『パワプロ成長』でダイヤのA   作:ネコガミ

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本日投稿3話目です


第69話

今日は春季大会の東京地区予選の、第3回戦だ。

 

いよいよ俺の高校野球デビューの日がやって来たぜ!

 

しかも、相手は成宮達がいる稲城実業なのだから、俺のモチベーションは

非常に高くなっている。

 

高くなっているのだが…稲実のベンチを見ても、成宮のあの特徴的な髪色が見当たらない…。

 

「どうした、葉輪?」

 

試合前の肩作りをしながら、稲実のベンチをチラチラと見ている俺に、

肩作りの相手をしてくれているクリスさんが声を掛けてきた。

 

「クリスさん、成宮達の姿が見当たらないなぁと思いまして。」

 

俺がそう言うと、クリスさんは苦笑いをした。

 

「葉輪、高校野球に限らずシニアとかでも、この時期の新入生は身体作りが基本だ」

「そうなんですか?」

 

俺はクリスさんの言葉に首を傾げながら返事をする。

 

「それと、春季大会前に片岡監督が言っていた様に、夏の大会前に、同地区の高校には

 あまり情報を与えたくないという事情もあるだろうな。」

「なるほど。」

 

つまり、成宮達は秘密兵器という事か。

 

カッコいいじゃないか!

 

「納得したなら、アップを続けるぞ。」

「はい!」

 

そう返事をした後、俺は球場の雰囲気を楽しみながらアップをしていくのだった。

 

 

◆

 

 

「ほら!やっぱりパワプロは試合に出るじゃん!」

 

春季大会の東京地区予選の第3回戦となる、青道と稲実の試合が行われる球場のスタンド。

 

そこには、試合を見学する稲実の1年生達の姿があった。

 

そして今声を上げたのは、パワプロが稲実のベンチに目を向けて探していた成宮である。

 

「鳴の勘が当たったな。」

 

肩作りをしているパワプロを見ながら、成宮にそう返事をするのはカルロスだ。

 

「青道は打撃では有名だけど、投手はそうでもないからね。だから、パワプロに

 投げさせるんじゃない?まぁ、パワプロなら夏の大会前に、ある程度情報を取られても

 大丈夫とか思っているのかもしれないけどね。」

 

成宮達と並んで見学をしている白河が、言葉に少し皮肉を込めてそう言うと、

成宮が噛みつく様に声を上げた。

 

「俺だって情報を取られても大丈夫だし!」

 

そう言いながら成宮は、カルロスと白河に顔を向けるのだが、2人はパワプロの動きを

集中して見ているので、成宮が見ている事に気づかない。

 

そんな2人の様子に、成宮は面白く無さそうに鼻を鳴らすと、

自分もパワプロの観察を始めたのだった。

 

「先に高校野球デビューするのは譲ってやるよ。でも、甲子園には俺が行くからな!」

 

 

◆

 

 

さぁ、いよいよ稲実との試合開始だ!

 

だけど、試合開始の挨拶に向かう前に、俺は片岡さんにある制限を言われるのだった。

 

「葉輪、この大会、カーブ以外の変化球を使うな。」

 

カーブ以外の変化球禁止?

 

「よくわからないけど、わかりました!」

 

俺が片岡さんに敬礼しながら返事をすると、片岡さんの後ろにいた太田部長が

オロオロとしている姿が目に入った。

 

太田部長はどうしたんだ?

 

トイレにでも行きたいのかな?

 

そんな事を考えながら首を傾げていると、ベンチでスコアブックを手にしている

貴子ちゃんと目が合う。

 

貴子ちゃんは両手をキュッとして俺を応援してくれた。

 

行ってくるぜ、貴子ちゃん!

 

俺は貴子ちゃんの応援にサムズアップで応える。

 

「葉輪!整列や!」

 

おっと、東さんが呼んでるから急ごう。

 

こうして、俺の高校野球デビュー戦が始まるのだった。

 

お願いします!




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