走力:B
肩力:B
守備:B
捕球:B
野手能力もかなり成長出来たんじゃないかな?
打撃練習でホームランを打つ事も出来る様になったので試合が楽しみだ。
特殊能力は特に増えていないので割愛する。
こんな感じの能力で俺は最後の大会に挑む。
春のリベンジだ!
やってやるぜ!
◆
夏のリトルリーグ選手権大会の東京地区予選。
俺達、丸亀リトルは決勝戦まで勝ち進んだ。
ちなみに俺は三回戦で公式戦初のホームランを打つ事が出来た。
ひゃっほい♪
決勝戦の相手は準決勝で松方リトルに勝った江戸川リトルだ。
この3年、なんだかんだで御幸とは縁があるなぁ…。
最後も勝たせてもらうぜ!
◆
夏のリトルリーグ選手権大会、東京地区予選の決勝戦の二回の裏。
俺は先頭打者の4番バッターである御幸にホームランを打たれた。
御幸は右腕を突き上げながらベースを回っている。
「嬉しそうな顔をしてるねぇ…。」
インローのフォーシームを見事に捉えられた俺は苦笑いするしかない。
ベースを回っている御幸と目が合った。
御幸は俺にサムズアップして来た。
俺は舌を出して返事をする。
へんっ!次は三振にしてやるからな!
御幸にホームランを打たれた事で試合は1-1の同点になってしまった。
先制点を取られて直ぐに追いついたからか、江戸川リトルの
ベンチは活気づいている。
「いいね!そうこなくちゃ!」
俺はマウンドで笑みを浮かべる。
本当のエースなら戦いの流れを引き寄せる様な投球が出来るのかもしれない。
でも、俺に出来るのは野球を本気で楽しむ事だけだ。
なら!とことん楽しまなきゃな!
◆
葉輪からホームランを打ってベンチに戻ってきた俺は、祝福の紅葉を背中に作った。
「いてて…まぁ、この痛みも嬉しいもんだ。」
俺は防具を着けながらマウンドの葉輪を見る。
「同点に追いつかれる…しかも、ホームランを打たれてだ。それなりに動揺する筈なんだけど…。」
マウンドの葉輪は「ごめん!打たれた!」とか言っている。
そんな葉輪に他のチームメイトが口々に「ドンマイ!」と葉輪を盛り立てている。
「崩れねぇなぁ…。」
俺は苦笑いするしかない。
「ほんと、いいピッチャーだわ。」
俺の後のバッターは三者三振で抑えられた。
「さて、リトルで最後の大会…1回ぐらいあいつに勝たないとな。」
そう呟きながら俺はキャッチャーボックスに向かう。
だけど、その後は葉輪から得点する事は出来ず1-3で負けてしまう。
こうして俺達、江戸川リトルの夏は終わった。
そして俺達に勝った丸亀リトルは、全国優勝という最高の結果で夏を終えたのだった。
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