『パワプロ成長』でダイヤのA   作:ネコガミ

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本日投稿2話目です


第48話

延長戦までもつれ込んだ激闘の末、俺達丸亀シニアは城南シニアとの試合に勝った。

 

両チーム合わせてヒットは一本。

 

俺は成宮との投げ合いを制して、シニアリーグでは初めてとなる完全試合を達成した。

 

そんな試合だったせいか、試合の後に俺は色んな高校のスカウトの人に声をかけられた。

 

だけど、スカウトの人達にハッキリと「俺、青道に行きます!」というと、ほとんどの

スカウトの人達がいなくなった。

 

残ったスカウトの人は礼ちゃんだけだった。

 

あ、礼ちゃん。

 

見に来てたんだ。

 

え?スカウトとして両親に挨拶?

 

父さんと母さんならあそこにいるよ。

 

俺が指差す方を礼ちゃんが見ると、そこには揃って頭を下げている両親がいた。

 

ん?何で父さんは母さんに背中をつねられてるんだ?

 

礼ちゃんは「全国大会も見に行くわ」というと、俺の両親の元に歩いていった。

 

「パワプロ!」

 

礼ちゃんを見送ると、成宮が俺に声を掛けてきた。

 

「高校野球だ!勝負の続きは高校野球でやるぞ!」

 

成宮が俺を指差しながらそう言ってくる。

 

…いいね!

 

「おう!高校野球でも、また投げ合おうぜ!」

 

俺が笑顔で成宮に応えると、成宮は鼻を1つ鳴らしてから走り去っていった。

 

 

 

 

夏のシニアリーグ選手権大会の全国決勝トーナメント。

 

俺達、丸亀シニアは順調に勝ち進んでいった。

 

俺は一回戦、三回戦共に完封して二桁奪三振を達成したぜ。

 

そして迎えた決勝戦。

 

順調にスコアボードに0を積み重ねていく。

 

そして、俺は七回の裏のマウンドに向かうのだった。

 

 

 

 

全国大会の決勝戦のマウンドに立つ俺の耳に、観客の人達のざわめきが聞こえている。

 

「みんな、ざわめいてるねぇ。」

「まぁ、全国大会の決勝戦でノーヒットノーラン目前だからな。」

 

俺の言葉に一也がそう切り返してくる。

 

そう、一也の言う通りにノーヒットノーラン達成まであと1人に迫っているのだ。

 

「一也、最後まで楽しんでいこうぜ!」

「おう!」

 

俺と一也はマウンドの上でグローブとミットを笑顔で合わせる。

 

一也がキャッチャーボックスに戻っていき、プレイが再開される。

 

バッターボックスには唇を固く結んだ打者がいる。

 

「行くぜ、一也!」

 

俺は一也のサインに頷くと投球モーションに入る。

 

そして俺が投げたボールは、一也が構えるミットに吸い込まれる様にして入っていくのだった。

 

 

 

 

夏のシニアリーグ選手権全国大会の決勝戦。

 

俺はノーヒットノーランを達成した。

 

そして、表彰式で今大会のMVPに選ばれた。

 

ひゃっほい♪

 

ちなみに丸亀シニアからは、一也と白河がベストナインに選ばれていた。

 

こうして俺の中学生最後の夏は、最高の結果で終わりを迎えたのだった。




次の投稿は11:00の予定です

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